ちゃんと日常生活で着られる｢和の普段着｣を目指して。

私たちは和の素材を使い、和のデザインで作った「和の普段着」の確立を今まで目指してきました。そして、これからも目指していきます。もはや日常に溶け込んだ洋風な格好も当然いいのですが、少しでも日本人自身が自分たちを見直すきっかけなればいいかなと思って。ただ、伝統的な和装はどういうわけか、ダサいとか古いとかそういったイメージで見られることも多く、普段着で着ていたら当然人の目が気になります。なので、ほんと「伝統と普段着のちょうど狭間」くらいのちょうどいいところを目指して製品を開発してきました。この考えのもと、2022年10月にこのマクアケにて行ったプロジェクトが「シン羽織」というアイテムです。

こちらは、伝統的な「羽織」を現代風にアレンジしたアイテムなんですが、初めてのアパレル製品、しかも初めてのマクアケ挑戦だったのにも関わらず、このようにかなり多くの反響をいただきました。もちろん当時としては一番良いと思ったデザインを追求して開発していたのですが、自身で着ていくうちに色々と新たに変えていきたいところが見えてきたんです。「（初代の試作から）作りはじめてもう約２年も経つしな、、、」そのため今回、その「シン羽織」を新たにリニューアルし「新・シン羽織」としてマクアケでスタートすることにしました！

「新・シン羽織」の基本のデザイン特徴。

１．広すぎない袖口

通常の羽織は大きく袖口が開いているのが特徴ですが、それをギリギリまでスリムにし、“旅館感”をなくしました。

２．長すぎない丈感

丈が長すぎると同じく“旅館感”が出てしまうので、カーディガンのようなミディアム丈をやや長くした絶妙な長さに致しました。

３．大きく開いたスリット

歩いているときに軽やかな印象を出し、風を受けひらひらとなびく優雅な動き出すために、背面に大きく開いたスリット（センターベント）を取り入れました。

４．丈先までの太目の襟

襟（衿）は4.5ｃｍの太目仕様。丈の先まで太目の襟が続くので伝統的な羽織のような風合いに。

５．和紙１００％の生地

“特殊な加工”で柔らかくした和紙100％の生地（織り）を使用しています。少し光沢のある独特な質感で、和感を演出します。

●UVカット効果も

春秋の着用はもちろん、夏場の暑い日でも腕の日焼け防止として使用可能です。本製品の生地（和紙１００％）には高いUVカット効果（95.3 %のUVカット効果）があります。※第三者機関調べ

●もちろん日本製

日本国内で生産された和紙１００％の生地を使い、日本国内の工場で裁断・縫製を行っております。和のデザインを、日本で作ることにこだわっています。

前回の「シン羽織」からここが進化した！

基本のコンセプトは変わらずに、大きく分けて４つの新要素を新しく追加。

１．見た目の美しさの向上。

従来の直線的な型に比べて、「サイド」「前面の丈」「背面の丈」に流れるような角度を持たせ、より動きのある優美な形に仕上げました。

特に重要視したのは丈と袖の一体感。着用したときに丈と袖の角度が同じくらい斜めになるように設定しているので、ほら見てください。こんな綺麗なシルエットに。

また、サイドの部分の丈が最も短くなるので、ポケットに手を入れたときにも綺麗に見えます。

２．より立体的に。

従来のものは着用しているときに袖の後ろ部分がこのように見えてしまうことが気になっていました。

そこで、袖の前と後ろで生地の長さを変えて立体感を出すことで、あらゆる場面で後ろの袖が見えにくくすることができました。

それでいて、背面から見ても袖に違和感がありません。

３．より動きやすく。

従来のものは少し堅苦しく動きにくい印象があったので、アームホール（袖と本体の繋ぎ合わせの部分）を少し（2cm）広げて腕を動かしやすくしました。着用する際も楽になりました。

４．「留め帯」でスタイルチェンジ。

収納／着脱可能な「留め帯」を新しく配置することで、場面によって着用スタイルの変更が可能になりました。もちろん「留め帯」も和紙１００％です。

留め帯をしていると少しだけカチッとした印象があるので、落ち着いた雰囲気のファッションにもおすすめです。また、風の強い日は本体が動きすぎるのを防止してくれます。

「留め帯」を使わない際は、このように本体の裏側（普段外からは見えません）に収納可能です。

“外から見えない”というのがかなりポイントで、「留め帯」収納時の見た目のスマートさを損ねません。また「留め帯」の両端がスナップボタン式で取り外し可能なので、必要のない場合は本体から取り外すことでよりシンプルに着用可能です。

以上４つの新要素をプラスしたのが今回の新しい「新・シン羽織」です。

和紙１００％の生地（織り）に関して。

こだわっているのは、デザインだけでなく「和紙１００％」で作る羽織です。和紙１００％の生地はかなり和の風合いの強い生地で「和」感を出すのにピッタリです。でも、そんな和紙１００％の生地（織り）が実は結構クセモノで、生地が硬すぎるんです。生地の柔軟化は必須と考えその解決方法を探し、生地の生産工場とは別の工場で特別な加工（ノンケミカル）を施すことで生地がふんわり柔らかくなることを突き止めました。

そもそも、和紙生地に綿やポリエステル等が混じっている和紙混合生地とは違い、和紙１００％の生地はかなり高額ですが、その加工を施すとさらに加工賃が発生し、加工に時間がかかり、加工の影響で生地自体の面積が小さくなり、コスト、手間、納期、その全てがかさむことになってしまいます。しかし、それでも全てを度外視しこの加工を施して製品化すことに決めました。

和紙１００％生地の製作風景

そして、この生地は日本の工場で熟年の匠の技術によって作られています。和紙１００％の織生地なのに、ふんわり柔らかく扱いやすい特別な生地を是非体感してください。

和紙の生地に関して

「和紙１００％」の生地は毛羽が無いので皮膚が敏感な方でも気にせずお使い頂けます。また、自然から生まれているのでその全てを土に還すことができる地球環境にとっても優しいエコロジーな生地です。

スタイルブック

このように普段着として日常に溶け込みます。

背中に手をやると、雰囲気出ますね。

ポケットに手を入れるのも似合います。

少しやんちゃな帽子スタイルにも全然似合います。

リュックスタイルも特に問題なくOK。

寒いときはダウンベストを上に。結構おすすめです。

サイズチェック！

・モデルA：身長167cm 体重70kg 　着用サイズM～Ｌ

筋トレをしているので、結構がっちり体型です。身長は低めですが、通常体型より体重が重く、よって身長が低めの場合でも体型によって着用サイズはM～Ｌが適切です。

・モデルB：身長177cm 体重75kg 　着用サイズM～Ｌ

身長が高めで、年齢体型のため少しふっくらとしている印象。年齢体型の方は大き目のサイズを選ぶといいと思います。今回の場合、Ｍ～Ｌサイズが適切ですが、この1つ上のサイズでもギリギリいいっちゃいいと思います。

●適応サイズ目安

●「～170cm」標準体型

　➡Ｓ～Ｍサイズ

●「～170cm」体重有り

　➡Ｍ～Ｌサイズ

●「170cm～180cm」標準体型

　➡Ｍ～Ｌサイズ

●「170cm～180cm」体重有り

　➡Ｌ～ＬＬサイズ

●「180cm～」

　➡Ｌ～ＬＬサイズ

どのサイズに当てはまるか心配な方はご相談いただければお答えします。

仕様

品質表示：分類外繊維（和紙）１００％

カラー：黒

【Ｓ～Ｍサイズ】 着丈：73cm 身幅：50cm 袖丈：44cm 肩幅：46cm

【Ｍ～Ｌサイズ】 着丈：76cm 身幅：54cm 袖丈：44cm 肩幅：50cm

【Ｌ～LLサイズ】 着丈：82cm 身幅：56cm 袖丈：46cm 肩幅：52cm

使用上の注意

●普段のお手入れについて

和紙１００％生地の性質上はじめは少し固めですが、着ている間にいい感じ馴染んでいきます。シワが寄りやすいので、シワが寄ってしまったら霧吹き等で水を吹きかけ整えればすぐにシワは目立たなくなります。ただ、少しのシワは“粋（イキ）”でもあるのでそこまで気にしなくてもいいとは思います。

●「留め帯」の着脱に関して

「留め帯」のスナップボタンは少し固めでしっかりしたものを使用しております。本体からスナップボタンを外す際は、生地に負担がかからないよう優しく取り外してください。何十回と着脱を試して特に問題はありませんでしたが、優しく外した方が良さそうです。

●洗濯方法

普通に洗濯洗いできるので、普段通りに気にせず洗濯し乾燥時にはシワを手でよく伸ばして乾燥させてください。一つだけ注意して欲しいことがあります。それは、「洗濯ネットは使わないで」ということ。洗濯ネットに入れて洗濯したのち乾燥させると生地に乾燥跡が付いてしまうからです。また、乾燥機にかけるのは生地が傷むので絶対にやめてください。

ブランドについて

「やみ、くも。」というブランドネームです。右も左もわからずプロジェクトをやみくもに進めてきたので。あと裏のテーマは「一縷の光を」で普段の生活で光を纏えるようにという想いで付けました。あとは、やはり日本語のブランドネームしかないという一心で。

最後にひとこと。

こんにちは。今回のプロジェクト担当の伊藤です。振り返ってみると最初に今回のリニューアルの試作をはじめたのが2023年12月でした。何度かの修正を加えて完成したのがつい先日ですので、約半年間試作をしていたことになります。試着しては修正を加えて、また試着しては修正を加えて、やはり元に戻して再度修正し直したり、試着した感じはいいのにいざ写真を撮ってみるとイメージと違ったり。この連続です。この工程は行って当然のことと思いますが、時間と労力とコストが結構かかりました。はじめはもっと単純に作り変えようと思っていましたが、やっぱそういうわけにはいきませんね。手を抜くと次がないので、妥協せずにやってきました。その分なかなかこだわったモノが出来たと思うので、もし良かったら応援購入していただければと思います。今後も引き続き和の素材を使い、和のデザインで作った「和の普段着」の確立を目指いしていきます。宜しくお願いします。