ウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の旧今津郵便局（木造2階建て 延べ床面積 204㎡）は、現在、「ヴォーリズ今津郵便局の会」が管理運営しています。補修し、建物を活用しているのですが、登録文化財になった建物（昭和11年建築）を次代へ引き継ぐためには、耐震改修工事（地震で倒れないようにする補強工事）が必須です。今回は、その端緒として、このクラウドファンディングの資金を元に、耐震診断調査 及び 耐震補強基本計画策定を、実施したいと考えています。
　その後、その結果を元に、今後の耐震改修の手法、予算等の策定を行い、実際に耐震改修工事を行おうと考えています。
　私たちに今回必要な資金は50万円です。多数のみなさなのご協力をお願い致します。

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　明治38年（1905）、英語教師として滋賀県近江八幡に来日したヴォーリズは、その後、建築家・実業家・そしてYMCA活動等、多岐にわたり日本で活躍しました。建築関連では、設計事務所を主宰して、キリスト教関連施設から、住宅、学校、病院、商業施設など、1500件以上の西洋建築を手がけました。
　大正3年（1914）ガリラヤ丸を琵琶湖に進水させ、布教活動のため今津の地にやってきたヴォーリズは、仲間と共に、キリスト教会のなかった今津で布教活動を始めました。そして、少しずつ地域の人々に受け入れられ、ヴォーリズ建築事務所の設計による今津教会、旧百三十三銀行今津支店、旧今津郵便局などが建てられました。それらは用途を変えながら、現在も使われ続けています。ヴォーリズの思いは、今なお今津の地で様々な形で生き続けています。
　今津にあるヴォーリズ通りには、その貴重な近代建築が３棟並んでいて、それらはいずれも国の登録文化財となっています。

●　WIKI－W・M・ヴォーリズ　　　　●　ヴォーリズの建築作品リスト（全国）






　旧今津郵便局は、昭和11年(1936)に建築され、昭和53年(1978)郵便局が新築移転されて以降、空家となりました。平成25年(2013)のある日、今津に移り住んだ一人の建築家が自宅近くを散策していると、その空家になって久しいすさんだ近代建築が目に留まりました。その通りの表示板には「ヴォーリズ通り」彼は、現在では少しさびれたその通りに、三棟ものヴォーリズ建築が並んでいることに驚くと共に、この活用されていない旧郵便局を何とか再生する方法はないかと考え始めました。その建築家が、現在の「ヴォーリズ今津郵便局の会」代表の大石義一です。



　その後、彼と同じ思いの仲間が集まり、持ち主の了解を得て、「旧今津郵便局を守る会」が立ち上がりました。活動は、建物内の清掃から始まりました。埃を落とし、建物に絡み付いていた蔦を取り除くなどの手入れをすると、建物はたちまち呼吸を始めたかのように、往時の姿を取り戻していきました。空家のままであったがゆえに管理の行き届かなさはあったものの内部の改装はほとんどなされてませんでした。そのため、きれいに掃除をして改めて建物を見てみると、郵便局舎としての機能が止まった昭和の時代にタイムスリップしたようなヴォーリズ建築の空間がそこに現れました。


　
その後、この建物は「登録有形文化財」として国の登録を受けることが出来ることとなりました。　最近では、円柱型の旧式ポストが、現役時代と同じ場所に復活し、ますます往時の郵便局に近くなった姿を見せています。





　ヴォーリズ今津郵便局の会では、この建物の活用を図るため、コンサート、寄席、講演会、ワークショップ等を開催し、多くの人に旧今津郵便局にお越しいただいています。





　この建物は、登録有形文化財となってはいますが、個人所有であるが故に、市など公共の補助で建物を改修するということが制度上できません。任意団体である「ヴォーリズ今津郵便局の会」の手弁当で、建物を改修工事等を行うには限界があります。そのため、今回の企画を考えました。
　また、クラウドファンディングということを通して、この建物の価値を広く知らしめたい、という思いもありました。
　当地（滋賀県高島市今津町）は、大きな地震が発生する可能性が高い琵琶湖西岸断層帯と呼ばれる活断層があります。この断層が活動すると、当地では、最大震度７の揺れが想定されています。建築当時の構造的配慮はなされているヴォーリズ建築ですが、そうした大地震に耐えられる保証はありません。みんなの思いで再生されつつある旧今津郵便局を地震から守り、次世代に残すために、との思いからこのプロジェクトが始まりました。


 

　ヴォーリズ今津郵便局の会は、市民・関係者が協力して、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した今津郵便局の保存と建物が持つ価値を活かした活用を図ることを目的とした会です。次のような活動をしています。

①ヴォーリズ今津郵便局の保存修理および管理協力
②ヴォーリズ今津郵便局の価値を活かした活用および周辺地域の活性化推進
③ヴォーリズ建築に関する情報収集・交換・研修
④その他本会の目的を達成するために必要な活動

私達に今回必要な資金は５０万円です。この資金で、まず耐震調査に取り組みます。
今回の使途は、耐震診断調査費 及び 耐震補強基本計画策定費です。

多数のみなさなの、ご協力をお願い致します。