『聴こえなかった人、聴けなかった人』が『聴こえる、聴ける』をコンセプトに、気導によるイヤホンでは音が聴こえなかった人や、今まで音を聴けなかった人が、聴こえる人と同じようにいい音を聴くことができる、ユニバーサルデザインの骨伝導イヤホンです。

Viboneは聴くことができない人だけでなく、「聴こえなくならないように予防する目的で」一般の方々も使用できるような設計になっています。

通常の音響機器とは違い、鼓膜に負担をかけないため難聴のリスクを軽減することができます。

■骨伝導を世界で初めて科学したユニバーサルデザインのイヤホン

　骨伝導は、人体の組織を介して音声振動を内耳へ伝達するテクノロジーです。

従来、骨伝導は音響テクノロジーとして考えられていましたが、つき詰めていくと力学でとらえなければならないことに気づきます。

ちなみに振動波の伝導は、振動源から発せられるエネルギーと支持する支持点の反力の大きさに比例するということです。と、言うことはしっかり支持（装着、固定）しなければエネルギーが逃げてしまうということです。

従来の骨伝導イヤホンは、通常のカナル型イヤホンのように耳穴に差し込んで支持するものや耳たぶにクリップして支持するものでした。

この支持構造では挿入部やクリップの接点だけが固定され、振動部は固定されておらず空振り状態です。これでは振動が充分伝わらず振動エネルギーのロスが生じ、それが音漏れになっていました。

Viboneは 振動部と装着部を一つにして、振動源そのものをダイレクトに掴み、振動エネルギーを効率的に内耳に伝導し、同時に音漏れも解消します。(特許第4772930）

骨伝導イヤホンに最適な振動子、それが圧電セラミックス（以下PZT)振動子です。

電荷が掛かると自体が歪み振動を生み出します。周波数帯域も20Hzから20kHzと広く、構造がシンプルでメカニカルなトラブルを生じません。さらに軽量で装着に負担がありません。

良い事づくめのようですが、弱点もあります。それは出力不足です。

PZT振動子の出力は面積に比例します。小型化をすると出力が低下するわけですが小型化は譲れない条件です。

耳に直に装着する、できれば小さな子供の耳にも装着できるサイズ…。

トライ＆エラーを繰り返し辿り着いたのがマルチモルフ化（積層化）です。Viboneには１０φのヘキサモルフ（6層）のPZT振動子を採用しています。(特許出願中「特願2017-092038」）

イヤホンは直接耳に触れるもの、とりわけ骨伝導イヤホンは密着し固定されることが要件です。それだけに皮膚への刺激や負担を最小限にすることも求められます。

そうした目的で選んだ素材がシリコーンです。

イヤホンのボディには皮膚との音響インピーダンス(1.52Mkg/m3・ s)と抗菌性を考えて硬度３０(JIS K 6253)の銀イオンを混込んだ抗菌シリコーンを、振動子ユニットには圧電セラミックス振動子の歪みを妨げずパワーを伝え、完全密閉で音漏れを防ぐ硬度30のシリコーンを採用。

さらに絡みつきにくく劣化の少ないテフロンコートのイヤホンケーブルを採用するなど、安全への配慮と高次元な性能を両立しました。

骨伝導を体験し、その不思議な感覚と可能性に取り付かれました。

知識やノウハウを求めていく中で、従来の骨伝導のセオリーを逸脱した装着方法を試したところ、音質、音域等に目を見張る改善が見られました。

これを聴覚障害者に試す機会があり、いままで音が聴こえなかった人が音を感じ、また、音は聴こえていたが、言葉として認識していなかった方の中で言葉が認識できる方が現れるという結果が生じました。

改良を加え、テストを重ねる度に、確率が増してきました。この革新的な骨伝導による音響伝達システム”ソリッドソニック”を事業化することで、日本のみならず世界中の聴覚障害者に福音を与えることができると確信し開発に踏み切りました。

スマートフォンと組み合わせて、通話、会話、音楽が楽しめます。

補聴機とスマートフォンを併せ持つのではなく、スマートフォン１台で通話や音楽鑑賞、さらにアプリをインストールして補聴器として会話することが可能になります。

・　商品名：Vibone

・　ボディ素材：銀イオン抗菌シリコーン(硬度30）、Gray（Transparent）

・　スリーブ素材：シリコーン(硬度３０）、 Turquoise Blue

・　カウル 素材：アルミ（カウル）、 Silver

・　ドライバー：ヘキサモルフ圧電セラミックス（6層）10φ振動子＋シリコーンラッピング

・　ドライバーラッピング：シリコーン(硬度３０）

・　サイズ：１５㎜（W)×25㎜（H)×25㎜（D)

・　重さ：４.7ｇ

・　ケーブル：7芯撚り銀線テフロンコート

・　ケーブル長：１２０cm

・　イヤホンパッド：Ｓ、M、L

・　周波数特性(振動子）：20Hzー20kHz

・　インピーダンス：３００Ω

▼　プロジェクトリーダー：ソリッドソニック合同会社 (兵庫県神戸市）

▼　プロダクトデザイン：ガモウプロダクトデザインスタジオ (大阪府 大阪市）

▼　圧電セラミックス振動子共同開発：株式会社PZT研究所 (山形県米沢市）

▼　シリコーンゴム製品共同開発：有限会社ジーティオー (大阪府 大阪市）

▼　電子部品組立加工：株式会社アルファー (大阪府三島郡島本町）

▼　精密部品加工：有限会社高橋製作所 (山形県米沢市）

聴覚障害者に試す機会が何度かありました。現状の補聴器に満足されていない方もおられました。

取り分け妙齢の女性は、難聴者と知られまいとして補聴器を使わないという方も多々おられます。Viboneはすべての難聴者の方に聴こえるものではありませんが、装用してみたい、試したいと思われる製品でありたいと願っています。

Viboneは健聴者の方が試されても、骨伝導イヤホンと気づく方は少ないと思います。形状もさることながら音質も自然で違和感がありません。

ユニバーサルデザインって、こういうことじゃないか、と改めて考える今日この頃です。

▼　音漏れはしますか？

　音漏れの原因は空気を振動させて音を伝える気道音です。イヤホンの内部に空洞ができると気道音が発生してしまい音漏れがします。

viboneは圧電セラミックス振動子をシリコーンで完全密閉しているので内部からの音漏れはありませんが、過度に音量をあげるとイヤホン自体や耳介を振動させて音がする場合があります。

▼　電磁波は発生しますか？

　耳孔に装着するviboneは脳への電磁波の影響が心配ですが、圧電セラミックス振動子は磁石やコイルを使っておらず電磁波は発生しません。安心してお使いいただけます。

▼　イヤホンは洗えますか？

　耳漏などで汚れた場合、水洗いしていただけます。抗菌シリコーンによる防水仕様になっていますので常に清潔に保つことができます。

▼　皮下脂肪があると伝わりにくい？

　振動の伝導には音響インピーダンスと言うものが関係します。振動を受け止める力と考えてください。

例えば、空気の音響インピーダンスは0.0004で、ほぼ振動は伝わりません。水は1.5、脂肪は1.5、筋肉は1.6、骨は3.5です。脂肪と筋肉の差は誤差程度と考えて良さそうです。

また、物質間に音響インピーダンスの差が大きいとハレーション（反射）が起こります。振動源側の材質も人体組織に近い音響インピーダンスのものが望ましいと言えます。

▼　音質は、悪いですか？

　骨伝導製品の多くは、ダイナミック型の振動子がが使われていますが、viboneはPZT振動子を使っています。

PZT振動子は超音波の発生装置にも使われているように、２０kHz以上の高音域も余裕で再生でき、特に音の立ち上がりの速さや粒立ちなど、気道音に負けない新鮮な音の魅力があります。

▼　耳孔に、装着するのは？

　骨伝導の多くは耳孔をあけて装着し、イヤホンの音と周囲の音が同時に聴けるからと謳っています。果たして、本当なのでしょうか。

きっと、骨伝導を理解してもらうために、敢えてこめかみあたりにつけて聴かせたことが曲解されて、都市伝説になったのではないでしょうか。

なぜなら、健聴者の場合、静かな環境下では耳孔があいていても骨伝導音は聴こえますが、喧騒下では気道音に負けて骨伝導音はよく聴こえません。そこで結局耳孔を塞ぐことに…。