自己紹介

明治32年（1899年）の創業。福井県永平寺町に佇む「田辺酒造」です。

蔵元のある永平寺町松岡は、福井市から永平寺・奥越へ向かう道中にあります。
町内には、霊峰白山山系の雪解け水が長い年月をかけ、清らかな自然の恵みとして、流れ着く九頭竜川が流れ、小さい町ながら、最盛期は17もの蔵元が軒を連ねた名醸地として知られてきました。

また約760年前に道元禅師によって創設された曹洞宗大本山「永平寺」があり、150名もの修行僧達が座禅と読経の日々を送っています。

「自然の万物に感謝する心」
「試練に立ち向かう心」
この町には、そんな禅の文化が根付いています。

蔵元兄弟で引継ぐ、昔ながらの酒造り

田辺酒造は、従業員数5名の小規模な家族経営の酒蔵で、現在は専務の田邊啓朗と杜氏の田邊丈路の兄弟が中心となり、蔵元を担っています。

田辺酒造の酒造りの特徴として、11月中旬からの「寒仕込み」のみを行っています。
おのずと酒造りの期間は短くなり、生産量は多くを見込めませんが、自然の寒さ、福井の風土に寄り添った酒造りを行っています。

また、和釜で湯を沸かし、米を蒸す作業に始まり、酒袋1枚1枚に醪を手作業で詰め、「酒槽」に積み上げて搾る「槽搾り」に至るまで、全てが昔ながらの手作業です。

効率化が叫ばれている現代において、やや時間と手間が掛かってしまう酒造りのやり方ですが、自然に寄り添い、粘り強く手造りに徹する、禅の精神にも似た「素」の酒造りを継承しています。

2人の父親で現社長の田邊邦明は、昭和63年にいち早く大吟醸造りに着手。
平成に入ってからも全国新酒鑑評会では6年連続で金賞を受賞するなど、通算15回の金賞を誇ります。

小さな蔵の最低限の設備でも、金賞が取れる道を創る。
その酒造りの技術を、脈々と受け継がれています。

＜近年の田辺酒造の受賞歴＞
・全国新酒鑑評会（令和4年度、5年度連続金賞受賞中）
・全米日本酒歓評会2023　大吟醸部門B（精米50％以下）　グランプリ
・Kura Master 純米大吟醸の部（2023、2024連続金賞受賞中）

誕生秘話

田辺酒造は今年で創業125年。
私たちも家業の酒蔵に戻り、ちょうど20年目の節目を迎え、10月には父から事業承継し、代替わりをすることになりました。

40代半ばを迎え、「次世代が酒文化に触れるきっかけになれば」という想いと、永平寺という自然環境に恵まれた素晴らしい場所で酒造りをさせて頂いた感謝も込めて、このプロジェクトにチャレンジします。 

「詠種/うたたね」に使用する酒米は、永平寺町内で、栽培期間中に農薬や化学肥料を一切使用しない昔ながらの特別栽培米「五百万石」です。慣行栽培に比べ、収量も減り、米粒もやや小さくなるリスクもあります。

そんな節目を迎える年だからこそ、今一度、米作りから原点に立ち返り、20年間で培った技術を結集させた酒を造りたいとの想いから「詠種/うたたね」は誕生しました。
より米の旨みを引き出し、やわらかでキレのある味わいの純米規格のお酒に仕上げたいと思っています。

「詠種/うたたね」の言葉には２つの意味があります。

詠（うた）
「永」平寺のこの地で創業以来、酒を造ることだけではなく、酒を語ること、この町を語ること、を大事にしてきました。田辺酒造のお店にお越し頂くとついつい滞在時間が長くなってしまうお客様も多いです。お客様との会話を大切にし、寄り添うスタイルを表現しています。

種（たね）
永平寺町内での昔ながらの米作りを行い、改めて、原点に立ち戻って造るこの酒が田辺酒造のこれから先の種となり、その種が芽吹くイメージを表現。将来の永平寺町での栽培期間中の農薬や化学肥料を一切使用しない特別栽培米による酒米づくりのチャレンジに繋げていきます。

そんな「詠種/うたたね」の出来立てを、槽場直汲み生、袋吊り、活性にごりなど、Makuake特別仕様にて、限定1,000本で先行販売します。
※通常の「詠種」は、Makuake後、生原酒、火入れ酒を一般リリース予定です

是非、125年目の田辺酒造の新たな一滴をお楽しみ下さい。

九頭竜川由来の清らかな仕込水

「詠種/うたたね」には町内を流れる福井県内最大の川である九頭竜川由来の清らかな仕込水を使用。水源地は広い白山山系で降雪量も多く、かつ良質な水を生み出すブナ林があり、おいしい水と定評があります。

永平寺町には、夏になると鮎釣り、冬になると幻の河魚と言われるサクラマス釣りの聖地としてして知られ「清流の町」と呼ばれています。

そんな豊富なミネラル分を含んだ九頭竜川由来の仕込水は、超軟水。
これは、田辺酒造の酒造りの原点であり、酒造りの全工程で使用しています。

栽培期間中、農薬や化学肥料を一切使用していない永平寺町産「五百万石」

今回のプロジェクトで、酒米作りを担うのは、野坂農園の野坂芳弘さん。
野坂さんは、冬には田辺酒造の蔵人として、酒造りのチームの一員でもあります。

野坂農園の圃場は、大本山永平寺の参道へ向かう途中の山間部にあります。
冬には雪が積もり、夏場の朝昼の寒暖差も大きく、冷たい山水が流れ、真に米作りには最適な環境です。

野坂さんは、この永平寺の豊かな自然環境を大切にした安心安全な米作りを行いたいとの想いで、2009年に専業農家となり、米作りをスタート。

映画「奇跡のリンゴ」のモデルである木村秋則さんから直接指導を受けるなど、現在は、栽培期間中、肥料、農薬、除草剤を一切使用せずに、自然の循環を重視した土と植物本来の力を活かす農法で栽培したお米作りにたった一人で取組んでいます。

福井県は、「福井県特別農産物認証制度」により、環境に負荷をかけない化学肥料と化学合成農薬を慣行栽培の半分以下に削減した栽培計画を認証しています。

今回のプロジェクトではその「福井県特別栽培農産物認証制度」の中でも最も厳しい基準とされる認証区分①で酒米「五百万石」の栽培に挑んでいます。

この区分では、栽培期間中の農薬、化学肥料の使用は一切認められず、有機JASで認められた資材以外は使用することが出来ません。

野坂さんにとって、酒米づくりは、コロナ期前からの悲願でもありました。
しかも、この地で自分にしか出来ない酒米づくり。

実際、通常の慣行栽培に比べ、農薬や化学肥料を一切使わない条件に加え、近年の夏場の高温障害等もあり、昨年の収穫は失敗に終わりました。
今年こそはと皆様に日本酒を届けたいとの思いから再挑戦しています。

農薬不使用による雑草の草刈りなどの作業は大変でも、この圃場には、花が咲き、慣行栽培では見られないオモダカなどの草も共存しています。

1本1本の株は通常の慣行栽培に比べ少なく、反収3～4俵程度と、通常の半分程度しか見込めません。収量が少なくても、米粒が小さくなっても、これが今回目指す、米作りからはじまる酒造りの原点。

予定より少なくなりそうですが、想いを込めた酒米が無事に実っています。

Makuake限定 125周年ブランド日本酒「詠種」＋野坂農園コシヒカリ5kgセット 11,500円（税込）

詠種/うたたねの味わい

今回使用する酵母は福井酵母FK501。　
福井酵母FK501の酵母を使うことで、より米の旨みを引き出し、力強さを残した味わいとなっています。

これから醸造を開始するからこそ、応援購入いただく皆さまには搾りたての「無濾過生原酒」をお届けいたします。

中々市場に出回ることのない無濾過生原酒の日本酒本来の旨みや香り、生酒の瑞々しいフレッシュな味わいをお楽しみください。

【先着50名限定 詠種の槽搾り酒粕付き】槽場直汲み「詠種」無濾過生原酒1本4,300円（税込）

他にもお酒のもとであるもろみを袋に入れて吊るし、自然に滴り落ちる雫を1滴1滴集める「雫取り」や、かつては蔵人のみが飲んでいたとされる蔵の隠し酒「澱引き」などをセットにした超レアなプランをご用意させていただきます。

125周年ブランド日本酒「詠種」3種類飲み比べセット11,500円（税込）

【先着20名限定 オリジナル升付き】「詠種」4種類コンプリートセット 15,500円（税込）

代表銘柄「越前岬」と酒造りのこだわり

「清流の町」永平寺町で、明治32年に酒造りをはじめ、今年で125年を迎えました。

昭和60年代後半に、大手メーカーへの桶売り販売も終わり、酒蔵の減少が進んでいくなか「少量をじっくり手をかけて、まず地元の人に喜んでもらえる 酒を造りたい」という現当主田辺邦明が導き出した答えは「徹底した吟醸造り」でした。

蔵全体の平均精米歩合は56％で、当時としてはいち早く、仕込みの全てを特定名称酒に切替えました。

現在は、その意志を引き継ぎ、専務の田邊啓朗と杜氏の田邊丈路の兄弟が二人三脚で蔵元を担っています。

直火の「和釜」を使った米蒸し

連続式蒸米機が主流の現代においては、その存在が無くなりつつある和釜。
田辺酒造では、今も往年受継いできた大・小2つの和釜を使って、酒米を蒸し上げています。早朝、釜屋（かまや）と呼ばれる職人が、和釜に水を張り、種火を付けます。しばらくして和釜から発生する蒸気で甑の米を蒸すのですが、全ての工程は手作業で蔵人の感覚によって確認されながら進められます。時間をかけて、乾燥した天然の高温蒸気により、甑内の米は、酒造りに最適な「外硬内柔」の蒸米になります。

手間と時間をかけて醪を搾る「槽搾り（ふねしぼり）」

槽搾りは、醪を酒袋に入れ、それを酒槽に積み重ねていく作業を蔵人の手作業で行います。水分を含んだ重みのある酒袋を約400枚積み重ねる作業は、かなりの重労働です。そして、蔵人たちによって、慎重に積み重ねられた醪は、約2日間かけてゆっくりと慎重に搾られます。醪を時間をかけて搾るため、柔らかな飲み口が実現出来ます。高級酒の搾りに用いるのが一般的ですが、田辺酒造では、本醸造から大吟醸に至るまで全量この方法を用いています。

福井の風土に寄り添った「寒仕込み」

田辺酒造の酒造りのスタートは、11月中旬から。蔵に空調設備は設けず、昔ながらの土壁の蔵の中で、北陸の極寒の一時期に集中して、酒造りを行います。都会的でスタイリッシュな華やかさは無くても、日々の気温変化など、この地の自然環境に寄り添い、そこで育まれる米、九頭竜川よりもたらされる柔らかな仕込み水、そして小さな蔵なりの覚悟と工夫で酒造りに向き合い、この風土でしか醸せない酒造りを行っていきます。

食を引き立てる後切れの良いお酒

こうして造られる田辺酒造のお酒は、綺麗な飲み口で、お米の旨みがしっかり感じられるお酒に仕上がります。また、後切れが良く食事にもしっかり合わせることが出来るため、特に福井の新鮮な海の幸との相性が抜群です。

125周年ブランド日本酒「詠種」3種の角打ちおつまみセット9,400円（税込）

そして、伝統的な造りとしつつも、現代人の好みに寄り添ったお酒も展開。
以前は酸を出す造りはしていませんでしたが、様々な飲み方に対応できるよう、程よい酸味が出るような造りも心がけています。

蔵直売店舗をリノベーション

2024年3月に北陸新幹線が、福井県の敦賀まで延伸されました。
「ZEN（禅）」は今や世界に知られるようになり、禅文化に触れるために国内外から多くのお客様が永平寺町を訪れてくれています。
永平寺を参拝した後に、蔵にお越し頂くお客様もいらっしゃいます。

蔵に沢山の人に訪れて欲しいとの思いで、2024年5月に蔵直売店舗をリニューアル。

蔵元による蔵見学案内や角打ちスペースの併設、蔵のショップ内には、日本酒だけではなく、日展作家「司辻健司」が製作した田辺酒造オリジナル酒器など、バラエティ豊富に取り揃えています。

【Makuake限定】125周年仕込み 田辺酒造17種類コンプリートセット150,000円（税込）

125周年ブランド日本酒「詠種」＋酒器セット13,200円（税込）

角打ちスペース併設で人が集う酒蔵に

角打ちのテーマは「人が集う酒蔵」。
この新たな角打ちスペースを起点に、地元の人や観光客が日本酒を酌み交わしたり、イベントも開催予定です。

今回、斗瓶取り体験も含めた特別な蔵体験をリターンに。
ぜひこの機会に多くの方が田辺酒造に足を運んでくれることを心待ちにしています。

125周年ブランド日本酒「詠種」記念企画！杜氏と斗瓶取り体験20,000円（税込）

蔵のすぐ横を通るえちぜん鉄道

田辺酒造の蔵の真裏には、鉄道路線「えちぜん鉄道」が走っています。
また、最寄りの「観音町駅」徒歩2分の距離にあり、福井駅から約15分と好アクセスです。 仕込み中も、電車が通るたびに、時折、踏切の警報音と電車の音が蔵内に響き渡ります。是非、電車も楽しみながら蔵見学にお越し頂ければと思っております。

「詠種/うたたね」

【要冷蔵】
品目：日本酒
原料米品種：福井県認証特別栽培米「五百万石」100％使用
アルコール分：16度
精米歩合：未定
使用酵母：福井酵母FK501
製造年月：2025年2月予定
製造元：田辺酒造有限会社
〒910-1134
福井県吉田郡永平寺町松岡芝原2丁目24
TEL 0776-61-0029
●お酒は20歳になってから。
●開封後は冷蔵保存をし、お早めにお召し上がりください。

2024年9月～2024年12月：マクアケ掲載
2024年11月～2025年2月：醸造開始
2025年3月下旬：配送予定

田辺酒造は福井県を中心に展開しているため、全国の皆さまへお届けするMakuakeの挑戦は初の試みとなります。
皆さまに応援していただくからにはお値段以上の満足度を感じていただきたい。
そんな想いで日々試行錯誤し、Makuake限定のお得なプランを考案いたしました。

今回の醸造は、Makuake特別仕様にて、限定1,000本の販売です。
プロジェクト用に用意した本数以外はほとんど市場には出回らないと考えています。
ぜひこの機会に田辺酒造の醸す日本酒をお楽しみください。
※未成年の方は応援購入いただけません

■本商品はクール宅急便となり、下記地域の配送には対応しておりません。ご了承ください。

沖縄県、伊豆諸島：青ヶ島村（青ヶ島）・利島村（利島）・御蔵島村（御蔵島）・式根島、小笠原諸島：小笠原村（父島・母島・硫黄島・南鳥島など）

専務【田邊啓朗（たなべひろあき）】

昭和52年生。大学卒業後、宝酒造株式会社に5年間勤務の後、田辺酒造入社。
店舗を訪れるお客様の対応も杜氏と自ら行う。お酒の説明に始まり、町の歴史、お薦めのお店の料理の話など、お客様とのコミュニケーションを重視する田辺酒造の接客スタイルを貫く。現在、福井県酒造組合副会長。永平寺町内においても永平寺町ブランド戦略推進委員、永平寺町ブランド「SHOUJIN」協議会副会長を務めるなど、永平寺町の魅力発信に尽力中。

蔵元杜氏【田邊丈路（たなべじょうじ）】＜南部流杜氏＞

昭和55年生。大学卒業後、田辺酒造入社。
30年に渡り田邊酒造の酒造りを支えてきた鷹木美芳氏（南部流杜氏）に師事し、鷹木氏の引退まで、約10年間共に酒造りを行う。平成23年「第81回南部流杜氏資格選考試験」に当時最年少で合格。令和4年～5年度全国新酒鑑評会2年連続金賞受賞中。海外においても、全米日本酒歓評会2023大吟醸部門で第一位に当たるグランプリを受賞。現在、福井県青醸会会長として、県内若手蔵元の牽引役として活躍中。

蔵人兼 野坂農園 【野坂オーナー】皆さまへのメッセージ

田辺酒造での冬の酒造りも5年経験しました。
宝石の様に綺麗に精米された酒米を手間暇かけて日本酒にする過程を目の当たりにし、酒米にもチャレンジしてみたいと思っていました。

自然の循環を重視した土と植物本来の力を活かす農法での米作りも15年目を目前。
新たなチャレンジとして、永平寺町で私にしか出来ない、私なりの酒米を丹精込めて造らせて頂きます。そして私自身も冬には蔵人とし、このお米がお酒として醸される過程を蔵人として責任をもって携わらせて頂きます。
応援よろしくお願いいたします。

専務 蔵元杜氏【田辺酒造】皆さまへのメッセージ

今回、私たちは、創業125年にあたり、この地での酒造りの原点に立ち戻ってみたいと思いました。禅文化の息づく「永平寺」というこの地で農薬や化学肥料など無かった時代と同じように米を作り、最低限の設備で、人の手による田辺酒造の素の酒造り。
どのような米が出来て、どれくらいの収量になるかは未知数です。
ただ、自然のエネルギーと野坂さんの思いが詰まって蔵に届く予定のこの米に私たちの感謝と魂を込めて酒を醸します。

どうか楽しみにしていてください。