こだわりを感じるお店で飲むお酒やビールっておいしく感じられますよね。

その理由は、味そのものや店の雰囲気、食事を共にする相手のほか、使っている「うつわ」にも求められるのではないでしょうか。

そこでご紹介したいのが、ガラスと陶磁器の中間的な存在とも言える「ゆうはり」ぐい呑・酒器・ビールグラスの3種です。

おなじお酒を飲んでいるのに、不思議と気持ちがやすらいでゆく。

おなじビールを飲んでいるのに、なぜか疲れが癒やされてゆく。

何も「うつわ」に限ったことではありませんが、愛着を持てるモノを暮らしの中に取り入れることが、人生を豊かにするひとつの手立てだと思うのです。 

商品紹介の前に、弊社でつくっている京焼・清水焼の説明をさせていただきます。京焼・清水焼は京都府で主に生産されている伝統工芸品。焼成後に絵付けをほどこす上絵付けの技法で、雅な絵柄が特徴です。

１．涼感の中にあたたかみを

涼感ただよう印象の「ゆうはり」ですが、和紙を思わせるざらりとした手触りがあたたかみを演出。艶消しの透明感ある乳白色と相まって、やさしい風合いをかもし出すので、季節を問わずご使用いただけます。

なお、着色や汚れを残しにくくするため、容器の内側はつるりとした表面に仕上げています。 

２．「光」を愉しむ 

※透過性をわかりやすくするために、下からスマートフォンのライトを当てています。

ガラス質の成分を持つ釉薬を主原料とし、中に入っている液体が透けて見える「ゆうはり」の魅力は、空間の明るさや照明の色温度によってさまざまな表情を見せてくれるところ。日々の食卓はもちろん、行きつけの料理屋さんや旅先で「マイカップ」として使ってみるのもご一興。

※クリスマスの夜にライトを使って演出してみました。

日頃、とくべつ意識することのない「光」の存在に、改めて目を向ける機会となればうれしいです。

光を通すという特性を持つ釉薬を使って新商品を作ろう。そんなビジョンを描きながら、京都産業技術研究所の方々と共同開発した当商品。いくつもの素材を試す中で出会ったのが、釉薬のガラス質成分（長石）とベストマッチなセルロースナノファイバー（木材由来のバイオマス素材）です。

軽いのに強度がある、環境性に優れているといった特長により、今後、さまざまな分野での活用が期待されているセルロースナノファイバーのおかげで、陶器のあたたかみ・磁器の透過性という二つの特徴をあわせ持った焼きものが完成しました。

土や石を原材料とする陶磁器と違って、木の繊維と釉薬だけでつくる「ゆうはり」は、焼成の際、非常に繊細な温度管理が求められます。温度が低いと材料が溶けず、強度が出ない上につるっとした触感になってしまう一方、温度が高いと形が崩れてしまうのです。

私たちの窯にはすべて自動制御装置がついているのですが、機械だけに任せておけないのが難しいところ。焼きものの数量などによってベストなコンディションは変わってくるので、焼き上げの状態を見ながら、適宜、温度や焼成時間を微調整する職人の経験やカンが欠かせないのです。

絵付けのない「金フチ」以外に、カエルとウサギの「鳥獣戯画」、サクラにモミジの「色絵雲錦」と、職人がひとつひとつ手作業で絵付けをした器は、同じようでどこか違う、世界に二つとないものばかり。

「鳥獣戯画」と「色絵雲錦」は、焼く前の器に下地の色をのせる下絵付けと、一度焼き上げた器に新たな色や絵を重ねる上絵付けを何度か繰り返した末に完成します。光を通す「ゆうはり」の性質が絵をより立体的にするなど、使う愉しみが広がります。

先代がたゆまぬ研究の末に確立した「鮮やかな絵付け」という私たちのお家芸が生かされた器は、贈りものとしても喜んでいただけるのではないでしょうか。 

プラスチックの普及により陶磁器市場が低迷する中、私たちに大打撃を与えたのが、2008年に起こったリーマンショックです。百貨店で売れ行きのよかった商品の注文が、1/10〜1/5まで一気に減少。約30人の職人を含めた40人ほどの従業員に給料を払い続けるためには、なりふり構ってなどいられませんでした。伝統に固執せず、時代に合った新商品の開発に取り組む日々が始まったのです。

かくして数多くの商品を世に送り出した私たちの救世主となったのが、結晶釉という釉薬を使った商品です。熟練の職人たちの腕と、誤差１℃レベルの温度調整ができる設備があったからこそできた結晶釉の器のおかげで、なんとか逆境を乗り越えることができたのです。

以後、数えきれないほどの新商品を開発してきましたが、ある時期から肝に銘じるようになったのは「量産地では作れないものを作ること」。手づくりを貫く姿勢から生まれるものづくりが私たちの生命線です。

今回、ご紹介する「ゆうはり」もその一環。これまで培ってきたノウハウ、設備、それらを扱える職人が揃っていたからこそ、完成までこぎ着けることができたのです。

プラスチックが普及した現代において、どうすれば「やきもの」を食卓に並べてもらえるか――。

京都という土地柄もあり、外国人観光客によるインバウンド需要は増加している一方で、国内市場は低迷中。そんななかで日本の人たちが暮らしの中に「やきもの」を取り入れるきっかけとなることを願って、日々開発しています。

漬物や前菜などの一品料理を入れる小鉢としてのぐい呑み、サラダドレッシングを入れる器としての酒器など、お酒を飲まない方、陶磁器になじみのない方にとっても使いやすいように、今回の商品を開発しました。

⚫ぐい呑 （全五種）

金フチ、鳥獣戯画（カエル・ウサギ）、色絵雲綿（サクラ・モミジ）

サイズ：口径 約60㎜、高さ 約50㎜
重さ　：約45g
素材　：セルロースナノファイバー、長石

●ビールグラス（全三種）

金フチ、鳥獣戯画（カエルとウサギ）、色絵雲綿（サクラとモミジ）

サイズ：口径 約55㎜、高さ 約90㎜
重さ　：約115g
素材　：セルロースナノファイバー、長石

●酒器（全三種）

金フチ、鳥獣戯画（カエルとウサギ）、色絵雲綿（サクラとモミジ）

サイズ：口径 短辺約93㎜・長辺約147㎜（突起含む）、高さ 約70㎜
重さ　：約165g
素材　：セルロースナノファイバー、長石

※注意書き※
・陶あん独自の技法をひとつひとつ丁寧に施しております。すべて職人の手により、心を込めて作っております。
・すべて手作りですので、形・大きさ・絵柄について、写真のものと多少異なる場合があります。
・モニターの発色の具合によっては実際のものと色が異なる場合があります。
・電子レンジ・食洗機はご使用いただけません。
・熱湯には対応しておりません。冷酒や冷やでご使用ください。

京焼・清水焼を広く知っていただけるよう金額を設定いたしました。ちょっとした贅沢や、おもてなしなど食卓に華を添えていただけると幸いです。

１．【20％OFF】ぐい呑み 金フチ

２．【20％OFF】ぐい呑み 鳥獣戯画 カエル

３．【20％OFF】ぐい呑み 鳥獣戯画 ウサギ

４．【20％OFF】ぐい呑み 色絵雲綿 サクラ

５．【20％OFF】ぐい呑み 色絵雲綿 モミジ

６．【20％OFF】グラス 金フチ

７．【20％OFF】グラス 鳥獣戯画

８．【20％OFF】グラス 色絵雲綿

９．【20％OFF】ぐい呑み 徳利セット 金フチ

１０．【20％OFF】ぐい呑み 徳利セット 鳥獣戯画

１１．【20％OFF】ぐい呑み 徳利セット 色絵雲綿

陶葊（とうあん） 

1922（大正11）年、京都の東山泉涌寺（ひがしやませんにゅうじ）にて創業。現在は、四代目当主・土渕善亜貴（どぶち・よしあき）を中心とした約30名の職人が腕をふるい、生活にうるおいをもたらす数多くの作品を創り出している。その傍ら、京都市内に3軒ある直営店舗で、作品を販売している。 

起源は安土桃山時代にさかのぼる京焼・清水焼ですが、400年以上の歴史を振り返ると、桃山時代のように、お茶という日本文化を支える器、いわば美術工芸品として重宝された時代もあれば、明治時代初期のように、日本経済を支える主要輸出品目として海外の人々に広く行き渡った時代もある。

つまり、時代に合わせた変化を遂げながらも受け継がれてゆくのが「伝統工芸」だと、私は捉えています。 

そんな「伝統工芸」に携わるひとりとして、今後も精力的に商品開発に取り組んでいきたいと思っております。

ご支援、よろしくお願いいたします。