私たちは、「プラスティックフリー、リサイクル、オーガニック、日本製」をキーワードに、服づくりからアクションを起こすドメスティック・ブランド、tennen / テンネンです。

つくっているのは、ココロにも、カラダにも、自然環境にも気持ちいい服！

日増しに気温が上がり、今年もまた日差しの強い夏がやってきそうですね。

日本の古いことわざに「夏は日向を行け、冬は日陰を行け」というものがあります。これは自ら辛い状況に身を置くことで、身体が鍛錬され精神は強靭になるという教え……。だけど地球の気温は上がり続けているし、コンクリートに囲まれた街中での体感温度はかなりのもの。昔の言い伝えを鵜呑みにしたら倒れちゃうかも。

日本の夏は年々暑く、暑く、暑くなっています！

細線（黒）：各年の平均気温の基準値からの偏差／太線（青）：偏差の5年移動平均値／直線（赤）：長期変化傾向。 基準値は1981〜2010年の30年平均値。

みなさんも感じている気温の上昇ですが、この気象庁からのデータが示している通り、実際に年々気温が上昇していることがわかります。そしてそれに伴うように紫外線量も年々増えているのです。

そこで現代社会ではエアコンや機能ウェアなど様々なテクノロジーで暑さを癒していますが、私たちtennenは時代を逆行し、太古より使われてきた自然繊維「ヘンプ」に涼を求めました。

ヘンプはご存知の通りシャリ感のある涼しい春夏向きの素材。よくTシャツで用いられているコットンよりも通気性も速乾性に優れ、しかも抗菌作用も認められている植物由来の天然繊維です。

「でもヘンプ生地はゴワつくんでしょ？」……なんて疑問は過去のもの。今や技術の進歩によって細いヘンプ糸が作れるようになり、サラッとして柔らかいTシャツ生地が編めるようになっているのです。

今回Makuakeで発表する「HEMP GOOD TEE Long Sleeve」は、改良を続けているヘンプTシャツの最新版で、３シーズン使える長袖仕様。春先のインナーとして、また真夏に日焼けをしたくないという方にもおすすめです。

ヘンプは自然界で完全に分解されるのでゴミにならないのはもちろん、短期間で、しかも簡単に栽培・収穫できる、循環再生型の天然素材。tennenの服作りに欠かせないものの一つです。

「ステキなものを『選んで』、ステキに『着る』ことで、持続可能な未来を育てていきたい」。これは、応援してくださるユーザーのみなさん、支えてくださる生産者のみなさん、そして私たちつくり手がシェアできる共通の想いのような気がします。

みんな同じ気持ちで、美しい自然や社会を残せるアクションを起こせたら、私たちはとてもハッピー。それこそが、tennenの描くこれからのサステナブルのカタチです！

年間を通して、紫外線が一番多く降り注ぐ時期は７月、８月。本当は長袖を着て紫外線や暑さから肌を守りたい人も多いはずですが、大抵の人は暑くて長袖が着れないのが悩みだと思います。

でもみなさん、そんな時こそヘンプの服なんです。ヘンプは本当にたくさんの機能性を持ち併せた素材で、特に高温多湿の日本の夏には最適！ そんなスーパー天然繊維の、代表的な機能性を少しご紹介しましょう。

※上画像内の情報は、あくまでも一般的なヘンプについての機能性を紹介しております。

①熱伝導率に優れる

空気よりも、またコットンよりも、熱を逃しやすいので、着るだけで気温よりも涼しく感じる。（出典：赤星栄志著『ヘンプ読本』p86／築地書館）

※上画像内の情報は、あくまでも一般的なヘンプについての数値です。本商品について記載したものではございません。

②シャリ感良く、通気性に優れる

他の天然素材よりも繊維が硬めなので、衣類にシャリ感を与えるとともに、肌ばなれも良く、通気性に優れる。

③吸汗性、速乾性に優れる

ヘンプ繊維の中心に開くストロー状の空洞と、繊維表面に刻まれた無数のヒビ割れ、小さな空洞が、肌の湿気や汗を吸い上げ、熱とともに空気中に発散し、乾きも速い。体感温度マイナス5℃の感覚は、まるで着るだけで夏の避暑地に連れて行ってくれる「どこでもドア」！（出典：赤星栄志著『ヘンプ読本』p90-91／築地書館）

上の3つの要素が合わさると、熱を逃し、汗をすぐ乾かし、肌ばなれもいいので、清涼感を感じやすいというわけ。

④防臭効果に優れる

ヘンプ繊維の小さな空洞に元々いるたくさんの酵素が、細菌を繁殖させないから臭くなりづらい。（出典：赤星栄志著『ヘンプ読本』p88／築地書館）

※上画像内の情報は、あくまでも一般的なヘンプについての数値です。本商品について記載したものではございません。

⑤耐久性に優れる

耐久性はコットンの2〜2.4倍。ナイロンより強い！（出典：赤星栄志著『ヘンプ読本』p90／築地書館）

※上画像内の情報は、あくまでも一般的なヘンプについての数値です。本商品について記載したものではございません。

⑥優れたUV遮蔽率

注目なのがヘンプの持つ紫外線遮蔽率。一般的に天然繊維のなかで遮蔽率がもっとも高いと言われています。生地の組織にもよりますが、コットンと比較した場合２倍〜３倍の効果が期待できます。

真夏にヘンプ100%の長袖を着る事は、とっても理にかなったこと。データで見てみても、ヘンプが「高温多湿な日本の夏にぴったり」な素材であることが分かりますね。

※上記情報は、あくまでも一般的なヘンプについての数値です。本商品について記載したものではございません。

また産業用ヘンプは、昨今のアパレル産業、そして現代社会が直面している多くの課題を解決し得る、高い可能性を秘めた天然素材でもあります。

【化学繊維を選ぶ？ ヘンプを選ぶ？】

アウトドアなど過酷な環境下で身を守るナイロンやポリエステルなどの化学繊維は世の中に必要です。実際、うちのデザイナーもアウトドアウェア分野の出身です。ただし、洗濯などによって、フリースの起毛などから出るマイクロファイバーが世界中の海に流れ出してしまっているという事実もあります。化学繊維はプラスティックなので、分解されず、数百年単位で自然に還ることはありません。

2019年6月に開催されたG20では、海洋に漂うプラスティックごみの問題について議論されました。海洋プラごみは、年間約500〜1,300万トンにおよび、2050年までに120憶トン以上のプラごみが海を漂い、海洋生物の量を上回ると公表されています。

私たちtennen / テンネン が、天然素材だけで服をつくり始めた理由はここにあります。

この「HEMP GOOD Tee」も、素材はもとより、通常ナイロン糸を使う縫い糸までも、すべて自然分解されるものを採用しています。

天然素材のなかでも「丈夫さ」がウリの産業用ヘンプの繊維や種子は、衣料、食品、建材、燃料、医薬品など実に25,000種類以上の生活用品、工業製品として利用可能で、いまもっとも石油に替わり得る素材として、各産業界から熱い視線が向けられています。

【コットンを選ぶ？ ヘンプを選ぶ？】

天然繊維の多くは、農業や畜産による自然からの恵みです。

いま世界で流通する生地素材のおよそ50％が慣例農法によるコットンだといわれていますが、その栽培には大量の化学肥料と農薬、水が使われていることもあり、働く人々の健康被害や農地と生活用水の劣化があるとも言われています。してオーガニックコットンは、より適正な生育環境が必要なため、私たちが望んでも、世界中のコットン素材をすべてオーガニックコットンに切り替えるほどの量を育てることはムズカしいそう……。

一方でヘンプは、害虫や病気も少なく、痩せた土地でも育つので、農薬や肥料をほとんど必要としません。また作付け面積がより狭く、生育も極めて早いことから、効率よく栽培・収穫することができます。さらに生育に適した気候の幅が非常に広いので、さまざまな地域で育てることができ、輪作障害*もありません。もっといえば、育つ過程で細い根っこが土壌深くに行き渡り、畑をフカフカな土に改良する性質も持っている、環境再生型・循環型の農作物なんです。

*輪作障害＝同じ場所で、同じ作物をつくり続けることで、土壌の環境がアンバランスになり、植物に生育不良が生じること。いつも口にする多くの野菜が輪作障害を受けやすい

ヘンプはもともと日本人にとって身近な植物で、縄文時代から使われていたそうです。以後、庶民の服から神祭の衣装、しめ縄などにも使われてきました。昨年の天皇陛下の儀式でお召しになった麻の着物も記憶に新しいですね。

そして、その形状を象徴した麻柄は日本の代表的な和柄で、800年もの歴史あるデザイン。実は富士山と並ぶ日本を代表するイメージで、これまで多くのブランドもグラフィックデザインにこの柄を採用してきました。昨今では、外国の方々からも日本の伝統的な紋様として見直されてきています。

前回の「HEMP GOOD TEE」について、おかげさまで112人のサポーターの皆さまにご支援いただき、早々完売になりました。その節はありがとうございました！ 最初のヘンプ100%のTシャツということで、ご支援いただいたみなさまから、様々なお褒めの言葉やご指摘をいただきました。そこで今回はニュー・ヘンプTとして更なるバージョンアップをしています。

※第一弾となったヘンプTシャツ「HEMP GOOD TEE」のイメージ。

服作りをすればするほど、天然素材の素晴らしさ、人間の手では作れない緻密な構造に驚き、それと同時に「特性を理解する」ことの大切さにも気付かされます。

ここでは皆さんに今回のプロジェクトをご支援いただくにあたり、前回の製品からのアップデートした点のご紹介と、知っていていただきたい注意事項についてシェアさせていただきます。

■生地の透け感が軽減されました

前回に比べてハイゲージに編み上げることによって透け感を軽減。それでいながら、衣服内にこもりがちな温度や湿度も外に放出し、涼しさを体感できるような通気性も残しています。

写真では微細な差に見えますが、下の画像は昨年の生地と今年の生地の比較です。昨年はブラックの透け感がやや気になるという方もいらっしゃいましたが、今年は透け感がかなり軽減されました。

■首回りが広くなりました

前回のご支援いただいたユーザーの方から「首回りをもう少し広くして欲しい」とのご意見をいただき、今回は首周りを各サイズ5cmずつ広げました。

■洗濯方法

石油などから作られる化学繊維と比べて、植物などから生まれる天然繊維は少しデリケートなもの。ヘンプも洗濯による多少の縮みや退色があることをご理解ください。洗濯表示は洗濯機の弱水流となっていますが、基本は手洗いを推奨しています。丁寧に洗っていただくほうが長く、型崩れせずに着続けられます。

■洗濯洗剤はどんなものがおすすめ？

蛍光漂白剤が入っていない弱アルカリ洗剤をおすすめします。優しく丁寧に洗えば繊維は長持ちします。

■縮率と染色堅牢度

第三者機関での検査の結果から、3~4％縮むことが想定されます。（Lサイズで2~3cm程度）また、染色されているブラックの染色堅牢度はレベル２級で、洗濯により多少の退色があります。特に洗濯後、洗濯機の中での放置、濡れたままの放置、汗をかいた後の放置などには充分お気をつけください。

■ヘンプはマリファナとは異なります！

ヘンプの和名は大麻ですが、いわゆるマリファナとは異なります。テンネンが使用している「産業用ヘンプ」には向精神作用などはなく、他の衣類同様に安心して着られます。

①カラー

「HEMP GOOD TEE Long Sleeve」は、キナリ、ブラウン、ブラックの３色です。

＊写真はできる限り実物の色に近づけるよう撮影していますが、みなさまの閲覧環境により実際の商品と色の印象が異なる場合があります。

②サイズ

「HEMP GOOD TEE Long Sleeve」は、XS、S、M、Lの4サイズで、ユニセックスです。若干大きめの作りなので、サイズ表をご確認の上サイズをお選びください。

上）男性：173cm / サイズ：M（Sales Staff）

上）女性：153cm / サイズ：XS （Sales Staff）

上）女性：153cm / サイズ：S （Sales Staff）

上）男性：175cm / サイズ：L（Editor＆Writer）

上）男性：180cm / サイズ：L （Web ＆ Photographer）

③洗濯ビフォア＆アフターはこんな感じ

ヘンプの生地は、洗えば洗うほど柔らかくなる特徴があります。

洗濯回数を重ねると、カラーにより若干退色します。

左）購入直後、右）10回の洗濯＆乾燥後

①コットンの縫い糸

現在多くのアパレル製品の縫糸はナイロンやポリエステルなどの合成繊維でできたもの。つまり、それらは自然に分解されるまでとても長い時間を要することになります。その点コットンは短い期間で自然分解される天然素材なので、コットン縫糸は環境に優しい選択だと言えます。

②バインダー仕上げ

首回りは、伸びや型崩れを軽減するために身生地にネック部分を挟み込む、バインダー仕上げになっています。さらに後ろ衿から肩にかけてテープを縫い付けることで強度を高め、シルエットが崩れにくくしました。

③二本針

強度を高めながら適度なストレッチをキープしてくれる、デイリーウェアにピッタリな裾の仕上げ。本縫いと違って縫い目が伸縮するので、二本針仕上げは柔らかいカットソーに向いているのです。

④裾スリット

カットソー生地にストレッチ性がありますが、裾スリットを入れることでさらにアクティブに仕上げました。ベーシックな無地のデザインなので細かいポイントにこだわってデザインをしました。

ここでは、tennen / テンネン が服づくりを一緒に取り組む日本の生産者のみなさんをご紹介します。私たちが理想とするプロダクトを完成させるのに、なくてはならない日本の匠です。

今回は、2人の社長からひと言ずつコメントをいただきました。

【編みたて】オカザキニット（和歌山）

岡崎社長：「ヘンプという繊維は、今後リネン以上に伸びる素材だと思います。サステナブルであり、地球環境保護などにも理に適っている。みなさんヘンプのことを勘違いされているけれども、繊維に使うのは産業用ヘンプの茎の部分で全然毒性はないんですよ。しかも発育が早い。加えて、繊維の構造がいわゆるストロー状になっているから、繊維中の湿気を外に出す吸水速乾を兼ねています。リネン以上に繊維の構造が中空状態になっていて、衣類の素材として非常に優れています。ちなみに、日本で最古の繊維素材として正倉院に祀られているのはヘンプ。実は日本では非常に歴史のある繊維素材なんだよね」

【縫製】名古路コーポレーション（名古屋）

名古路社長：「日本製の良さ。それは、やっぱり“安心・安全”です。染めやプリントの工程など仕上げにいたるまで、日本ではきびしい基準のなかに収まっているんです。

縫製するのにムズカしかったところは、やっぱりあの生地。乾燥する季節はミシンの針のひと目ひと目で裂けちゃう可能性があって。だから針を鋭いものにこまめに替えるなど、現場で調整しながら苦労して縫製しました。服を縫うっていうのは考えなきゃいけない事も多くて大変な時もあるけど、やっぱり好きな洋服を着ているときの幸福感、ワクワク感っていうのはさ、何にも代えがたいものなんですよ。服って、夢があるモノだからこそ、とにかく一生懸命、日本でつくっていることにこだわりと誇りを持ってやり続けたいね」

現在、日本国内でヘンプ生地を編むことはできても、その原料となるヘンプの糸自体は中国産。なぜなら、最近まで広範囲での産業用ヘンプ栽培は限られた国でしか許可されていなかったからです。しかし近年、アメリカなどでも産業用ヘンプの栽培が解禁され、さまざまな製品に用いられるようになりました。

世界の常識は、時代とともに変化していくのですね。

「Made in Japanから、Born in Japanへ」。産業用ヘンプの明るい未来を tennen は思い描いています。

「プラスティックフリー、リサイクル、オーガニック、日本製」をキーワードに、服づくりからアクションを起こすことで、未来につながる循環型社会に取り組むドメスティック・ブランド tennen。

オーガニックコットンを草木で染めたシャツや、メリノウールを素材にしたキャップなど、環境負荷を軽減すべく、縫製用の糸やケアラベルも天然素材を採用。またしっかりリサイクルできるよう、極力単一素材の服づくりを実践しています。

左から

・小栗大士／デザインとディレクションを担当しています。素材オタク＆サーファーです。ヘンプの生地をつくった張本人です。みなさんよろしくお願いします。

・加藤華子／企画、コーディネート、調達、スケジュール調整などなどを担当しています。

・上田雄一朗／全体を統括しています。

・鈴木純平／新しいものや珍しいものに目がない、編集・ライティング担当。画像はサイズモデルにて。

・山下道生／概ね写真＆WEB等々担当のロンゲです。ヘンプの可能性と未来にドキドキ☆ワクワク。カメラとパソコンが大好き。ちょっとだけ太めでカレーが大好きな42ちゃいです♡

【tennen / テンネン】ブランドのコンセプト

温かいご支援を、どうぞよろしくお願いします！