私たちは「プラスティックフリー、リサイクル、オーガニック、日本製」をキーワードに、服づくりからアクションを起こすドメスティック・ブランド、tennen / テンネン です。つくっているのは、ココロにも、カラダにも、自然環境にも気持ちいい服！

「天然のフリース」を作ったキッカケ

嬉しいような切ないような気持ちになる肌寒い季節が訪れ、肩をすぼめながら外を歩く。 暖かかった季節を想い、温もりを求めて人と寄り添い服を着る。

そんな毎年繰り返される暮らしの中に、tennenの温もりを取り入れてもらいたい！ 私たちはそう考えました。

日常着として何気なく着られて、軽くて動きやすくて、ポカポカする服……そう考えたときに思い浮かんだのがフリース。

そもそもフリースといえばアウトドアウェアとして生まれた生地で、保温性に優れていて肌触りが良いのが特徴です。

基本的にはポリエステルの起毛素材のことなのですが、すべて自然分解できる素材でもフリースを作れるのでは？ と想ったのが今回のプロジェクトの発端です。そして試行錯誤を重ねた末に出来上がったのが、この「ホッカホッカパーカー」なのです！

新しいものを生み出し、共感してもらうためにプロジェクトを進める以上は、今までにはないものであり、そして機能的で着る人が満足できるものであるべき。まず第一に、化学繊維のフリースにはないメリットがなければなりません。

そのために選んだ素材は、ヘンプとウール でした。

ウールは呼吸する繊維とも言われ、吸湿速乾性、保温性に優れ、抗菌・消臭機能もあるスーパー素材。フワフワのフリースを作る上では欠かせない素材だと考えました。しかし、長く使ってもらう日常着にするには、ウール100%では強度の点で課題が……。

そこで今回は、裏起毛部分に高品質のメリノウール、表地にヘンプの素材が出るように生地を編み上げました。ヘンプは強度が高く、しかも吸水速乾性に富み、ウール同様に抗菌消臭機能もあります。

これまで技術面での障壁があり、世の中的にはウールとヘンプを組み合わせて作られた生地は多く作られてこなかったのですが、tennenはその組み合わせに機能を見出し、協力工場と共に生地開発を進めました。

※製品についての抗菌防臭検査は行っておりません。あくまで素材の特性として記載しています。

メリノウールの繊維の表面は撥水性があり、ヘンプは吸水性に優れているので、汗をかいても肌側のメリノウールが表側のヘンプに汗を移行させます。ということは、肌に接している部分は常にドライな状態が維持される。つまり「呼吸するタフな生地」なのです。

tennenでは、以前メリノウールとヘンプを使ってホカホカメリノヘンプTee（上の写真）という機能Tシャツを作ったのですが、その成功から学び、今回はさらに厚手のフリースに挑戦。素材を贅沢に使って、何シーズンにも渡って着られる、丈夫なパーカーを作ることができました。

また、自然素材のフリースにする事によって生まれる大きなメリットもあります。それは化学繊維のフリースによって引き起こされるマイクロプラスチック*を排出する心配も、火によって生地が溶けてしまう心配もないということ。

tennenは自然に還るものづくりをしているのは、サスティナビリティと天然繊維の機能性を大切にし、高く評価しているからなのです。

*マイクロプラスチック＝自然分解されずに半永久的に残る微細なプラスチック。その多くが下水処理施設をすり抜け、川や海に流れてしまい自然環境や人体へ悪影響を及ぼしていると言われています。

「ホッカホッカパーカー」の表側はヘンプ繊維で、がっしりとしたハイオンスのスウェットのような肌触り。アウターとしても、中間着としても活躍します。また、石油由来の繊維と比較して焚き火などで穴があきにくく、化学繊維の服のように溶けることもありません。

※ヘンプの難燃性についてですが、あくまでも一般的な合成繊維（石油由来の繊維）と比較して、素材が持つ特性上の性質によるものです。素材そのものに加工は施していません。しかしコットン同等の性質があるため、火の粉程度は避ける事はできます。防炎素材ではないために燃えない繊維ではありません。

内側はメリノウールをふんだんに使った裏起毛。フリース同様、あたたかい空気の層を体との間に作ることによって程よく温度管理をしてくれます。そして素材本来の防臭効果も期待できるので、何日間着ても臭いにくく、頻繁に洗濯ができない状況でも気持ちよく着ることができるでしょう。

デザインはどんなスタイルにでも合わせやすいようベーシックに。気軽に羽織って体温調節できるように、今回はブランド初の前開きのジップパーカーにしました。

ラグランスリーブにしたのは、動きやすく、重ね着をした時にももたつかないようにとの配慮から。パーカーを語らせたら長いデザイナーと、ベテランパターンナーがたどり着いた自慢のカタチです。

ホッカホッカパーカーの特徴でもあるフード。ここにはあえてドローコードを付けず、襟元に木製ボタンを配置。閉じることでフードが立ち上がって首元をやさしく包み、首を冷気から守ってくれます。

ファスナーについてですが、金属部分はニッケル合金でできています。また、その金属を支えるテープ部分は一般的なファスナーはポリエステルのものが多いですが、あえて綿素材のものを選び、自然分解100%を目指しています。金属部分のニッケル合金についてですが耐食性と耐熱性に優れているために、丈夫で長持ちする反面、自然に還るには時間を要します。ただし、ニッケル含有製品は高価値のため、耐用年数を迎えた製品を回収・加工して再利用するためのインフラが既に構築されています。そのため、不要になった場合はファスナー部分を取り外し、不燃ゴミとしてゴミ出しをしましょう。

長い間着ていただけるよう、袖口や裾はリブ編みにせず身頃と同じ生地を使っているので丈夫で伸びにくくしました。ポケットの裏もウールの起毛なので、ハンドウォーマーポケットとしての役割も果たします。

環境先進各国でいま再び注目を集めている天然素材『産業用ヘンプ』。

産業用ヘンプは、昨今のアパレル産業、そして現代社会が直面している多くの課題を解決し得る、高い可能性を秘めた天然素材。その用途は食品や化粧品をはじめ、工業製品、燃料にまで及び、約25,000もの事柄に活用されると言われてます。

また、ヘンプは自然界で分解されるのはもちろんのこと、短期間で簡単に栽培・収穫できる、循環再生型の万能天然素材。しかも土壌改良もしてくれるとあって、海外では「グリーンラッシュ」とよばれ、雇用・ビジネスモデル・投資などの観点からも注目度が高まっています。

日本では古来から使われていた最も古い繊維でもあるヘンプですが、今では石油由来のプロダクトに変わる、新しいバイオマスとしても注目されているのです。

衣料品で考えると、ヘンプ繊維には微細な穴が無数にある（多孔構造）ため、水分をすばやく吸収・拡散し早く乾いてくれるうえ、抗菌性もあり、非常に強度のある生地が生まれます。

※ヘンプの難燃性についてですが、あくまでも一般的な合成繊維（石油由来の繊維）と比較して、コットン同等の性質があるため、火の粉程度は避ける事はできます。しかし防炎素材ではないために燃えない繊維ではありません。

「ヘンプ生地はゴワつくんじゃ？」、「ヘンプは夏の素材でしょ？」なんていうのは過去の考え。その機能をうまく生かす事で、化学繊維に負けない機能を発揮してくれるのです。

メリノウールはメリノ種という種類の羊の毛の事で、自然がもたらした高い機能性を持った繊維です。

羊の中でもメリノ種の毛は細くて長く、非常に滑らかで弾力があり、滑り感があるのが特徴。ほっかほかパーカーにはウール大国オーストラリアの「エクストラファインメリノ」と呼ばれる、上級レベルのメリノウールを使用しました。

メリノウールの高い機能性は、厳しい環境に中、外界から肌を守るために進化してきたプロテクター。時には寒暖差から、時には湿気から、時には細菌から。それはまさに自然の変化に対応するためのものであり、適切に着ることで、私たちにも同じような機能をもたらせてくれます。

メリノウールは呼吸する繊維。それ自体が湿度、温度を自然のチカラで調整してくれる驚くべきナノテクノロジーなのです！

下の図を見てわかるように、ウールの構造はあまりにも複雑で、現在の機能繊維を代表する石油由来の合成繊維では再現不可能と言われています。

今回の「ホッカホッカパーカー」は天然繊維の色をそのまま生かしたキナリと、クールなブラックの２色展開。

＜キナリ＞

＜ブラック＞

＊写真はできる限り実物の色に近づけるよう撮影していますが、みなさまの閲覧環境により実際の商品と色の印象が異なる場合があります。

tennenの商品はすべてユニセックス。「ホッカホッカパーカー」は、S、M、Lの3サイズ展開です。

下）男性：169cm / サイズ：M

下）女性：164cm / サイズ：S

下）男性：180cm / サイズ：L

tennenの服作りの現場は日本。生地を一から開発する技術力、丁寧な縫製はメイドインジャパンの技術力。

＜＜カットソーの産地、すごい機動力！和歌山の老舗ニッター＞＞

【糸を手配して編み立てる】 株式会社オカザキニット (和歌山）

いつも柔軟で、早い対応で私たちのわがままを聞いて生地にしてくれている和歌山のニッターさんです。和歌山の老舗のニッターさんでカットソーと言われる丸編みが主体の生地屋さんです。

＜＜誠意のある物作り、日本の心を継承する縫製工場＞＞

【縫製をする】株式会社名古路コーポレーション（愛知）

tennenとは始まった当初からお世話になっているカットソーイングの縫製工場です。ほとんどの製品はこちらの工場で最終組み立て、縫製され仕上げていきます。

Q : 品質表示（ケアラベル）はついていますか？

Ａ: 左脇下についています。

Q : 混率はなにになりますか？

Ａ: ウール（メリノ）45%、植物繊維（ヘンプ）38%、オーガニックコットン17%になります。オーガニックコットンは表側のヘンプと裏側のメリノウールをつなぐ役割を果たしています。

Q : 縮みますか？伸びますか？

A : 洗濯をすることで多少タテとヨコ、さらに個々にバラツキはありますが、おおよそタテー10%前後縮ます。ヨコは逆に伸びる傾向があり、10%~15%程度伸びる傾向があります。

Q:洗濯方法はどうすればいいですか？

A：洗濯機で洗う場合、基本的にはネットに入れて手洗いモード、あれば弱水流でお願いします。洗濯機にそのような機能がない場合は、手洗いにてお願いします。

Q : メリノウールはノンミュールジングですか？

A : 確定はしていないのですが、オーストラリア産という事でミュールジングをしている可能性が高いです。それを受けて次の生産からはニュージーランド産のノンミュールジングジングウールに移行する予定です。

Q : チクチクしますか？

A : ウールは細くてしなやかな、ファインメリノを使用しています。個人差はありますが、ウールはしなやかな裏起毛で、チクチクする感じはありません。

「プラスティックフリー、リサイクル、オーガニック、日本製」をキーワードに、服づくりからアクションを起こすことで、未来につながる循環型社会に取り組むドメスティック・ブランドです。オーガニックコットンを草木で染めたシャツや、メリノウールを素材にしたキャップなど、環境負荷を軽減すべく、縫製用の糸やケアラベルも天然素材を採用。またしっかりリサイクルできるよう、極力単一素材の服づくりを実践しています。

左から

・小栗大士／デザインとディレクションを担当しています。素材オタク＆サーファーです。ヘンプの生地をつくった張本人です。みなさんよろしくお願いします。

・上田雄一朗／全体を統括しています。

・加藤華子／企画、コーディネート、調達、スケジュール調整などなどを担当しています。

・根岸功／プロモーション、主に文章を担当しています。僕もサーフィンを通して海をはじめ、自然と関わる機会が多いので、こういったブランドの活動にユーザーのみなさんの関心が少しでも向いてくれたら嬉しいです。Choice is yours!

・山下道生／概ね写真＆WEB等々担当のロンゲです。ヘンプの可能性と未来にドキドキ☆ワクワク。カメラとパソコンが大好き。ちょっとだけ太めでカレーが大好きな42ちゃいです♡

【tennen / テンネン】ブランドのコンセプト

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