■どうすれば数学をもっと面白く学べる教科にできるのか■

「この数学の知識はいったい何の役に立つんだろう。」
「なんでこんなこと覚えなきゃいけないの？」

数学を学んでいて、そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか？

「学べばきっと価値がある。」そうわかっていても、次から次へと沸き起こる疑問に、難解な公式に、挫折した。かつて、そんな経験をしたことはありませんか？

数学というのは本来魅力的な学問です。たんなる機械的な計算ではなく、どうすればもっと面白く学びを実現できるのか？私たちは、そんな想いから無料動画プロジェクトを立ち上げました。それが "tanQ Cinema" です。

動画は子どもたちだけでなく、学校の先生、塾の先生、あるいはお母さんお父さんに使ってもらうことを意図しています。つまり “数学を学ぶ人” も “教える人” も多くの人が今まで抱えていたジレンマを解消できるようにする。それがプロジェクトの目的です。

■「知りたい」という気持ちが刺激される勉強の仕方を提供したい■

はじめまして、私は宝槻 泰伸（ほうつき やすのぶ）です。Team tanQ の代表です。Team tanQ とは新しい学び方や教え方を追求する有志のグループ。「知りたい」というこどもの探究心に火をつけるため、去年から活動をはじめています。

私自身は東京都三鷹市で学習塾を２年前に創業。小学生から高校生の生徒達がどうすればテストのためでなく人生のために、もっと自発的に学ぶようになるかということをテーマにしながら教育と向き合ってきました。

生徒同士の学びあいやワークショップ型の授業作りにチャレンジしたり。

小学生にサイエンスや歴史や人物伝についての “探究学習” を提供したり。
いまでも試行錯誤を続けています。

その中でも、英語・社会・理科といった教科は、社会との結びつきも強く、工夫次第で生徒達も面白さやヤル気を感じさせやすい教科です。
ところが、数学は違いました。 "答えがでる面白さ" の他に、なかなかワクワクする環境が作れずに悩む日々が続いていました。

・公式を覚えて
・それを当てはめて機械的に計算する

ということに慣れてしまった生徒達。どうすればもっとイキイキと数学を教えることができるのか。数学アレルギーを持つ生徒（特に女の子に多い！）に、どうやって面白さを伝えることができるのか。そうした問いと向き合う中でたどり着いたのが、次のアイデアです。

・数学の発見は “どうやって” 生まれたのか
・数学の発見は “誰によって” 行われたのか
・数学の発見は “どんな問題を解決する” のに役立っているのか

こうしたポイントを１つ１つ整理していきながら、数学の世界に宿るドラマを表現する。「公式だけではない、ストーリーのあるドラマを提供する！これならばイキイキと数学を教えることができるのではないか。」そう考えたのが Team tanQ の発端でした。

■数学のドラマをアニメーションを駆使して表現する■

試行錯誤の末、冒頭に載せたような動画の制作手法を確立しました。私達はこれを "tanQ Cinema" と呼んでいます。数学にドラマを。勉強に発見の喜びを。まるで映画を観ているように、子どもたちが興味を持ってワクワクと学べるようにする！それが動画制作の最終ゴールです。

現在制作しているのは数学の王者ともいわれる “微分積分” 。名前を聞いただけでも嫌がる人が少なくない分野です。しかし研究してみると、現代社会にとてつもないインパクトを及ぼしている人類の英知であることに、私たちも気づきました。

例えば、「太陽が地球の周りを回っている」という “天動説” に対して、コペルニクスやガリレオは “地動説” を主張しました。これは有名な話ですが、実はその裏で数学のドラマがあります。その証明をめぐり、ケプラーという人物が積分計算を駆使して、なんと８年もの歳月を費やしていたりします。

またケプラーや他の数学者達の多くの業績を受け継いだニュートンが、天才的なひらめきで「微分積分」という分野の学問体系を完成させた、というドラマも眠っています。

「数学という学問がもつドラマ性を噛み砕いて伝えることで、生徒達の学ぶ姿勢や気持ちに変化が表れてくる！」

プロジェクトを始めて少しずつですが、ワクワク学ぶ子供たちを見て、アイデアが間違っていないということが徐々に見えてきました。

■動画を公開して全国の学生に届けたい■

そしてプロジェクトは、次のステージへ。
「せっかくだから塾の生徒だけでなく多くの学生に面白い勉強の仕方を届けよう」
そんな想いをもって、動画をYouTubeに公開しはじめました。

まず反応をくれたのは 予想していた層とは違い、“数学を学び終えた社会人” や “学校や塾の先生達” でした。

Facebookの先生達が集うコミュニティーからかえってきたコメント

実際に数学を教える学校や塾の先生から、「これは良い！」という評価やコメントをいただき、さらに本気で取り組むことを決意しました。塾を終えてから、あるいは週末に、時間をなんとかつくって地道に動画を作り続けています。現在までに20本程度の動画を制作しました。

▼【 tanQ Cinema 再生リスト】

微分についてのyoutube再生リストはこちら

積分についてのyoutube再生リストはこちら

公開を開始してから３ヶ月。動画は、熱心に最後まで見て頂いているということを感じられるようになってきました。"tanQ Cinema" は５分前後の動画です。データを見ると、再生時間の平均は４分程度（80％）を維持しています。※YouTubeでは、平均再生時間は通常2分程度といわれています。

また、日々の再生回数も順調に伸び始めています。アイデアと方向性は間違っていない！ということも感じられるようになってきました。

しかし、動画づくりには時間と熱意がかかります。５分の動画を制作するのに２０時間以上かかることも少なくありません。

こんな分厚い本を片手に動画作りに挑んでいます。

数学史や科学史を調べたり、アニメーションを作り込んだりと、質をあげるために必要なことは山積みです。さらに、Team tanQのメンバーは現在、全員ボランティアです。前述の想いを原動力に、週末の時間を削り、動画づくりに注力しています。

そこで、この動画づくりをもっと拡大・継続するため、クラウドファンディングを実施することを考えました。

もしあなたがこの "tanQ Cinema" に価値を感じ、先生や学生の将来に投資しようと考えていただけたなら、そのお金は、継続的に動画を制作することができる環境づくりのために使用させていただきます。

■学校や塾の先生に動画コンテンツを活用してもらう■

動画は見られることで価値が出ます。そこで、時間と情熱を注いでつくった動画をいろいろな教育現場で、実際に使ってもらいたいと考えました。

ただYouTubeで公開するだけでなく、全国の数学の先生に動画の存在を伝え、学校や塾での活用方法を一緒に考えてもらう活動もスタートさせました。

秋田県の高校で数学を担当されている先生とのやり取り

「学校の授業は時間が限られている。 “問題が解けて受験で勝負できる” ことをどうしても優先せざるを得ない。だから、数学の神髄をなかなか伝える余裕がない！」先生達から、そんなことを教えてもらいました。

そして、だからこそ「短時間でそれを伝えることができる “動画” や、先生が自ら授業で活用できる “スライドデータ” はとても役に立つ」という評価をいただきました。

ご支援いただいた資金は、先生達にご活用いただくための広報活動・支援活動にも使わせていただきます。

～最後に～

■いっしょに学生の知的好奇心・探究心を育てませんか？■

基本的に、動画は自由に使っていただいて構いません。

・導入部分や本質部分に光を当てた授業ができる
・板書では不可能な表現をスライドでみせることができる

インターネットによる教育が声高に叫ばれている中で、全国の先生や保護者のお役に立てればと思っています。日本の教育の質を高めるための一石になりたい。またそうした志のある先生との協力体制を築きたい。私たちのプロジェクトの中心にある想いです。

動画を活用していただくことで、あるいはクラウドファンディングによって、活動をご支援いただけますと幸いです。

■プロジェクト起案者プロフィール■

高校時代、あまりにも受験に偏った教育を前に、学ぶ気持ちが折れ始め、なんとかならないかと苦心したあげく「つまらない勉強はやめにしよう」という想いのもと、学校を退学して、独学で工夫しながら勉強を始めました。

NHKスペシャルで社会を、映画で英語を、歴史小説で歴史を、という勉強方法です。なんとか自分なりにヤル気の出る勉強法を見つけることができ、結果として大検を通して京都大学に進学しました。

その経験を通じて、やはり学習意欲が最も重要であるとの実感を持ちました。私は長男であったため、その影響も手伝って、弟二人も大検から京都大学に進学しています。