浮世絵をモチーフにしたグッズは数多ありますが、このピアス＆イヤリングは和紙に摺られた本物の浮世絵木版画で出来ています。

浮世絵は主に「肉筆画」と「版画」に大別することができるのですが、私たちが「浮世絵」と聞いて思い出す葛飾北斎の大波の絵、東洲斎写楽の役者などは「版画」で制作されたものです。

その技術は「江戸木版画」といい、400年以上にわたり、東京を中心に伝統的に継承されてきました。

－ 創業160年 － 最も歴史ある浮世絵木版画工房

高橋工房は安政年間（1854年～1860年）に創業し、今なお東京都文京区で、江戸の昔から変わらぬ素材と技術・技法を用い浮世絵木版画を現代に蘇らせています。

制作元：東京都中小企業振興公社（2017年）

【高橋工房6代目代表 高橋由貴子氏】
NHK日曜美術館への出演、NHKドラマ「眩（くらら）～北斎の娘～」で技術指導として参加、デトロイト美術館や大英博物館などで講演会を行うなど、国内外で精力的に活躍する。

江戸木版画は気の遠くなるような「手仕事」の繰り返しです。

まず「彫師」が5枚から7枚程度の版木を小刀やのみを使い分けて彫り込んで行きます。

次に「摺師」が、十数回から30回程度もの色を摺り重ねて作品を完成させていきます。版木の上に水、絵具、のりでグラデーションを作り、職人の感覚のみで正確な濃淡を表現する「ぼかし」や、紙に凹凸をつける「空摺(からずり)」「きめ出し」など、江戸木版画独自の技法は「摺師」の腕の見せ所です。

例えば、葛飾北斎の冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の場合はこのような工程をたどります。

現代的な道具や機械は使わず、職人の「技」だけで進められる手仕事。
職人が「一人前」といわれるようになるまでには気の遠くなるような歳月を要します。

高橋工房では、品質を守るため、ほんの少しの誤差が生じたものを「ヤレ」と呼び、世に出しません。
（ヤレの語源は「破れ」で、紙が破れて使えなくなることが転じて、使えなくなったものを表す表現に変わっていったようです。）

非常に厳しい検品を行い、素人目には全く違いが分からないような僅かなエラーで「ヤレ」送りとなります。

上：合格品 下：ヤレ 富士の稜線がわずかにズレています。

高橋工房では、このヤレを使って新しい価値を生み出す「ヤレのアップサイクル」に挑戦してきました。

（アップサイクルとは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること）

【これまでの作品】

私、株式会社エンズウェル代表 佐柁ユウ巳は、このたび、縁あって、デザイナーとしてこの活動に参画させていただくこととなり、考案したのがこちらのピアス＆イヤリングです。

デザイニングにあたり、高橋工房代表の高橋由貴子氏からの要望は「浮世絵の風合いを殺さないでほしい」ということでした。

厳選された上質の和紙の質感、そこに丁寧に丁寧に摺り込んだ顔料の豊かな発色。
この風合いを護ってほしいと。

また、私がファッションデザイナーとして譲れなかったところは、アクセサリーとして「おしゃれ」であることでした。

浮世絵をモチーフにしたアクセサリーというと、どうしてもインバウンド向けのチープな土産物を連想してしまいがちではないでしょうか。

そうではなく、洗練されたデザインであること。ファッションとして確立していること。そうでありながら、浮世絵の魅力が最大限に活かされていること・・・。

それが私の使命でした。

ここで私は「ぼかし」に着目します。

「ぼかし」とは、水を含ませた布や刷毛で版木を濡らし、その上に絵具をおいて、にじんだところを摺りとるという技法です。
濃い色から薄い色へと自然な感じにぼかしていく、いわゆる「グラデーション」。
風景画の空や海などの表現によく見られます。
浮世絵の摺りの中で最も難しい箇所の一つです。

１，この浮世絵の「ぼかし」部分だけを
２，「真鍮」のプレートに貼り付け
３，「螺旋」形に巻く

こうして出来た作品は、浮世絵のやわらかなグラデーションと真鍮の落ち着いた煌めきが螺旋によって交互に出現し、しかもそれは、耳元で揺れる動的作用によって常に表情を変え、和の落ち着きが大人のテイストを醸しながらも、真鍮の輝きがフェイスラインを華やかに演出し、ボリュームがあるのに軽やかです。

上品なのに遊び心がある『グラデーションピアス（イヤリング）』の完成となりました。

今回、リターンとしてご提供いたします『グラデーションピアス（イヤリング）』5タイプと、その元となった原画を紹介します。

歌川広重と葛飾北斎の名画からグラデーションが際立つ傑作をチョイスしました。

１，広重『名所江戸百景 亀戸梅屋敷』

可愛らしさ、女らしさ、せつなさ、愛おしさ。濃いピンクから薄いピンクへと移ろいゆく様はそんなニュアンスを醸しているように感じます。年齢、季節を問わず、マルチにご活用いただけることでしょう。

２，広重『東海道五拾三次 箱根 湖水図』

富士山が背負う朝焼けでしょうか、夕焼けでしょうか、濃い琥珀色から淡い琥珀色へのグラデーションを切り抜き、華やかな明るい色彩でありながら落ち着きを感じさせる色味が、大人の女性の魅力を惹きたてます。

３，北斎『冨嶽三十六景 凱風快晴』

「それ、イタリア国旗？？」「いいえ、北斎の凱風快晴」「え？？？」「赤富士ってやつ。多分見たことあるよ」・・・あの名画、そのものと言って過言ではない、赤から緑へのグラデーション部分を切り出しました。

４，北斎『千絵の海 総州利根川』

清々しい爽やかなブルーのグラデーションは様々な浮世絵木版画、特に「名所絵」とよばれる風景画に多く登場します。そのせいか、このピアス（イヤリング）はどこか、平面的ではなく、突き抜ける青空や底深い海のような奥行きや広がりを感じさせます。

５，北斎『諸国瀧廻り 木曽海道小野ノ瀑布』

このグレーの深みには鉱物やプラスチック、ガラスといったマテリアルには出せない味わいを感じます。今回発表するグラデーションピアス（イヤリング）の中で最もシックでモダンなデザイン。

【選べる3タイプ】

お好みに合わせてグラデーションの方向をチョイスできます。

完成したとき、

１，両方とも濃い色が上で淡い色が下

２，両方とも淡い色が上で濃い色が下

３，片方は濃い色が上で淡い色が下、片方は淡い色が上で濃い色が下

の3つのタイプがございます。

左：濃い色が上で淡い色が下（※金具はピアスタイプ）

右：淡い色が上で濃い色が下（※金具はイヤリングタイプ）

※北斎『冨嶽三十六景 凱風快晴』のタイプでは濃い色⇒赤色 淡い色⇒緑色とお考えください。

浮世絵の全ての工程は「手仕事」を貫いていますが、このピアス＆イヤリングも全て「手作業」で作ってます。

【作業工程】

１，まず、薄い真鍮版に浮世絵を貼り付けます。

２，次に全体にまんべんなく撥水スプレーをかけます。（撥水スプレーであれば手触りや発色に影響を与えることなく摩擦による和紙の毛羽立ちを防ぐ効果を期待できます。）

３，乾いたら特殊な裁断機で切断します。ハサミやカッターなどと違い、切端が美しく仕上がります。

４，ドリルで慎重に穴を開けます。

５，棒に巻いて螺旋形にします。大胆かつ繊細にひと息で仕上げるのがコツです。

６，角を落としてやすりをかけます。天然の砥石を使っています。

７，金具を取り付けます。

ピアス金具、イヤリング金具は真鍮製18KGPのものをチョイスしました。

詳しくは割愛いたしますが、一般に18金は金属過敏を起こしにくいとされています。
こちらの金具はサージカル対応ではないので、かぶれとの関係性に関して言及できませんが、18KGP（18金メッキ）であることを一つの指標にしていただければと存じます。

【ピアスタイプ】

【イヤリングタイプ】

YAREピアス／イヤリングのセット販売はMakuakeのみ！

今回はなんと、マクアケ限定で「グラデーションピアス（イヤリング）」に色柄おまかせの「YAREピアス（イヤリング）」をセットにしてお届けいたします。

この「YAREピアス（イヤリング）」は広重・北斎に限ることなく、様々な浮世絵のヤレから切り抜いた一点ものになっています。

どんな色柄か、届いてみるまでお楽しみという「ガチャポン形式」！

届いたモノがお好みに合うかどうかは運次第ですが、それなりにファッションとして成立したデザインになるよう、もしくはポップアートとして楽しめるようなユニークな構成を考えてあります。

★左右で同じ図案、同じ構図にはできませんが、極端な左右差が出ないように作ってます。

【一般販売価格】
・グラデーションピアス／イヤリングは3850円（税抜3500円）
・YAREピアス／イヤリングは2750円（税抜2500円）

オンラインでYAREピアス／イヤリングが買えるのはMakuakeのみ！

YAREピアス／イヤリングは店頭（主にミュージアムショップなど）での販売のみとなり、オンラインでの販売予定はございません。この機会をお見逃しなく‼

サイズ：（金具を除く本体）長さ約5ｃｍ 幅約1.2ｃｍ ※手作りのため、サイズには個体差がございます。

重さ：（金具を含む）ピアス2ｇ／イヤリング3ｇ

本体素材：和紙／真鍮

金具：真鍮に18金メッキ

【実行者のサダよりご挨拶】