腕時計の機能を置き換えるという発想。

スマホで時間が分かる時代に、腕時計の「時刻を知る」という機能はあまり重要ではないように感じます。にもかかわらず、高級腕時計はなくなることもなく、その価値は高まっているのはなぜなんだろう？ということが気になって、

時刻を知るという機能を他のものに置き換えても、その存在はファッションアイコンとして成り立つのではないだろうか、ということを現代アーティストSULEBOX（シュールボックス）が構想しました。

その思想から腕時計に砂時計をくっつけて生み出されたのが、この腕砂時計です。

置き換えた機能はマインドフルネス。

腕砂時計の名前は、「Carpe diem（カルぺ・ディエム）」です。カルぺ・ディエムとは、古代ローマの詩人ホラティウスの詩の一節で「今日という日の花を摘め」という訳になります。「今この瞬間を楽しめ」や「今という時を大切に使え」という意図で訳されることもあります（Wikipedia調べ）。

砂時計を眺めている状態って、マインドフルネスで言うところの「今起こっていることのみに注意を向ける」状態と、とてもよく似ています。カルペ・ディエムをつけているとついつい眺めてしまって、同時に心が落ち着いてくるのを感じます。

あなたの心が過去や未来へ飛んでいる時、マルチタスクで思考が虚（うつろ）になっている時、カルペ・ディエムを眺めている瞬間だけでも「いま、ここ」に立ち戻ることができたらうれしいです。

面白いものをつくったから、みんな使ってみてよ！

以上のことは、あとから思考を掘り下げて見出した作品のコンセプトですが、試作品をつくってから最初に生まれたのは「面白いものをつくったから、みんな使ってみてよ！」という本当にシンプルな感情でした。

SULEBOXがアート作品を制作する際、作品の根源となるのは彼自身の中にある「萌え」です。こんなものが世の中にあったら面白いだろうな、という萌えを形にしてアートフェアで発表するということを繰り返してきました。

今回は、「腕に砂時計をつけてる感覚ってとてもクールなんじゃないか！」という湧き上がってきた萌えが先にあり、実際につくって身につけてみると「やっぱりクールだったね！」という流れでした。

ファッションアイコンとしてのデザインと質感。

アート作品との接し方って、展示してあるのを眺めたり購入してコレクションしたりというのが一般的ですよね。

カルペ・ディエムはそこから一歩進んで、実際にお客さんが身につけて作品のコンセプトを体感できるという意味で、とても大きな可能性を感じています。

そして実際にファッションアイコンとして身につけてもらうために、マインドフルネスという機能を邪魔しないシンプルでミニマルなデザインと、身につけていて愛おしくなるような質感を意識してつくりました。

ボディの材質は、チタンとジュラルミンとアクリルの３種類。

チタンの削り出し

チタンは高強度で鉄よりも軽いため、高級製品の軽量化パーツとして使われる素材です。その特性を生かして薄さ6mmという、とてもスリムなデザインに仕上げました。表面はブラスト加工を施してマットな質感となっています。

ジュラルミンの削り出し

航空宇宙業界で使用されているグレードの高いジュラルミンを使っています。チタンよりもさらに軽量な素材なので、少し厚くしながらもシンプルでより円の形状が際立つデザインに仕上げました。表面はブラスト加工を施してマットな質感となっています。

アクリルのレーザーカット

元々このプロジェクトは、チタンとジュラルミン仕様のみで進める予定でした。

しかし試作品を身につけていると、学生さんや小さい子からも「これ欲しい！」という声をたくさんもらいます。

チタンやジュラルミンは一つ一つ削り出しているので、どうしてもコストが高くなってしまいます。でもそういう子たちにも使ってもらいなと考えて、アルバイト代やお小遣いでも手が届くアクリルの仕様もつくることにしました。

結果的に、とてもポップな５種類のカラーバリエーションが出来上がりました。

集光アクリル板を使用した４種類、レモンイエロー、ファンキーピンク、ブラッドオレンジ、クリスタルパープル。そしてミユキアクリルさんのアクリル板を使ったカラフルなフルーツポンチの、計５種類になります。

＊チタンとジュラルミン仕様には、天然の砂を使っています。

試作をしてみると、天然の砂は流れ方がとてもきれいでした。一粒として同じ形の砂粒はないため、流れ方がミクロなところで毎回違って、飽きずにずっと見ていられます。（※アクリル仕様には、ポップさを重視して着色のできる硅砂という極小ビーズを使っています）

＊表面には、耐摩耗コーティングを施したアクリル板を使用しています。

＊バンドは、デザインを邪魔しないシンプルで肌にやさしいシリコンラバーを使っています。

今回のリターンは、チタンプレミアムとスタンダードとビギナーズポップの３種類になります。

1）カルペ・ディエム・チタンプレミアム

限定10個のみに、シリアルナンバーの刻印がつきます。

*ボディ：チタンの削り出し

*砂：天然砂

*バンド：幅20mmのシリコンラバー /ブラック or ダークブルー

*測れる秒数：10秒弱

*重量：約37g

現代アートのもう一つの魅力は、希少性だと思います。それは普通の製品ではあまり味わえないことですよね。

それでチタンプレミアム仕様のうち、限定10個のみに1〜10のシリアルナンバーを刻印することにしました。つまり世界に10個しか存在しないということです。ぜひ希少性を味わってみてください。

*サイズ

２）カルペ・ディエム・スタンダード

今回の主役、スタンダード作品です。

*ボディ：ジュラルミンの削り出し

*砂：天然砂

*バンド：幅20mmのシリコンラバー / ブラック or ダークブルー

*測れる秒数：10秒弱

*重量：約42g

*サイズ

３）カルペ・ディエム・ビギナーズポップ

５種類のカラーバリエーション：レモンイエロー、ブラッドオレンジ、ファンキーピンク、クリスタルパープル、フルーツポンチ

*ボディ：アクリルのレーザーカット

*砂：着色した硅砂（けいさ）

*バンド：幅20mmのシリコンラバー / 半透明のミルキーホワイト

*測れる秒数：3秒弱

*重量：約33g

（写真のカラーはフルーツポンチです）

その他、カラーバリエーション４色

＊レモンイエロー

＊ブラッドオレンジ

＊ファンキーピンク

＊クリスタルパープル

*サイズ

お届けは9月中旬を予定しています。

プロジェクト終了後よりボディの削り出しを開始し → 組み立て → それから梱包をして、9月上旬より順次送付させていただく予定となっています。

資金の使い道

みなさまからいただいた資金はもちろん、腕砂時計の材料費、加工費、組立費など製造に関わる費用に使わせていただきます。

また新作の開発にも使わせていただきたいと考えています。面白くてちょっと変わったものを世の中にどんどん出していきたいと考えています。

実行者紹介

SULEBOX（シュールボックス）

現代アーティスト兼フリーランスメカエンジニア。

大手自動二輪メーカー → スピーカーOEMメーカーで10年以上設計者として従事。2016年に独立。フリーランスメカエンジニアとして、様々なハードウェアスタートアップで設計開発に携わる。

他方、2010年より現代アートを始める。翌2011年に台湾のグループ展に参加、2014年にはニューヨークでの個展を開催。2016年の独立以降は、年数回程コンスタントに海外のアートフェアに参加している。ART Santa Fe 2019 優勝賞受賞。SULEBOXの作品のテーマは、「日常のタガを少し外した思考」。

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みなさま、ここまでプロジェクトページを読んでいただき本当にありがとうございます！

SULEBOX（シュールボックス）です。フリーランスのメカエンジニアとして色々なスタートアップと設計のお仕事をさせてもらったり、現代アーティストとして様々な国のアートフェアに参加させてもらったりしています。

小学生に「それ、ちょっとシュールだね」って言われるようなものを、日々本気でつくってます。この腕砂時計は、そんな自分のアイデンティティから生まれたものであり、また久々にハマったものです。腕に砂時計をつけるという思考もそうですし、チタンやジュラルミンといった素材、クオリティにとことんまでこだわることができるという意味でも本当に面白いです。

腕砂時計「カルペ・ディエム」は、とても愛おしい存在になると思います。

手にとって、皆さんの日々の暮らしの一部にしていただけるとうれしいです！
どうぞ、よろしくお願いいたします！

【よくある質問と回答】

Q1．この砂腕時計は防水ですか？
A1．防水仕様を施していませんので、水などの液体のかかる環境下での使用はお控えくださいませ。

Q2．なんで防水仕様にしないのですか？
A2．防水仕様にするとどうしても表面にシールが見えてしまうので、お化粧的なデザインを優先して防水仕様にはしませんでした。ただ表面に少し水がかかったりするくらいであれば問題ありませんので、生活をしていて困るシーンはあまりないかと思います。水のバシャバシャかかるシーンでは使えませんが、そういう欠点も含めて好きになってもらえるとうれしいです。

Q3．腕砂時計で測れる秒数はどれくらいですか？
A3．チタンプレミアムとスタンダード仕様で10秒弱、ビギナーズポップ仕様で約3秒となっています。

Q4．測れる秒数があいまいなのはなぜですか？
A4．傾ける角度によっても異なりますし、砂の流れのランダム性を優先して細かい方の粒径を整えていないので、どうしても個体差が出てしまいます。正確な秒数よりも、腕に砂時計をつけているという感覚を味わっていただけるとうれしいです。

Q5．時計の機能はついていますか？
A5．時計の機能はついていません。砂時計のもつ情緒を味わってもらえたらと思います。