先日、とあるお客様から某有名フリマサイトを見るよう言われたことがありました。そこに『菅原水鏡』が出品されているそうなのです。金額を見てびっくりしました。畏れ多くも、有名ウイスキー以上の値段がつけられていたのです。しかも出品されたばかりのもの以外は、SOLD OUTになっています。

定価以上の価値で買って頂いているお客様が少なからずいらっしゃることに大変驚きありがたく思いました。同時に、十分な量のお酒を皆様にお届けすることができていればと、飲まずに転売されてしまうお酒たちに複雑な思いも抱きました。

常に進化し続ける『菅原水鏡』を、次々にお客様にお届けしなければと、あらためて身を引き締めております。今回は、特にこれまでになかったタイプの『菅原水鏡』の新作をお届け致します。

発売開始以来Makuakeで大好評の菅原水鏡『菅原水鏡』の新たな挑戦

三鍋博士（『菅原水鏡』製品開発技術アドバイザー ）の樽熟の技術と、ブレンダーとして世界のウイスキー好きを唸らせてきた仲沢一郎のブレンドの技術を、ニンジンと焙煎大麦という二つの原酒に惜しげも無く注ぎ込んだのが、『菅原水鏡』ルージュシリーズに、初めてブレンデッドではない、ニンジンと焙煎大麦の『菅原水鏡』が登場です。

今回は、リターンとして、アンブレンデッドの後熟が３商品と、従来のブレンディッドな『菅原水鏡』後熟のうち特に味わいの良かった３商品の計６つの『菅原水鏡』をご用意致しました。

ウイスキーにブレンデッドとシングルモルトの二つの愉しみがあるように、『菅原水鏡』でもぜひ、ブレンディッドとアンブレンデッドの二つの豊かな味わいをお愉しみ下さい。

ブレンダーのみが知る『菅原水鏡』原酒の世界への誘い

写真：仲沢一郎

酒商菅原は、世界のウイスキー好きを唸らせてきた仲沢一郎を製造責任者に迎え、製造プロセスを一から徹底的に見直すことで、『菅原水鏡』を常に美味しく進化し続けることのできる開発工程を整えてきました。

今回初めて、ニンジンそのものと焙煎大麦そのものの『菅原水鏡』をお届けするにあたり、仲沢は「今回２つの商品を出すことにより、これらを使ってブレンドしたのが前に出した商品なんだということをわかって欲しい。」と言います。ブレンダーだけが味わうことのできるブレンドする前の原酒の味わい、それをお客様にもぜひご体験頂きたいと思います。なお、仲沢一郎のフルインタビューは、酒商菅原のYouTubeで公開しておりますので、ぜひそちらもご覧下さい。

ラインナップ

リターン一覧

今回の『菅原水鏡』後熟 新シリーズ

日本が生み育んできた素材とスピリッツの本場ヨーロッパの素材の組み合わせは、想像を超えた美味を生む。それは、自然豊かな国土と四季の巡りと日本人の繊細な感性のコラボレーションの妙によってもたらされるものである。

日本ワイン用ブドウの父川上善兵衛が育種に成功し、日本産赤ワイン用ブドウ品種の代表となったマスカット・ベーリーＡの内に濃いジューシーさを持ちながらも端正なたたずまいが、フレンチオーク樽（バリック）を通して素直で伸びのあるニンジン焼酎のフルーティーに与えたものは、これまで存在したことのないフレッシュで奥行きのある味わいであった。

樽材を日本の誇る樹種「みずなら（水楢）」にすると、焼栗のような心地よいウッディーと爽やかなハーブ系の香り、そして穏やかなフルーティーがニンジン焼酎に付与される。

そこに時間軸を加え、深みを加えるために選んだのが、75年間ソレラでオロロソを醸し続けてきたスパニッシュオーク樽である。気の遠くなるほどの時間の経過で枯れ果てたかと思いきや、この樹種の持つ豊富なタンニンは見事にニンジン焼酎に時の流れの痕跡を付与することに成功した。

ニンジン後熟： マスカットベーリーAバリックフィニッシュ

柔らかくスッキリして飲みやすいシングルニンジンをマスカットベーリーA樽に後熟することにより、まろやかな味わいと渋みが加わり厚みが増しました。

ローステッドバーレイ（焙煎大麦）後熟： マスカットベーリーAバリックフィニッシュ

言わばモルティーとも言うべきパンをトーストした香りと味わいを持つ焙煎大麦焼酎を、マスカットベーリーA樽に後熟することにより、甘やかな味わいと渋みが加わり、厚みと飲みごたえが増しました。

ニンジン後熟：ミズナラ・オロロソ７５年ダブルウッドフィニッシュ

ミズナラの樹の味わいや厚みに加え、オロロソを75年間貯蔵した樽にさらに後熟することによってフルーティーでまろやかな深い味わいがマッチングして、さらに美味しい飲み物になりました。

『菅原水鏡』ルージュ後熟シリーズ

ニンジン原酒のクリーンで出しゃばらないフルーティー、伸びのある味わいは、焙煎大麦原酒のブレンドでたくましさを増す。このブレンドが今回コラボしたのが、スパニッシュオーク、ホワイトオーク、フレンチオークの3つの樹種である。

スパニッシュオークはスピリッツと合わせるためには必ずシーズニングが必要である。エラジタンニンを始めとする豊富なタンニンが溶出し、手の付けられないほどの渋さが出てしまうからである。今回選んだのは、75年間サンルーカル・デ・バラメダのボデガでマンサニージャを育んできた樽で、スパニッシュオークの究極の姿を知ることができる。それは凛としたオークの香味であった。

ホワイトオークは、渋味・苦みをもたらしやすいが、この樽はそれらの難題からは解き放たれ、心地よい樽香をもたらしてくれた。

フレンチオークは、まったりしたフルーティーと爽やかなスパイシーをもたらしている。

マンサニージャ７５年 バット フィニッシュ

マンサニージャは、フィノと同じ白、ただし、産地はサンルーカル・デ・パラメダのみ。この地のボデガで７５年間、シェリーにそのドライさを生み出す熟成環境を与え続けた樽での後熟により、ドライなシェリー感と甘いエステリーが一体となった心地よいボディーとさわやかな味わいがもたらされました。

ノンピート スコッチ モルト カスク フィニッシュ

柔らかくスッキリして飲みやすいニンジン原酒とモルティーとも言うべき香り味わいを持つ焙煎大麦原酒をバランス良くブレンドすることにより、飲みやすく、バランスが良く飲み飽きない味わいになりました。

マーテル カスク フィニッシュ

コニャックと言ってもグランシャンパーニュとボアゾリディネールとでは、香味に大きな差があります。今回の狙いはグランシャンパーニュやプチシャンパーニュ（両方合わせてフィーヌシャンパーニュと呼びます）産コニャックに現れるランシオ香の取り込みでした。この香りは、熟した脂身のこってりした香味、つまりファティーです。マーテル樽のゴージャスなファティーさがエステリーと溶け合い、分厚いボディーをつくっています。余韻も長く『菅原水鏡』の魅力をいっそう高めています。

註）マーテルはフランスの著名なコニャックハウスであり、トロンセの森で調達されたフレンチオーク樽を用いることで知られています。ホワイトオーク樽はアメリカンウイスキーで用いられる代表的な樽で、一部のシングルモルトでも使われています。

『菅原水鏡』の愉しみ方

『菅原水鏡』は、世界に唯一無二のお酒であるため、どういう風に飲めばよいのかというお問い合わせをよく頂きます。答えは、ウイスキーと同じです。ウイスキーに様々な飲み方があるように、『菅原水鏡』もその時々のシチュエーションや気分に合わせて自由にオリジナルに愉しんでみて下さい。

以下にいくつかの飲み方をご紹介します。もちろん参考にするしないはお客様の自由。ぜひお気に入りの飲み方を見つけてみてください。

美味しい飲み方

ハイボール

『菅原水鏡』のハイボールは、地元では天神ハイボールという愛称で呼ばれて人気があります。炭酸水をふだんと違うものに変えてみたり、ペリエなどの発泡天然水にしてみたりすると、味わいのバラエティを楽しむことができます。

ホット

これからの季節は、ホットもお薦めです。温かい耐熱グラスを持つ手から心も身体も温かくなっていきます。ひと味違った『菅原水鏡』の豊かな香りが楽しめます。

オンザロック

ウイスキーの定番の飲み方ですが、『菅原水鏡』の飲み方のスタンダードでもあります。時間とともに溶けていく氷が味わいの変化をもたらすお酒の時間芸術です。

ミスト

ロックグラスにクラッシュドアイスをたっぷり入れたこの飲み方は冷涼感たっぷり。どちらかと言えば、個性の際立つアンブレンデッドの『菅原水鏡』よりは、スタンダードな後熟シリーズにお薦めの飲み方です。

ストレート

今回初めて登場した『菅原水鏡』アンブレンデッドの個性が一番分かりやすいのはやはりストレート。お気に入りの美味しい水をチェイサーにご用意して召し上がれ。

世界に唯一無二の蒸留酒『菅原水鏡』とは

「菅原⽔鏡」は、当初は、⽇本の酒税法上はありえない「麹ウイスキー」を⽬指して誕⽣しました。

「ありえない」というのは、⽶国等と異なり⽇本では酒税法でウイスキーは麦芽糖化と規定されているため麹で糖化した⻑期樽貯蔵酒は、ウイスキーを名乗れないからです。

しかしながら、⽇本のウイスキーの歴史は、このありえないはずの「麹ウイスキー」から始まっているのです。

1929年に、後にニッカウヰスキーの創業者となる竹鶴政孝氏（NHKの朝ドラ「まっさん」を覚えている人も多いかと思います）が、製造販売した「サントリーウイスキー」（通称：白札）が国産ウイスキーの第一号ですが、日本のウイスキー開発の歴史はそれに先立つ1880（明治13）年にアドレナリンの発⾒などで今も世界的に有名な⾼峰譲吉博⼠が、留学先の英国でスコッチウイスキーに出会ったことから始まります。

⾼峰博⼠（高峰譲吉博士研究会提供）

⾼峰博⼠はスコットランドで「(麹による）酒精製造法特許」を取得し、⽶国で麹によるウイスキーの⽣産を試みました。不幸なことに、⼯場への放⽕など様々な妨害にあったために、高峰博士の「麹ウイスキー」は実現しませんでしたが、「菅原水鏡」はこの高峰博士の「麹ウイスキー」を原点としています。

出藍の誉れとしての『菅原水鏡』

「麹ウイスキー」を原点とした『菅原水鏡』ですが、今は「麹ウイスキー」にこだわっていません。ある意味、ウイスキーを超えたと思っているからです。これは決して自画自賛ではありません。『菅原水鏡』ルージュシリーズは、ニンジンと麹というウイスキーの常識とはかけはなれた原料によって、オリジナリティ溢れた香味の特徴を持ち、G20福岡レセプションなどで世界に認められた実績を持つ蒸留酒だからです。

ウイスキー界のレジェンドである三鍋博⼠の最⾼の樽の技術により、ニンジン独特の⾹味特性（クリーン、エステリー、フレッシュなグリーン、すりおろしリンゴ、コーン、ほのかな⽢み、⻑い余韻）に、焙煎樽熟成することで得られる⾹味特性（ヴァニラ、シナモン、カラメル、ウッディー）が付加されているのが、『菅原水鏡』というこれまでにない味わいの新ジャンルの蒸留酒なのです。

そこに、三鍋博⼠（『菅原⽔鏡』製品開発技術アドバイザー）のサントリー時代の後輩で、ブレンダーとして世界のウイスキー好きを唸らせてきた仲沢⼀郎を製造責任者として迎えて製造プロセスを⼀から徹底的に⾒直し、安定して美味しさの進化を続けることのできる存在となったのが、今の『菅原水鏡』です。

高級スポーツカーメーカーのポルシェには、「最高のポルシェは、最新のポルシェである」との自負があるそうです。『菅原水鏡』も同じ自負を持って毎回最新作をお届けしています。その自負が正しいかどうか、ぜひあなた自身のジャッジを下してみてください。

酒商菅原について

かつての日本には、単に酒を仕入れて販売するのではなく、様々な蔵元から仕入れた酒を独自にブレンドしてそのお店だけのお酒として勝負する酒商という業態の酒屋が多くありました。この伝統を今も継続しているのが「酒商菅原」です。