「菅原水鏡」の生みの親である酒商菅原の土師正記は、ニンジン焼酎と樽熟成との相性の良さを見出し、さらに、樽熟成麦焼酎を加えることにより、いっそうの華やかな香りと厚みが加わって複雑味が増すことを発見し、2018年に初代「菅原水鏡14年」を商品化いたしました。

そして、2020年、元サントリー白州蒸溜所製造技師長の三鍋昌春博士の協力を得て、ベースとなるニンジン焼酎の品質特性を生かすために、樽にとことんこだわった新たな『菅原水鏡（後熟シリーズ）』が完成しました。

『菅原水鏡（後熟シリーズ）』は、「麹ウイスキー」への挑戦から始まり、ウイスキーとはまた異なる味わいの地平に到達した、日本発の新しい蒸留酒シリーズです。
今回新たに誕生したのは全5種類。ホワイトオーク樽をはじめ、シェリー樽、バーボン樽など樽の違いや造りの違いによる味わいの違いをお楽しみ頂けます。

日本のウイスキーの歴史は、1880（明治13）年にアドレナリンの発見などで世界的に有名な高峰譲吉博士がグラスゴー大学へ留学し、スコッチウイスキーに出会ったことから始まります。高峰博士はスコットランドで「(麹による）酒精製造法特許」を取得します。日本初のウイスキーは「麹ウイスキー」だったのです。

しかし当時は残念ながら、麹発酵のウイスキーは商品化されませんでした。今の日本の酒税法では、麹で醸した蒸留酒はウイスキーには分類されません。「麹ウイスキー」は幻に終わりました。

「菅原水鏡」は、もともとは、日本の酒税法上はありえない「麹ウイスキー」を目指して誕生しました。ですが、「麹ウイスキー」の追求は簡単ではありませんでした。本格麦焼酎を樽熟成したお酒は、ウッディーさはあってもウイスキー独特の深く複雑で多彩な味わいが得られず、ウイスキーに近づこうとすればするほどウイスキー未満であることから抜けられませんでした。

あくまで「麹」にこだわりたい。そこで、麦にブレンドする原酒の種類を米や胡麻など様々に組み合わせて試行錯誤を重ね、ついにたどり着いたのが、故田中米實教授によって1982年特許出願されたニンジン焼酎をコアにすることでした。気がついたら、ウイスキーとは全く異なる主原料にたどり着いていたのです。

土師は、元サントリー白州蒸溜所製造技師長の三鍋昌春博士の元を訪ねています

「菅原水鏡」を初めて口にした時に三鍋博士の脳裏に浮かんだのは、ウイスキーではなく高級なテキーラだったと言います。

「菅原水鏡」は、テキーラの香りとは違うけれども、高級テキーラに匹敵するベジテーショナルな香味と味わいを獲得しているというのです。野菜の持つ瑞々（みずみず）しく清々（すがすが）しい香りとエステリーさ、ふっくらした甘みを持ちながらも、ニンジン特有の匂いを全く持たず、クリーンで伸びのある樽香のまったくユニークなスピリッツに仕上がっていたことを三鍋博士は高く評価しました。

こうして、本プロジェクト実行者土師（はじ）と三鍋博士との協業と、「菅原水鏡」の新たな方向性が決まりました。

今回初めて市場に出回る分は、それぞれ限定本数が非常に少ない大変希少なものとなります。皆様にはぜひこの貴重な機会にいち早く味わって頂きたく思います。

「菅原水鏡」のブレンドにて味のポイントはニンジン焼酎。

ニンジン焼酎は、野菜の瑞々（みずみず）しく清々（すがすが）しい香りと伸びのあるふっくらした甘みを持ちながらも、ニンジン特有の匂いを全く持たない非常にユニークなスピリッツ。

それでは、今回新たに完成した全5種類をご紹介します。

≪菅原水鏡ノンエイジ（Non Age Statement)シリーズ≫

●菅原水鏡 ノンエイジ
PXシェリーバットフィニッシュ 720ml 限定500本

※写真は「ストレート」です。

PXとはペドロ・ヒメネスのこと。バーボン樽熟成の焙煎麦とホワイトオーク新樽熟成のニンジンをペドロ・ヒメネスを原料にした糖度の高いシェリーでシーズニングしたバットで後熟。

【香味の特徴】
レーズン様の甘みがありながら、スパイシーでビターなしっかりしたボディが楽しめます。

●菅原水鏡 ノンエイジ
カルヴァドスバレルフィニッシュ 720ml 限定250本

※写真は「ハイボール」です。

シェリー樽熟成の焙煎麦麹麦とシェリー樽熟成のニンジンをカルヴァドスバレルでフニッシュしました。

【香味の特徴】
ニンジン原酒の柔らかな甘さは一転して、ドライでスパイシー、シャープな味わいになっています。

●菅原水鏡 ノンエイジ
アマローネバットフィニッシュ 720ml 限定600本

※写真は「ミスト」です。

シェリー樽熟成の焙煎麦麹焙煎麦とシェリー樽熟成ニンジンに、10年熟成の麦原酒をブレンド。北イタリア、ベネト州名産の赤ワイン、ヴァルポリチェッラ・アマローネ熟成使用樽で後熟。

【香味の特徴】
アマローネはブドウを干して糖度を高めた後、発酵します。その凝縮感とほのかな甘みを楽しむことができます。

●菅原水鏡 ノンエイジ
オロロソシェリーバットフィニッシュ 720ml 限定500本

※写真は「キングス・バレイ」というウイスキーをベースとするカクテルです。

バーボン樽熟成焙煎麦とホワイトオークの新樽熟成ニンジンに、10年熟成の麦原酒をブレンド。オロロソシェリーで2年間シーズニングしたスペイン直輸入のスパニッシュオーク樽で後熟。

【香味の特徴】
シェリー樽からのタンニンが、深みのある複雑で充実した味わいをもたらします。今回のノンエイジシリーズ4種類のフィニッシュの中では一番スケールの大きさを感じます。

≪菅原水鏡14年シリーズ≫
●菅原水鏡14年
赤ワイン カスクフィニッシュ 720ml 限定245本

※写真は「ロック」です。

ドイツで交配された黒ブドウ品種ドルンフェルダーの熟成に使用したホワイトオーク樽に14年熟成の菅原水鏡を詰めて、後熟。

【香味の特徴】
チェリーやカシスのような果実の香りが強いドルンフェルダーの影響を受け継いで、赤ワインのジューシーな香味とより長い余韻が楽しめます。

それぞれ飲み方は、ハイボール、ロック、水割り、ストレート等でお楽しみください。
また、それぞれカクテルにして楽しむのも格別です。

リターン一覧

酒商菅原について

かつての日本には、単に酒を仕入れて販売するのではなく、様々な蔵元から仕入れた酒を独自にブレンドしてそのお店だけのお酒として勝負する酒商という業態の酒屋が多くありました。この伝統を今も継続しているのが「酒商菅原」です。

今日、ジャパニーズウイスキーは、世界的に高い評価を受けていますが、それゆえに原酒が足りなくなり、非常に手に入れにくくなっています。

一方で、ウイスキーと同じ大麦を原料に用いた本格麦焼酎は世界のマーケットではほとんど認知されていません。

そこで、樽熟成本格麦焼酎を上手くブレンドできたら、麹のウイスキーとして海外にも認められるのでは無いか、酒税法上ウイスキーに分類されなくても、ジャパニーズウイスキーに伍するものができるのではないか、この思いから「菅原水鏡」のトライアルが始まりました。

幾度となく、試作を繰り返し、やっと誕生した「菅原水鏡」。

2019年には、G20福岡のレセプションに公式出品し、各国の参加者から称賛の声が多く寄せられました。

（2019年6月14日 醸界タイムス記事）

このページをご覧頂いた皆様にも、実際に味わって良さを感じて頂きたい。
日本だけでなく、世界に発信していくためにも応援頂けますと幸いです。

本商品は酒税法上は、リキュールの分類になります。