こんにちは、スリーサークル代表の三輪です。
希少な混合堆肥で作る長いアスパラ『うまぶしアスパラ』を作るプロジェクトをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今、私は『サラブレットのふるさと』と呼ばれる北海道日高町で、サラブレットの馬糞と日高昆布、鰹節を惜しむことなく存分に使用した希少な混合堆肥をベースに、市販品と比べると約5cm程長い、アスパラ作りをしています。農業法人の設立や事業計画等のプラン策定から数えると約20ヶ月の月日が経過しましたが、ようやく待望の初出荷が見えてきました。長いトンネルでした。

今回のプロジェクトは私の生まれ故郷、北海道『日高町』を舞台に、農業の6次産業化を目指すべく農業法人を立ち上げたことがきっかけとなります。ご多分に漏れず人口減少が続き、若い人たちが町から少なくなる故郷ですが、地域のリソースを最大限生かし、寂しくなるばかりの故郷に何か貢献できないかを、ずっと考えていました。

ありきたりな机上での地方創生ではなく、まず、地域が自立する未来に創造的な行動はできないか.....そんな自問の答えが農業にありました。

今までは日高町の事を考えると、目立った特産品や観光地もなく何もない故郷というだけでしたが、農業をキーワードに据えた場合、『環境』『季候』『人材』と何もなかったはずの故郷が、豊かなリソースの山に見えてきたのです。その日高町について少しだけご紹介させていただきます。

千歳空港から車で50分。太平洋に面しており、季節によってししゃもやタコ、秋鮭、マツカワなど、新鮮な海の幸を味わうことができます。日高町は軽種馬生産が盛んな町で、シンボリルドルフをはじめ数々の名馬を輩出しており『サラブレッドのふるさと』として競馬ファンに馴染み深い町でもあります。

毎年4月から11月はホッカイドウ競馬門別競馬場でサラブレットたちの熱い走りを見ることができます。門別競馬場1997年に完成した日本で最も新しい競馬場です。外回り1,600mのダートコース。ゴール前直線が330mあり、大井競馬場（東京都）とほぼ同規模の競馬場です。

門別競馬場では、すべてのレースがナイター開催です。陽が長い夏シーズンは、ライトアップされた競馬場を走るサラブレッドがなんとも幻想的で風情を味わえます。

そんな『サラブレッドのふるさと』として、一時は生産過剰により産駒の生産調整も行われるほど盛り上がっていましたが、バブル崩壊後の景気の低迷や、輸入馬の出走制限緩和による競走馬の輸入増加により、日高の産駒は販売不振となり、生産頭数は年々減少するようになりました。倒産する牧場は後を絶たず、働き場所を求めた人たちは町を去り、人口が減り始めました。

私が故郷での農業に一番の魅了を感じたのは、競走馬の馬糞の存在でした。馬糞は、牛糞や鶏糞などと比べても栄養価が高く手に入りにくいため、高価で流通しており、畑の堆肥としては嫌厭されがちです。しかし、その馬糞が手に入りやす日高町の環境は、他地域より優位性があり、製品の生産過程でも差別化が計れると考えたのです。

（画像：馬糞を日光にあて熟成します）

また、馬糞での品質向上の効果に加え、競走馬のサラブレットはドーピング検査に備えて薬品使用量が極めて少ないこと、そして、何より通常の馬より食生活やトレーニングで気を使われているため健康状態が良いのです。イコール、競走馬の馬糞はとても健康な状態にあるのです。

これは、『安全』『ヘルシー』な農産品としてのブランドイメージを高めるためにも、消費者様へ十分な担保をアプローチができると考えました。しかも、日高町は日本国内でも有数の競走馬産地でもあるため、その土地柄を生かして、ある程度の馬糞の仕入れは確保できると判断できたのです。

今回、この競走馬の馬糞と地域で獲れる日高昆布・鰹節の混合堆肥を使用し、長いアスパラを作ります。通常、スーパー等で売られる一般的な市販品の規格は25cm程度ですが、栄養価の高い馬堆肥と日高昆布、鰹節の相乗効果も手伝い、30㎝の長さを超えられると考えています。栄養価の高い堆肥と最低限の農薬栽培により、太くて柔らかく甘いアスパラです。

※下記の比較は両方とも株式会社スリーサークルで収穫したアスパラになります。

今回、初出荷予定のアスパラですが、馬堆肥の『馬』と『旨い』を掛け合わせ、日高昆布と鰹節の旨味成分が豊かな混合堆肥のため『うまぶしアスパラ』と命名しました。

（画像：アスパラの苗はこんなに大きくなるんです）

また、今回のプロジェクトのご支援は、畑づくりからゼロイチで農業をスタートするとハウスなどの初期投資と人件費が大きく負担がかかる上、キャッシュインまで1年以上の歳月がかかるため、農場の資金繰りに使わせていただきます。

(画像：現場では至る所で鰹節と昆布が干されています)

馬堆肥についてですが、一般的に馬は反芻動物ではないため、動物の堆肥の中では最も優れていると言われており、他(牛糞、豚糞、鶏糞)と比べて特に繊維質が多く含まれています。

そのため、馬堆肥を使うと土がふかふかになり、通気性と保水性・保肥性が向上し、ミミズや微生物も多く住むようになります。この大自然に近い状態が作物の生育環境としては非常に好ましいと言われています。

(画像：馬堆肥に混合された粉末状の日高昆布と鰹節)

もう一点、馬堆肥を使うことにより、作物が丈夫で健康に育ち、病気や害虫による被害を受けにくくなり、これが結果的に農薬の使用量を抑えることにつながります。寒冷な北海道なので、なおさら極めて少量の農薬栽培が可能となります。そうすることで、野菜が丈夫で大きくなり、出来たアスパラは太くて柔らかく甘いものができるであろうと仮説を立てました。

そして、日高昆布と鰹節の肥料ですが、窒素とリン酸に富んだアミノ酸肥料として使用しています。元来、鰹節はたんぱく質が多く、そのたんぱく質がアミノ酸となります。甘味成分の元となるアミノ酸が、直接根から取り入れるため、野菜栽培に鰹節を使うことでアスパラが柔らかく、甘くなることを期待してます。

さらに詳しく説明しますと、馬糞堆肥も鰹節も同じ有機質肥料ですが、堆肥は土壌が団粒構造（土の中に空気の層ができ、ふかふかになり根の呼吸に役立つ）となることや、有益な微生物の餌となるとともにゆっくりと効く緩効性肥料になります。これは、堆肥の中の有機物が微生物によって水溶性の炭水化物・アミノ酸・ミネラルなどに分解され、肥料としての効果を現すためです。

一方、鰹節につきましては、日高昆布以外で米ぬか等と合わせ『ボカシ肥料』を作っております。この鰹節ボカシ肥料は前述のアミノ酸肥料として優れた効果を現します。この和風出汁の肥料は、市販品としては全国的にも新しい試みとなりそうです。

（画像：2019年 試験栽培の夏芽）

日高昆布と鰹節は、札幌市内で私が経営するそば店『手打ちそばさくら』4店舗と、私が起業前に修行した日高町内にある親族のお店『いずみ食堂 』から、出汁を取った後の使用済みのものをリユースします。

（画像：手打ちそばさくら平岡本店）

（画像：日高町いずみ食堂）

通常であれば、廃棄してしまうサラブレットの馬糞と日高昆布と鰹節。これらを有機的に活用することで、環境循環型農業のエコファーマーとして、地域ブランディングに農場が一役買えることも期待しています。

（画像：日高昆布と鰹節は粉末状にミルサーして馬堆肥に混合します)

うまぶしアスパラの事業開始からの沿革をまとめてみました。

（画像：すべてはこの場所から始まりました)

2019/4/4 離農したトマト農家のハウス7棟を購入。

2019/4/10 アスパラ栽培用ハウスの土壌診断を平取町農業支援センターに依頼。

2019/4/21 前回の土壌診断結果通知に基づく施肥設計を専門家に依頼。

2019/4/25 施肥設計では前作物の残留肥料により堆肥以外の施肥は不要とされたため、堆肥のみを投入する。各畝の地面下に60～50cm溝をパワーショベルで掘り、堆肥の中で最も上質をいわれる軽種馬（サラブレッド）の馬糞堆肥を地表下20cmまで投入。

2019/5/4 アスパラ苗合計590株を第1・第2ハウスに定植。電気工事が未完成で地下水ポンプが使用できないため、毎日約500Lの水をトラックで運び、ホースで散水。

2019/5/21 電気工事の完了により井戸水汲み上げポンプが始動。以後、潅水はホースによる散布から潅水チューブに切替え。

2019/5/25 水が畝(うね)全体に十分に行き渡るようになり、アスパラ苗が順調に成長。各株から数本の芽が出る一方で、潅水によりハウス内に雑草が繁茂し始める。通路を防草シートで覆うとともに、以後20日に1度のペースで人手による除草を実施。

2019/6/4 成長が早い株では茎葉が腰の高さを超えるようになったため、各畝に倒伏防止用のテープを約30㎝と60cmの高さに設置。

2019/10/21 日高町内に2020年定植予定のアスパラハウス用地の造成と堆肥投入用に40cmの溝掘りを実施。

(画像：2019年秋の刈り入れ風景です。初年度のアスパラは収穫が出来ないので、伸ばしっぱなしにした後、秋口に根っこを残して上の部分を刈り入れ、ハウスのビニールを剥がしハウス内に空気を送り込みます。春になるとビニールかけ、暖かくなるにつれて、太くて大きなアスパラが生えてきます）

2019/10/22 上記ハウス用地に馬糞堆肥を搬入し、埋め戻し後、トラクターで耕起。上記用地上に50坪のハウスを設置。

2019/11/1 第1・第2アスパラハウスの出入り口を開放し、冷気に当てることにより茎葉の黄化と養分の根への転流を促進。

12月上旬 茎葉刈取り、防草シート撤去及び除草。

3月上旬 畝に堆肥散布予定。

3月中旬 畝間に防草シート設置、畝に灌水チューブ設置、畝をトンネルで被覆し温度上昇を図る。

4月上旬～中旬 春芽収穫。(10～14日間程度)

4下旬～5月下旬 立茎期間。(4～5本の茎を親木として収穫しないで残し、株に養分を蓄積させる)

6月上旬～9月下旬 夏芽収穫。(120日間)

（画像：こんな瑞々しいアスパラができることを期待しています)

今回のリターン品として、4月から初出荷のうまぶしアスパラをご用意いたします。2020年4月より順次、支援者様に配送を手配させていただきます。

●超早割り限定20セット！うまぶしアスパラ1kgをお届けいたします。

●早割り限定20セット！うまぶしアスパラ1kgをお届けいたします。

●朝採れのうまぶしアスパラ1kgをお届けいたします。

●朝採れのうまぶしアスパラ2kgをお届けいたします。

●朝採れのうまぶしアスパラ4kgをお届けいたします。

今回のリターン商品として、うまぶしアスパラの堆肥でも使用される鰹節のお取引先、有限会社永見様より、原材料は全て国産のだしパック『ママに選んでほしいだしパック』とうまぶしアスパラをセットでお送りいたします。

【有限会社永見】
鰹節の産地四国から北海道へ渡り55年、現三代目がオリジナル商品開発にも力を注ぐ鰹節専門問屋。社長自らだしソムリエ取得し、ご家庭でも簡単に味わえる商品も開発。

【ママに選んでほしいだしパックについて】
安全な食事は健康の源。だからこそ、しっかりと安心できるものを選んでほしい。使用原材料は全て国産、成長期のお子様をもつママさん達へこの想いが伝われば幸いです。

●使用原材料：昆布/宗田節/鰹節/鯖節/カタクチイワシ煮干
●内容量：1袋110g入り（10g×10パック）
※製造：北海道苫小牧市の自社工場

北海道のアスパラはギフトでのご用命も多いため、パッケージの箱にもとてもこだわりました。

株式会社スリーサークル 代表取締役 三輪 貴寛
2005年北海道札幌市で手打ちそばさくらを開業。2008年株式会社スリーサークルとして法人化。レストラン事業(4店舗)を中核とし、農業・貿易業(台湾現地法人設立)・不動産業を展開しております。