私たちニッカさつま司蒸溜蔵のもとに、ある日、鹿児島県農業開発総合センターを通じて地元鹿児島の里芋生産者の声が届きました。「自分たちが大切に育てた里芋の親芋を、捨てるのではなくどうにか有効活用できないか」。「畑に親芋をそのまま残して耕すことで次の里芋の育成を阻害したくない」。そんな里芋生産者の想いがきっかけとなり、今回のプロジェクトが始まったのです。

▲鹿児島県農業開発総合センター （画像はHPから引用）

▲地元鹿児島の里芋生産者様

▲ニッカさつま司蒸溜蔵（鹿児島県姶良市加治木町）

一般的に里芋の育成は、種芋を地中に埋めるところから始まります。この種芋から親芋が生育し、その周りにくっつくようにして子芋そして孫芋ができていきます。子芋や孫芋は収穫され市場へと出回っていきますが、親芋はあまり出荷されません。

▲捨てざるを得なかった親芋の様子

私たちが今回のプロジェクトで手掛けた本格里芋焼酎「新風」。その原料となる里芋品種赤芽の「大吉」の親芋も食べられるのですが、大きくて流通しづらく、また固くて加工が難しいという点があり、食用に出荷されなかったものは捨てざるを得なかったのが現状でした。大切に育てた親芋をただ捨ててしまうことに里芋生産者は悩んでいました。

「捨てられる親芋を使った焼酎がつくれないか？」。ニッカさつま司蒸溜蔵は、本格里芋焼酎づくりへのチャレンジを決意しました。

ニッカさつま司蒸溜蔵は、創業以来、地元鹿児島で焼酎をつくり続けている焼酎蔵です。伝統を受け継ぎながら洋酒づくりで培った技術を活かすことで、これまでも焼酎の新たな境地を切り拓く商品を生み出してきました。地元の里芋生産者のために何かできることはないか。ニッカさつま司蒸溜蔵の蔵人は、親芋を活用した焼酎づくりへの挑戦を決意します。ただ、さつまいもではなく里芋。原料が異なれば製造方法は異なります。親芋は大きく今までのコンベアーでは対応できないため、このプロジェクトのためにコンベアーを改良するなど、さまざまな工夫を施しました。

▲親芋用にコンベアーを改良

▲親芋をしっかり洗浄

▲親芋を使って焼酎を製造する工程

▲蒸したところと、蒸溜をする様子

▲1本1本丁寧に確認します

品質をしっかりと担保しつつ、廃棄ロスを少しでも減らせる里芋焼酎をつくるために試行錯誤は続きました。

里芋生産者が大切に育てた親芋を、しっかりおいしい本格里芋焼酎にするために。

里芋の蒸し時間のきめ細かい調整などを行い、そして何度も試作する中で、ようやく私たちが納得できる味わいに辿り着いたのです。

本格里芋焼酎「新風」の特長

・「ニッカさつま司蒸溜蔵」が手掛ける初の本格里芋焼酎

・さつまいもの甘みと違い、じゃがいものようなほっこりとした温かみのあるコクと自然な甘みが心地良い

・独特の香ばしさに加え、やわらかな甘みとすっきりした後味が特長

・里芋の風味を味わえるロック。立ち上る香りを爽やかに堪能できる炭酸割り。

・アルコール度数25％

▲風味が楽しめるロック

▲炭酸割りで爽やかに

独特の香ばしさに加え、やわらかな甘みとすっきりした後味。まさに蒸溜酒を知り尽くした「ニッカさつま司蒸溜蔵」、渾身の一本が誕生しました。

ひと口目はあくまでやわらかく。そして余韻はすっきりと。鹿児島の大地と自然が育んだおいしさと蔵人の情熱がぎゅっと詰まっています。その香りは、まるで鹿児島にやさしく吹く風のようなイメージを感じていただけたらうれしいです。独特の香ばしさと甘さが調和した味わいが特長の、鹿児島県産里芋赤芽の「大吉」。ニッカさつま司蒸溜蔵から初の本格里芋焼酎です。

大地の恵みを大切にする想いから生まれた本格里芋焼酎「新風」。その名の通り、新たな焼酎文化を切り拓いてまいります。

本来、捨てられていた食材を活用することで本格焼酎がつくれることの発見。そして地元の里芋生産者の“想い”を受け継ぐとともに、私たちの技術が注ぎ込まれた渾身の本格里芋焼酎「新風」。地元鹿児島の名産品、さつま揚げとの相性はばっちり。里芋を蒸したときのような甘香ばしい味わいが楽しめる炭酸割りは、ポテトチップスなどじゃがいも系のスナックがおすすめ。秋から冬にかけてはお鍋とお湯割りはいかがでしょう。
飲んでよし、料理と合わせてもよし。思い思いの飲み方を、ぜひお楽しみください。

▲どんな料理とも相性抜群です

▲炭酸割りで引き立つ香ばしさ。ポテトチップスがピッタリ！

▲お湯割りとお好きな鍋で、寒い季節でも芯から満足！

▲大地の恵みを大切にする想いから生まれた本格里芋焼酎「新風」

焼酎文化に新しい風を吹かせます

実行者について

1936年、姶伊（あいい） 酒造として創業以来、品質にこだわった焼酎をつくり続けてきた焼酎蔵です。現在では「ニッカさつま司蒸溜蔵」として、伝統を受け継ぎながら、洋酒づくりで培った先進の技術やブレンド技術などを焼酎づくりにも活かすことで、焼酎の新たな可能性を追求しています。