町工場の熱い想いがヒートアップしすぎたため

とても長いページとなっております。

最後までお付き合いいただけると幸いです。
リターン内容につきましてはページ下段までお進みください。

皆様に使って納得していただけるようなブランケットを作るうえで何が重要なのか・・・作り手目線ではなく、お客様が本当に求められている”モノ”とは・・・。ヒントを得るべく、井戸端会議に花を咲かせる近所のご婦人たちに直接きいてみました。（田舎町ならでは）

店長：こんにちは！ご無沙汰してます。
Aさん：カズ君ご無沙汰やないのー
Bさん：あて、ちょっと痩せたんやない？
Aさん：仕事忙しいんじょよー
Bさん：ええこっちゃ。ええこっちゃ。あははははは
（コテコテの和歌山弁）
その後も中々喋らせてもらえず以下略・・・

まとめますと、

・昔ながらの厚手の綿毛布が一番あたたかい。でも重い。
・布団に入った瞬間のヒヤっと感がイヤ。
・安い物はやっぱりあたたかかくない。あと毛玉がすごい。
・あきらめてヒーター＋加湿器を使用。
・敏感肌で化学繊維はダメ。
・なんかよくわからんけどオーガニックなんたらがいいって聞いた。

といった意見をいただきました。

これらの声をもとに作られたのが、この”極上のブランケット”です。

オーガニックコットン×ボタニカルダイ
肌に優しく地球の環境にも優しいオーガニックコットンをボタニカルで染めた糸を使用しました。綿、本来の優しい肌触りを感じていただけます。

＜オーガニックコットン＞
遺伝子組み換えの種は使わず、３年以上化学薬剤や化学肥料を使わない畑で栽培され、製品になるまでのすべての工程で、できるだけ化学薬品を使わずに作られたものがオーガニックコットン製品と呼ばれます。発がん性物質やアレルギーの元となる薬品はすべて使用していませんので、人に優しく地球にも優しい素材です。

＜ボタニカル・ダイ＞
ボタニカル・ダイは植物由来成分で染めた糸ですが、草木染めとはことなり、とくべつに開発した「助剤」を使用することで、植物由来の色素を糸に定着させやすくしているので、色落ちしにくくなっています。
化学的な染料の場合　赤色＝赤色　の一色の染料ですが、「ボタニカル・ダイ」の染料は様々な色素が合わさって一つの色に見えます。私たちの感覚はそれを「深み」ととらえ、ふしぎな複雑さがなんともいえない「ボタニカル・ダイ」の美しさとなっています。

今回使用したボタニカル・ダイ

ブラウン×ベージュ＝深煎りコーヒー×アールグレイ

ピンク×ライトピンク＝バラ×桜

また具体的な理由は明らかではないのですが、ボタニカル・ダイの方法で染めた綿糸はとてもやわらかく、しなやかな肌触りが特徴です。

一般的な冬用の毛布の重さは1.5k～２kg。なので目標は１kgに設定しました。
できるだけ軽くするためにザックリと織りあげた生地を作りましたが、軽くすればするほど保温力は下がる一方。

そこでたどりついたのが３層構造です。ザックリと織り上げた生地を両面に使い、中間層にストレッチ性のある糸の層を作り、生地に凹凸を作ることで保温力を向上させました。

この生地に弊社の特技である起毛をプラスします。ザックリと織りあげた生地への起毛は困難を極めます。針を使って生地の表面をひっかくので糸を引きちぎってしまったり（穴があく）、生地の表面のメが寄ってしまったりしないよう、丁寧に丁寧に表面を毛羽立たせていきます。

（針布を巻いたパイプが高速回転しています）

裏表を交互に何度も起毛をかさねた生地は、とてもフワフワでやわらかな肌触りですが、余分な毛羽が毛玉の元になりますので次の工程でカットしていきます。

（螺旋状に巻かれたカッターを高速回転させカットしています）

カットした生地は、よりなめらかな肌触りとなり、高級感のある光沢が生まれます。最後に製品の企画にあった幅にセットする機械の工程を経て生地の完成です。

縫製を行った製品の重さは約840g。当初の目標であった１kgよりもさらに軽いものに仕上がっています。

以下は完成した生地の「吸湿発熱性」のテスト結果です。乾燥した状態から「温度が30℃、湿度が90％」の状態の部屋に持ち込んだ時の温度変化のテストで、実際に羽織った場合発熱するかどうかがわかります。

※ユニチカガーメンテック株式会社調べ
重さの同じぐらいのマイヤー毛布（ポリエステル製）との比較データです。

綿素材は吸湿・発熱性がありますが、10秒後には4.5℃の上昇がみられ、60秒後には38.1℃と7度以上の上昇がみられました。作り手の私でも驚きの結果となり自信を持って提供させていただける製品となっております。ブランケットをかけた瞬間のヒンヤリ感も克服できています。

”紀州ねる”のものづくりは職人たちの技術と熱い想いからうまれました。起毛機の性能は様々で、同じメーカーの機械でもそれぞれに個性があります。日々起毛機と向き合い個性を把握している職人たちは、手で触れた感覚や視覚・聴覚を駆使し起毛をおこないます。一日のうちでも温度や湿度の変化にともない風合いは変化し、職人による微妙な機械の調整によって、紀州ねるの製品の品質は常に均一にたもたれています。

より良いものづくりのために機械は自分たちで改良しています。20年前の機械や古いもので50年以上前の機械まで、改良を重ね現役で稼働しています。

ボタニカル・ダイによる落ち着いた色合いの邪魔をしないようシンプルなデザインにしました。

寝室ではもちろん、リビングでのくつろぎのひとときにも。
春・秋はブランケット一枚で。冬場の寒い時期は布団の上にかけるのではなく、自分と布団の間にかけてご使用いただくとベストです。

近年の日本における繊維業界は中国や東南アジアからの輸入品が急増し、国内生産が低迷しています。商品の低価格化は国内の事業所数を激減させ、起毛専門の工場もわずか数件にまで減ってしまいました。さらに職人の高齢化や跡継ぎの問題もあり、国内の「起毛業」はまさに絶滅の危機にあります。

価格競争が激化する中で、弊社は培ってきた起毛技術に磨きをかけ、品質の向上と、ありとあらゆる素材・生地の起毛に挑戦してきました。いまでは「起毛界の駆け込み寺」と謳われており、他社がギブアップした起毛加工の依頼が全国から寄せられています。

起毛事例

近年、健康への注目度が高まり、国産のものを意識して使用する傾向が強まってきましたが、アパレルや寝具においては圧倒的な安さの輸入品に成す術がないのが現状です。そこで、今回のプロジェクトを通し、”良い寝具を使って眠ることの心地よさ”を感じていただくと共に、日本の熱い想いを持った中小企業を盛り上げる一因となれればと思っています。

前回のプロジェクトでは、沢山のご支援をいただき目標金額の219％を達成することができました。また、多くの応援コメントに励ましていただき完成した「究極のガーゼケット」は、ご好評のメッセージを沢山いただきました。スタッフ一同大変うれしく思うとともに、さらなる良品の開発に精進していきたいと思う中、今回のプロジェクトにチャレンジしました。

製品詳細

サイズ：約200×140cm　シングルサイズ
重さ：約840g
縫製：四方メロー
素材：綿90％　ポリエステル10％
ヨコ糸（毛羽部分）は全てボタニカル・ダイのオーガニックコットンを使用
生産国：日本製

カラー展開

ティーブラウン：深煎りコーヒー×アールグレイ

フラワーピンク：バラ×サクラ

Q：洗濯方法を教えてください。

A：下記をご参照ください。

Q：糸をひっかけてひっぱってしまったのですが、どうすればいいですか？

A：タテ・ヨコの織物なので、ひっかけてしまった部分の両サイドを生地ごとひっぱってあげると直っていきます。直りきらなかった場合は、ご使用時にひっかかると危ないのでハサミで切り落として下さい。

Q：洗濯する頻度は？

A：月に１回程度を目安に洗濯してください。洗濯とは別に月に１回程度日蔭干しすることで、より心地よくご使用いただけます。湿気の少ない午前10時～午後2時頃までがベストです。

Q：ダブルやセミダブルはありますか？

A：申し訳ございませんがシングルサイズのみとなっております。

Q：ほかの色展開の予定はありますか？

A：追加したいとは思っていますが特殊な糸のためロットが大きく・・・追加できるよう頑張ります。

Q：いつ頃届きますか？

A：３月中旬から順番に発送させていただきます。詳しい発送時期については「活動レポート」にて追って連絡いたします。

その他ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

リターン内容：完成した”極上のブランケット”をお届けいたします。

シングル１枚のコース：20～30％OFF

シングル２枚のコース：25～30％OFF

シングル４枚のコース：39％OFF

市場販売価格は10,000円を予定しています。このプロジェクトでご注文いただいた方には最大で39％OFFのリターンをご用意させていただきました。また、送料は全品弊社で負担させていただきます。

今回はブラウンが240枚、ピンクが160枚のみのご用意となります。

糸の生産ロット上、限られた枚数になりますのでお早めにご予約下さい。

今回のいただいたご支援は、さらなる新製品の開発の投資に充てさせていただきたいと考えています。

業界は衰退し職人が次々に引退していく中、次の世代にも起毛業を持続するために、若い職人の育成に力をいれています。また、様々な分野のテキスタイルへの起毛加工に挑戦することや、起毛技術の発信にも力を入れており、クラウドファンディングを通して「起毛」を知ってもらえればと思っています。

今回のブランケットも使っていただき「良かったよ」と言っていただけるように試行錯誤を重ねてきました。ぜひともホンモノの良さを感じていただきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします。
紀州ねる店長　島本和典