プロジェクトでうまれた新しい酒米「OR2271」。その酒米の特徴を余すところなく活かしたのが、純米大吟醸酒 NADA88 。米洗いから浸漬工程では繊細な処理が必要で、酒造りの腕が試されました。仕込配合や発酵温度にも徹底してこだわり、原料由来の甘みを活かすことと、香りの高いお酒に仕上げることを心がけました。

米の字を分解すると、八十八。米の栽培や酒造りにはそれほど手がかかるといわれています。それでも、灘の地で、米にこだわり続ける沢の鶴の熱い思いを込めてNADA88とネーミングしました。

グラスから立ち上がる果実香が特徴的で、口に含むと梨やバナナを思い起こさせます。米由来の甘味と、品のある旨味が感じられる、滑らかな味わいのお酒です。ぜひ、10度くらいまで冷やして、口の広いワイングラスでお楽しみください。

キレの良い甘みと上品な香りが特徴的ですので、素材の味を活かす料理との相性がよく、オススメです。

フルーツトマトとイチゴを使ったカプレーゼとのマッチング

トマトと白ワインで煮込んだ魚介のスープとあわせて

活タコと水なすの冷菜とあわせて

素材の味を引き立てます。旬の食材とともに。

大切なお食事での乾杯酒や食中酒としてもお楽しみ頂けます。和食だけでなく、素材の味を活かした魚介のマリネや夏野菜のオイル焼きなどと合わせても食事を引き立てます。

■沢の鶴

沢の鶴は、1717年に兵庫県の灘五郷で、米屋の副業として「※」のマークを掲げて酒造りを始めました。創業から300年続く理念は『米を生かし、米を吟味し、米にこだわる』。その一環として、これまで以上に農業へ積極的に関わり、米作りのプロフェッショナルと協業して、まったく新しいものをゼロから生み出す機会を探っていました。

■ヤンマー

一方、ヤンマーは、日本の農業が抱えている生産量減少や後継者不足の問題を打開しようと、持続可能な農業を実現し、生産物の付加価値を高めていきたいと、その方法を模索していました。そこで注目したのが、近年、輸出で伸びを見せる日本酒の原料「酒米」。酒米の開発・改良を行うことで、日本酒が食卓にのぼるまでをサポートし、日本の農業を明るくしたいと考えていました。

先進的な開発技術と営農ノウハウをもっている「ヤンマー」と、伝統に裏打ちされた高い技術と知見を生かして試験醸造を行う「沢の鶴」。この両社が強力なタッグを組み、前代未聞のプロジェクトが動き出しました。

そして2021年秋、求めていた新しい酒米「OR2271」が誕生しました。山田錦に比べて草丈がやや短く、倒れにくいため栽培しやすいという特徴があります。また、心白が大きくタンパク質と脂肪が少ないので雑味がでにくく、酒造りに適しています。

酒米プロジェクトの“新しい酒米を作る”という活動は、日本酒や農業の持続可能な未来を切り拓き、SDGsに貢献する活動です。年を重ねる度に酒米の改良は進み、その酒米を使って醸し出す日本酒もあらたな価値観で挑戦しました。

新たな酒米をいかに醸すか、長年の経験がかつてない酒を導き出しました。

米の中心部、心白（しんぱく）が大きいので吸水性に優れ、麹が育ちやすく発酵に適しています。NADA88は精米歩合47％まで磨き上げた米を使用しています。

米のでんぷん質を変化させ、酒造りに適した水分量に調整します。

麹菌を米に付着させ繁殖させます。酒の品質を左右する重要な工程です。

酒母を手作業で造りあげるのが「生酛（きもと）造り」です。

酒母の中に麹、蒸米、水を3回に分けて入れ、ゆっくりと発酵させます。

醪を搾って日本酒と酒粕に分けるのが上槽。搾るタイミングでも味が変わります。

これより先の瓶詰め〜発送までの工程は活動レポートにて報告いたします。

デザインは、酒米プロジェクトパートナーであるヤンマーのデザイン室が担当しました。沢の鶴の米へのこだわりを象徴する※印から着想を得たNADA88のロゴをはじめ、随所に米へのこだわりをデザインしています。

ボトルは沢の鶴の未来、農業の進化、テック感を感じさせるシルバーを採用。紙管は新しい酒米の特徴である倒れない稲の幹部分をグラフィックで表現。また、パッケージでも未来に繋がるよう、紙管で使用する紙は、廃棄される災害用備蓄米などの米を混ぜた紙を試験的に採用しました。

ロゴ、パッケージを完成させるまでに、古いラベルを並べて沢の鶴の歴史を遡り何度も検討を重ねました。

ヤンマーでは自社のプロダクトデザインをはじめ、グラフィックや施設などあらゆるデザインを手がけています。直近では公園や駅のリニューアルデザインまで担当。今回のプロジェクトでは第一弾のX01からデザインを担当しています。

沢の鶴X01は、酒米プロジェクトによって開発された、初めての日本酒です。ユニークなパッケージも話題となり、プロジェクトは多くの共感を得ました。

https://www.sawanotsuru.co.jp/brand/x01/

第二弾となるX02は、「すべてが見える酒造り」をテーマとしました。お米の収穫情報、醸造情報全てが管理され、その情報を包み隠さず開示しました。

https://www.sawanotsuru.co.jp/brand/x02/

第三弾となるX03は、「醸造の進化」をテーマとしました。醸造方法の違いにより3種の日本酒を準備し、その違いを五感で楽しんでいただきました。

https://www.sawanotsuru.co.jp/brand/x03/

ご用意したリターンは以下の通りです。

沢の鶴はこれまでも、これからも、灘の地で、米にこだわり続け、酒造りを続けていきます。酒造りの伝統を守りながらも、日本酒の未来のために、日本の農業のために、 NADA88を掲げ、沢の鶴は新たな挑戦をし続けます。

日本全国には素晴らしい日本酒がたくさんあります。日本酒の未来のために、日本の農業のために、みなさんが全国の日本酒を楽しんでいただくのが一番の応援になります。特別な日だけでなく、ぜひ、日本酒を生活の中で楽しんでください。沢の鶴も皆様に愛される日本酒造りに挑み続けます。