全国の酒蔵から仕入れた日本酒を氷点下で貯蔵するという、国内でも珍しい酒屋の「さくら酒店」。私たちが自信を持ってセレクトした名だたる銘酒を「マイナス5℃」という温度で保管することにより、フレッシュながらも熟成した日本酒の“立体感”を体験できるという、日本酒好きのみならず日本酒が苦手な方にも試していただきたいプロジェクトです。

こんにちは！「さくら酒店」の近藤、そして駒澤と申します。

私達は岐阜県大垣市に拠点を構える、創業8年目という若手の「酒屋」です。とはいえ、ただの酒屋ではありません。蔵元から仕入れた「搾りたての日本酒」を、マイナス5℃で貯蔵するという徹底した品質管理設備を備えた酒屋なのです。

日本酒は搾った瞬間が最もフレッシュなもの。その後は時間が経つほど徐々に劣化が始まっていってしまいます。

たとえば問屋を経てスーパーなどの店頭に置かれると、温度や紫外線の影響を受けてさらに劣化は進んでしまい、皆様が口にする日本酒は、本来の美味しさとは多少なりとも離れたものになってしまうことが往々にしてあるものなのです。

そこで、さくら酒店では劣化を最小限に留めるといわれている温度「マイナス5℃」で日本酒をゆるやかに熟成。お酒にストレスを与えない状態をキープしつつ熟成させ、皆様のもとにお届けする取り組みをしています。

アルコール度数の高い日本酒は、マイナス5℃ではまだ凍りません。凍る一歩手前の温度です。日本酒には積算温度という考え方があり、温度×日数でどのくらいお酒が劣化したかという品質評価の一つの軸があります。

例えば室温で1ヶ月だと20℃×30日でおよそ600℃。冷蔵庫でも5℃×30日で150℃という具合に計算されます。

しかし、マイナス温度の中ではいくら日数をかけ合わせてもゼロを上回ることはありません。氷点下のおかげで急な変化ではなく「緩やかに熟成されていく」のです。

実際に蔵元さんでも、出荷直前まで氷点下で貯蔵するところは多くあります。この状態を、蔵元から直に仕入れる私たち「酒屋」でもキープし、さらに追熟させることで、既存の市場流通では味わえない透明度の高い旨みを生み出すことができるのです。

搾りたてのお酒は飲むにはまだ若いことが多く、ともすれば未完成の状態。これをフレッシュさを保ちながら氷点下でゆるやかに熟成させることで、丸みを帯びた上品な旨味が生まれます。「新鮮」なのに「熟成」しているという、相反するベクトルが共存することで未体験の"立体感"を生みだす。これがマイナス5℃熟成の真骨頂なのです。

私たち「さくら酒店」は創業8年目という、酒屋としてはまだまだ若手。しかしこの手間とコストの掛かるマイナス5℃熟成は、日本の酒屋の中でも数少ない取り組みなのです。

この徹底した品質管理で蔵元さんから信頼を頂き、おかげさまで今日では日本でも有数の銘酒を直接仕入れさせて頂けるようになりました。

私たちが創業したきっかけを少しお話させてください。

私たち近藤と駒澤は、大学の同級生でした。将来自分たちが何をしたいかと考えていた時に、近藤はアメリカへ、駒澤はオーストラリアへそれぞれ留学。

そこで「海外」というものに大きなショックを受けました。現地にはいろいろな国からの留学生がいましたが、その誰もがしっかりと目的意識を持って来ていた中で、そもそも自分たちは自分の国についてすら全然理解できていなかったという事実を突きつけられたのです。

帰国した私たちは、お酒を飲みながらこの経験について議論を重ねました。もともと二人とも「海外に出たい」という気持ちをもっていたのですが、もっと日本のことを見直して、文化をちゃんと学んで、それを海外に持っていく。こっちの方が大事なんじゃないか、と気づいたのです。

それを踏まえた上で、これから先の人生で何をするか。せーので同時に「日本酒」と言ったことが始まりだったんです。

ここからすぐに創業したわけではなく「まずは勉強しないと」ということで、駒澤は海外でお酒について学びたいと考え香港でバーテンダーを、近藤はお酒の魅力を伝える力をつけたいと考え、当時一番辛そうだと考えた「先物取引」の営業として勤務。さらに東京の「はせがわ酒店」、大阪の「山中酒の店」と、東西を代表する酒屋でそれぞれ修行を積みました。

私たちには「日本のものを海外に持っていきたい」という理念が根本にあります。

日本には日本酒という、素晴らしいものがある。それを当たり前に誇って語れるような価値観を、酒屋という立場から少しでも創っていきたいのです。

日本酒の海外への輸出量はどんどん増えています。反面、日本における日本酒の消費量は、昭和48年をピークに減り続け、今ではピーク時の3分の１以下にまで落ち込んでいます。日本人が全然日本酒を飲んでいないという事実に気づきました。

それにはいくつか理由があると思いますが、日本人は自分たちの物の良さに気づかないということもあるんじゃないでしょうか。海外で評価されて初めて、そのものの良さに気づくことも往々にしてある。だから私たちは海外への輸出も積極的にしていますし、この日本酒の素晴らしさをもっともっと表現していきたい、していくべきだと考えているんです。

「日本酒」というお酒は、人によってはもしかしたら「おやじくさい、二日酔いがひどい」というイメージがあるかもしれません。でも昔と比べて今の日本酒のレベル、造り手の技術はとても上がっているんです。

たとえば若い頃初めて口にして美味しくないと思った方も、今飲んだらきっと感動すると思います。実際にお酒の会を開いたりするのですが、そこで日本酒を毛嫌いしていた方も「初めて日本酒を美味しいと思った」と口にする方が多くいらっしゃいます。

日本酒嫌いな人を好きにさせるのも、私たちの得意なことなんです。

日本酒が好きな方の中でも「どうやって選んだら良いのか」がわからない方も多くいらっしゃいます。品質管理を徹底しにくいスーパーやコンビニで、ラベルだけ見てなんとなく選ばれている方も多いと思います。

そんな中で、私たちがコーディネートした、品質がきっちり管理されたお酒が皆様の日本酒を選ぶ指針になってくれたら。お酒の道しるべとなる酒屋になりたいと思っているんです。

私たちがお酒をセレクトする上で、もちろん美味しいことは大前提。そのさらに根本の、お酒の造り手さんのこともいっしょにお届けするのが私たちの仕事です。

実際に蔵元に足を運び、お話を聞いたりした上で、その造り手さんの酒造りに対する想いを受け取らせて頂いています。この蔵元さんなら間違いなく良いお酒を造ってくれる、という信頼もまた選ぶ理由。そして私たちも選ばれる酒屋でなければいけない。そうやって信頼関係を育んできました。

こうした背景の造り手さんのことを記した「SAKEシート」という解説書を全てのお酒にお付けしています。味わい方や料理とのペアリングのことはもちろんですが、「どんな人がつくっているのか」ということを皆様に是非知っていただきたいからです。

お酒単体の美味しさで選ぶわけではなく、蔵元さんと、そして皆様と一緒にお酒を育てていきたいという想いがあるからこその取り組みです。

今、蔵元さんたちは新型コロナウイルスの影響を受けた自粛ムードの中でお酒が売れず、かなり厳しい状況に立たされています。

春先にお酒づくりを終えて、今では来年のお酒の原料となるお米の発注を終えてしまっている状態。なので急に止めることもできず、止めてしまうと造り手の技術も失われることに繋がり、農家さんにも影響が及びます。

蔵の倉庫にお酒が余ってしまっている現状がある中、私たちの徹底した品質管理のもとでそれを保管し、半年後、1年後にまた世に出す。これが少しでも助けになったら。
私たちは酒屋としては新参者です。創業当時、まだ右も左もわからず、何も持っていなかった二人を蔵元さんは信じて助けてくれました。おこがましいですが、私たちのこの取り組みが、プロジェクトが少しでも助けに、恩返しになってほしい。

この厳しい状況の中、日本のお酒文化をこの先に残していくためにも、何卒、ご支援をよろしくお願い致します。

リターンについて

日本有数の銘酒を月に一本、すべてマイナス５℃で熟成しお届けします。1ヶ月から12ヶ月コースをお選び頂けます。

コースごとにお届けする銘柄が異なります。

1ヶ月コース

8月：文佳人 雄町 純米吟醸 マイナス5℃ 2年半熟成（高知：アリサワ）

夫婦二人三脚で醸す蔵。フランスの日本酒コンテスト・KURA MASTER 2018で金賞受賞。南国フルーツを思わせるトロピカルな果実香とボリュームある旨味。2年半のマイナス5℃熟成でとろみすら感じさせる優しさが加わりました。

2ヶ月コース

8月：文佳人 雄町 純米吟醸 マイナス5℃ 2年半熟成（高知：アリサワ）

9月：山の井 60 マイナス5℃ 1年半熟成（福島：会津酒造）

「山の井」は山の井戸水の意。「毎年、自由な発想で造る」ことをコンセプトに、超軟水の水の良さを生かした綺麗な酒質に注目が集まります。ほのかにマスカットを思わせる香りと瑞々しい透明感ある味わいが絶妙なバランスで絡み合います。

3ヶ月コース

8月：文佳人 雄町 純米吟醸 マイナス5℃ 2年半熟成（高知：アリサワ）

9月：山の井 60 マイナス5℃ 1年半熟成（福島：会津酒造）

10月：THE REBIRTH Time-Machine TOKI-ROMAN 生原酒 マイナス5℃ 8ヶ月熟成（新潟：天領盃酒造）

24歳で酒蔵を買った全国最年少蔵元の醸す酒。地元・佐渡の子供達が普段食べているお米「こしいぶき」で醸した復活醸造酒を生原酒のままマイナス5℃で貯蔵。トキのように世界に羽ばたく佐渡の子供達を支援したいと利益の一部を寄付されています。

6ヶ月コース

8月：文佳人 雄町 純米吟醸 マイナス5℃ 2年半熟成（高知：アリサワ）

9月：山の井 60 マイナス5℃ 1年半熟成（福島：会津酒造）

10月：THE REBIRTH Time-Machine TOKI-ROMAN 生原酒 マイナス5℃ 8ヶ月熟成（新潟：天領盃酒造）

11月：津島屋 吟風 純米 無濾過生原酒 マイナス5℃ 10ヶ月熟成（岐阜：御代桜醸造）

29歳の若さで蔵を継いだ6代目社長と、25歳で杜氏に抜擢された蔵人が2012年に立ち上げた限定流通銘柄。北海道産の酒米「吟風」を使った生原酒は、桃のような爽やかな香りと力強い旨みが綺麗な酸と調和しています。

12月：七田 雄町 七割五分磨き 無濾過生原酒 マイナス5℃ 1年熟成（佐賀：天山酒造）

国内外でそうそうたる受賞歴を誇る七田の代名詞・75%精米。そのコンセプトは「米の個性を十分に出す。米を磨かなくとも、磨かれた味にする」。最古の原生種「雄町」の低精米生原酒がマイナス5℃熟成でどんな味に化けるか、今から楽しみです！

1月：勝山 献 純米吟醸 マイナス5℃ 1年熟成（宮城：仙台伊澤家勝山酒造）

日本最大規模の日本酒審査会・SAKE COMPETITIONにて前代未聞の2年連続第1位。世界最大規模の醸造酒のコンテスト・IWC 2019でも第1位に輝き、三度の世界一に！伊達家御用蔵として現存する酒蔵が醸す、気品あふれる殿様酒を氷点下で熟成。

12ヶ月コース

8月：文佳人 雄町 純米吟醸 マイナス5℃ 2年半熟成（高知：アリサワ）

9月：山の井 60 マイナス5℃ 1年半熟成（福島：会津酒造）

10月：THE REBIRTH Time-Machine TOKI-ROMAN 生原酒 マイナス5℃ 8ヶ月熟成（新潟：天領盃酒造）

11月：津島屋 吟風 純米 無濾過生原酒 マイナス5℃ 10ヶ月熟成（岐阜：御代桜醸造）

12月：七田 雄町 七割五分磨き 無濾過生原酒 マイナス5℃ 1年熟成（佐賀：天山酒造）

1月：勝山 献 純米吟醸 マイナス5℃ 1年熟成（宮城：仙台伊澤家勝山酒造）

2月：射美 WHITE 無濾過生原酒 マイナス5℃ 1年熟成（岐阜：杉原酒造）

日本ケーブルテレビ大賞を受賞した番組「日本一小さな酒蔵」で一躍有名に。今やほとんど市場に出回らない「射美」を醸す5代目の杉原慶樹さんは、青年海外協力隊を経て、日本の文化である日本酒を守りたいと廃業寸前の蔵を立て直しました。農業試験場の職員と共同開発した酒米と、焼酎造りに使われる白麹で醸した新境地のマイナス5℃熟成酒は世界に40本のみ。

3月：樂の世 山廃純米 無濾過生原酒 マイナス5℃ 1年熟成（愛知：丸井合名）

今まで収入を支えてきた「剣菱」への桶売りが無くなり、蔵の個性と品質で勝負する方針へ。そんな矢先、長野県で個性的な酒を醸していた造り手が入蔵。彼が得意とする山廃純米の"超ぶっ飛び系"の味わい、小さな蔵の挑戦魂を皆様に届けたい！

4月：WAKAZE France Sake さくら酒店PB マイナス5℃ 6ヶ月熟成（パリ：WAKAZE FRANCE SARL）

日本酒業界に新しい風を吹き込む日本酒ベンチャー。昨年立ち上げたパリ醸造所で仕込む、米も酵母も水も全てフランス産の日本酒です。氷点下での熟成を念頭に置き、このプロジェクトのために醸していただいた、さくら酒店オリジナルWAKAZEです。

5月：伯楽星 純米大吟醸 マイナス5℃ ？ヶ月熟成（宮城：新澤醸造店）

「究極の食中酒」として確固たる地位を築いてきた伯楽星。東日本大震災での蔵全壊から日本一にまで昇りつめた不死鳥のような蔵。JAL国際線ファーストクラスで提供されている純米大吟醸を特別にマイナス5℃で長期熟成させました。

6月：作 雅乃智 中取り純米大吟醸 マイナス5℃ ？ヶ月熟成（三重：清水清三郎商店）

G7伊勢志摩サミットの乾杯酒として知られる「作」。入手が非常に困難な”中取り”は、搾る際に一番クリアな部分のみを詰めた希少部位です。華やいだ吟醸香とエレガントな甘みが混然一体となり艶やか。普段は熟成させない「作」の熟成酒です。

7月：東洋美人 生 さくら酒店PB マイナス5℃ ？ヶ月熟成（山口：澄川酒造場）

かの「十四代」醸造元で修業し、天才杜氏と称された造り手。2013年の集中豪雨で2mの濁流に飲み込まれながらも奇跡の復活を果たし、日露首脳会談の提供酒にも。そんな東洋美人がこのプロジェクトの為だけに仕込んだ、さくら酒店限定生酒。

オプションリターン

6ヶ月以上のコースにお申込みいただいた方のみ、次の2つの追加リターンをご支援頂けます。

DATE SEVEN Episode V マイナス5℃ 1年8ヶ月熟成（宮城）

宮城県の若手7蔵によるユニット。勝山・墨廼江・伯楽星・山和・萩の鶴・宮寒梅・黄金澤の7蔵が共同で7年連続で醸す限定酒。その第5章は宮城県の酒造好適米「蔵の華」を30%まで精米し、7蔵の仕込水で醸した純米大吟醸。その氷点下での長期熟成酒はまだ誰も味わったことがありません。限定3本。

酒蔵とのオンライン飲み会権

コース内の酒蔵と「オンライン飲み会」できる権利をお送りします。

プロジェクト終了後から6か月間、月に1回ずつ実施します。

酒蔵及び日時は弊社で複数選定し、いずれか1つにお申し込み頂けます。（すべての蔵が可能ではありませんことご了承ください。）

12ヶ月以上のコースにお申込みいただいた方のみ、次の追加リターンをご支援頂けます。

射美 純米吟醸 無濾過生原酒 マイナス5℃ 11ヶ月熟成（岐阜：杉原酒造）

日本ケーブルテレビ大賞を受賞した番組「日本一小さな酒蔵」で一躍有名に。今やほとんど市場に出回らない「射美」を醸す5代目の杉原慶樹さんは、青年海外協力隊を経て、日本の文化である日本酒を守りたいと廃業寸前の蔵を立て直しました。農業試験場の職員と共同開発したオリジナル酒米「揖斐の誉」を50%まで磨いて醸した令和1BYの最終章は、イチゴのような香りと弾力のあるバニラ系の甘みに思わずうっとり。肉料理からデザートまで驚くようなマリアージュが楽しめます。限定6本。