あんみつに込めた思い

私どもの家業は、明治5年の創業以来152年の長きに亘り、地元出雲の皆様にご愛顧いただいてきている和菓子屋です。

今回は、私どもの夏の人気商品あんみつを「出雲ぜんざい蜜豆」と改めて名付け、縁結びで有名な出雲大社の門前の味を皆様に知っていただきたい、出雲のこだわり素材で作った「出雲ぜんざい蜜豆」を通じて、出雲とのご縁を皆様に感じていただきたい、出雲の縁結びパワーを全国へお届けしたいとの思いで、プロジェクトに初登録致しました。

ぜんざい蜜豆とは

フルーツの酸味が利いた蜜豆と出雲大納言ぜんざいを合わせることで、涼やかですっきり食べやすいスイーツになりました。

小豆の美味しさを最大限に引き出しているため、小豆好き、ぜんざい好きの方をはじめ、甘いぜんざいは苦手だという方にも是非食べて頂きたいぜんざい蜜豆が出来上がりました。

ぜんざい蜜豆を開発するに至った背景

出雲では、日本中の神様が集い、縁結びの会議を行う旧暦の１０月「神在月(かみありづき)」をはじめ寒い時期、観光のお客様に多数おいでいただいております。

また、出雲はぜんざい発祥の地として有名で、多くのお客様が出雲そばと同様、出雲ぜんざいを楽しみにご来訪いただいております。そこで、私どもも出雲大社正門前で温かいぜんざいをメインに販売し、多くのお客様にお立ち寄り頂いております。

一方で、年々夏季にご参拝になるお客様は多くなってきたものの、弊社の最大の強みである小豆をはじめ地元素材を使った夏商品が少なかったため、お客様へ夏に喜んで食べて頂けるさっぱりした商品の開発は悲願でした。

そのような折、地元の夏のイベント出店時などに冷たいおぜんざいとして限定で提供したぜんざい蜜豆は、適度な酸味と控えめの甘さから地元の皆様にとても好評でした。

ただ、こだわりの素材を何種類も使い、製造工程が長すぎて手間がかかりすぎること、そしてフルーツや寒天の特性上、冷凍も出来ず、常温でも日持ちがしないので、通販はおろか、通常商品化などは、まったく考えていませんでした。

しかし今回、全国のお客さまに出雲の味をもっと知っていただきたい、出雲の縁結びパワーをお届けしたいと言う思いから、工程を工夫し、日持ちがするようにレシピをアレンジして開発することにしました。

製造のこだわり

豆炊きからフルーツの蜜漬けまで、全て原料から自社にて手作りしています

1,豆炊き

小豆本来の美味しさを引き出すため、3日間かけて蜜豆の豆を炊き上げています。

①小豆をきれいに洗って水につけます

②一晩かけてゆっくり小豆が吸水し、十分に膨らんだのを確認してから、籠に入れて９８度のお湯で１時間加熱します

③あくが出たらしぶきりしてあくを取り除き、きれいになったらようやく本炊きを行います

④本炊きで１時間半炊き上げます

⑤炊き上げた小豆を薄い蜜に付けます

➅翌日、出雲産の糖蜜を加えた濃い蜜を加え、小袋に密封します

⑦120度で加圧加熱することで、小豆に常在する土壌菌を殺菌するとともに、小豆本来の旨味を引き出し、柔らかく煮上げます

出来上がるまで、手間のかかる工程を経て、ようやく美味しいみつまめ用ぜんざいが出来上がります。

2,フルーツの蜜漬けは皮むきから手作業

通常は大規模工場でつくられた缶詰を仕入れて製造することが多いですが、自社で皮むき、スライスなど手作業で行い、果物が煮崩れないように低温で2日間かけて蜜漬けしています。

通常の賞味期限が2～3日のところを、出雲産のゆず果汁を加えて酸性を保ち、密封殺菌することで、1ヶ月まで日保ちするように通販用にレシピをアレンジして開発しました。

3,設備投資を2,000万円行い、十分な殺菌状態を実現

ぜんざい蜜豆を作るために、加圧加熱（120度）設備を2,000万円かけて設備を用意しました。

食品の劣化や腐敗の原因となる細菌類は、通常、70度2分以上の加熱殺菌で死滅しますが、小豆や寒天の原料になるテングサには100度の殺菌でも生き残る芽胞菌が常在します。

そこで、120度以上で加圧加熱することが出来る設備を導入し、殺菌力を強化しました。

また、加圧加熱した寒天を冷却し賽の目に切った後、蜜につけて密封し、再度加熱殺菌することで、さらに日持ちが長くすることを可能に。

この設備投資をしたことで、保存料や添加物など入れることなく、加熱殺菌するだけで安心安全な日保ちを保証することが出来るようになりました。

高級素材のこだわり

1,国内流通0.1％の超希少出雲大納言小豆

坂根屋では地元の小豆農家さん28軒と契約し、出雲大納言小豆の種を作るところから一緒に開発してきました。

作るのが難しく、生産者が減っている出雲大納言小豆、現在では国内流通0.1％の超希少な小豆です。

味は、大粒で旨味が強く、皮が柔らかいのが特徴で、なかなか他では食べられない希少な出雲大納言小豆です。

坂根屋ではまだ自動車がなかった大正時代から中山間地域の農家さんとのつながりを大切にしてきました。初代や二代目は何日もかけて中山間地域の農家を訪ね歩き、小豆の仕入れや、作付けの良否の情報交換をしたと聞いています。

近年は、全国的にも農業生産が衰退していく中、北海道産小豆の1.5倍から2倍の価格で全て買い取ることで、農家さんが喜んで生産頂けるような取り組みを行っています。このことにより、新しい方も小豆生産にチャレンジいただき、年を追うごとに生産農家が増え、少しづつですが収穫量も増大しています。

2,国産果実

食の安全や地産地消にこだわり、坂根屋だけのフルーツあんみつを食べていただきたいという思いから、苺やぶどうなど地元産のフルーツを使って製造しました。

島根県産ブランド葡萄(神紅)の自家製干しブドウをはじめ、大田市の鈴懸農園さんのブルーベリー、益田市美都ファームさんの薫り高い苺、自家農園のボイセンベリー等栽培期間中に農薬や化学肥料を一切使ってない地元のこだわりフルーツを贅沢に使用しています。

3,出雲大社裏の海で満月の日にだけ採る特別な藻塩

出雲大社の北側に位置する、海と森に囲まれた小さな町・鵜鷺（うさぎ）。この町で昔から行われていた伝統の塩作り。

特に、満月の日にだけ作る特別な藻塩。手作りの窯で海水を炊き上げ、地元でとれたアラメのうまみ成分を含ませる。塩分濃度が低く、ミネラルがたっぷり入っている鵜鷺の藻塩は、ぴんとした辛さがなく、舌触りがとてもまろやかな特別な藻塩をぜんざいに入れ、より上品な甘さに仕上げています。

商品化までの苦悩（見た目までも美味しく）

当初、寒天とフルーツ、ぜんざいだけでは、見た目がとても寂しく面白みに欠けてしまい、見た目も鮮やかに楽しみを与えたいと試行錯誤を重ねました。

苦戦①天然着色料を用いて寒天に色を付けてみたが、どれもすぐに色あせたり、色焼けしたりして不本意な出来栄えになってしまいました。

改良：地元産の完熟トマトとニンジンを圧力なべでとろとろに煮潰し、裏ごしして寒天に混ぜ合わせることで、長期間保存可能で風味も楽しめる鮮やかなオレンジの寒天が完成しました。全体の3分の1程度このオリジナル寒天を加えることで、色味の改善を行いました。

苦戦②ベリー味のあんみつに関しては、寒天ではなく蜜に着色をしようと思い、島根県産のブルーベリーを加えましたが、想像を超えた濃い青紫になり、食味をそそる色にはなりませんでした。

改良：蜜に出雲産ゆず果汁で酸味をつけPHを2程度に調整することで、赤紫に色合いが変化しました。

その後、県産の濃厚苺をピューレにして加え、さらに濃赤色の自家農園で採れる自慢のボイセンベリーを加えたことで、味覚的にも視覚的にも華やかに仕上がりました。

坂根屋の想い

はじめまして。ご縁のまち出雲で創業152年を迎える、出雲の縁結び和菓子【坂根屋（さかねや）】の5代目　坂根壮一郎です。

私たちは国産素材、特に地元産の原料にこだわり、お菓子を食べた時に皆笑顔になる、そんなお菓子を作り続けています。

贈る人と贈られた人とのご縁を結ぶ。そんな縁結び和菓子を作り続け、出雲市内で６店舗の直営店で縁結び和菓子を販売しています。

また、出雲大社正門前にもご縁横丁という名前の集合店舗も作り、日々全国から沢山のお客様にご来店いただいております。

最近では、飲食店も展開しており、工場直結で季節の和菓子を食べれる和カフェ【きっさこ坂根屋】や元々本店の裏にあった築400年の蔵を改装して作ったカジュアルフレンチのハレの日を祝う店【ビストロあん】を展開しています。

全てのお店で【人と人とのご縁を結ぶ】をテーマに和菓子やお食事を提供させていただいております。

実は私自身、出雲大社遷宮の前の年に、出雲大社前で出逢った今の家内と短期間で結婚するなど、出雲大社の神様からのご縁をいただいた一人でもあります。

このご縁のすばらしさに感謝し、皆さんにも良いご縁があることを願っております。

今回の返礼品でご用意したのは、タイトル画像でもあげた通常版の「出雲ぜんざい蜜豆」と、プロジェクトの為に特別に開発した「地元産フルーツ入り出雲ぜんざい蜜豆」です。

猛暑が予想される今年の夏にもピッタリな「出雲ぜんざい蜜豆」「地元産フルーツ入り出雲ぜんざい蜜豆」を大切な方とご一緒にお召し上がりいただき、また、夏のプレゼントとして活用いただくことで、大切なご縁をより深い絆へと育んで頂けることと存じます。

応援の程、何卒宜しくお願い致します。