茶道文化に着想を得て作ったワンピースと羽織

こんにちは、renacnatta（レナクナッタ）です。（変わったブランド名の由来は最後に紹介させてください。）
レナクナッタは2016年に大河内愛加がミラノで立ち上げたブランドです。日本の伝統文化にイタリアで培った感性を掛け合わせ、現代に合うスタイルを追求しています。

ブランドコンセプトは「文化を纏う」です。それは単なるファッションではなく、纏うことで時代を超えて伝わる伝統や芸術、そして紡がれてきた歴史を感じてほしいという思いからきています。

今回発表するのは茶道文化に着想を得て作ったワンピースと羽織です。
日本の美意識と現代のライフスタイルを調和させた服をお届けします。

アイテムの紹介

「茶道の美意識」を纏い、所作を美しく見せる衣服

無駄を省き、本質を重んじる「茶道の美意識」を反映したシンプルなデザインを追求。着る人の所作の優雅さを際立たせ、着る人自身の個性を引き立てる１着を目指しました。

生地は、300年の歴史をもつ伝統工芸の丹後ちりめん。細かなシボ（凹凸）が特徴のクレープ生地です。

カラーは落ち着いた色調のGreenとNavyの2色展開です。

Green：青磁をイメージした少し青みがかった淡い緑色。

Navy：鉄紺と呼ばれるくすんだ濃紺の伝統色。

メインアイテムのワンピースと羽織を詳しくご紹介します。

ドレープが効いたワンピース｜Crepe Dress

動きやすさも重視し、立ち座りの動作がスムーズに行えるよう設計されています。体を締め付けないゆったりとしたシルエットでありながらウエストのリボンを締めることでどんな体型の方にもジャストフィットし、体のラインを美しく見せてくれます。

着物のように襟元が重なったデザインになっています。

正面に綺麗なドレープ（ひだ）がでるよう生地をたっぷり使っています。ウエストの紐はリボン結びで締めるタイプで、どなたでも簡単に着ていただけます。

両サイドにポケットもついています。

Size 01
着丈：118cm
Size 02
着丈：128cm

※01と02は着丈のみ違います。
※身長別の画像は一番最後に載せています。

ラフさと上品さを兼ね備えた羽織｜Crepe Haori

こちらも襟元が重なるデザインで、シンプルなシルエットを追求しつつ、存在感のあるポケットとリボンをアクセントにしています。ゆったりとしたフリーサイズです。適度なドロップショルダーを採用し、上品さと抜け感を両立させました。

羽織のリボンは、ワンピースよりも少し太めにお作りしています。丹後ちりめんの凹凸が作る表情とあいまって、柔らかで上質な陰影の表情を作り出してくれます。

ポケットの大きさは21cm x 18cm。ポケットのまっすぐなラインがゆったりとした羽織を引き締めた印象にします。

Free Size
着丈：76cm　身幅：72cm　肩幅：60cm　袖丈：28cm

※身長別の画像は一番最後に載せています。

懐紙を入れるポケットと帛紗をかけられるデザイン

ワンピースと羽織、二つのアイテムに共通している特徴は、懐紙を入れるポケットと帛紗をかけられるデザインになっているところです。

懐紙は茶道でしか使わないと思われがちですが、もともとはティッシュやハンカチのようなもので、魚の頭を抑えたり箸置きとして使ったり、グラスについた口紅を拭うことにも使えます。使用後もたたんで置いておけば見苦しくありません。他にもコースター代わりに使ったり、小銭を包んだり、日常の動作を上品にしてくれます。そんな懐紙を着物のように忍ばせることができるお洋服です。

帛紗もかけられるので茶道のお稽古着としても活躍します。

日本の和装文化を支えてきた伝統工芸「丹後ちりめん」

生地は、300年の歴史をもつ伝統工芸の丹後ちりめん。
丹後ちりめんの最大の特徴は、表面にある「シボ」と呼ばれる凹凸で、この凹凸があることで、生地が動くたびに光と影が美しい表情をつくります。これは、長い年月をかけて受け継がれてきた技術の賜物です。
しかし、現代の生活の西洋化や着物離れから、現在の丹後ちりめんの生産量はピーク時より大幅に縮小し、生産現場でも若い織り手への技術継承が課題となっています。
丹後ちりめんの魅力だけでなく現在抱えている課題も多くの方に知ってもらいたいと思い今回採用しました。

軽やかでしなやかな生地が特徴で、繊細な質感と生地のゆらめきが、着る人の所作を美しく引き立てます。動くたび柔らかなドレープが生まれ、エレガントな印象を与えます。

生地を製作してくださるのは京都・丹後地方で昭和27年より丹後ちりめんを織っている織元、臼井織物さん。美しさを追求するために手作業も交えたこだわりの生地です。

「糸をねじる撚糸工程では、1本ずつ手作業で張力を調整します。これにより、生地に細かく均一なシボ（凹凸）ができ、生地がたわんだときにやわらかいドレープが現れます。また、ポリエステル特有のテカリを抑えるために織り方も工夫し、単色染でもマットで落ち着いた仕上がりになりました」

伝統工芸ながら、お手入れは簡単

気になるお手入れ方法ですが、ポリエステル100%なので家での洗濯が可能です。丈夫な生地で、縮むこともありませんので、洗濯機で洗っていただけますし、アイロンやスチーマーも使っていただけます。伝統工芸だからと気負わずたくさん着ていただければ嬉しいです。

日本製の丁寧な縫製

日本国内の工場で丁寧な縫製をしています。裏地をつけていないので夏でもさらりと着ることができます。肌寒い時は中に服をきてもゆったりとしたシルエットのおかげで着膨れしません。

その他リターンについて

数寄屋袋｜Crepe Clutch Bag

同じ生地をつかった数寄屋袋も展開します。
数寄屋袋は茶道の稽古や茶会に必要な小物を持ち運ぶための袋です。クラッチバッグとして普段使いはもちろん、冠婚葬祭やパーティーなどフォーマルな場でもお使いいただけます。

伝統工芸「金彩」を贅沢に施したバージョンもあります。

金彩は、染め上がった絹の生地に金や銀の箔、金粉等を接着する技術で、友禅染をより華やかにする加工の一つです。
金彩を手がけてくださったのは京都の職人・作家の上田奈津子氏。全て手描きで描かれています。（一点一点が全く同じ柄にならないことをご了承ください。）

▲筒描きと呼ばれる手描きの技術。金を施す部分に糊で線を引いていきます。

▲糊が乾いたあとに箔を乗せると、糊の部分だけに金がつき、金彩となります。こちらのデザインでは金銀箔を使用しています。

刺繍ともプリントとも違う金彩ならではの風合いと輝きをお楽しみください。

今回はMakuake限定の特別サービス「イニシャル入れ」もご用意しています。Crepe Clutch Bagに金彩でお好きなイニシャル（アルファベット筆記体の2文字）を入れられます。こちらももちろん手書きですので完全な一点ものにしたい方へおすすめのオプションです。金彩をいれる場所はバッグを開いた内側です。

お茶会を開催します！

ブランドの世界観を反映したお茶会を開催します。場所は東京都世田谷区に位置する妙深庵。普通のお茶会では体験できないイタリアの要素を取り入れた、レナクナッタならではの和洋折衷なお茶会です。
お茶と一緒にお楽しみいただくのは、生菓子とイタリアの干菓子です。
今回、生菓子はオリジナルデザインのものをご用意できることになり、この茶会にふさわしい華やかで映えるものを現在デザイン中です。
イタリアの干菓子は美味しさを求めるのはもちろんですが、ただのクッキーや砂糖菓子などではなく、抹茶とのマリアージュによって、新たな味覚の発見を体験していただけるようなものを考えています。
また、お道具や亭主の装いにもイタリアのものを取り入れ、味覚だけでなく、視覚でも楽しめる華やかなお茶会を企画しています。

【参加者みなさまへのプレゼントも】
今回のお茶会では、特別なプレゼントもご用意しております。レナクナッタがアーカイブとして保存していたイタリア製シルクを使った古帛紗（こぶくさ）を参加者全員にお贈りします。
古帛紗は約15cm角の正方形の布で、茶席では茶器の下に敷いたり、器を乗せたりするのに使います。日常では小物や花器の下に敷いてインテリアとしてお楽しみいただけます。男性にはポケットチーフとしてもご使用いただけます。

みなさんとともに、日本とイタリアの融合が生み出す新たな美しさと味わいを、この特別なお茶会で共有できることを心から楽しみにしています。一期一会のひとときを、ぜひ一緒にお楽しみください。

日程：2024年12月22日（日）
場所：妙深庵（東京都世田谷区下馬1-19-14 ガーデンパーク下馬1F）
時間：
①10:30〜11:30
②12:00〜13:00
③13:30〜14:30
④15:00〜16:00

企画：株式会社TeaRoom

「お茶会はまさに、ものがたりが紡がれる場所だと考えています。 今回リリースされたワンピースや羽織に込められた想い、大河内さんの実現されたい未来、そしてレナクナッタの描いていく『文化を纏う』世界を茶室の中で五感を通じて体験いただける、そんな会となればと考え、お茶会に足をお運びいただく皆様のお姿を心待ちに準備を進めております。 初めてお茶会に参加される方でも、ぜひ肩の力を抜いてお越しいただければ嬉しく思います！」

丹後ちりめんのワークショップも開催します！

丹後ちりめんの技術を体験できるワークショップを京都にて開催します。
ワークショップでつくるのはちりめんポシェット。ちりめん特有のシボ（凹凸）は、たて糸と、強い撚り（より）をかけたよこ糸を交互に織り込んだ後、「精練」という工程を経ることで出てきます。精錬と染めを楽しく体験できるワークショップです。（ポシェットは当日お持ち帰りいただけます。）

日程：2024年10月27日（日）
場所：renacnattaショールーム（京都市中京区雁金町373 みよいビル207）
時間：
①13:00〜14:00　定員8名
②14:00〜15:00　定員8名
③15:00〜16:00　定員8名

企画：renacnatta x 臼井織物

最後に

株式会社Dodici代表の大河内愛加です。 ブランド名「レナクナッタ」は、使われなくなったもの、着られなくなったもの、以前より作られなくなったものを使うところに由来しています。

この活動の原点には、私が10代から13年間をイタリア・ミラノで過ごした経験が大きく影響しています。イタリアをはじめとするヨーロッパの国々では、古くから残るものを尊重し、それらと自然な形で共存している場が多くあります。その環境で育った私は居心地の良さと現地の人たちに尊敬の念を抱きました。

日本に帰国した際、新しいものが次々と生まれ続ける社会の中で、何百年と残り続けてきたものが日本にもたくさんあることを知り、魅力的に感じました。そして、これらを残していく役割を私も担いたいと思い、伝統産業の方々と一緒にものづくりをしています。そんな中、始めた茶道。喧騒から離れて静かな和室で行う茶道は、今の「瞬間」だけに集中し、心が落ち着いていくのを感じました。

レナクナッタでは、文化を包括的に発信するために、アイテムの展開だけでなく、オウンドメディアの運営や工房巡り、ワークショップの企画も行っています。茶道という伝統文化に触れ、その魅力をブランドを通して伝えたいと思ったのは自然な流れでした。こうして生まれたのが今回のワンピースと羽織です。

このコレクションは、ただの衣服ではありません。日常の中で心の静寂と調和を感じ、豊かな時間を過ごしていただくための提案です。茶道の精神である「和敬清寂」は、人と人との調和、自然との調和、そして自分自身との調和を大切にします。

この服を纏うことで、現代社会の忙しい日常の中でも、ふとした瞬間に心の静寂を感じ、内面の平和を取り戻していただけたら幸いです。その人自身の内側にある美しさを引き立てられるよう心をこめて企画・デザインしました。

このアイテムを通して日本の文化を一緒に体現していく仲間が増えていけば嬉しいです。

Credit：
モデル撮影：Ryo Kawano
茶室撮影監修：岡本 友輝

身長別着画