株式会社Dodiciの代表大河内愛加です。renacnatta（レナクナッタ）というブランドを経営しています。

renacnattaは「文化を纏う」をコンセプトに日本とイタリアの素材を組み合わせた巻きスカートをメインに展開するブランドです。

使われなくなったイタリアのデッドストックシルクと日本の着物地、2つの国の「れなくなった」が融合し、新たなものへ生まれ変わるというコンセプトがブランド名の由来になっています。本来なら出会うことのなかった異なる歴史や背景を持つ素材が組み合わさり日本とイタリアの文化を纏うアイテムとして生まれ変わったスカートがこれまでのメインのアイテムでした。

私は15歳から家族でイタリアのミラノに住んでおり、渡伊して10年目の2016年に立ち上げたのがこのブランドでした。日本に15年間、イタリアに10年間生活をした中で、それぞれの国に素晴らしい素材や技術、伝統があることを知りました。そこで両国の良いものを融合させることにより、それぞれがお互いを生かし合い、単体でいる時よりもさらに輝けるようなアイテムたちを作りたい。そんな思いから日伊ミックスアイテムの展開をしています。

しかし、伝統工芸などが年々衰退している今、デッドストックだけに目を向けるのではなく、もっと直接的に伝統産業に貢献していきたいと考えるようになりました。そして今年から、伝統を継承している織元さんや職人さんとタッグを組んで展開するラインも作っていくことにしました。

将来「作られなくなった」とならないように。

ブランド名を改めて見つめ直した時、これも一つのレナクナッタの形だと気づいたのです。

2016年にMakuakeのクラウドファンディングでブランドを立ち上げてからの４年間、たくさんの方にブランドを知ってもらい支えていただきました。今回のプロジェクトでは京都の伝統産業とのコラボレーション商品の展開となっており、受注生産になります。これまでのデッドストックのラインと違い多くの方にお届けできる生産体制が整ったので２回目のクラウドファンディングをする運びとなりました。

西陣織とは、京都市の西陣エリアで生産される先染めの織物の呼び名です。「先染め」とは、名前のとおり布を織る前に糸や繊維を染色することです。糸そのものにしっかりと色が乗っているため、色合いが深く、シワになりにくいのが特徴です。

西陣織が織り上がるまでには20以上の工程があり、一つ一つの工程で熟練した技術者が丹念に作業を行っています。

西陣織の起源は1200年前の平安時代に遡ると言われており、都が誇る伝統産業として日本の絹産業に大きく貢献しました。しかし、1975年ごろをピークに徐々に人々の"きもの離れ"が始まり、生活の洋風化の進展とともに産業の衰退に拍車がかかりました。

約15年間で関連企業は半減、今残っている関連工業も80代の事業主が2割近くを占め、70代以上が半数を超えており、事業所の半分以上が「自分の代で転廃業」と回答しているデータもあります。このままいくと今でさえ貴重な西陣織はもう二度と作られなくなる幻の織物となってしまいます。

そうならないために後継者の育成や工賃を上げることが課題となっています。そのために弊社では西陣織の良さをまず多くの人に知ってもらうきっかけをつくり、そして新しいカタチで纏う機会を提供をしたいと考えました。

そこで今回発表するのが西陣織でつくる"一生着られる"ウェディングドレスです。

[モデル身長170cm・スカート丈80cm]
＊パニエを着用するとよりふくらんだAラインになります。

西陣織はレナクナッタオリジナルのカラーリングで織っていただきました。生成りとベージュの温かみのある上品な色合いに仕上がりました。こちらのドレスはトップスとスカートのセットアップになっており、トップスは着物をイメージしたデザインになっています。そして西陣織の上にさらに繊細な手刺繍を施しています。

ウェディングドレスは一生に一度だけ着るものなのでレンタルが主流ですが、挙式以外にも着る機会があれば自分のウェディングドレスをずっと持っていたいと考える人も多いのではないでしょうか。

このドレスはセットアップになっているのでトップスやスカートだけで、たとえば結婚記念日だったり、お子様の入学式など人生の特別な節目に着ていただけます。また上下ともに巻いて着られるフリーサイズになっているのでサイズの変動にも対応します。

スカート丈は80cmです。細かいサイズに関してはページ下部をご覧ください。
身長別の丈感イメージ↓（実際の身長別の着画はSNSでアップしていきます。）

また今回使う西陣織はポリエステルで織っていただいたため、水や摩擦に強く、絹の西陣織より扱いやすい生地となっております。絹に劣らない柔らかい質感、上品な光沢感を楽しんでいただける現代に生きる西陣織です。

シンプルに西陣織だけを楽しんでいただける刺繍なしのバージョンもご用意しています。

もちろんウェディングドレスとしてではなく特別な日のセットアップドレスとして着ていただいても◎
セットアップではなくスカートだけのご購入も可能です。

同じ生地を使ったネクタイとミニポーチもご用意しています。

ミニポーチは刺繍ありと刺繍なしがあります。

西陣織を提供してくださったのは西陣織リニスタ様です。

刺繍をデザインしてくださったのはデザイナー田中大資氏です。

金彩は、染め上がった絹の生地に金や銀の箔、金粉等を接着する技術で、友禅染をより華やかにする加工の一つです。金色をいれる部分の型を切り抜き、模様に合わせて金色を塗り金箔を置いたり、筒描きと呼ばれる手書きの技法もあります。

↓筒描きの様子。金を施す部分に糊で線を引いていきます。

↓糊が乾いたあとに箔を乗せると、糊の部分だけに金がつき、金彩となります。

日本で衣服に金が使われだしたのは平安時代中期以降と言われており、金彩の技法は安土桃山から江戸初期にかけて確立した伝統的な工芸です。

金彩も西陣織同様、着物離れとともに職人の数も激減している同じような背景を持ちます。

金彩は本来友禅の着物に施す加工とされていましたが、レナクナッタではイタリアのシルクに金彩を施してもらい、それをイヤアクセサリーにするKinsaiシリーズを展開しています。今回のリターンではイタリア製の80年代に織られたビンテージのデッドストックシルクに金彩を施したイヤアクセサリーとメンズ用ポケットチーフをご用意しています。

イヤアクセサリーはピアスかイヤリングでお選びいただけます。

金彩イヤアクセサリー -Bloom- （こちらの柄はシルバーもお選びいただけます。）

金彩イヤアクセサリー -Botanical- （こちらの柄はゴールドのみになります。）

ポケットチーフ（金彩でロゴを施しています。）

機械は使わずひとつひとつ職人さんの手作業によって金彩が施されています。（イヤアクセサリーに関しては一つ一つが手描きになるので、一点一点が全く同じ柄にならないことをご了承ください。）

今回はMakuake限定の特別サービス「名入れ」もご用意しています。ポケットチーフ、またはイヤアクセサリーに金彩で好きな文字を入れられます。職人さんが一文字ずつ丁寧に手書きで施しますので完全な一点ものになります。（全てアルファベット筆記体になります。）

金彩を施してくださるのは京都で活動する職人上田奈津子氏。

当ブランドとのコラボレーションや金彩のお仕事についてnoteを書いてくださっています。→こちらから

メインのリターンをまとめると以下の通りになります。

・【応援】メールマガジン
-ミラノサローネ準備中レポート
-ミラノサローネ開催中レポート
-ミラノサローネ６日間終了後レポート
ミラノ現地の写真もたっぷりでお送りします。

・アートブック
本のテーマは「文化を触る」。
本の中に西陣織や金彩の施した生地をはさんで製本します。
西陣織や金彩について学べるだけでなく実際に触れられるそんな特別な１冊になっています。文字も少なくお子様や外国の方にも楽しんでいただけるような本を作ります。また西陣織工場で撮影した写真も掲載しています。中身の詳細は届いてからのお楽しみです。

・金彩ワークショップ（2020/7/4 東京）
金彩職人上田奈津子氏による金彩ワークショップ。金彩についての説明を受けた後レナクナッタで使用しているイタリアのシルク生地に金彩を施す作業を上田氏指導のもと一人一人が行います。布の大きさはポストカードほどなので出来上がりはお好きな額などにいれて飾っていただけます。好きなデザインをするもよし、見本の絵から組み合わせるもよし。男女問わずお気軽にご参加ください。

◆2020/7/4（土）10:00~13:00
（場所は東京都内でまだ未定です。場所が確定次第速やかにご連絡をいたします。）

＊天候などの影響により延期になる可能性もありますことご了承ください。
＊18歳以上対象です。
＊ワークショップ後、今回のリターンアイテムに加えミラノサローネで発表する新商品の試着受注会にご参加いただけます。注文はその後オンラインからになります。

・クラファン・ミラノサローネ報告会（2020/7/4 東京・2020/7/11 大阪）
２回のクラウドファンディング実施、そしてミラノサローネ出展（ページ下部参照）を経て感じたことや学んだこと・現地の反応を共有します。また今回コラボくださった伝統工芸の方達と大河内のトークセッションやゲストと参加者様が自由にトークできる交流会もあります。クラウドファンディング・ミラノサローネ・伝統工芸に興味がある方は是非お越しください。

◆2020/7/4（土）14:00~16:00 東京
（場所は東京都内でまだ未定です。場所が確定次第速やかにご連絡をいたします。）
ゲスト：金彩職人上田奈津子氏

◆2020/7/11（土）14:00~16:00 大阪
場所：ギャラリーMATSURI 大阪市北区中崎3-3-6 Luxe中崎1階
（中崎町駅より徒歩２分、阪急梅田茶屋町口から徒歩１５分）
ゲスト：西陣織元サカイタカヒロ氏と金彩職人上田奈津子氏

＊天候などの影響により延期になる可能性もありますことご了承ください。
＊イベント後、今回のリターン全アイテムに加えミラノサローネで発表する新商品の試着受注会にご参加いただけます。注文はその後オンラインからになります。

・【法人様向け】レナクナッタイベントでのPR権利
ミラノサローネ（ページ下部参照）とクラファン・ミラノサローネ報告会で展示するポスターと配布するフライヤーのスポンサー枠にロゴとurlを掲載いたします。クラファン・ミラノサローネ報告会、それに加え今年の夏と秋に行う展示会では商品の展示スペースも設けますので、弊社のお客様に向けて宣伝を行うことができます。
・ミラノサローネ（2020/6/16〜6/21）
・クラファン・ミラノサローネ報告会（2020/7/4 東京 7/11 大阪）
・展示会8月（東京）
・展示会11月（東京）

クラウドファンディングで集まった資金は今後の運営費と今年６月に行われるミラノデザインウィーク（通称ミラノサローネ・フオリサローネ）出展の資金として使わせていただきます。
ミラノデザインウィークは毎年4月にイタリア・ミラノで開催され、毎年約40万人前後の人が訪れる世界最大級のデザインの祭典です。（今年は新型コロナウイルスの影響で６月に延期となりました。）
弊社はミラノ市内の中心地ブレラ地区での単独出展を予定しています。

デザイナーだけでなく、バイヤー、建築家、職人、インテリアコーディネーター、ジャーナリスト、トレンドリサーチャーなど、デザイン業界に関わるあらゆる職種の人々が世界中から集まるこの機会に、日本の伝統工芸の新しいカタチと可能性をアピールしていきます。

たくさんの洋服やアイテムが溢れている今の世界、私たちは様々な選択肢を持っています。ファストファッションの流行やトレンドの細分化により、日本では毎年「100万トン」の服（枚数に換算すると、なんと33億着）が捨てられているという事実もあります。そんな中で、文化や素材の歴史、作り手の職人さんを感じながら纏えるという選択肢があるということを多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。