最初で最後かもしれない。
QUNIOMI 小林邦臣シェフとは・・・
料理専門誌が絶賛しテレビ出演も多数、プロ向け講習会も行うフレンチの重鎮
小林シェフが、Makuakeから奇跡のコースをリリースした。
「今夜は、ホンモノの肉を食べるぞ!」
夕映えの恵比寿を歩く彼は、なぜか大股で速足だ。
「ホンモノの肉ということは・・・ステーキ?焼肉?」
すると、力強く「日仏合作の傑作なんだよ。」

小林シェフは、赤身肉の全てを書いた書籍を出している。
「彼の本を読んで、肉を覚えたシェフが何人もいるんだ。」

他にも、東京カレンダー等、数多くの名だたる雑誌や専門誌に掲載されており、プロ向けの料理講習会や地方創生のメニュー開発・コンサルティング等、多岐に渡る活動を行っている。
プロのシェフからリスペクトされるシェフだ。

駅から5分で店に到着
こじんまりとした、控えめだが雰囲気の良い外観
極上の赤身肉を食べれる店で13年も前から、肉好きの間で伝説となっている店だそうだ。

店に入ると、オーナーシェフの小林邦臣さんが出迎えてくれた。
いかにも職人という感じ。しかもイケオジだ。
彼は、彼女の私が嫉妬するくらいこの店を愛している。
今回は、Makuake限定だという贅沢コースを頂くことにした。


邦臣シェフが、説明してくれた。
「ブリニとは、ロシアのパンケーキ。上に乗せるのはクラシカルなマリネにしたノルウェー産のサーモンです。
サワークリームで混ぜ合わせたものを、軽く温めブリニの上に乗せ、最後にキャビアを乗せてあります。」
一口食べると、口いっぱいに美味しさが広がって
なぜ彼が興奮しているか分かった。
言葉にできないけど、とにかくオイシイ。
アミューズだけでも、シェフの敏腕さが分かる。
小声で彼に聞いた。
「このシェフって、何者なの?」

18歳で料理の道を志した小林邦臣さんは、東京の有名店で研鑽を積む。
満を持して渡仏。超一流のミシュラン店で、腕を磨く

超一流店の修行が、現在の小林シェフを支えている。

小林「素材や料理のシンプルなうまさを引き出すことを追求しています。
料理はあくまでも厳選された良い素材を活かすためのテクニックという考え方を、フランスの名シェフたちに教わりました。」

帰国後は横浜元町「ラール」のシェフとなり、フランスの伝統料理にエスプリを取り入れたキュイジーヌ・モデルヌを提供し、人気を博した。
さらに、南青山ブルーノートが経営する「アディング・ブルー」のシェフを歴任し、2012年2月に恵比寿でQUNIOMIを開業した。

近くにいた常連のオジサマたち(言葉使いは優しく、セレブな感じだった)に話を聞いた。

ガチの肉好きならではのコメントだ。


一口食べて声が出た。
「ええええ?めちゃくちゃ肉々しくて、こんなに美味しいパテがあるの?!
前菜にしておくのは、もったいないくらいの存在感がある。」
小林「この前菜は、当店のスペシャリテです。
完成までに、長い工程を経て3日間ほどかけて出来上がったパテです。」
材料は仔牛、豚肉、レバー、フォアグラなどをベースに大量のエシャロット、パセリ、などを加えて作りあげる。
小林「このパテの美味さを直球で味わっていただくために、あえて他の添え物を省きました。そのまま召し上がってください。」

「すみません。この料理に合う、ワインをいただけますか!!」


さらに前菜が現れた。
小林「北海道産の牛赤肉を低温調理してから燻製にして、薄くスライス。付け合わせはピペラード。ピペラードとはスペイン国境に近いバスク地方のフランス料理で、新鮮なピーマン(赤、黄色など)玉ねぎ、バスク産唐辛子、トマト、生ハムを加えて作る煮込みです。」
彼が一流のフランス料理人であることが、この一皿からも分かる。
まだ前菜なのに・・・彼は興奮しっぱなし。
「はああああ、幸せだ。」
そして、ついに・・・現れた!


美しい赤身肉が登場。エロティックでエレガント。
「今まで食べたどの肉よりも、肉だ。
肉の繊維から肉汁が滲み出てくる。幸せな気持ちがさらに増してきた。」
素材は、熊本県産のあか牛(赤毛和牛)。ソースには、黒糖が使われているという。
なぜだ?なぜフランス料理人が、和牛、しかもあか牛を使うのだ?
なぜ、ソースに黒糖をいれたのだろう?
小林「フランス修行時代に食べた牛肉のウマさが忘れられず、日本にないのかな・・と探したら、当時は知る人が少なかったあか牛を知り、一度食べたらトリコになった。」
彼は、フレンチのテクニックを使い、火入れの難しいモモ肉を、しっとりジューシーに焼き上げる。
これなら、あか牛特有の赤身肉を活かせると考えました。

素材は熊本県産のあか牛、なかでも昔ながらの赤身が強い個体を特別にチョイス。
熊本県の阿蘇まで行き、素材に対して追求をしている。
今、食べた部位は、内モモ肉とのこと。
一般的に、モモ肉は脂がないので火入れが難しく料理人の腕が一番出る部位。

小林「高温で表面を焼き固めることはしません。
フランスでは高温は使わず、あくまでもソフトに火を入れていきます。

肉表面の焼き色よりも、赤身肉のポテンシャルを引き出すためにソフトな火入れを行います。ルポゼ(焼いた肉を休ませる)を徹底し、ジューシーさを追求
このひと手間があることにより、上品なあか牛のステーキとなります。」

小林「パリにあるミシュラン1つ星で教わったソースを、日本人向けにアレンジしています。テーマは『甘しょっぱさ』
和食のたまり醤油のような甘さがありながら、コクのあるソースをイメージしています。沖縄の多良間諸島の黒糖を使用。くどい甘さでなくコクや香りがあり、スッキリしながらも後味が心地よい黒砂糖です。」

「赤身肉にぴったりの相棒は、これだ!」
私は、心の底からそう思った。
バルサミコの酸味に、あか牛の筋などでとったフォンドボーを加えて、最後に黒糖でコクと甘みをプラス、粗く砕いた黒胡椒のピリッッとした辛味を加えた特製ソース。
この一皿に、小林シェフの全てが捧げられている。
「食べ終わるのが、寂しい。」
初めての感覚だ。


「パスタ?フレンチなのに?」
彼がキッパリと答えた。
「シェフは、フランス伝統を重んじながらも、他の国や、日本ならではの和食の技法を取り入れるんだ。」
甘くて魅惑的なミートクリームの香りにうっとりとしながら、一口。
これは、肉料理だと思った。
赤身肉コースは、まだ続いていた。
とにかく、ソースに使われた肉が、後半戦なのに食欲を誘う、誘う!

小林「元々はあか牛や短角和牛などを捌いたときに出た切れ端でミートソースを作り、フレンチ風にしてスタッフと賄いで食べていた料理です。」

「意外!え?え?なんでデザートまでオイシイの?ゴワゴワ感もボソボソ感もない。滑らかで、最後にレモンの香りが残る。めちゃくちゃオイシイ」
当時、小林シェフは、そのレストランのパティスリーでも経験(修行)をしていたそうです。
小林「レストランでは毎朝、宿泊客のお客さんに朝食を出していて、私が作ったレモンケーキは、人気でした。滑らかにするために、アイシングやナパージュをつけるのが普通だが、このレモンケーキにはフレッシュ果汁を使用しています。」
このレモンケーキに添えるのはヨーグルトのクレームダンジュ
クレームダンジュとはフランスロワール地方のトリプルクリームなどを混ぜ合わせた伝統菓子。レモンケーキとの相性を考えた仕上がりになっている。
帰り道、彼は、まだQUNIOMIを褒めたたえている。
私は、彼から褒められたことがないのに・・・
「また、QUNIOMIに君と行きたい!」
この言葉は、最高の誉め言葉だと気づいた。
【店舗情報】
クニオミ(QUNIOMI)
住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目24-12 クエンテ恵比寿 1F
電話番号:03-6721-6910
営業時間:第一部 18時〜、第二部 20時30分〜
定休日:月曜
小林邦臣(コバヤシクニオミ)
東京の名高いフレンチレストランで修業後、99年渡仏.パリ「アンフィクレス」(ミシュラン一つ星)、ペリゴール「ル・ソントネール」(ミシュラン二つ星)、モンペリエ「ル・ジャルダン・デ・サンス」(ミシュラン三つ星)帰国後は横浜元町「ラール」、南青山「アディング・ブルー」のシェフを歴任し、2012年2月に独立し恵比寿で「QUNIOMI」をオープン。
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