初めまして、QINO(キノ)です。私たちは「木を使い、山を育てる」というミッションのもと、 林業、製材業、加工業、企画デザインチームなど業種の垣根を超えたワンチームで活動しています。 今回のドリンクは「木の使い道に、驚きを」というテーマの中から生み出されました。 炭酸とともにはじける、草原のように爽やかな香り。その奥にひそむ、紅茶のようにほのかで甘い香り。複雑なのに品がよく、まるで深い森にいるような寛ぎを感じることができる。そんな体験を飲む方に感じてもらえるよう、レシピ開発に試行錯誤を重ねきました。これからこのプレミアム炭酸水の魅力と誕生の背景を紹介していきたいと思います。

このドリンクの正体、実はクロモジという木で、気品あふれる芳香が特徴の落葉低木です。まずはよく冷やしたものを、そのまま味わってみてください。それから、お酒との相性もぜひ楽しんでください。森林生まれのソーダらしい懐の深さで、ウイスキーやジンなど、さまざまに組み合わせることができます。ノンアルコールカクテルの素材としても、きっと新しい発見があるはずです。

さて、なぜQINOが今回クロモジに着目してドリンク開発したのか。 実はそこにはちょっと悲しい背景がありました。

ここからは、メンバーによるリレー形式でプレゼンテーションしたいと思います。

みなさん初めまして。ここからは、林業を営む白峰産業の尾田が説明します。今回は私たちが管理している石川県白山市の白峰地区で自生するクロモジを使っています。これまでクロモジは杉の間伐時に下草と一緒に切って捨てしまうことが多くありました。クロモジは、私ら山の人間からすると、気分転換したいときに匂いを嗅ぐくらいの植物なもんで、それ以上の使い道を考えたことがなかったんです。そんな中、東京の企画チームがクロモジの可能性に目をつけて、芳香や効能を研究したいと、あれやこれやと聞いてくるんです。最初のうちはどうなるのかと思っていましたが、結果、廃棄されてしまうクロモジがこんなに美味しい飲み物に変わってしまうんですね。山にはまだまだ秘められた恵みがあるんだと考えさせられます。

ここから、あれやこれや聞いてくれた三嘴君にバトンタッチします。

QINO SODA開発担当の三嘴です。最近はよく仕事終わりにサウナ巡りをしていることもあり、ととのった時にぴったりの飲料をつくりたいと思っていたところ、クロモジの魅力に出会いました。開発にあたっては、より清々しい休息をサポートするため、化学添加物を一切使用せず、天然香料のみを使用した自然由来のリラクゼーション飲料を目指しました。クロモジ独自の香りが付加されているため、呼吸と嗅覚に意識が生まれ、炭酸の爽快さとともに気持ちの切り替えを補完することができます。おすすめのシチュエーションはオンからオフに気持ちを切り替えたい時や、五感が研ぎ澄まされた状態の時です。なので、仕事終わりや、入浴・サウナ後にぴったりのドリンクになっていると思います。 ここで１つ苦労話になりますが、開発にあたって一番大変だったのが香りの開発です。いい香りがするクロモジと言っても、収穫する地域や時期、部位で全く異なります。再現性のあるベストな香りを見つけることが本当に大変でした。
この果てしない試行錯誤を共にしたのが蒸留チームです。ここでバトンをつなぎます。

蒸留を担当した、EarthRing蒸留技師の大本と調香師の川上です。 私たちの活動拠点は、全国でも珍しい山麓の中にある白山蒸留所です。今回のドリンク開発では、収穫後のクロモジを蒸留する前にどれだけ熟成させるかがポイントでした。それに加え、蒸留時に枝と葉の配合をどうするか試行錯誤を繰り返した結果、口に含むと上品な香りが鼻へとぬける絶妙なドリンクへと結実しました。引き立て役は蒸留につかう水かもしれません。ここでは、白山の鉱石に磨かれたミネラルたっぷりの山水を使っています。 山に住む人間は、伏流水を山水と呼ぶ習慣があります。字の通り、山が豊かな水を作り出しているのです。
山と水の関係性を説明できたので、続きを高平さんに任せます。

はじめまして、QINOでディレクターをしている高平です。 私たちは、「木を切って、山を育てる。」をビジョンに活動していますが、それは水を守ることにつながります。 今回のQINO SODAはそこに向けたチャレンジの１つです。日本の山にとっての幸せは、木を切ってあげることだということが、実はあまり知られていません。 戦後の復興需要から日本は国策で針葉樹を沢山植林しました。70年経過した今、伐採適齢期を迎えた木々がどうなったのか。 当時の計画や予想に反し、外国産の木材に需要を奪われ、日本の木は切られないまま山に放置されています。荒廃していく山に対して、建材以外に木の使い道を発明しようというのが私たちなりのチャレンジであり、その試みから生まれたプロジェクトがQINOです。 QINOは2021年、SODAの他に樹木の紙石鹸「QINO PAPER SOAP」の開発や、木育授業「QINO school」を小学校で実施してきました。2022年からは、人が山に自然と出向くような体験や仕掛けを開発していく予定です。
この話の詳細は吉田葵さんにしてもらいます。

初めまして、ランドスケープデザインを担当している吉田葵です。 木が切られないことが問題になっていることは、多くの人が知りません。それは山や森にかかわる人が少ないからだと思います。QINOでは今後、様々な人に山や森とのかかわりしろが増える森づくりを計画していきます。人と森の交信が増えるだけでなく、きちんとその森が本来の植生に還ることをデザインします。QINO SODAの売上は、その一部を植生調査や間伐、植林の費用に使わせて頂きたいと思います。読んでくださった皆さん有難うございました。
このバトンが1人でも多くの人に繋がっていくことを、心から願っています。

今回はクロモジから生まれた炭酸水QINO SODAと、石川県産柚子とクロモジをブレンドし、甘さを加えたQINO SODA-YUZU-をリターンに入れました。ぜひ飲み比べてクロモジの香りを感じてみてください。

2021年9月10日：クラウドファンディング終了

2021年9月下旬 ：順次発送

2021年9月末：一般販売開始

fabriq inc. / 代表取締役 高平晴誉 | 三嘴光貴 | 上原健太郎 | 川上晴菜

EarthRing 白山蒸留所 / 蒸留技師 大本健太郎 | 調香師 川上由夏

株式会社白峰産業 / 専務 尾田弘好

白山市議会議員 / 中野進

フードクリエイション / 諏訪綾子 | 古井真也

dot science / 農業科学者 木村龍典

AOI Landscape Design / 吉田葵

もく遊りん / 運営責任者 福江翔太

オリエンタルブルーイング株式会社/ 代表取締役 田中誠

株式会社吉田酒造店 / 代表取締役 吉田泰之 | 吉田麻莉絵

TOWAKOメディカルコスメティック株式会社 / 代表取締役 高橋慎弥

セルプあさがお / 壽時 悠

SHINRA / 共同代表 佐藤大智

経営コンサルタント 土谷豪

Kitchen Sink / 代表取締役 小林洋介

UKIGUMO / ディレクター 平井健太

CLINT / 代表取締役 漆畑陽生

写真家 渡会審二

写真家 安川結子

secca inc. / 上町達也 | 柳井友一 | 田淵寛之

quod,LLC / 共同代表 中川雅俊 | 共同代表 飯塚洋史

石川県白山市立千代野小学校