プロジェクト概要

3Dプリンター（FDM方式)をご使用中、またはご検討の方々へ、3Dプリンターでの造形中のエラーでフィラメントの湿度が大きな影響を与えるのはご存知だと思います。

湿度を含んだフィラメントを使用し3Dプリントした事例

カナダのオンタリオ州に本社を置く PrintDryは、3Dプリンタ用フィラメントの乾燥ソリューションの現行モデル「フィラメント乾燥機 PrintDry」のバージョンアップモデル『PrintDry フィラメント ドライヤー プロモデル』を発表いたします。

米国Kickstarterで約800万円のご支援を受けたPrintdry Filament Dryer ・Filament Dryer2.0をお客様からの声を反映し細部に渡り新設計いたしました。

プロジェクト詳細

3Dプリントプロセスにおいて発生する造形エラーの要因の1つとして、フィラメント内に蓄積された水分による影響が大きいです。

その原因として、水分が吸湿性フィラメントに吸収されると水分子がフィラメントのポリマー分子チェーンに付着し、強い分子間結合を形成します。
この結合は、フィラメントの乾燥を困難にするもので、一般的なフィラメントパッケージ内にある乾燥剤パックではこの分子間結合を破壊し、フィラメントから水分を取り除くことがむつかしいです。

このためフィラメントの乾燥には、フィラメントを完全に加熱し水分ポリマー結合を破壊し、水分をフィラメント表面に移動させて運び去り、フィラメントを乾燥させる必要があります。

PrintDryフィラメントドライヤーは、
次の基本的な乾燥パラメーターに基づいています。

乾燥温度: 温度が上昇すると、フィラメント内の分子がより激しく動き、水分/ポリマー分子間結合を弱め/破壊します。さらに、熱により空気も膨張し、その中の水分子の濃度が低下し、乾燥機内の空気が水分を吸収しやすくなります。水分子は、高温でフィラメントをより自由に移動できます。一般的に、乾燥温度が高いほど、フィラメントはより速く完全に乾燥します。ただし、乾燥温度が高すぎると、熱劣化や酸化が発生する可能性があります。フィラメントごとに異なる乾燥温度が必要です。

水分濃度差: これは、フィラメント内の水分量とフィラメントを取り巻く空気中の水分量を指します。湿ったフィラメントを乾燥した（低露点）空気で囲むと、フィラメント内の水分子が表面に移動しやすくなり、最終的には空気によって運び去られます。

乾燥時間: フィラメントはすぐには乾燥しません。まず、熱がフィラメント内部、特にスプールに深く埋め込まれている部分全体に浸透/分散するのに時間がかかります。第二に、新しく解放された水分子がフィラメントの表面に融着するのに時間がかかります。

気流: 気流はフィラメントに熱を運び、水分子も運び去ります。

湿度を含んだフィラメントを使用した3Dプリント事例【不良品】

フィラメント乾燥機PrintDryを使用した3Dプリント事例【製品合格】

フィラメントドライヤー「PrintDry」シリーズは、フィラメントスプールを最適に乾燥できるフィラメント専用の乾燥システムです。

新たにリリースされた「 PrintDry フィラメント ドライヤー プロモデル」は、 最大48時間の内蔵タイマーとデジタル表示を備え、設置環境の変化に影響を受けないように、壁を二重構造に変更し、更に温度制御をセンサーフィードバック方式にて高精度な湿度コントロールを行います。

二重壁構造で、設置場所の環境変化に影響を受けにくくなりました。

利用方法・操作方法

弊社プリントラボでの設置・使用例

3Dプリンターのフィーダー部分をPrintDry フィラメント ドライヤー プロモデル に変更、素材に応じた設定温度と時間をプリセットから選ぶだけです。事前乾燥とプリント中の乾燥を行いフィラメントの湿度コントロールを行います。

フィラメントの湿度が時間経過で減少するグラフ

PrintDry フィラメント ドライヤー が必要なフィラメント材質と湿度の含有量

左のブルーが必要な材質・右のグレーは必要としない材質

特にナイロンとPLAは必ずPrintDry Filament Dryer 乾燥が必要とされています。

参照：www.matweb.com

参考：温度設定と乾燥時間（材料の状態などで変動します）

初期モデルご使用者コメント

3Dプリンターコミュニケーション 管理者 中村様
https://www.facebook.com/groups/315286282359859

初期型PrintDry フィラメント ドライヤー での使用例

PrintDryフィラメント ドライヤー内に設置してある湿度計の変化をご確認ください。

50℃設定の状態で、内部湿度34％（24.4℃）が10％（43.1℃）まで低下しているのがわかります。（あくまでフィラメント ドライヤー 内部の湿度です。これから一定時間を経て、基本的な乾燥パラメーターに基づいてフィラメント内部の湿度が、コントロールされていきます。）

中村様コメント（facebookより引用・追記あり）

PrintDry Filament Dryer FD-770を使ってみた。

簡単に言えば湿った(表現が変ですが含んだと考え下さい)フィラメントを乾燥させる機器です。乾燥させながら使用する事が出来る様に脇に小さな穴が空いています。
上部にも排気用の穴が空いているので乾燥後には別の密閉容器に移す必要があります。別表にある様に各フィラメントに対して乾燥時間が記されています。概ねの時間と判断すれば良いかと思います。
今までは、大量の乾燥剤を密閉容器に入れてフィラメントの湿度管理をしていました

この製品で古いフィラメントを乾燥させ、プリントテストしましたが、全く折れる事無くプリント出来ました。

保管に使用する乾燥剤の吸湿力を復元する事も、この製品で行えます。

ものづくりコワーキングスペース「Co-Box」コーボックス 本庄様
https://co-box.info/
https://www.facebook.com/cobox.osaka/

初期型PrintDry フィラメント ドライヤー での使用例

本庄様コメント

PrintDryを1年ほど使用しています。3Dプリンター設置場所の温度・湿度の管理を行い安定した状態にして、皆様にご使用いただいています。PrintDryは湿度で折れやすくなったPLAを乾燥させたり、しばらく使う予定のないフィラメントを乾燥させて、真空パックを行い保管しています。PLAは特に湿度による劣化で、ポキポキと折れやすくなってしまいます、そのために使わない期間が長い場合は、こまめに乾燥をさせたほうが良いと思います。いろいろなフィラメントを使い分ける人や、それほど頻繁にプリントしない人は重宝するのではないでしょうか。
真空パックは食品用を代用していますが、頻繁に真空パックを繰り返す場合は、PrintDryのフィラメント専用バキュームコンテナも検討したいと考えております。

仕様

垂直取付

新しいドライヤーでは、最大200㎜のフィラメントスプールを垂直に2つ取り付けることができます。横向きのセットアップではフィラメントがスプールから脱落する危険性があり垂直方向にセットアップする事で、この問題を解決しました。

ススムーズなフィラメントフィード

スプールアダプター付属

2本の金属シャフト
4つの大きなスプールアダプター
4つの小さなスプールアダプター

特許 US17/089,256（USA) ZL 2019 21894307.5（China) の取り付けアダプターは、さまざまなフィラメントスプールに使用でき、従来に比較し抵抗を最小限に抑えて安定したスムーズなフィラメントフィードを保証します。これは、特に柔らかなフィラメントにとって非常に重要です。

温度コントロールの高精度化と内部タイマー

デジタル表示と温度コントロールをセンサーフィードバック制御に更新しました。

自動シャットオフのためにデジタルタイマーが組み込まれています。

スプール仕様

新しいドライヤーは、1kgのスプールを2本乾燥して供給することができます。

ラージスプールキット

私たちが知っているように、フィラメントスプールのほとんどは1Kg以下です。 しかし、最近では最大5Kgの大きなスプールが人気をあつめています。ラージスプールキットでは、最大スプール外径300mmまたは5Kgまでのフィラメントスプールを乾燥して供給することができます。

チャンバーキット

チャンバーキットを使用すると、新しいドライヤーは4つの1Kgスプールに使用することができます。つまり、1つのドライヤーでより多くのプリンターに供給することができます。

世界でご使用いただいている安全な完成した商品です

新しいPrintDry フィラメント ドライヤー プロモデルはすでに世界で販売されており、世界で認知されている安全基準をクリアしていますので 品質が保証されています。

日本でお使い頂くために100V仕様に使用機器を変更いたしました。

その上で、PSEの認証試験を行いました、ご安心してお使いください。

保証期間は1年間となります。

世界で販売されているPrintDry ディストリビューター

スケジュール

リターンについて

資金の使い道

新たな3Dプリンター周辺機器の開発に活用させてください。

1.安価で誰でもスキャンできるスキャナー

2.フィラメントの保管に最適な新型コンテナBOX

などを計画しています。

開発の背景

カナダのオンタリオ州ウィンザーに本社を置き、米国と中国にオフィスを構える
PrintDryです。私達は医療業界向け別事業で製品開発中に、3Dプリンターを使用していましたが、フィラメント内の湿度が問題となり、解決のため2016年にフィラメントドライヤーを開発しました。https://www.oltfoot.com/

それ以来、フィラメントを乾燥させ、3Dプリント用に簡単で迅速なソリューションを提供することに力を注いでいます。PrintDryフィラメントドライヤーとフィラメントコンテナを使用することで、プリント造形物の機械的強度が向上し、表面仕上げが良くなり、ノズルづまりのないプリントが期待できます。。PrintDryは、今後も3Dプリントコミュニティに新しい3Dプリント強化デバイスを提供していきます。