温暖化の影響で猛暑日が増え、日中のサイクリングは危険なスポーツになりつつあります。スポーツサイクルを通勤に使う人も増加しています。

夜のサイクリングに欠かせない自転車ヘッドライト。しかし、性能がアップし、光量が大きくなることで、歩行者や対向車ドライバーには「眩しい」ものになります。

眩しいライトから歩行者や対向車ドライバーが眼をそむけたり、眼の残像効果で視界が暗くなることは、一瞬ですが「危険な瞬間」を生み出します。

自転車ヘッドライト用防眩シェードORCANO（オルカノ）は自転車ヘッドライトが照射する歩行者や対向車ドライバーへの「眩しい光」を遮断し、サイクリストに必要な視界を確保しながら、サイクリストの存在を知らせる機能、ライトの落下防止機能も併せ持つ新しいライディング・サポート・ギアです。

ORCANO（オルカノ）というネーミングには、滑らかな先端部分がシャチ（オルカ）の頭部に似ているという意味と、海の哺乳類最速（時速80km）のシャチのようにサイクリストの皆さんが力強く夜を疾走できるようにという願いを込めています。

プロジェクト終了後はアマゾンジャパン他で販売を予定しています。

このプロジェクトではORCANO（オルカノ）発売記念に製作したトップ・ギア特製ネックウェア カスタムBuffもご用意しました。Buff本社のデザイン監修をパスしたBuffロゴ入りの正規品です。イラストは「夜を疾走するサイクリスト」をテーマにしています。プロジェクト終了後の販売は未定です。

ORCANO（オルカノ）

様々なライトに装着可能な汎用性

シリコーンゴムで成型されたORCANO（オルカノ）は伸縮性があるため、一灯式自転車ヘッドライトの90％以上（弊社調べ）に装着可能です。

装着可能ライト

◎はきれいに装着可能、〇は装着可能、△はかなりきついが装着できる（ライトによっては一部カットが必要）、×は装着できないになります。（弊社調べ）

防眩性能

ORCANO（オルカノ）は前方に滑らかに突き出す形状で自転車ヘッドライトの光をコントロールします。歩行者に対する遮光と対向車ドライバーに対する遮光を同時に実現します。サイクリストの走行に必要な視界を確保するための中心光と道路への光はそのまま維持します。さらに内面の鏡面仕上げによって上方に照射されていた光を自転車下部と周辺に反射させ、周囲に自転車の存在を知らせます。

ORCANO（オルカノ）の防眩の仕組み

ORCANO（オルカノ）はどう防眩するのか？その仕組みはシンプルです。

●空を照射する光は必要？

●「眩しい」のは「光源」が見えるから→「光源」が見えなければ「眩しくない」

図解します。

上のイラストでは、光源から離れた場所では「光源が見える」ことになりますが、光の強さは光の減衰の法則（光源からの距離の2乗に反比例）により弱まります。光軸からの中心光が見えなければ、眩しくはありません。

光源を見て「眩しい」と感じた時、人は眼を手で覆います。手による遮光です。ORCANO（オルカノ）の防眩はサイクリストが光源（ライト）を手で覆うこと（遮光）を代行する仕組みです。

さらに、ORCANO（オルカノ）は内面の鏡面仕上げによって、上方（空）に放射されていた光を自転車下部に反射し、歩行者・対向車ドライバーにサイクリストの存在を知らせます。それはORCANO（オルカノ）の副次的な効果ですが、不要な光の効果的再利用になりますので、エネルギー（バッテリー）のロスも軽減します。

高い耐衝撃性

シリコーンゴムで成型されたORCANO（オルカノ）は柔らかい素材のため、万一人・車と接触しても、衝撃を吸収します。

カラーバリエーション

遮光性重視ならブラック

ブラックのORCANO（オルカノ）は高い遮光性能を持ちます。ライト点灯時の内面の光り方をご覧ください。内面の鏡面仕上げによって自転車下部・周辺を照らす反射光も全6色中で最も強くなります。

光る防眩シェード

ブルー・グリーン・オレンジ・イエロー・ホワイトのORCANO（オルカノ）は防眩効果を維持しながら、先端部が発光し、歩行者や対向車ドライバーに走行する自転車の存在を知らせます。ブラック以外のORCANO（オルカノ）だけが実現する「光る防眩シェード」という新コンセプトです。先端部の光はシリコーンゴムを透過しているため、柔らかい拡散光となり、眩しさはありません。

チームメンバー全員で同じカラーのORCANO（オルカノ）を装着すれば、夜間レースで素晴らしいチームパフォーマンスを発揮できるでしょう。

被せるだけのイージーフィット構造

ほとんどのヘッドライトでORCANO（オルカノ）の装着はライト先端に被せるだけ（弊社調べ）。シリコーンゴムの伸縮によってORCANO（オルカノ）はライトにしっかりと密着し、走行中に脱落することはありません。一部のライト（先端からブラケット取付部が近いタイプなど）では、ORCANO（オルカノ）の一部をカットした方がフィットします。その場合は付属の装着固定用両面シールで固定してください。一般的な両面テープではシリコーンゴムに接着できません。

ライトの形状は円筒形が一般的ですが、断面が楕円形でも角の丸い長方形でも周囲長が92mm~126mmであれば、装着できます。周囲長111mm以上、断面が角の丸い長方形の場合は時間がかかるかも知れません。取扱説明書に取付手順を記載しております。

ORCANO（オルカノ）の装着強度テストです。ライトに装着したORCANO（オルカノ）の先端に穴を空け、細いパラコードで１リットル（1kg）の水の入ったペットボトルを結び付けて引き上げました。先端方向に強く引いてもORCANO（オルカノ）はライトから抜けないことがわかりました。

付属の専用ストラップでライトの落下を防止

ORCANO（オルカノ）には左右に二つのストラップホールがあり、シリコーンゴム製の専用ストラップが付属します。夜間走行中にヘッドライトがブラケットからはずれて道路や草むらに落下してしまう事故を防止します。

専用ストラップの強度テスト。ヘッドライトに装着したORCANO（オルカノ）のストラップを掴み、ライトがブラケットからはずれた状態の自転車の揺れを再現してみましたが、ライトの重量と揺れでは切れません。しかし、ストラップホール部分は細い構造ですので、意図的にストラップを強く引けば、切れます。

徹底した軽量化

無駄をそぎ落としたORCANO（オルカノ）の重量はわずか12g。専用ストラップを含めても16g。極限まで軽量化したロードレーサーでも負担にならない重さです。

ORCANO（オルカノ）発売記念 トップ・ギア特製ネックウェア カスタムBuff

世界中のアスリートが愛用するネックウェアBuffをカスタムデザインで製作しました。夜でも映える明るいグリーンとイエローを配色し、どちらも前面にできるユニセックスタイプです。カラーがループするので、仲間で使ってもひとりひとりの見え方が同じにならない仕様です。ORCANO（オルカノ）ブラックとセットがお買い得です。

Buffは柔らかく縫い目のないポリエステル95％、ポリウレタン5％の筒状の布。縫い目がないので、首・顔・頭にやさしくフィットします。ORCANO（オルカノ）が様々なライトに装着できるのは、Buffの仕組みの応用でもあります。

Buffを使うサイクリストのイメージです。

こんなに様々な使い方があります。

サイクルモード TOKYO 2022に出展

トップ・ギアはサイクルモード TOKYO 2022（2022.4.2~3・東京ビッグサイト）に出展いたします。販売はいたしませんが、ORCANO（オルカノ）の展示とともに試装着コーナーを設置いたします。試装着用に様々な自転車ヘッドライトをご用意いたしますが、ご自分の自転車ヘッドライトをお持ちいただくと装着をお試しいただけます。トップ・ギアブースでお待ちしています。

商品仕様

名称：トップ・ギア ORCANO（オルカノ）

用途：自転車ヘッドライト用防眩シェード

素材：シリコーンゴム

カラー：ブラック・ブルー・グリーン・オレンジ・イエロー・ホワイト全６色

（付属する専用ストラップは全てブラックになります）

重量：本体１２ｇ・専用ストラップ４ｇ

サイズ：幅36.6mm・奥行き90.2mm・高さ32.8mm

シリコーンゴム伸び率：約140％

付属：専用ストラップ１本／装着固定用両面シール（2cm×2cm）２枚／取扱説明書／ガイドブック

パッケージ：紙製

企画協力・製造：トーホーポリマー株式会社

企画開発・販売：パスワーク株式会社

生産国：ORCANO（オルカノ）本体 日本／専用ストラップ 中国

名称：トップ・ギア特製ネックウェア カスタムBuff

仕様：Original Buff カスタム仕様

サイズ：22.3cmX53cm

重量：40g

素材：ポリエステル95％、ポリウレタン5％

イラスト制作：wada kaoru

製造委託先：ゼット株式会社（Buff日本正規代理店）

生産国：スペイン（バルセロナ・BUFF本社）

スケジュール

3月15日（火）~4月10日 （日） プロジェクト展開

5月下旬~7月末 応援ご購入いただいた方への発送

応援ご購入いただいた方への発送完了後、アマゾンジャパン他にて販売開始。

予定販売価格は2,200円（税込）です。

リターンについて

リターンは数量限定の早割・セット割・チーム割と数量限定のない通常品（カスタムBuffのみ通常品も数量限定）をご用意しております。リターンの価格は全て税・送料込になります。

本プロジェクト終了後の販売予定

ORCANO（オルカノ）：2,200円（税込）

トップ・ギア カスタムBuff：販売未定

弊社はORCANO（オルカノ）をチームで使っていただくことを強く願っています。夜のレースでORCANO（オルカノ）はチームの強い味方になってくれるはずです。チーム割のORCANO（オルカノ）6個セットは簡易包装になります。ご了承ください。

ご質問がある場合

Makuakeメッセージよりお問い合わせください。Makuakeメッセージにてお答えするとともに活動レポートにてサポーターの皆様にも共有していただきます。

開発ストーリー

弊社では本業のグラフィックデザインと並行してカスタムメイドのドッグリード（ドッグ・ギア ザイルリード）を製造・販売しています。フランス製のザイルロープを使用した強度の高い「愛犬を迷子犬にしないためのドッグリード」です。

ザイルリードは一般的なシングルロープタイプと１本のロープを折り返したダブルロープタイプの２種類を用意しています。「散歩中に2個のアタッチメントが同時にはずれることはありえない」というシンプルかつ強引な発想から生まれたダブルロープ・ダブルアタッチメントのザイルリードタイプWは高価ですが、多くのユーザーに使われ、リピート購入いただくことも多い自信作です。

ただ、２本のロープを束ねる最適なパーツが見つからないため、初期仕様では電気製品のコードを束ねるマジックテープ式の結束バンドを使用していました。ロープを束ねる機能は充分ですが、ワンちゃんとの散歩中に束ねる位置を調整できないという問題がありました。

そこで、自社製造しかないと判断し、３Ｄプリンタを事務所内に設置し、パーツの製造をスタートしました。現在のザイルリードには自社製造パーツを使っています。

３Ｄプリンタでのパーツ製造は時間がかかります。１個（１本のリードには小さいタイプが１個、大きいタイプが３～４個必要）に３０分必要ですが、１日多くて２本程度ご注文いただくドッグリードに必要な数はすぐに製造できてしまいます。

さて、沈黙して仕事をしていない３Ｄプリンタに与える仕事はないものか・・・その悩みがORCANO（オルカノ）誕生の第一歩でした。

１０年ほど前、私は友人とサイクリングをしていました。高校時代にその友人とテントを積んでサイクリングをしていた時期があり、それを再開したのです。

久しぶりということもあり、安価なクロスバイクからスタートしました。高校時代のように一週間かけてツーリングというわけにはいきませんでしたが、近場のサイクリングコースやヒルクライムを楽しみました。次第に輪行なども行うようになりましたが、二つの出来事があり、スポーツバイクに乗ることを断念しました。一つはダウンヒルでのコントロールに不安があったこと、もう一つは夜間走行中にライトが故障し夜の走行の怖さを実感したことです。ケガをしてしまうと会社の経営が破綻するという不安もありました。友人はその後も自転車を続け、再開した時のミニベロから今ではロードバイクに乗り換えて趣味の自転車を極めつつあります。

その友人からアドバイスされたのが、「自転車ヘッドライト用防眩シェード」でした。その時点で販売されている防眩シェードはありましたので、それを参考にしつつ、円筒状のライトにワンタッチ装着が可能で、ライトの落下防止も可能な初期の「トップ・ギア 防眩シェード」を製作しました。

ただ、問題点は多くありました。ＰＬＡという硬い樹脂で成型するため、ワンタッチで装着しはずれないようにするためには形状の異なるライトそれぞれ専用の形状にしなければなりません。また、友人からサイクリストはライトをハンドルの上部につける人と下部につける人がいるということを示唆され、それに対応するためハンドル上用・下用の２つの形状をデザインしました。多くのユーザーがいると思われる３つの機種専用にデザインしただけで製品は６アイテムになるわけです。遮光性を考えて黒のフィラメントで試作を行っていましたが、ある時黒のフィラメントが不足したため、白いフィラメントで代用して成型し、装着・点灯したところ、きれいに発光することに気づき、６色のフィラメントを使ってカラー展開することにしました。つまり、その時点で６×６の３６アイテムになっていたのです。

出来上がった防眩シェードはAmazonでテスト販売しました。

その防眩シェードは想定していた以上にご注文をいただくことになり、ご購入いただいたお客様からも高く評価していただきました。ただ、１個製作するのに最長８時間もかかるため、どうしても安価に提供することができません。プラスティック成型を外注することも検討しましたが、６つの金型を製作するコストは莫大なものになります。

また、３Ｄプリンタ成型の宿命である表面のザラザラ感と価格が釣り合わない、取付時に積層にそって割れる、装着したロードバイクをマイカーで搬送した際に車内が高温になりシェードが変型してしまったなど、難題が積みあがってきました。どれも納得のいくものですが、打つ手なしの状態。

その後、別な仕事で忙殺されながら10か月ほど悩み続けましたが結局解決策は見つかりませんでした。

別の仕事が無事完了し、解決策を再考し始めました。原点に戻って形状から再検討し、三つのことがわかってきました。一つは初期の防眩シェードのなめらかに前に伸びた形状には高い防眩効果があり変更してはいけないこと。３Ｄプリンタで量産化・低価格化はできないこと。プラスティック成型の金型を製作し、量産するには莫大な費用が必要なこと。

その後、伸縮性のあるシリコーンゴムならば様々なライトの形状の違いを克服できるのではと気づきました。シリコーンゴムのメーカー様数社に打診したところ、良心的なメーカー様と巡り合い、３ＤＣＡＤソフトサプライヤーから貴重なアドバイスをもらい、ORCANO（オルカノ）は完成したのです。

シリコーンゴムの試作品を手にしたのはまだ２ヶ月ほど前ですが、仕上がりは予想以上のものでした。私の頭の中とＰＣソフト上にしかなかった理想の防眩シェードが形になりました。試作品を現在入手できる様々な形状のライトに装着してみましたが、90％以上（弊社調べ）のライトに装着できることが確認できました。さらに当初ブラックのみの展開を予定していましたが、メーカー様のご協力でテスト販売品と同じように「光る防眩シェード」を実現するカラー展開に再びチャレンジする決意をしました。

弊社は12年前に起業し、自分が可能なことだけでビジネスを展開してきました。自分が強烈に必要だと実感し、それが世の中にないものだけを製造・販売する。大きなビジネスではない「持続可能なビジネス」。「自分が必要性を感じないものでは本物にはならない」と思っています。

ORCANO（オルカノ）の完成まで実質は４ヵ月間にすぎませんが、様々なことが非常にスムーズでした。多分、それは夜のサイクリングでライトが故障して経験した恐怖を実感していたためでしょう。

ORCANO（オルカノ）が夜を疾走するサイクリストと、すれ違う歩行者・対向車ドライバーに素晴らしい夜を提供できることを心から祈念しております。

2022年3月

パスワーク株式会社 代表取締役/プロデューサー 関口 孝