オリジナル野生酵母ccPTM18を使った斬新な日本酒の世界を体験して欲しい！

自然発酵ワインで著名なココ・ファーム・ワイナリーにて採取したオリジナル野生ワイン酵母ccPTM18によるスパークリングタイプの日本酒と一年間ワインオーク樽で熟成した熟成酒の2種類。ccPTM18で造る日本酒は、まるでワインを思わせる酸味と旨味に特徴があります。今回は瓶内熟成やオーク樽熟成というワインに用いられるフィニッシング手法を用いることにより、よりワインを意識させる新しい日本酒を完成させました。

今年はスパークリングとオーク樽熟成の２酒！

全ての清酒は米と水のみを原料として用いるため、その味や香りの大きな違いを生み出す要因は発酵に用いる酵母にあるといわれています。栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーで分離したオリジナル野生ワイン酵母ccPTM18を用いて、発泡清酒「2022BY純米吟醸にごり生酒（スパークリング清酒） 」と樽熟成酒「2021BYフレンチオーク樽熟成純米吟醸酒 」の異なる造りの「尾仲」を醸します！

清酒造りに適したワイン酵母ccPTM18

2018年、栃木県足利市にあるココ・ファーム・ワイナリーの全面協力を得て、自然発酵ワインマストより野生種ワイン酵母「ccPTM18」を分離しました。遺伝子解析を行った結果、ccPTM18 はSaccharomyces cerevisiaeであり、お酒を造るのに適した酵母であることがわかりました。また、S. cerevisiaeの中でも、従来のワイン酵母の一群に近いオリジナル野生ワイン酵母であることも明らかとなりました。蔵元の成政酒造で試験醸造をしたところ、蔵元曰く、酵母からはラズベリーパイのような香りがし、発酵させたもろみはまるでシャンパンのような香りを放っていたそうで、日本酒と言われなければ白ワインと間違えるような味でした。そこで、今回はワインのフィニッシング工程でよく用いられるオーク樽熟成と瓶内発酵を行うことにより、まるでエイジングされたウイスキーや溌剌としたスパークリングワインのような日本酒を演出してみます！

ccPTM18は不快なオフフレーバーを出さない優良酵母

ワイン酵母で日本酒を造るとワインのようなお酒ができることは、以前から知られていたことでした。しかし、大きな問題となるのがオフフレーバーの問題です。元々ワイン酵母は4-VG（4-ビニルグアイアコール）等の不快なオフフレーバーを出すことが知られていました。ワイン果汁ではそれらはマスクされるため、ワインではあまり気にならないのですが、お米で造る日本酒では非常に強い不快臭となって現れてしまい、せっかくのお酒を台無しにしてしまう問題がありました。しかし、ccPTM18はこの不快な4-VGを出さないことが確認されました。また、一般清酒に比べccPTM18で造った清酒は、リンゴ酸が低い、乳酸が高い、ピルビン酸がかなり高いという特徴を有していることもわかり、このような酸組成の違いがまるでワインのような新しい日本酒を醸し出す理由であることがわかりました。

今回お届けする２つの尾仲をご紹介します。

１. 2022BY純米吟醸スパークリング清酒

cPTM18酵母を使って発泡清酒醸造にチャレンジします。このチャレンジは同じく野生酵母である「とやま産まれの酵母」で発泡清酒を世界に先駆けて醸すなど、野生酵母の取り扱いノウハウを有した成政酒造だからこそ出来る新たなチャレンジです。ccPTM18は酸の生成が多い酵母ですので、濃醇で酸を含みキレのあるお酒になると思います。さらに発泡性ですので、まるでスパークリングワインのような清酒になることが期待されます。

２. 2021BYフレンチオーク樽熟成純米吟醸酒

国産赤ワイン醸造に使用された200 L容フレンチオーク樽2樽に一升瓶200本分の尾仲を投入し、一年間じっくりと熟成させます。熟成することにより、酸によるとげとげした部分が丸くなり、味わいが落ち着き、味にまろやかさが出ます。また、フレンチオーク樽の効果で、まるでウイスキーを感じさせる香りも付きます。今年の樽熟成酒は好評を博した2021年産野生ワイン酵母ccPTM18純米吟醸酒を原酒に使用します。

樽熟成日本酒は近頃は巷でも、たまに見かけるようになりましたが、野生酵母原酒を樽熟成した例はほとんどなく、「尾仲」のオリジナルな特徴です。通常の酒造りに使われる「きょうかい酵母」とは異なる、さわやかな酸味と濃醇な味わいが特徴です。

掟破りの清酒「尾仲」

清酒「尾仲」の歴史は2011年までさかのぼります。当時富山県立大学で教員をしていた尾仲は、野生麦酵母「とやま産まれの酵母」を大麦麦芽から分離しました。この酵母は元々は地ビール「星の空」を造るために使われていましたが、酒処富山で日本酒を造らない手はないと考え、富山県南砺市の蔵元・成政酒造の協力の下、伝説の能登杜氏・道高良造氏によって造られた清酒です。野生酵母、とりわけ大麦酵母で造られた日本酒は全国的にも大変珍しく、2012年に500本生産した「尾仲」は地元マスコミの注目も集め、1ヶ月足らずで完売に至りました。一般的な清酒醸造に使われる「きょうかい酵母」とはひと味もふた味も違う「野生酵母」由来の野趣溢れるどっしりとした深い味わい、度数と酸度が高めのキレのある濃醇旨口のお酒で、一般の流通にはまず乗らない、極めてレアな掟破りのお酒です。

これまで購入して頂いた方からは、

「酵母の違いだけでここまで清酒の味わいが変わるとは！」
「発泡清酒はほんのり甘口でついつい飲み過ぎてしまう！」
「樽熟成酒を初めて飲んだ一口目はこれってほんとに日本酒！？もしかしてウイスキー！？ってなりました」

などなど、皆様の日本酒の概念を覆すような感想をたくさん頂いています。

2019年まで野生麦酵母であるとやま産まれの酵母による酒造りを続けていましたが、2019年より野生ワイン酵母ccPTM18に切り替え、新しい「尾仲」の醸造を開始しました。麦酵母は野趣あふれるワイルドなお酒ができるのですが、どうしても雑味が加わり、その好き嫌いで飲み手を選んでしまう難しいお酒となってしまっていました。今回のccPTM18は、雑味がなく、またオフフレーバーもないため、万人が皆おいしいと感じる仕上がりとなっています。

ココ・ファーム・ワイナリーとプティ・マンサン

ココ・ファーム・ワイナリーは栃木県足利市にある自然発酵ワインを主に製造しているワイナリーです。ccPTM18が分離されたプティ・マンサン種はココ・ファーム・ワイナリーが適地適品種ブドウをフランス南西部から探し出してきたブドウです。開墾以来除草剤を使ったことのない山のブドウ畑、そこで完熟栽培されたプティ･マンサン種のブドウ果実を使い、培養酵母の添加を行わずに自然発酵で醸されます。ccPTM18酵母は、2018年秋に収穫されたプティ・マンサン種ブドウを使ったワイン発酵中のオーク樽より2019年春に採集されました。

プティ・マンサンはフランスの南西部、スペインとの国境にほど近い、ピレネー山脈の麓で栽培されています。この葡萄は小粒で房も小さく、いきいきとした酸味を持つのが特徴で、ジュランソンでこのブドウを使ってつくられる甘口のワインは驚くほどの凝縮感と余韻の長さを持つのが特徴です。 プティ・マンサンは足利の暑さにも耐え、美味しい酸を残したまま、よく熟した葡萄として収穫されます。

ココ・ファーム・ワイナリーの前に広がるブドウ畑、ここでccPTM18酵母の分離源となったプティ・マンサン種ブドウが収穫されました

どうして尾仲って名前なの？

実はプロジェクト実行者の名字そのものなんです。
最初はもっと清酒っぽい名前にしようと考えていました。しかし、2012年に最初の尾仲の醸造がスタートし、遂に瓶詰めという時まで新しい名前をひねり出せず、さらに清酒っぽい名前のほとんどは既に他社で商標登録されているため、万が一付けた名前が他社の商標侵害となったら製品回収にもなりかねず、名字のままで見切り発車的に発売となりました。個人的にはちょっと恥ずかしいのですが、書家さんに頼んで書いてもらった尾仲のラベルの字の出来映えが素晴らしく、また、ユニークな酒質にはユニークな名前という点では合っているかなと、今では思っています。

「尾仲」を醸す成政酒造のご紹介

成政酒造は富山県南砺市にある明治27年創業の小さな蔵
「成政」の由来は、越中の国を治めた戦国武将・佐々成政が水を求め、鑓をふるって地を突いたところ、そこから水が湧き出たという謂れを持つ「槍の先の水」を使って醸造していることに因みます。

南砺市一帯は全国でも有数な酒造好適米の産地で、高品位な酒造好適米『五百万石』『雄山錦』を生産する地域であり、良い水と良い米から醸される成政酒造の清酒は全国新酒鑑評会金賞受賞蔵として知られています。

スケジュール

Makuakeプロジェクト期間は2022年10月25日から12月6日まで

発送は年内(2022年12月中）、来年2023年のお正月には確実に間に合うようにお届けします！

リターンについて

今回は2021BYフレンチオーク樽熟成純米吟醸酒のみのセット、2022BY純米吟醸にごり生酒（スパークリング清酒） のみのセット、2021BYフレンチオーク樽熟成純米吟醸酒と2022年BY純米吟醸にごり生酒（スパークリング清酒） を組み合わせたセットの三種類からお選び頂けます。全てのリターンは送料込みです。

どちらもワインボトル(720 ml）でのお届けです。

◆2022BY純米吟醸にごり生酒（スパークリング清酒） ： 1本 2,900円、2本 4,800円、6本 12,000円、12本 21,000円

◆2021BYフレンチオーク樽熟成純米吟醸酒 ： 1本 3,600円

◆2021BYフレンチオーク樽熟成純米吟醸酒 と2022BY純米吟醸にごり生酒（スパークリング清酒）：2本（2021年1本、2022年1本） 5,600円、 4本（2021年2本, 2022年２本） 10,000円、 6本（2021年3本, 2022年3本） 14,000円、12本 （2021年6本、2022年6本）26,000円

さらにまとめ買いコースをお選びの方には成政特製冷酒グラス（市価３２０円相当）をお酒２本に１個の割合でお付けします。

資金の使い道

皆様から集められた資金は全額、2種類の清酒「尾仲」の醸造のために使用され、皆様のお手元へとお届けします。

実行者紹介

尾仲 宏康

東京大学大学院農学生命科学研究科、特任教授

2012年まで富山県立大学工学部生物工学科に13年間教員として勤務する。富山県立大学時代、2011年に富山県高岡市産大麦麦芽より分離した「とやま産まれの酵母」が立山地ビール「星の空」に採用され、立山黒部アルペンルートにて独占販売される。1年後、清酒業界のタブーを破って野生麦酵母である「とやま産まれの酵母」を日本酒醸造に使用し、純米原酒「尾仲」を発売、限定500本は一ヶ月で完売した。続いて2013年に富山のワイナリー山藤ぶどう園より赤ワインTOYAMA2012/2013を発売。同年、富山県南砺市の三郎丸蒸留所にてウイスキーも醸造された。同一酵母が異なる４種類の酒を醸すというのは全く前例がない。2018年にココ･ファーム･ワイナリーにて新たに野生ワイン酵母ccPTM18を分離した。2019年よりccPTM18を用いた新たな日本酒の醸造にトライしている。