伝統的工芸品 加茂桐箪笥（かもきりたんす）製作工房がお届けする新しい桐箱。

古来より桐箪笥産地として有名な新潟・加茂の工房から、現代の生活シーンを彩る、インテリアとしての桐箱をご提案します。

「想ひ凾（おもいはこ）」と名付けた左右開閉式の桐箱には、是非あなたの大切なものを入れてください。「想ひ凾」は桐独特の上品な肌合いと美しいフォルムを持ち、中の物を保管するだけでなく上質な飾り棚としてあなたのお部屋を彩ります。

呼吸する桐。調湿性があり、天然由来の防腐、防虫効果まで。

日本では古くから着物、医薬品、書物、調度品など、大切に保管したいものを代々桐箱に納め守ってきました。桐自らが呼吸するかのように大気中の水分を取り込んだり放出したりする特性があるため、内部の湿度が一定に保たれ、特に湿気を嫌う物の保管に適しています。加えて防腐成分のタンニンや、虫が嫌うパウロニンなどの成分も多く含むという、驚きの木材。「想ひ凾」は、優雅な扉を左右に開けば上品な飾り棚、ぴったりと扉を閉じれば中の物を大切に守る収納箱に。置いた姿が美しいだけでなく、素晴らしい機能性を持ち合わせています。

直線と曲線が奏でるハーモニー。高度な技術力が可能にする木目合わせ。

「想ひ凾」は、箱本体のシャープさと前面扉に施されたカーブの美しさにこだわりました。完全に閉じていると、直線が際立つシンプルな直方体ですが、左右の扉を両側に開くと・・・前面に有機的なラインが現れます。特に左側の扉にご注目。寸分たがわぬ二重の曲線は、ひと手間かけた職人こだわりの仕上げです。

扉が隙間なく吸い付くように閉じ、桐本来の美しい木目がピッタリと合わさるのはこのひと手間のなせる技。扉を閉めている時はラインが消え、開口部があることもわからないくらいです。

表情が刻々と変わる・・・自由な設置スタイル

「想ひ凾」は、中に入れるものや置き場所に合わせ、扉の開閉具合を調整することでお好きな幅で自由に設置できることも魅力です。通常は扉を閉じて保管箱として使い、訪れた友人には扉を開いてとっておきのコレクションをお披露目したり、また逆に、来客時は扉を閉じて中が見えないようにするなど、１日のなかでもシーンに合わせた使い分けが可能です。

内部の棚板は２枚付属し、中央と下部に取り付けることができます。棚の数や位置、開口部の大きさによって表情や使い方のバリエーションがぐっと広がります。

「想ひ凾」の素材は日本一軽い木材と言われる桐。大変軽く持ち運びしやすいことも大きな特長です。日替わりでいろいろなお部屋でお使いいただくのも楽しいかもしれません。軽量のため、本棚の中など既存家具とのレイアウトや、壁や柱などに設置することも可能です。

※壁面設置時の落下による破損等には責任を負いかねます。お客様の責任で十分に気をつけて取り付けていただきますよう、お願いいたします。

「想ひ凾」のサイズ

扉の開閉具合によって、幅 300mm 〜 510mmまで、自由な長さで設置できます。

W300〜510mm、D112mm 、H250mm、重さ 1.1kｇ

想ひ凾　木地（クリア）

想ひ凾　黒

想ひ凾　焼桐（グレー）

左：閉じた状態（幅 300mm）　／　右：最大限開いた状態（幅 510mm）

エントランスでお客様をお出迎え

ダークカラーのシューズボックスやエントランス・クローゼットの上に、桐の繊細な木目が際立ちます。「想ひ凾」の中に季節のしつらいをあしらってお客様をお出迎えしたり、玄関まわりの小さな小物の収納にも役立ちそうです。

純和室にも、モダン和室にも

総天然桐の「想ひ凾」は、和室の障子や畳、和風家具の落ち着いたインテリアにもしっくりと馴染みます。

書斎やベッドサイドテーブルに

美しい文房具や海外で買い求めた小物など、お気に入りの逸品をデスク上ですっきりと飾りながら収納したり、リラックスした時間を過ごすベッドサイドで、お部屋を香らせるルームディフューザーを並べたり・・・プライベート空間を豊かに彩ります。

オフイスや展示スペースに

お客様との打ち合わせスペースやギャラリーなど、オフィシャルなシーンにも主張しすぎず、すっきりと馴染むデザインです。

「想ひ凾」使い方あれこれ

コレクションボックス／季節のしつらい／香水瓶など日常使いの小物／ペットの写真などなど・・・想ひ凾に入れるものはあなた次第、自由自在です。

桐箱製造から始まった加茂の桐箪笥　

全国の70％のシェアを誇り、最高級家具として広く知られる桐箪笥が加茂の地で製造されたのはおよそ220年以上前。天然桐を豊富に入手できた土地柄、桐の特性を生かし、保存用の箱物＝桐箱を指物師が製作したのが始まりと言われています。現在は加茂産の桐を用いることは難しくなりましたが、吟味して仕入れた桐は加茂の職人の手によって原木の製材、アク抜き、天然乾燥にじっくりと3年の月日がかけられます。ほぼ受注生産で、一点一点お客様のご希望をお聞きしながら製造しています。

野本桐凾製作所について

私たちは新潟県加茂市に所在する加茂桐箪笥の製造工房です。

社名に「桐凾」を冠するとおり、大切な物を納める桐凾の製造を発祥とする私たちは、用途に応じた精密な仕上げの特注桐凾はもちろん、伝統技術を駆使した桐箪笥やチェストの製作を得意としています。1ミリ以下の調整を可能にする正確な技術と感性が評価され、近年ではKaritaの新作コーヒーミルも手がけました。

1947年創業、現在3代目の野本 剛を代表に、卓越した技術を保持する伝統工芸士や企画・設計に長けた若手を含む職人集団が、まごころ込めて製作しています。

伝統職人がつくる小物だからリターン商品も一味違います。

桐のまな板

両端に入った褐色のラインはケヤキ。デザインのポイントになるだけでなく、まな板の反りを防ぎます。桐のまな板は軽く、使った後すぐ乾いて衛生的です。

桐のスクエアトレイ

こちらは四隅に控えめに入ったケヤキが愛らしいデザイン。コンパクトな正方形のトレイは軽く、片手でも軽々。配膳の際に重宝します。国産桐材使用。

桐のキャニスター

端正な形と、ピッタリ隙間なく閉まる気密性の高さが自慢です。茶葉やコーヒー豆など、湿気を嫌う食品を安心して保存できます。国産桐使用。

「想ひ凾」企画・製作者　野本桐凾製作所　代表　野本 剛 が込める想ひ

日ごろ、用途に応じたさまざまな桐箱を製造している私たちは、お客様から特別な桐箱製作のご相談を受けることがあります。大事そうに抱えてこられた品物をお預かりし、使い方など丁寧にお話を聞いたうえで最適な桐箱を誂えます。箱は大事な物を保管するための入れ物ですが、私たちは単なる物入れを作っているのではなく、「人が大切に想う気持ちを納める器」を誂える仕事だと感じています。

桐箱製造が発祥の私たちだからこそ、人それぞれの大切な”想ひ”を美しく、自由に納めることができる桐箱を作りたい―これが「想ひ凾」製作のきっかけでした。

みなさん、桐箱の中身というとどんなものを想像されますか？ まず思い浮かぶのは、名人が作ったお茶碗や漆器、高価な掛け軸などの美術品、骨董品でしょうか。高温多湿で四季による気候の移ろいがある日本だからこそ、内部環境を一定に保つ機能を持つ桐箱はなくてはならない存在。桐箱は、これら貴重な品々を変質させることなく、また時には火災の火の粉からも守り、各ご家庭の家宝を先祖代々受け継ぎ、大切に次代へと伝える役目を担ってきました。また、美術館や博物館、神社仏閣などでも、収蔵している国宝や重要文化財をはじめたくさんの日本の宝物を桐箱が守っています。

他には何があるでしょう。少しずつ一生懸命集めたコレクション、記念の日にいただいた贈り物、思い出の写真や手紙・・・もしかしたら、愛らしい桐の小箱に入ったへその緒をお持ちの方も多いかもしれません。その小さな箱にはへその緒とともに大きな大きな愛情がギュッと詰められて、親から子へと渡されます。

はるか昔むかしから現代に至るまで、中に入っているものは自ら桐箱に飛び込んだわけではありません。どの品ひとつとってもすべて、誰かが大切に思い、守りたいと思い、伝えたいと思い、愛しいと思い、その物や伝える相手のことを想って、愛情とともに桐箱に品物を納めたのです。桐箱を誂えること、それは、託された想ひを守ることーー。

桐は、美しい木肌のすべるような手触りが、絹にもたとえられます。また、しばらく手を当てていると人肌のようなぬくもりを感じます。いつまでもなでていたくなるなめらかさと温かさを、皆さまにも是非実際に触れ、感じていただきたいと思います。心地よくほんのりと温かく包む。人の大切な想ひを入れる器に、桐箱は最適であると感じる所以です。いえ、もしかしたら・・・込められた愛情で温かく感じるのかもしれません。

創業以来多くの方々の気持ちをお預かりし、器を誂えてきた私たちの工房では、今日も新しい凾が生まれています。次は、あなたのために誂えた「想ひ凾」を―。

PHOTO : ナカニシミカ