大阪市立大学ブランディングチーム「メタセコイア」

大阪市大の「知」と京都市産技研の 「技」 、そして月の桂の 「匠」 。
３者のコラボによって生まれたオリジナルの日本酒。

　大阪市立大学と京都市産業技術研究所（京都市産技研）が共同開発した酵母「京の華」を用いて、京都の老舗蔵元月の桂が醸造した新しい日本酒を、大阪市立大学の学生がプロデュース！
　酵母「京の華」の力が最大限に引き出された王道の日本酒を、私たちと同年代の人たちにも楽しんでもらいたいと思っています。

商品の特徴

　＜原材料＞

　日本酒の味を決める米、酵母、水の３要素に京都産のものを使用し、京都の自然と伝統を生かしつつ、大学と研究所の研究成果によって魅力を増した新しいお酒ができあがりました。

　＜酵母の働き＞

　バナナのような香りのするフルーティーな日本酒、すなわち吟醸酒を造るには、お米を心白と呼ばれるほぼ純粋なデンプンの層まで削る必要があります。しかし、精米をすればするほど時間がかかりますし、お米の量も減ってしまいます。しかも、精米度の高いお米は酵母が生きるための栄養分をほとんど含んでいないことになります。
　吟醸酒の醸造は、酵母の生育適正温度よりかなり低い5℃～10℃で通常より長い日数をかけて行いますが、長く飢餓の状態におかれた酵母はさまざまなストレスを受けることになります。その結果、死んでしまった酵母の細胞から漏れ出てくる成分によってお酒に雑味が生じることがあります。冬場だけとは限らないお酒造りの工程を長く低温に維持することも容易ではありません。

　そこで、純米酒醸造レベルの条件（低い精米度、高い温度設定）でもバナナのような香り成分（酢酸イソアミル）の高い生成能を持つ酵母を開発。これにより、雑味が少なく香り豊かなお酒を造ることができました。
　酵母が酢酸イソアミルを生成する能力を高める方法として、その元となるイソアミルアルコールの生成能を高める方法が知られています。しかし、イソアミルアルコール自体がお酒の雑味の原因になることから、この方法とは異なる方法が求められていました。
　大阪市立大学大学院理学研究科 田中俊雄教授と京都市産業技術研究所 廣岡青央研究主幹の共同研究においては、イソアミルアルコールを酢酸イソアミルに変化させる「酵素」に焦点が当てられました。この「酵素」は、お米の外層に多く含まれる不飽和脂肪酸や高温条件によって、その働きが弱められることが明らかになっています。吟醸酒を造るためには、精米度の高いお米を用いる低温での醸造が不可欠であったことが実験によっても証明されたのです。酵母「京の華」においては、この「酵素」の性質が不飽和脂肪酸や温度の影響を受けにくいように変化していることが分かっています。
 

　＜追求した味～酵母「京の華」が生み出す日本酒＞

　酵母「京の華」が醸し出すバナナのような甘い香りが特徴です。一般的な吟醸酒とは一味違うオーソドックスな香りとしっかりとした有機酸の味が感じられます。そのため、燗にしても味が崩れることなく、さまざまな温度で楽しむことができます。

　＜ボトルデザイン＞

　ラベルは大学のシンボルであるメタセコイアをモチーフにデザインされています。メタセコイアの葉をイラストとして使い、「月の桂」の文字には篆書体を使うことで太古からの長い歴史を表現しています。また背景はメタセコイアの和名である曙杉にちなみ曙をイメージしており、私達学生や本学の明るい未来を連想させてくれます。コンセプトは普段なじみのない人でも手にとりやすい日本酒ということで、親しみやすいデザインにしています。

＜商品にかけた想い～大阪市立大学 学生からのメッセージ＞

　この日本酒の酵母開発者である田中俊雄教授の研究成果のひとつである酵母「京の華」を使用して造られた日本酒を、大阪市立大学の学生の手によってプロデュースして販売したいという思いによって、今回のプロジェクトは始動しました。

　共同開発先の京都市産業技術研究所、蔵元月の桂、本学の教職員、ラベルデザインを手伝っていただいた京都造形芸術大学の皆さん、そうしたたくさんの方々のお力、お知恵を借りて、本学オリジナルの日本酒を商品としてご提供できることになりました。

　大阪市立大学は日本で最も古い市立大学※であり、月の桂は酒造のメッカ伏見で最も古い歴史を持つ蔵元です。長い歴史と伝統を培ったもの同士の出会い、そしてその出会いを取り持った京都市産業技術研究所との連携。今、その成果を、これからの時代を生きていく私たちが、日本に、そして世界に発信していきます！

※大阪市立大学の前身大阪商科大学（旧制）は、1928年に日本初の市立大学として開学

・メタセコイア

　　　　　　　　　　　　　　　（画像提供：大阪市立大学理学部附属植物園）

・故三木茂教授

　　　　　　　　　（画像提供：大阪市立自然史博物館）

 「生きた化石」と称されるメタセコイア。人類誕生以前から生き続けているという長い長い歴史を持っています。現在はあちこちで見ることができるメタセコイアと大阪市立大学には、実は深いご縁があります。なぜならこの樹木は、本学にかつて在職した故三木茂 教授（1901〜74）によって発見されたものだからです。
 羽のような葉をつけ、まっすぐ空に向かって伸びていくメタセコイア。メタセコイアの歴史には及ぶべくもありませんが、まもなく開学140周年を迎える歴史ある本学の大学ブランデイングチームの名前を「メタセコイア」と名付けました。今回のオリジナル日本酒プロジェクトは、このチームの最初の事業です。

リターン

3,040円【限定100名様】15%割引大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒　2本セット　

3,576円　大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒　2本セット

3,900円　新旧　酵母「京の華」セット

3,900円　大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒＆市大オリジナル酒器セット

5,952円　大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒　4本セット

7,058円　大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒＆市大ゴルフセット

8,328円　大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒　6本セット

30,598円　大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒＆市大グッズ詰め合わせセット

・3,900円コースの市大オリジナル酒器セットは本学の職員と学生のハンドメイドです。

オリジナル酒器ができるまで

　オリジナル酒器の徳利とお猪口は、大阪市立大学杉本キャンパスにある工作技術センターの協力のもと作成されたものです。お猪口はガラス管を使います。太さの異なる2本のガラス管をバーナーで熱して接合し、特殊な機械を用いて太い方のガラス管を熱しながら回転させて引っ張り、ちぎるような形で適当な長さに切ります。引っ張られて伸びた部分を徐々にピンセットのような器具で取り除いていき、ある程度取れたら板を当てて、平らな底を作ります。その後、飲み口となる部分を切り、使用した際に怪我をしないよう加工を施して仕上げます。

　徳利は既製のフラスコの口の部分をやや短く切り、バーナーで温めて柔らかくしながら徐々に口を広げていきます。ある程度広げたところで注ぎ口の部分を引っ張り、徳利として使用できる形にします。完成した徳利を冷やしてから、学生1人1人の手で模様を施し、このクラウドファンディングでしか手に入らない特別な徳利に仕上げました。

　理化学用ガラス用品と同素材の耐熱性に優れた高品質なガラス（日本製）を使用した酒器です。そのため、熱湯、電子レンジでも使えます。

　側面に１合のメモリ、底に学章が入っています。

実行者紹介

・大阪市立大学

　2020年に創立140周年を迎える本学は、8つの学部と11の研究科を擁する日本最大級の公立大学です。地域に根差しながら、地球規模の視野で学問を追求しています。荒川哲男学長がスローガンとして掲げている「笑顔あふれる知と健康のグローカル拠点」として、さらなる誇り高き大学、夢を実現できる大学を目指しています。

https://www.osaka-cu.ac.jp/ja

・大阪市立大学　学長　荒川哲男

 学長の荒川です。念願の大阪市立大学オリジナルのお酒ができると聞いて、私自身もワクワクしています。教員の研究成果、学生の創意工夫など、本学の旨みが詰まった日本酒です。手に取ってくださった皆さまに愛され、大阪市立大学をさらに勢いづける日本酒に育ってくれることを願っています。

・大阪市立大学　大学院理学研究科　教授 田中俊雄

　大阪市立大学大学院理学研究科で、人の暮らしと微生物をテーマに研究をしています。さまざまな分野で活用されている微生物である酵母に魅力を感じ、研究を始めました。およそ10年前のこと。京都市産業技術研究所から、ある清酒酵母の改良について相談され、同研究所の廣岡青央研究主幹とともに酵母「京の華」を開発しました。酵母をはじめとする微生物が生きるためのメカニズムについての興味と微生物を人の役に立てたいという熱意が、この日本酒造りを支えてきました。

・月の桂　増田德兵衞商店　　（京都市伏見区）

　延宝3年（1675年）創業。伏見では最も古い歴史を持つ造り酒屋です。本学卒業生の開高健をはじめ、多くの文人や墨客に賛美され「文人の酒」とも呼ばれています。昔ながらの酒造りを頑なに守り続けながら、新しい日本酒の開発にも熱意を注いできました。日本初の発泡性のある「にごり酒」や古酒「琥珀光」の貯蔵熟成は、その中から生まれてきたものです。

・月の桂　増田德兵衞商店　14代目増田德兵衞

　日本酒の海外進出とは、日本の文化を海外へ伝えていくことです。酒だけでなく器やしつらえを含む伝統文化や精神を大事にするという発想のもと、京都市の「日本酒乾杯条例」の制定をリードしました。

・京都市産業技術研究所（京都市下京区）

　京都のものづくり文化の伝統を継承し、発展させることを使命とする公的な産業支援機関。新しい時代の感性豊かで先進的な産業技術を日々造り出しています。伝統産業と先端産業、両者の技術の融合など、産業技術の向上を積極的に推進しており、京都の地域企業の振興に携わっています。京都をはじめとした、地域経済の発展や市民生活の向上を目指す機関です。

・京都市産業技術研究所　バイオ系チーム　研究主幹　廣岡青央

　田中教授と酵母を共同開発した廣岡研究主幹。日本酒に熱い情熱を持っており、王道の日本酒開発を始めました。「京の華」が生み出す日本酒は、バナナのような香りがするということで「京のバナナ」が酵母名の由来になっているそうです。

・大阪市立大学工作技術センター

　大阪市立大学工作技術センターは、大阪市立大学の創立100周年記念事業として1984年に設立された理系の研究支援機構です。機械工作部門とガラス工作部門から構成されています。

　ここでは、技術スタッフが研究の場や大学の授業で使われる装置や器具、機械を製作し、供給しています。技術スタッフは教員や学生と直接話し合いながら機器の細部に至るまで検討・改善を図り製作を行うため、非常に高度な機器を製作することができます。

・大阪市立大学の学生たち

　はじめまして。私たちは大阪市立大学オリジナル日本酒プロジェクトチームです。2018年10月からスタートしたこのプロジェクトでは、どのように日本酒をプロモーションしていくのかを話し合い、ボトルデザインやストーリーを少しずつ形にしていきました。自分たちの手で作り上げる中でさまざまな壁にぶつかりながら、何とか世に出したい、少しでも多くの人にこの日本酒を届けて喜んでいただきたい、大阪市立大学のことを知っていただきたいという思いでプロジェクトに携わってきました。
　このお酒を通して私たちの大学のことを少しでも知っていただければ幸いです。

大阪市立大学オリジナル日本酒プロジェクトチーム一同