日本の障害者による創作作品も含まれる「アール・ブリュット」と、若者に人気の“裏原宿”のストリートファッションが異色のコラボ。新たなアパレルブランド novum （ノウム）が誕生します。国際的に高い評価を受けているアール・ブリュットの作品を身に着けて、アートの世界を体感してみませんか？

私たちは novum の販売を通じて障害者の創作活動を支援します。デザインの元となる作品を提供していただいた作家さんには、一般的な服飾デザイナーと同水準の契約料をお支払いします。売り上げに応じて継続的な収入を保証することで、作家さんの自立を支援します。

感性には健常者も障害者も、人種も、国境も、関係ありません。私たちは、自らの感性を信じMADE IN JAPANの精神を持って世界市場に参入します。

また、本プロジェクトに寄せられた皆さまからの支援金の一部を、アール・ブリュットの普及活動のために使います。スイスのザンクト・ガレン州にて日本スイス国交樹立150周年記念事業として現在「アール・ブリュット ジャパン スイス展」が開催されています。またスイスのローザンヌでは10月に、アール・ブリュットの国際会議「インターナショナルシンポジウム アール・ブリュット ジャパン・スイス」が開催されます。私たちはスイスの会場にブースを設け「ファッションを通じた日本のアール・ブリュット作家への支援」の取り組みを国際的に発信します。支援金は、スイスでのブースの整備、および展示用の製品サンプル制作費用に充てさせていただきます。

「加工していない、生（き）の芸術」という意味のフランス語。（英語ではアウトサイダーアートと呼ばれています）知的障害者など専門的な芸術教育を受けていない人が生み出した芸術作品を指す言葉です。既存の概念や流行にとらわれない自由な作風は「人間の創造性の原点からほとばしるアート」として注目されています。日本のアール・ブリュット作品も欧米を中心に高い評価を受けていて、去年、英・ロンドンで行われた「アール・ブリュット日本展」では、わずか３か月で１０万人の観客動員数を記録しました。しかし、日本国内では知名度が低く、一般的にはほとんど知られていないのが現状です。

蒲生 卓也さん（福島県出身１９７８年生まれ）

養護学校高等部２年生のころから絵を描きはじめた蒲生さん。彼が描く動植物の絵は、よく見ると細かな幾何学的文様からなっています。独特の筆致が織りなす生き物のカタチは躍動感にあふれています。「描きたいものを、描きたい時に、描きたいだけ描く」それが彼の創作スタイルです。

佐藤 朱美さん

アクリル絵の具や水性ペンで描かれた色鮮やかな佐藤さんの作品は、一見すると一つのモチーフのように見えます。しかし、よく見ると極彩色の小さな動植物などが密に組み合わされて、躍動感あふれる一つの形を作っています。これらの作品は、彼女の言葉を借りれば「頭の中に見えてくる啓示に従い、描いている」のだそうです。

魲（すずき） 万里絵さん（長野県出身１９７９年生まれ）

国内外から非常に高い評価を受けている魲さん。「描くと落ち着く」そう語る彼女の作品には女性の乳房や性器、ハサミがモチーフとして数多く登場します。圧倒的な迫力で「人間の生の本質」を鋭くえぐる彼女の作品は見る者の目をとらえて離さず特にフランスや欧米では大きな支持を得ています。

本岡 秀則さん（兵庫出身１９７８年生まれ）

普段はホテルの厨房で食器洗いの仕事をしている本岡さん。10数年にわたりコピー用紙やチラシの裏に大好きな電車の絵をびっしりと書き連ねています。この作品はいわば彼の記憶の中のコレクション。新型車両が世に出るたびに紙を継ぎ足し、どんどん大きくなっていく、それがこの大作「電車」なのです。この原画は、スイスにあるアール・ブリュットの美術館に寄贈され世界的なスタンダードになっています。

遠藤 雄志（３５）　“裏原宿”を代表するブランド「バウンティー ハンター」に1999年入社。デザイン・販売・企画まで手がけ“裏原”気鋭の実力派として注目を集める。

花澤 洋平（３６）２歳の頃から絵画を始め、１６歳で渡米。２２歳の時、北米でアート展を開催。その後、アパレル業界やストリートカルチャーで、アートやデザインの活動を展開している。

　アール・ブリュット日本展の開催によって、数多くの日本の作家が世界の注目を集め始めました。しかし、認知度の低さなのか偏見からなのか、いまだ社会進出のチャンスをつかめずにいる作家さんも多くいるのが現状のようです。

　私たちは、プロジェクトを進めるにあたって、多くの作品に触れる機会をいただきました。どれも個性的で独創的で、まさにアートでした。これは！と思う作品の作家さんたちに、ひとりずつデザイン許可をいただいたのですが、こちらからのお願いにも関わらず、むしろ喜んでご協力をくださったことに、大きく心を動かされました。プロジェクトを成功させるぞ！という気持ちをさらに強くしました。

　偶然なのですが、作家さんとデザイン担当メンバーがほとんど同じ年齢であったことも、さらにわたしたちの心を熱くしました。ほぼ同じ年に生まれたわたしたちが、これまでは出会うことなく、それぞれの人生を歩みつつ、集う機会をもらった偶然に感謝したいと思っています。デザイナーとアーティスト、近いようで大きな距離があったわたしたちが、プロジェクトをきっかけに集うことができました。プロジェクトがなければ、出会うことも、こうして形にさせてもらえることも永遠になかったかもしれません・・・。それは正に感性がボーダー・レスだったからです。

　皆様の支援で、作家さんとスタッフ全員の思いが、いよいよ形となります。新しいライフスタイルが生まれ始めます。『皆様もご一緒に楽しみましょう!』そんな思いで本プロジェクトを立ち上げました。何卒、ご支援・ご賛同のほどよろしくお願い申し上げます。