プロジェクト実行者

NOBARA Project

実行者にメッセージ

http://yuhei.co.at/

ストーリー

初めまして、声楽家の土田悠平です（土は、旧漢字で「土」右上に｀）。

クラシックというと「大きなホール、沢山の演奏者の前でタクトを振る指揮者・・・」そんな事を思い浮かべませんか？

作曲家がそれぞれの視点から詩を解釈したように、昔の人々にとって『野ばら』は皆で歌って楽しむ「民謡」でした。

私はクラシックの声楽家ですが、『野ばら』に出逢ったことで衝撃を受けました。

声楽家がこんなことを言っては他のプロの方々に怒られてしまいそうですが、「クラシックといっても高尚なことをやっているのではない、純粋にもっと多くの方々、クラシックに触れる機会がなかった方々とも古典といわれる音楽を一緒に楽しみたい」そんな想いから立ち上げたのが今回のプロジェクトです。

ゲーテが書いた詩『野ばら』には多くの作曲家がメロディーをつけており、ドイツのある文献によると１５４曲存在するとされていますが、約６０曲は未発見でした。

「もっと多くの『野ばら』と出逢いたい」「昔の人々が皆で楽しんでいたまだ聴かぬ楽曲を聴いてみたい」

そんな想いを胸に、私はいても立ってもいられず、オーストリア・ドイツ・チェコ・ハンガリー・イギリス…と自らの手で楽譜を発掘するため、約２年間で１３カ国３０都市を訪れました。

インターネットが普及した現代でも古典の楽譜は電子化されておらず、現地の図書館ではひたすらブックカードや楽譜をめくる毎日でした。

しかし、一日に何百何千というページをめくるもそう簡単に見つけられるものではありません。だからこそ探し出す事ができた瞬間は、嬉しさがこみ上げてきて、ただただ感動するばかりでした。

この様な研究活動を行う中でアルメニア国の音楽祭に招致頂くなど、人種・性別・世代を超えて多くの方々と出会い、語らうことが出来ました。

ゲーテは「民衆の中にこそ、芸術あれ」という言葉を残しています。様々な国で生まれ親しまれている『野ばら』の魅力を感じ、より多くの方々に楽しんで頂くことが、私が出来る「『国境、そして時代を越える文化交流』だ」と感じています。

今までに公式記録では未発見とされていた２０曲以上の『野ばら』と出逢うことができ、１１月２７・２８日に開催する「『野ばら』１１１曲の演奏会」でもベートーヴェンを含む１００曲を超える歌曲『野ばら』を演奏いたします。

昔の人々は、一つの詩にも関わらず多くの異なるメロディーが存在する『野ばら』を思い思いに楽しんでいました。

現代では、一般的に「クラシックの演奏会へは行きづらい」というイメージがあります。しかしクラシックと呼ばれる昔の音楽も、昔の人々の様に「たった一つの詩でも様々な楽曲があり、それぞれの楽しみ方ができる！」ということを是非、知って頂きたいのです。

もっと多くの方に「クラシックの楽しみ方」そしてこのプロジェクトを知って頂き、「日本を代表する声楽家たちが歌う１１月のコンサートを収録したCD-BOX」と「現在見つかっている楽譜をおさめた楽譜集」の出版を実現させるため、この度クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げました。

「ゲーテ」、その名前を一度は耳にした事があるのではないでしょうか。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、詩人、劇作家、小説家、自然科学など多くの分野で活躍したドイツ人です。

代表作『若きウェルテルの悩み』のヒロインのモデルは、実は『野ばら』のモデルと同じなのです。

そんな歴史的人物として偉大なゲーテも若かりし頃に旅をし、ある旅先の村で一人の可愛らしい女の子に出会い一目惚れをします。女の子もゲーテとの恋に落ち二人は恋仲になるのですが、彼は自身の文学活動などのために別れを告げ村を後にします。しかし、自分で振っておきながら女の子のことが忘れられず、長い間想いを馳せる…。そんなゲーテ自身の恋愛体験から、『野ばら』は生まれました。