株式会社ネーカーズでは百貨店でのオーダー靴の受注会や足に障害がある方への特殊靴の製造販売をしており、靴職人歴20年以上、1000人以上の足を計測してきた経験があります。人体の土台である足の構造や形はもちろん、歩き方から生活習慣まで考え一人一人に合った靴を作っています。その経験と技術を活かし、私たち日本の職人たちが「未来に残すべき靴」とはどういうものか本気で向き合ってみました。

靴の重さで足を痛めたり、歩き方に負荷がかかった経験のある方は少なくないのではないでしょうか。靴が軽量化されると、足首→膝→腰と負荷への影響を防ぐことができます。 メインに使う生地はリサイクルペットボトルの糸を利用しており、これにより標準的な靴に比べ重量20％減程度の軽量性能を実現しました。

靴の構造は、ビスポーク靴職人が足首・土踏まずのフイッティング感を精査し、その上でソールのクッションと障がい者靴の「包み支える」という特徴をハイブリッドで活かし再構築しました。

以下画像は、クッションの内部構造です。従来のクッションは一重、二重構造ですが、弊社では障がい者の特殊靴の経験から、「足を保護し包みこむ」という発想で様々なスポンジやEVAウレタン素材などのクッション材を組み合わせて製作しております。期待される効果は以下をご覧ください。

　インソールとアウトソールは共に足を包み込む形のカップイン型を採用しており、足首のブレを抑え込み歩く・走るといったシーンで確実な着地を実現します。

更に、履き心地を左右するアウトソールは軽量で弾力性があり、着地時の衝撃を和らげるとともにTPUがバネの役割を果たし歩行をサポートしてくれます。

通常の靴は踵部分に重心が偏ります。今回採用しているインソールは土踏まずから足裏全体を支える設計になっています。

土踏まずをホールドして支えることによって、本来の人体の足の自然な形状に違和感のない設計となっており、2～3日履いていただきますと自分の足裏のアーチにフィットしてきます。

そして履き心地を左右する、靴の構造で最も重要になってくるのが踵のフィット感です。踵部分が直角だと無意識に足指に力が入り、足全体につかれがたまります。踵の丸みに沿ったカーブ設計にすることにより、足指に力が入ることなく安定した歩行が実現できます。

この靴のはリサイクルペットボトルを利用した西陣織と軽量ソールを組み合わせることによりの重さが片足300g前後と20％軽量化（自社スニーカー比較）することができました。

西陣織の伝統工芸士である福岡裕典氏率いる、(有)フクオカ機業。デザインから糸染めまで自社で一貫して制作。。完全オーダーメイドの織物制作ができる技術と職人が揃っています。フクオカ機業は、老舗の名に恥じない変化と改革を求め、新しい素材の織物にも挑戦。今回のリサイクルペットボトルを利用した西陣織は昨年、世界遺産二条城にて製品発表。

西陣織の職人は生地の裏面を上にし、下の鏡で表面を確認しながら織り上げます。表裏は違った表情になりますがともに美しく今回の靴作りでは両面使わせていただきました。模様は伝統ある青海波（青海波）。良いことが波のように絶え間なく続きますようにという願いが込められております。

様々な角度や歩幅、路面状況での実施のため富士山の5合目から7合目を歩く走行テストを行いました。距離は往復約7km、高低差は約500mの道のりを7時間掛けて走破しました。踵や土踏まずアーチサポートにより常に歩調も軽く、ソールのクッション性により膝への負担軽減を実感することができました。また下山後も足に負担を感じませんでした。

柔らかい配色の西陣織と光沢を抑えたシルバー箔のレザーのコンビになります。　　この組み合わせが気に入り今回のプロジェクトにチャレンジしました。

ネービーのワントーンに抑えた配色です。深い色の中に青海波が美しく映えます。　伝統工芸士の福岡氏お気に入りのカラーです。

西陣織のうら面になります。山の紅葉を想起させてくれる、温かみのある配色です。シューデザイナーの樋口氏一押しのパターンになります。

こちらも西陣織のうら面をいかした配色になります。冬の澄み切った夜空のような美しいブルーがひろがっているように見えます。

今回から仮縫いオプションをご用意しました。既成靴ではなかなか合いにくいお客様やサイズ感が不安な方にご利用いただけたらと思います。

１，お客様に仮縫い靴（底がついていない状態）とチェックシートをお送りいたします。
２，ご自宅で試着していただき返送していただきます。
３，ご記入いただきましたチェックシートをもとに木型を補正し靴を完成させます。
４，仮縫い靴は1月末までに配送します。チェックシートと仮縫い靴は到着後10日を目安にご返送ください。 完成品のお届けは、ご購入いただいたリターンの配送月に準じます。 
※修正箇所が多い場合など、2回目の仮縫いを実施させていただき場合がございます。
※チェックシートをもとにメッセージやお電話でのヒヤリングをさせていただく場合もございます。
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。

このようなシートを同封予定です　

タイヤメーカーミシュランがS1のタイヤの模様で製造したソールになります。靴全体がスマートな雰囲気になりオフィスカジュアルにもピッタリです。

色はブラック×グレーとホワイト×キャメルの2パターンをご用意。このソールは23㎝～28㎝まで5㎜刻みで展開しております。グリップ力の高いゴムを使用しておりますので標準ソールより片足で５０ｇ重くなります。

前回のプロジェクト「西陣カーボン織シューズ」では多くのサポーターの方にご協力いただき無事に完成させることができました。

本当にありがとうございました。

下記の内容にて、サイズ交換を承ります。

・リターン到着から１週間以内にご連絡ください。

・サイズ交換は一回のみでお願いいたします。

・室内でのご試着をお願いいたします。

・返送分の送料はお客様のご負担となります。

・このプロジェクトは受注生産でございますので交換の場合でも約6週間ほどの納期をただく場合がございます。

下記プロジェクト予定になります。

2023年10月末　先行受注受付終了

2023年11月　　材料調達、裁断、縫製作業

2023年12月　　釣り込み作業

2024年1月　 　仕上げ、出荷予定

プロジェクトリーダー・株式会社ネーカーズ 三上良弘（靴職人）画像左

大阪梅田にある1921年創業の『コバヤシ靴店』四代目 福島陽三氏に弟子入りし13年間手作り靴を学ぶ。コバヤシ靴店から暖簾分けを許され、2011年に京都市北区にオーダーメイド専門の『コバヤシ靴店三上工房』を開業。ヴォーグ学園心斎橋手縫い靴講師。100年近く日本で磨かれた独自の靴の技術を活かし、一人でも多くのお客様に喜んでいただけるように日々精進している。

・フクオカ機業 福岡裕典（西陣織伝統工芸士）画像中央

西陣織の業界に19歳で入り、主に有職織物（帯や装束の制作）を手掛ける。文様、色に拘りを持ち、特に色に関しては自身で糸染めも行っている。平成26年に西陣織の伝統工芸士に認定された。20数年前から新しい取り組みとして、炭素繊維特殊織物の開発を行っているほか、他産地で織れない繊維でのものづくりの依頼も受け、様々なもの作りを手掛けている。

Trunk 樋口幹 (靴職人)画像右

20数年前『移動靴屋 trunk 』を創業し、オーダーによる手製靴の制作販売を始める。
2010年に「あとりえ西濱」にて、近江八幡の底付師 織田悟氏、甲革師 花岡秀樹氏、注文靴RANA 山本詠子氏から様々な底付技術と、型紙・製甲技術の学びを得る。
2014年より、「西成製靴塾」で花田和夫氏と共に、日本の職人が培ってきた手縫いによる靴づくりの技術伝承に努める。
現在は、自身のブランドでの靴づくりを続けると共に、他社ブランドの甲革制作や底付けに携わっている。

ライニング（ウレタン、ポリエステル）

ソール（ウレタン合成ゴム）

重さ（23.0㎝の場合は280g、26.0㎝の場合は片足約300g）　　　　　　　　　　　　天然素材を使用しているため若干の誤差がございます。

サイズ展開は以下になります

23cm/23.5cm/24cm/24.5cm/25cm/25.5cm/26cm/26.5cm/27cm

オプションのミッシュランソール使用の場合は

23cm/23.5cm/24cm/24.5cm/25cm/25.5cm/26cm/26.5cm/27cm/27.5cm/28cm

甲高対応の場合は標準サイズより約5mm高くできます。

通常のスニーカーサイズ(横幅2.5E相当)とほぼ同じサイズになます。

使用木型のサイズは下記になります。

展示場所

京都信用金庫西陣支店様のご協力により9月中旬から約1ヵ月間、１階のロビーにてサンプル品を展示していただく予定です。詳細が決まりましたら活動レポートにてお知らせ致します。

私たちの想いとともに多くの方にこの靴を履いていただけますように

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　靴職人　三上良弘