2021年にドングリのような形をした丸みをおびた寄木のマグカップ「Dongry Mug（ドングリマグ）/赤色」を制作・販売。キャンプ好きの方や、日本の伝統文化を愛する方々からご好評をいただきました。

今回は、黄と黒の新色２色を生産。新たな目標を掲げ、よりクオリティー高いギアを目指します。

作り手は、神奈川県 箱根の寄木細工職人と北海道 旭川の挽き物師。２人は木のスペシャリストです。

※「挽き物」の意味は轆轤(ろくろ)や旋盤を用いて作った丸い器具・細工物のことです。

NINAHAWは伝統工芸の技術にこだわりを持っています。このマグカップに使われている寄木細工は、神奈川県・箱根で200年ほど前の江戸時代から始まったと言われている木工技術です。異なる木材を組み合わせることで、自然な色合いを活かした模様を作り出します。

寄木細工職人の小島さんは、高校生の頃に職人の道を目指すことを決め、卒業後弟子入り。10年で１人前と言われる世界で、13年修行を積み、2020年に独立、「ゆう工房」を設立しました。

小島さんが独立した頃、NINAHAWは好きなキャンプのギア（道具）を探しますが、良いデザインのモノが見つからず。それならば、自分で作ってみたいと考えていました。そんな時、ある展示会で小島さんの寄木細工に出会います。「これだ！」と思った瞬間でした。

材料には日本固有の木、埋もれ木（数百年間地中に埋まっていた木）、海外でしか手に入らない木などそれぞれオリジナルのストーリーがあることを知りました。

木材の特徴に合わせ、乾燥させる工程からじっくりと時間をかけて制作しています。

例えば、水木という白色の木は夏や秋に乾燥させると黒くなってしまい、美しい色にはなりません。そのため、冬から春にかけて乾燥させたものを使用します。材料からこだわることで生産数は限られますが、寄木の色が織りなすこの世にたった一つしかないマグカップが生まれるのです。

寄木細工といえば、小物入れやからくり箱を思い浮かべる方が多いかと思いますが、それらの多くは木材を組み合わせた「種板※」を薄く削って箱に貼り付けたものがほとんどです。

しかし、「Dongry Mug（ドングリマグ）」は薄く削り出したものではなく、種板そのものをマグカップの底に贅沢に使用することで側面や曲面の部分にも新しい模様が生まれました。

木目や色合い、柄の出方が1点ずつ異なるため、世界に一つしかない自分だけのマグカップとして長くご愛用いただけます。

マグカップの上段部分は、2年間乾燥させた北海道産のセンの木を使用。

ブロックの削り出しは、北海道で長年木製食器を専門に手掛けている挽き物師の高橋さんにお願いしています。

「木は呼吸をする」という話をよく耳にします。Dongry Mug（ドングリマグ）は上部が無垢材（丸太から切り出した自然な状態のままの木材）と下部が寄木（異なる木材をいくつも繋げて模様を作った板）を組み合わせたデザインで、木の呼吸方法がそれぞれ違います。木の音を聞きながら、木の水分量、木の表情を見極め、形作りをします。

とても専門的な話ですが、そこが私たちの挑戦であり、面白さでもあります。

（@makocchan55さん）

富士山の向こうから昇る朝日を見ながらコーヒーを飲むときには、やはり特別感のあるマグを使いたいですよね。Dongry Mug(ドングリマグ）はキャンプ中にほっと一息つく時間を、あたたかく演出してくれます。

（@unmahofufuさん）

木材は熱伝導率が低いため、あたたかい飲み物を入れても持ち手が熱くなりにくく持ちやすいといった特徴も。寒い日にお茶を飲むときにも、使いやすいマグカップです。

（@katsuwo1005さん）

カップを上から覗き込めば、木目が美しい寄木細工の模様が見えます。アウトドアやお家で一息つきたい時などさまざまなシーンでお使いいただいています！

（@yuna7.23campさん）

（@kakashisterさん）

（@aoi_campalさん）

（@3boys.campさん）

（@2020.abc.06さん）

「Dongry Mug（ドングリマグ）/赤色」の寄木細工の美しいデザインを活かしつつ、黄色と黒色の2種類のマグカップを制作。

箱根のお土産屋でよく見かける寄木細工。コロナ禍で箱根の観光客は1972年に調査を始めて以来、過去最少でした。そのためこれまで通り製作したからくり箱やトレー、おちょこといったお土産品の需要は激減しました。コロナの終息が見えない中、新たな客層へのアプローチや販路の拡大を模索していたところ、NINAHAWと出会うことで、感染リスクの少ない屋外レジャーとして注目されているキャンプ用品の開発にいたりました。

全国各地の幅広い年齢層のキャンパーに寄木細工を触れてもらうことで、伝統工芸を知ってもらい、箱根・小田原の地域貢献につながればと考えております。

▼新色の「Dongry Mug（ドングリマグ）/黄）」と「Dongry Mug（ドングリマグ）/黒」をより多くの方々に届けるために必要となる材料の確保。

▼寄木細工の技術を活かした魅力的な商品開発をすることで、１人でも職人を増やし、生産継続・後継者不足の解決に役立てます。

NINAHAW（ニナハウ） は、「色と柄で笑顔をつくる」をコンセプトにキャンプ用品、インテリアをプロデュースするブランドです。

家族や友達、恋人と楽しいひとときを過ごす時間を、遊び心のある道具で彩りたいとの思いから商品開発をはじめました。

寄木細工職人 小島裕平 Instagram

ゆう工房は神奈川県小田原にある寄木細工の工房です。寄木細工は、江戸時代後期、東海道の宿場町として栄えた「箱根・小田原」のお土産物として、技術が発展していきました。小さい頃からそばにあった寄木細工に魅せられ弟子入り、職人の道へ進みます。2007年から13年間、師匠の元で技を磨き、2020年に独立。たくさんの人に使ってもらえる作品作りを目指しています。

1989年 神奈川県生まれ・ 2007年 （有）木路入社・2020年 寄木細工 ゆう工房 設立

高橋工芸 高橋秀寿 公式HP・Instagram

挽き物師の高橋昭一により1965年に旭川で創業。創業時は家具の脚（飾り柱）などを手がけていた。家具の需要低迷に伴い1980年代からロクロ挽きのカップやシュガーポットを製作し始め、旭川の木製テーブルウェアメーカーの元祖というべき存在。主に北海道産の樹種を用いてシンプルかつ機能的なテーブルウェアを制作。Kamiグラスを筆頭に、木の質感を活かしながら現代的な佇まいを見せる製品は、現代の生活様式に自然に溶け込む。2009年から高橋秀寿が代表を務める。