プロジェクト概要

美しいシーズニングを追及した、熱伝導性の高い「鋳物」製のソロ鉄板！

シーズニングやメンテナンスに苦労しない。「ひとり時間」を満喫できる、理想のブラックポットへ！

プロジェクト詳細

「ソロ鉄板」
ソロキャンプには欠かせないものになっています。自然の中で一人分だけ調理して食事ができることは、日常と違う格別な楽しみです。

ただ、こんな悩みも聞こえてきます。
「シーズニングが出来ているのかどうかよくわからない」
「表面が凸凹していて、焦げがくっついているだけ？」
「片づけるときに手がギトギトになる」

これでは、せっかくのキャンプが楽しくなくなってしまいますね。
もし、
「シーズニングの出来がわかりやすい！」
「焦げ付きにくい！」
「メンテナンスが簡単！」
しかも鉄より熱伝導性が高く、よりおいしいキャンプ飯が出来る「鋳物」の鉄板があったとしたら・・・。

そんな「ソロ鉄板」が欲しいと思ったことはありませんか？

ついに鋳物のプロが作りました！美しくシーズニングが出来て、焦げ付きやすい魚も焼ける、メンテナンスが簡単な鋳物プレート「ニクイタ・ソロ」。

【皮がくっつきやすいシシャモ・干物もきれいに焼けます】

「ニクイタ・ソロ」の特徴

昨年Makuakeで多くのご支援をいただいた「イモノビトのニクイタ」から約１年。皆様のご要望にお応えすべくソロキャンプ用に私たち株式会社浅井鋳造所が新開発した製品です。
【ターボ品質！】焚き火でも使える！高級鉄板焼の美味しさ引き出すイモノプレート
「イモノビトのニクイタ」

先回の開発の知見を活かし、単なるキャンプブームの再来やアフターコロナという流行りではなく、ライフワークとして「アウトドア」と「愛着」を楽しむことが出来るツールを考えました。
ソロキャンプだけでなく、大勢のキャンプでも一人ひとりが出来たての料理を温かいままおいしく食べられることは、より満足度出来る時間を得ることが出来ます。それに加えて「育てる」ことが出来るツールは、人生を共に過ごしてくれる大切なパートナーになってくれるのではないでしょうか。

「ニクイタ・ソロ」は、表面にライン（縞模様）を加えることで焦げ付きにく、表面積を増やして油の密着性を向上させることで、美しくはがれにくいシーズニング層を生成できることにあります。

これにより食材が焼面にベッタリくっつきにくくなり、表面がボロボロになってしまうということがありません。
また熱伝導性が高い鋳物のため、焼面全体が熱されて食材にまんべんなく火が通ります。そのため熱源近くだけが焦げることが少なくなります。
加えて、表面積が増えて油の馴染みが良くなることも焦げにくさを実現しています。

ですので、かたまり肉も表面はしっかり中身はジューシーに、魚は皮がはがれにくく美しいまま焼くことが出来ます。

【シーズニング前の表面の様子】

【シーズニング後の表面】

また鋳物の組織が表面に出ることで、金たわしや洗剤で洗っても大丈夫な強いシーズニング層を作り、理想の「ブラックポット」の実現への近道になっています。

使用後の鉄板はしっかり洗える場所があれば良いのですが、ソロキャンプでは難しい場合があります。油をしっかり拭き取り水洗いすれば、ベタ付かず持ち帰りがしやすいのも「ニクイタ・ソロ」の特徴です。

「ニクイタ・ソロ」のこだわり

ではなぜ普通の鉄板では実現できないことが、「ニクイタ・ソロ」では実現できるのでしょうか？それは、私たちが長年の経験＋鉄や鋳物の性質を科学的に分析＋良い材料を使って製造が出来るからです。

鉄板と鋳物は似たようで違うもの

素材としての鉄板は製鋼メーカーが優れた技術を持って製造していますが、アウトドアで肉が上手に焼けることまでは考えられていません。料理をおいしく作るには熱伝導性が高い調理器具が良いことは広く知られていますが、鉄板は鋳物に比べて熱伝導性が低いため、調理器具の素材として鋳物が好まれる理由がここにあります。鋳物に含まれるカーボンが熱伝導性を良くしているといわれています。私たちが独自の配合で作る「ニクイタ・ソロ」には、より多くのカーボンが含まれています。

【普通鋳物の組織写真】

【普通鋳物のカーボン組織の立体構造：＜出典：日本鋳造協会「銑鉄鋳物」テキスト】

ニクイタ表面に熱伝導に優れたカーボン組織を出現させ、鋳物の特性を最大限に引き出すことに成功

「ニクイタ・ソロ」は、市販の多くの鋳物の調理器具よりもカーボンを鋳物表面に多く出させることでより熱伝導性を高めています。実は鋳物の表面には「チル」という鋳物の健全な組織ではない層があります。「炭化鉄」と呼ばれるダイヤモンドと同じくらい硬いもので、機械加工の現場では嫌われ者とされています。これがシーズニングの邪魔をしているのです。この層を取り除いてカーボン組織を表面に出すことにより、より食材に熱を伝えやすくして焦げを防ぎ、おいしい料理を実現することが出来るようにしています。

【鋳物断面の顕微鏡写真：チル層】

原材料にこだわり、経験と技術管理により製造

鉄の鋳物は他の金属と違い、鋳物メーカーが各社で材料をブレンドして鋳造をしています。私たちは(株)神戸製鋼所の高純度銑鉄と、国内で製造されたスチール（JIS規格製品）の端材を主材料とし、それにカボン・ケイ素などの合金を弊社独自の配合で添加しています。国産の高品質な材料を使い、地産地消を意識して「ニクイタ・ソロ」は作られています。

私たちが作り出した「ニクイタ・ソロ」をぜひ一度経験していただきたいと思います。美しい「ブラックポット」があなたのキャンプに花を添えられることを願っています。

「ニクイタ・ソロ」開発の歩み

昨年「イモノビトのニクイタ」を開発して多くの方にご支援いただきました。
「ニクイタいいね！」とうれしいお言葉をいただきましたが、「ソロキャンプには大きい」、「ちょっと重い」とのご意見がありました。
その後、感染症拡大による緊急事態宣言により多人数での会食が控えられる中、日に日にソロ鉄板に対するご要望が大きくなって参りました。

それでも私たちは「鋳物で作るとどうしても価格が高くなってしまう」と、開発を躊躇しておりました。鉄板を曲げたりして作る方がはるかに安価に出来るためです。
しかし、詳しく話を聞くと鉄板ユーザーの抱える問題が想像より大きいことがわかり、開発に踏み切ることに致しました。鋳物のプロとして、鉄板との違いと鋳物の良さを検証しないと気が済みません。鋳物で作るメリットが無ければ、自信を持ってユーザー様にお勧めできないからです。

シーズニング

加熱すると140℃から表面に茶色→紫色→青→青白に美しく色が変化していきます。（詳しくは後述の「シーズニング作業手順」動画をご覧ください）
180℃ぐらいで青白になり、その後350℃ぐらいまでほとんど色の変化はありません。この状態が表面を黒さびがおおった状態です。これがシーズニングの準備が出来ている状態です。色の変化がなくなったら火を止めて少し冷ました後に油（グレープシードオイルがお薦めです）を塗布することで、よりきれいに黒くなっていきます。この作業を２度繰り返すとシーズニング完了です。

【シーズニング前後の写真】

無塗装
「ニクイタ・ソロ」は、防錆のチャック付き袋を梱包材として使用して無塗装でお届けします。仮に少しサビた場合でも、使用前のシーズニングを行っていただけば黒くなりますのでご安心下さい。シーズニングをしなければならない大きな理由は、鉄板や鋳物にサビ防止のために塗ってある塗料を焼き飛ばすことです。（現実「黒皮鉄板」などは塗装されていないため、シーズニングは必要ないと謳っている製品もあります）要は錆びないように梱包や流通納期を管理出来れば、ムダな塗装はする必要は無いと私たちは考えています。

国産で国産
最近は安価で品質のあまりよくない鋳物製品も多く、モノづくりを続けている私たちは非常に残念に思っています。
私たちは国内で製造をしておりますが、国内製でも品質に大きなバラつきがあります。なぜかというと鋳物は含まれている成分などに基準が無く、極端に言えば「形があればよいという」程度のものだからです。

私たちは「永く使うものこそ品質を大事にしないといけない」との考えで、高品質の原材料で鋳物を製作しています。安価な銑鉄や低品質スクラップを使えばコストは下がりますが、出来上がる製品は目を覆いたくなるようなものになってしまうものもあります。同じ「国産」でも品質には違いがあるのです。
【高純度銑鉄（鉄のインゴット）】

【国内で発生した鉄スクラップ】

リーズナブル
鋳物=高いというイメージがありますが、私たちは作り方を工夫して、出来る限り安価にお届けできるように致しました。その代わり機能を絞っておりますので、ニクイタ・ソロは平らです。油や水分がこぼれ落ちることが耐えられない！という方には、申し訳ありませんがお薦めできない商品です。

利用シーン / 利用方法・操作方法

【シーズニング作業手順】

鋳物といえば、シーズニングが面倒で敷居が高いと思われがちです。
でも『ニクイタ・ソロ』は、熱し始めてから長くても20分、油（グレープシードオイルが最適です）を塗布するのは最初の加熱後とくず野菜を炒める前の２回だけで作業完了。鉄の臭みを消すためにネギなどの香味野菜を炒めたら調理OKです。

今までのシーズニングは何だったのか？と疑いたくなるほど簡単に美しく仕上がります。あとは使えば使うほど、キャンパー憧れの【ブラックポット】へ近づきます。

調理が終わったら、毎回洗剤＋スポンジたわしで洗ってください。「えっ？洗剤で洗って大丈夫なの？」きれいに洗ってください！これが『ニクイタ』の２つめの特徴です。しっかり油が染み込み定着しますので、色落ちやサビの発生が少ないです。
ただ裏面は直接火が当たりますので、保管の際はオリーブオイル（サラダ油は固化してベタベタしやすい）を塗布していただくとサビが発生しにくくなります。

【メンテナンス】

洗った後はキッチンペーパーなどでしっかり水気を取り乾燥していただければ、いつもサラサラな状態で持ち運びが出来ます。（オプションで専用ケースをご用意しています）裏面にはオリーブオイルを塗布していただくとサビが発生しにくくなります。長期保管される場合は全体に油を塗布してください。

いつもは５ｍｍ、かたまり肉を焼くときは１０ｍｍと、メニューや気分で使い分けができます。価格もリーズナブルなので複数持ちで並べて大きめの魚を焼いたり、重ねて保温性を高めたりなどアレンジ可能です。

これまでの活動

2000年頃のIT不況の時に仕事がほとんどなく、社員と一緒に保有していた山に行き、水も電気も無い中で野営をしながらヒノキの間伐をしました。思えばあれが私たちの鋳物製品開発の原点だった気がします。

その後、2012年に上記の経験を生かして、「間伐材を薪として使える高性能HiSi鋳物ストーブ」をモノづくり補助金採択により製作し、中山間地のストーブユーザーに販売しました。

昨年、Makuakeプロジェクトでターボ品質のハイシリコンダクタイル鋳鉄製「イモノビトのニクイタ」をクラウドファンディングし100万円以上の支援をいただきました。

そして今、コロナ禍などでキャンプが注目を集める中、快適に楽しむことができる高品質なアイテムが必要とされていると感じ「ニクイタ・ソロ」を開発しました。また新型コロナウイルスの流行で大変な状況に置かれた飲食業のお店と一緒に、2021年４月より業務用鋳物ホーローキッチンウェアのサブスクリプション事業「ホーローゴー」を立ち上げる準備をしております。

仕様

【ニクイタ・ソロ サイズ比較写真】

15cm角 重量： 1,015ｇ前後
A5サイズ（20.8cm×14.6cm） 重量：1,025ｇ前後
A6サイズ（10.1cm× 14.6cm） 重量： 615ｇ前後
厚み ５ｍｍ・１０ｍｍ（厚みはお選びください。価格は厚みが違っても同額です）

※鋳物の特性によりサイズ・重さには若干のばらつきがございます。
※パッケージ 防錆袋による簡易包装

【専用カバー（牛革）：５ｍｍ・10mm共用】
※天然の材料のため、色などがロットにより若干異なります。

15cm角用 17ｃｍ×17ｃｍ
A5用 24cm×17cm
A6用 17cm×13cm
※ニクイタ・ソロを新聞紙で包んで余裕のある寸法にしております。
※写真は開発中のものです。仕様が変更になる場合があります。

スケジュール

2020年5月9日にプロジェクト終了してから１カ月後、6月上旬より商品を順次発送して参ります。

リターンについて

１５ｃｍ角
１枚 4.000円（送料込） ２枚 7,500円
Ａ５
１枚 4.000円（送料込） ２枚 7,500円
Ａ６
１枚 3,500円（送料込） ２枚 6,500円

専用カバー
15ｃｍ角用 4,500円
A5用 4,500円
A6用 4,000円

特典
鋳造現場見学参加権（春秋限定：１グループ４名以下要予約）

※ 超早割・専用カバー付きをご支援いただいた方 先着15名様より希望者の方

※ 1名様あたり4人までを１グループとさせていただきます

※ ご希望の方は、Makuakeメッセージよりその旨ご連絡ください

資金の使い道

持続可能な社会の実現に向け、リユースできる鋳物やカーボンニュートラルな薪の使用を啓発しSDGsの取り組みを進めたい。

鋳物製プレートやアウトドア用品のオーダーメイド可能にし、よりユーザビリティの高い製品を提案していきたい。

鋳物の魅力を知ってもらうため、工場での作業体験が出来る環境を整えたい。

現在間伐を行っている森林に「いものびと檜（ひのき）ビレッジ」を開村し、スカウト経験者の指導の元で本格的なアウトドアを学ぶことが出来る場所を作りたい。

中山間地の魅力を伝えるため人を集めて農業や林業などに興味を持ってもらい、地元の人々と交流を深め都市部とをつなぐ活動を推進していきたい。

実行者紹介

「想い」を「カタチ」に。いものづくりで「笑顔」と「未来」をつくる。

私たち株式会社浅井鋳造所は、創業75年の小さな工場です。祖父の代から鋳物づくりを細く長く続けてまいりました。

近年、鋳物業を取り巻く環境は大きく変わりました。「型を使って作った砂型に溶けた金属を流し込む」のが当たり前だったのは10数年前までで、現在は上記に加えて、型が無く「３Ｄデータから砂積層プリンタを使って」砂型を作り、ダイレクトに鋳造する「アディティブマニュファクチャリング（AM）」時代になってきました。

私たちも時代の変化についていくため、2008年より鋳物のＡＭ技術（鋳物においてはラピッドプロトタイピング【ＲＰ】の呼称が一般的です）に取り組んでおります。現在ではご注文から最短５日で鋳物素材を作り上げ、鋳物を必要とされている全国のメーカー様の設計開発・少量品量産・補給部品調達のお手伝いをしております。創業から蓄積した技術を継承しつつ、最先端のＩＴ技術を駆使する「イモノビト」を育成し、多品種・少量・多材質・短納期生産を「国内」にこだわって続けて参りました。

先述の通り最近の鋳物製品は安価ですが品質が低いものが多く、モノづくりを続けている私たちは非常に残念に思っています。使う材料が悪いのが根本原因と想像しています。
鋳物は品質に大きなバラつきがあります。JIS（日本工業規格）がありますが、含まれる化学成分などに基準が無く「形が出来ていればよい」程度と解釈されているケースも多いです。日本で鋳造をしていても、品質の低い銑鉄や材質のバラつきがあるスクラップを使えば品質は安定しません。コストは下がりますが、FC200という最もポピュラーな材質の機械部品が「信頼できない」国産になってしまいます。
このことは鋳物を使うユーザー様が一番良く知っています。機械部品は切削加工する作業者さんがすぐにわかりますし、一般の方でもすぐに気づくくらいの差があります。出来る限り高品質な材料を使って製造を続けていきたいと考えております。

私たちが今後も鋳物ユーザー様のお役に立ち、信頼できる「サポーティングインダストリー」として事業継続するためには、工業製品だけではなく一般の方々に使っていただける高品質な製品を作り、より継続して知見を広めていく必要があると考えております。

「いものづくり」で、鋳物ユーザー様はもちろんのこと地域社会の笑顔をつくることができる企業を目指して精進してまいります。どうぞご支援宜しくお願い申し上げます。

株式会社浅井鋳造所 ニクイタプロジェクト