音楽劇『撫子』〜疎開児童への広島の家族からの手紙〜　

戦後７０周年 　第二回アメリカ南カルフォルニア公演を、２０１５年８月７日（金）アーバイン プレズビトリアン チャーチ、９日（日）にロサンゼルス ジッパー ホールで行います。前回は、十一年前にハリウッドの劇場にて公演し、多くの方のご来場、そして、ご好評を頂きました。この第二回公演は、より広範囲の方々にご来場頂ける様に、日本語での公演に英語の字幕付きで、別の地域２カ所の会場で公演致します。

あらすじ

広島の作曲家小玉好行作、音楽劇『撫子』は、原爆時に広島市に実在した八尾家の生存者、鈴木咲子著『撫子』を原本とする音楽劇。 第二次世界大戦時に、原爆で亡くなるまで両親と兄が疎開先の二人の兄妹に送った手紙の書簡集と、その生き残った娘咲子の想いや、想い出話の中に、疎開先に届けられた家族からの実際の手紙を歌にして織り込んだ作品。戦争や原爆を恨む事とは違う視点を、子供に与えた両親からの一束の手紙。日常の言葉の中に溢れる愛情、それに伴う叙情的なピアノ曲 ― そこには恨みを言わず悲劇を悲劇で終わらせない人間の強さが潜んでいる。

目的

原爆そして戦後７０周年の節目である今年８月、多人種の集まるアメリカの南カルフォルニアの人々に、この実話をもとにした感動作、音楽劇『撫子』を観賞頂き、日本文化、日本語、日本人の心情に更なるご理解を頂きたいと考えています。特に現代の子供達が、この作品を通して二度と繰り返してはならない史実に触れ、誰が悪いのかを問いたり恨みごとを言うのでは無く、 人類共通である世界平和への想いを未来に繋げていって欲しいと強く願っての公演です。日本人にしか語る事の出来ない事、日本人の思いやりの心と真の強さを伝える為、良い公演にしようと日夜準備、稽古をしています。本公演を、より多くの子供達や、日本文化に興味の有る方々に観て頂ける様、ロサンゼルスのNPO日本語学園協同システム協賛で、クロプロダクションズが制作をしています。

出演者紹介

ユカリブラック− 咲子役

玉川大学にて舞台芸術の学士取得。日本とアメリカで様々な活動をしSAG-AFTRA Union に在籍。Unionの舞台でも活躍する特異な日本人女優。アメリカでの舞台出演は”王様と私”のLady Thiangが代表的。映画は”硫黄島からの手紙”、”父親達の星条旗”に出演。映画やイベントのプロデュースも手掛け、自身の CD "太渡" (tytmusic.com)もリリース。昨年クロプロダクションズを設立。 ”乱暴と待機” の制作、演出で 演劇フェスティバル に参加。最優秀初参加制作者にノミネートされ、主役も主演男優賞受賞。両者とも、アジア人初。”撫子”では11年前と同じく主演。総制作と演出も担う。

増山久人—父役

聖マリア学園を十七で卒業後、東京からUSC大学に行く為に渡米し、そこで声楽、音楽教育等を専攻。本格的な舞台に立つ為の訓練を受け、在校中プロの道に入り、多くの舞台に出演。母国日本ではロックオペラトミーで初舞台を踏む。その後、大沢たかお主演のファントム、米倉涼子、河村隆一とシカゴで共演。カウンターテノールである彼は、日本で幾つかのコンサート（フェイラークラシックコンサート客演）／リサイタル等をひらいている。舞台出演の他、セサミストリートやディズニーの翻訳／録音等もつとめ、最近では、キャッスルやジョンベンジャミン等の人気テレビ番組に顔を出す様になる。ミュージカル映画に最も詳しい事で知られている彼は、ミュージカルドキュメンタリー、ハリウッドシンギング＆ダンシング（７パートシリーズ）のコンサルタント／コメンテーターとしても出演している。

出田詩織−母役

長野県で生まれ育った出田は、小諸高校音楽科を卒業後、2006年に演劇を学ぶために渡米。カリフォルニア大学バークレー校、演劇表現学科にて学士を獲得し、ロサンゼルスに移り住む。 その後、日本、アメリカの様々な映画や舞台、そして、テレビコマーシャル等で主演を果たしている。２００５年の KBS 京都のホラー ドラマ ” 連鎖階段 ” でスクリーン デビュー。”Drip” ではサンフランシスコの The 15th Scary Cow Film Festival の The Member's Award を受賞した。 ノンフィクション原作の舞台や映画で役を演じることに生きがいを感じ、映画　”A Song for Manzanar”、舞台”ハートマウンテン”などに出演。そして今回”撫子”では母を演ずることをとても楽しみにしている。昨年はハリウッドフリンジフェスティバルにてクロプロダクション制作舞台”乱暴と待機”にナナセ役で主演。ロサンゼルス映画祭グランプリ受賞作品”Man from Reno”では囚人役チカを演じた。 

前重のい−大輔役

オレンジカウンティ・スクール・オブ・アーツ　ミュージカルシアター学科７年生に在籍。８歳から増山久人にボーカルを師事。２０１５年３月には、カリフォルニア州都サクラメントの州議会議事堂で開かれた「カリフォルニア・ユース・イン・シアター・デイ」のセレモニーにカリフォルニア州の中学生代表の一人として選ばれ、演奏した。ブロードウェイミュージカルが大好きで、いつかブロードウェイのミュージカルに出演したいと思っている。ピアノ演奏もこなし、２００９年にはカリフォルニア州音楽教育者協会のオレンジカウンティ支部が主催する「コンテンポラリー・フェスティバル」で１位を獲得。夢は、「周りの人を自分の演奏で幸せにすること」。

フランシス歩美−エミリー役

フランシスは、札幌市と姉妹都市であるオレゴン州、ポートランドで生まれる。６歳より、日本語の勉強を始める。それと同時に、舞台活動も始め、その情熱が彼女を映画出演、舞台出演、更にはサーカス出演にまで発展させる。この５年間は、日本語スピーチコンテストに出場し続け、３年続けて全米チャンピオンシップに出場権を得ている。彼女の趣味は、日本語言語学、生化学、数学を学ぶ事、そして、勿論、ダンスと歌である。

ピアニスト

小川弘子

神戸大学教育学部音楽科卒業、同大学院修士課程修了。１９９３年と９４年に、オーストリアにてピアニスト、イェルク・デームスの講習会に参加し、現地でのコンサートにて演奏する。日本では、声楽伴奏者として各種コンサートや講習会に出演。１９９７年に渡米後は、声楽伴奏のほか、合唱団の伴奏、指導、指揮、楽器演奏者の伴奏、バレエ伴奏などの活動をしている。これまでに、バイオラ大学音楽学部、カリフォルニア大学アーヴァイン校ダンス学部の伴奏者などを歴任。ロサンゼルスで発行されている新聞「羅府新報」のコラム“音楽の散歩道”の執筆者でもある。現在、南加日系合唱連盟会長を務める。

前重明子

広島生まれ。ピアノを５歳から、作曲を６歳から始める。大学時代には、専門の音楽学に加え、オペラ演出を山岸靖に師事。１９９４年、広島にて音楽劇『撫子』の初演に演出助手として参加する幸運を得る。そして、２００４年、『撫子』アメリカ初公演の総制作と演出に携わる。カリフォルニア州音楽教育者協会会員。

　少人数のプロデューサーで、寝食を忘れて毎日必死に準備をしています。生半可な気持ちでは、とても上演する事は出来ません。そして、英語字幕の為の翻訳をしてくださったアメリカ在住日本人のボランティアの方々のご協力と、ハリウッドで活躍する多忙な出演者のとても難しい歌へのチャレンジ、出演者とスタッフの少ない報酬でのご尽力で、皆で一つになって一生懸命に頑張っています。そして、クラウドファンディングで皆様の熱い、厚い応援によってこの公演は実現します！どうぞ、宜しくお願い致します！！

 http://www.facebook.com/nadeshiko2015