2019年8月に九州北部を襲った記録的大雨で、佐賀県大町町（おおまちちょう）で未曾有の油流出事故が発生。そこで私たちは「マジックファイバー油吸着材（以下、MF油吸着材）」を救援物資として約19万枚提供し、予想よりも早く油を除去できました。

近年水害が続くなか、今後も台風や豪雨による油流出事故が発生する可能性があります。油が土に染みこむと甚大な環境破壊や生活被害をもたらすため、迅速に回収する必要があります。

そのために、水害が発生しやすいシーズンに備えてMF油吸着材を生産・備蓄して、災害時すぐにMF油吸着材を救援物資として全国各地に届けたい。しかし、2019年に大量の救援物資として提供したため、弊社の備蓄が底を付き緊急時に迅速に救援物資として大量出荷することができない状況のため、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

ナノファイバーと特殊構造によって、「圧倒的な吸着量」と「油保持力」、「水を弾く能力」を持っています。

■圧倒的な吸着量
1枚20gという軽量で、約1ℓ（自重の約50倍）の油を吸着

■吸った油を逃さない保持力
油を吸った後持上げてもMF油吸着材は油が垂れずに保持したまま

■水を弾く超撥水性
油だけを吸収して水は吸わない。水に沈まず、油を吸ったあとの回収が楽

・水面の油膜まで吸着するため、油を取りきる事が可能である
・軽量かつ少量で大量の油を吸着できる

これらの能力は、特に災害時において最も効果を発揮し、早期復旧作業（作業の効率化による時間短縮）に大きく役立つものです。油の回収作業を大幅に効率化するのみでなく、油回収後のゴミ量の減量、二次災害（一度、吸着させた油吸着材からの油漏れ）の減少に貢献します。

2019年7月にテレビ東京・WBS(ワールドビジネスサテライト）のトレンドたまごコーナーで「油だけがとれる繊維」として紹介され、話題を呼びました。

WBS・トレンドたまごについて

そして、MF油吸着材はトレたまで1年間に紹介された242アイテムの中から、
見事2019年間大賞に選ばれました！（2019年12月24日放送）
たくさんの素晴らしい企業のアイテムが並ぶ中で、佐賀県大町町の災害現場で活用されたことなどが評価されての受賞でした。

2019年8月末に佐賀県大町町にて発生した油流失事故において、備蓄されていた他社製品の油吸着材と共に、MF油吸着材が災害現場で約19万枚使用されました。この際、弊社製品の独自機能 ①水は吸わずに油のみ吸着する ②吸着した油の保持性能の高さ が、現地における油除去・復旧作業時に高く評価され、現地で使用された全油吸着材の９割程度がMF油吸着材でした。

この結果、復旧作業の大幅な効率化、作業スピードの向上、省スペース化、ごみ量削減など、MF油吸着材が災害現場において大きく貢献。また、農業用地に対して、迅速に流出した油を全て回収できた為、農地環境を保全する事に成功しました（汚染による土壌改良などの作業を回避する事ができた）。
以下、除去作業を行った佐賀県大町町での約1週間の事例をご紹介します。

九州北部の記録的豪雨の影響で、佐賀県大町町で浸水した鉄工所から5万リットル以上の油流出事故が発生しました。自治体には油流出時に使う油吸着材が備蓄されてますが、それでも足りなくて困っていると聞き、すぐに大町町へ支援の申し出をしました。

「どのくらい油が漏れているか今はまったくわかならない」。災害対応にあたる大町町役場総務課・宮崎副課長は電話口で困窮された様子でした。
「現時点で集められた油吸着材は1000箱分程度。全然足りないと思われる」と備蓄不足を吐露されたため、MF吸着材を紹介。すると、「現場を見て、回収指導なども含めて支援可能か」と相談があり、翌日現地入りしました。

九州の弊社代理店様の協力を得て、在庫約13,000枚を集め、現地に向かいました。

現場は一面水浸の中、ほとんど黒い油で覆われていました（約83万平方メートルに広がっていた）。また、油特有の臭いもひどく、住宅や農地への被害の恐れがあり、一刻も早い除去が必要でした。
その後、大町町の災害対策本部において、水川大町町長をはじめ、自衛隊や職員など関係者にMF油吸着材や回収方法について説明したところ、水上の油だけとれる能力に着目いただき、油流出現場での使用が決定しました。

私たちは海上自衛隊のボートに同乗し、油回収作業を開始。水を吸わずに油だけを回収することや、軽いため回収作業が楽だという効果が確認できました。

夕方の対策会議において、MF油吸着材の本格的な使用が決定。国の要請により救援物資として町への提供が決まり、防衛省・自衛隊の協力を得てMF油吸着材約28,000枚を陸路・空路で輸送しました。

現地は状況確認や避難作業のため、油回収作業まで手が回らない状態でした。住民の避難が最優先でしたが、一方で油の回収も急がなければ田んぼや畑、家屋などに染み込んでしまい、健康や農作物、生態系などへ重大な環境被害を及ぼす恐れがありました。

「臭いで気持ち悪い。体調不良の人もいる」「田んぼや畑が危ない」と、住民の方々は漏れた油を前に不安を漏らしていました。

自衛隊（陸上・海上・航空）などによる大規模な油回収作業が始まりました。

作業が進む中、新たな問題が発覚。仮ゴミ置場に置いた油回収済み油吸着材（従来品）から油が漏れていたのです。油流出2次被害に繋がるため、回収済み油吸着材の周囲にMF油吸着材を敷き詰めるなどの対策を実施しました。なお、MF油吸着材は一度吸収した油が漏れにくいため、2次被害の心配が少ないの特長です。

水が引き始め自宅に戻れる住民の方々が増えてきましたが、家屋に油がしみ込んでおり、その除去に苦慮されていました。
そのため、ボランティアへMF油吸着材の配布と使い方をレクチャー。ボランティアによる住居など細部にわたる油回収作業が進められました。

側溝や土手から次々に発見される油だまりの除去作業が進められました。また、自衛隊から回収方法の技術指導をしてほしいとの依頼があり、使い方や使用場所、ふき取り方の説明を実施しました。

住民の皆様にも自宅の掃除にMF油吸着材を使用いただきましたが、「持ち運びしやすかった」「いろいろな場所の油取り・油拭きに使えて便利だった」「掃除にも使えた」というお声をいただきました。

追加のMF油吸着材約90,000枚が町に到着後、私たちは現場を後にしました。「助かりました」「これ（MF油吸着材）がなかったら回収のメドはたたなかった」「性能がよいので備蓄用としてほしい」と職員や自衛隊員の方々からいただいた声は、復興の力になれたことにうれしく思うとともに、私たちの技術への自信にもなりました。

流出事故発生から約２週間程度でほぼすべての油除去作業が終了。心配されていた農地への影響は、佐賀大学などの調査の結果、汚染はほとんどなかったようです。当初は土の総入れ替えを覚悟していたほどでしたが、その結果に町役場の方々も驚かれていた様子でした。

■救援物資の状況（まとめ）

8月28日：油吸着材を救援物資として届けることが決定
8月29日：約13,000枚を持って現地入り。回収作業開始
8月30日：約28,000枚を大町町へ輸送（防衛省自衛隊協力）
8月31日：約15,000枚を大町町へ輸送。ボランティアに導入開始
9月1・2日：約45,000枚を大町町へ輸送
9月4日：約90,000枚を大町町へ輸送

宮城県大崎市で2019年10月、台風19号の影響で川が氾濫。その結果、各農地や農機具用の備蓄の油が広範囲に流出しました。大崎市からの依頼で、救援物資としてMF油吸着材約2万枚を提供するとともに、現地にて回収作業を実施しました。

大崎市は佐賀県大町町のように大量の油が一度に漏れたのではなく、各所に点在する備蓄用の油が流出してしまいました。油は意外なところから漏れていたのです。

・油回収作業は時間との勝負。土壌に染みこんだり、河川・海に流れてしまうと甚大な被害をもたらす

・初期の除去作業は、吸着材などを使い多くの人手をかけるしかない

・目に見えない部分にも油がたまる（下水や溝の中、建物の中、草木の間など）

・既存の製品では油が（油膜レベルまで）取り切れない。バキュームや油処理材でも難しく、油吸着材で物理的にとるしかない

・水害と油流出はセットとして考え、油吸着材の用意が事前に必要

日本赤十字飛行隊熊本県支隊長・新永様より
” 赤十字飛行隊は航空機を使用して災害救護等、人道的な業務に無償で協力することを目的として結成された日本赤十字社本社直轄の特殊奉仕団です。2016年の熊本地震においても物資の緊急輸送等を実施しました。

佐賀県大町町での油流出事故と油除去作業を目の当たりにして、油の早期回収とそのための油吸着材の備蓄の必要性を痛感しました。同町の油回収作業で活躍したMF油吸着材を災害備蓄品として使用していきたいと考えています。

緊急災害発生時には飛行機で全国どこでも運び、迅速な復旧作業に貢献してまいります。 ”

工場や製造現場、飲食店などで使用されるほか、災害現場（油流出事故）でも活用されています。一番の特長は「コストパフォーマンス」の良さです。
小サイズで大量の油を吸うため、使用枚数も少なくなり、廃棄ゴミの量も減ります。
また、吸った油を漏らさないため、油除去作業の時間短縮にも繋がります。

これら優位性が認められ、MF吸着材は様々な業界で広がりを見せており、石油業界においても注目されつつあります。

私たちは5年前に創業したナノファイバー製造・開発のベンチャー企業です。ナノファイバーは世界の産業を変革させることを信じ、世界中で産業革命を起こしたい、社会をより豊かにしたい、と真剣に取り組んでいます。

今回支援をお願いした目的は、「先端技術で誕生したＭＦ油吸着材を増産して、備蓄用にストックしておき、万が一油流出事故が起こった場合に、迅速に災害現場へとお届けする」ことです。

異常気象の影響で今年も水害への備えが必要となります。もしも油流出事故が起きたとき、1日でも早く油を除去して、被害拡大を防ぎ、復興のお手伝いをしたい。

昨年救援物資としてほとんどの備蓄を提供したため、現在弊社単独では救援物資用の油吸着材を用意することができません。
そのために皆様のお力添えが必要となります。油吸着材の生産と寄付についてのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

2019年7月：テレビ東京・WBSトレンドたまごコーナー
2019年9月：テレビ朝日・羽鳥慎一のモーニングショー
2019年9月：テレビ朝日・週刊ニュースリーダー
2019年10月：読売テレビ・大阪ほんわかテレビ

2020年7月~8月：クラウドファンディングによる支援募集
2020年8月～ ：油吸着材の量産（随時）
2020年9月以降 ：油流出事故発生時に全国自治体などへ寄付

家庭用油吸着材「ベルサイユのわた」

揚げ物料理の油など、料理後のキッチン周りの油掃除を簡単！楽ちん！にするために誕生した油吸着材です。主婦世代に人気の高い 『ベルサイユのばら（Ⓒ池田理代子プロダクション）』とコラボレーションして、家庭用の油吸着材として商品化しました。わずか20gのわたでペットボトル１本分（約500ml）の油を吸収する優れものです。

抜群の吸収性能のほか、シンクや換気扇についた油汚れの掃除に使用できます！

ベルサイユのわた・公式ページ

【5,000円コース】

家庭用油吸着材・ベルサイユのわた 1個（1個1枚20g入り）

【10,000円コース】

家庭用油吸着材・ベルサイユのわた 2個（1個1枚20g入り）

【30,000円コース】

家庭用油吸着材・ベルサイユのわた 4個（1個1枚20g入り）

【50,000円コース】

家庭用油吸着材・ベルサイユのわた 10個（1個1枚20g入り）

【100,000円コース】

家庭用油吸着材・ベルサイユのわた 20個（1個1枚20g入り）

【500,000円コース】

家庭用油吸着材・ベルサイユのわた 36個（1個1枚20g入り）

【1,000,000円コース】

業務用マジックファイバー油吸着材 30枚入り2箱
*ベルサイユのわたより油吸着力が2倍（1枚20gで1リットル吸います）

＊ご寄付・ご支援いただいた金額に応じての返礼品となります。

ご支援で集まった資金は、下記のような目的で使用させていただきます。

・ＭＦ油吸着材の増産（約10万枚規模を目標）
・当社または関係各所への備蓄
・油流出事故発生時に全国の自治体など行政機関へ救援物資として提供（寄付）

私たちは「夢のスーパー素材」と言われているナノファイバーを研究開発、製品化する会社で、5年目を迎えます。2015年にナノファイバー量産化に成功、油吸着材を製品化しました。また、吸音・断熱材、フィルターなどにナノファイバーを使った製品化の研究開発を進めています。

「ナノ（nano)」とは10億分の1の世界で、ナノファイバーは直径が1nmから1000nmの繊維状物質のこと。従来に繊維にはない新しい性質があり、世界の産業自体を変えてしまう力があるほど、秘めた力をもつ繊維です。
ナノファイバーは日本でも昔から研究開発が進められている分野ですが、現在市場に出回っているのはマイクロファイバー（髪の毛の10分の1程度の細さ）の製品です。

ナノファイバーが市場に広まっていない理由は、大量生産が難しく、採算が合わないからでした。

1時間に数十キロのナノファイバー量産化に成功。これにより製品化・事業化が加速しました。私たちはこの量産技術で作るナノファイバーを「マジックファイバー（MAGIC FIBER）」と名付けています。

マジックファイバーは様々な多岐にわたる分野において応用でき、製品の性能が格段に向上します。例えば、吸音材に使用すると従来の吸音材ではとれにくい低い音が吸収できたり、マスクに使用するとさらに細かいウイルス等をキャッチできる可能性を秘めています。

【応用分野例】
油吸着材、吸音材、断熱材、アパレル素材、農業・緑地化、半導体研磨材、
フィルター、マスク、オムツ、医療、電子材料、燃料電池など

マジックファイバーは高い「透湿性と防水性」を兼ね備えています。そのため、高機能スポーツウェアや農業分野など様々なところでの活躍が期待されます。