やさしい大谷さん

私たちがよく行く小料理屋は、明るい女将さんがひとりで切り盛りしているカウターだけの小さな店です。女将さんの温かい人柄と手料理に惹かれて通う常連客が多く、それも大半がシニア世代で、毎日ここで食事しているような人もいます。
そんなお客さんのひとりの大谷さんは、私たちと同じひとり暮らしということもあり、いつもお店で顔を合わせて懇意になりました。
大谷さんは普段はおとなしいけれど、酔うと少し陽気になって周りを楽しませる癒し系の人柄で、あるときは酩酊したお客さんを駅まで送ってあげていたり、そんな優しい人でした。

起きた悲劇

そんな大谷さんは週に2-3回は顔を出されるのですが、珍しく１週間ほど見かけませんでした。
女将さんがLINEをしたけれど既読にならないので、ちょっと心配して電話をしたけれどやはり繋がらない。それを聞いた仲間たちが、これは少し心配だから家を訪ねてみようということになったのですが誰も住所までは知らないのです。そしてなんとか大谷さんのお姉さんに連絡を取ることができましたが、お姉さんもしばらく会っていないので最近の様子はわからないとのこと。
これは何か事件の可能性もあるということで、お姉さんに来ていただき警察の立ち合いのもとで大谷さんの自宅に入りました。

そして悲しいことに、大谷さんは室内で亡くなっておられました。警察で調べたところ死因は脳溢血だったそうです。
それを聞いた仲間はみな言葉を失ってしまいました。

そして警察で話を聞いて、私たちはいろいろなことを知りました。
ひとり暮らしの孤独死はここ20年間で10倍以上に増えているそうです。そして高齢者よりも、実は40代から60代までがその7割を占めているのです。
原因は自宅での転倒・転落、入浴中の溺死や持病の悪化などで、助かる可能性のある事故でも通報・発見が遅れたために亡くなるケースも多く、当人だけでなく飼っているペットも一緒に餓死して見つかる例もあるそうです。
また、亡くなってから通報・発見が遅れた場合、発見者への精神的苦痛をもたらしたり周囲への負担になることも考えられます。

思いをカタチに

親しい仲間がこういう形で亡くなったことは皆非常にショックでした。
店に来ているお客さんは大谷さんと同じようにひとり暮らしの人が多いので、明日は我が身ということを実感させられました。そしてこういう悲しいことが二度と起こらないように、自分たちで連絡を取り合う方法はないだろうかということを話し合うようになりました。
それがこのプロジェクトの始まりでした。

プロジェクトでは、誰でも利用しやすい「安否確認システム」を作ることにしました。
このシステムは以下の3つのことを目標としました。
・誰かに監視されたりプライバシーを侵害されないこと
・誰でもすぐに利用ができて、毎日簡単な操作でいいこと
・利用料が負担にならないこと

そして私たちが想いを込めて作ったのが、この『ひとあんしん』です。
このシステムが少しでも、ひとり暮らしの皆様の安心に繋がることができれば幸いです。

『ひとあんしん』は私たちが普段使っているLINEで利用できます。新たなアプリや設備は一切必要ありません。そして１日に１回ボタンをタップするだけで安否通知が完了します。

● 利用の流れ

『ひとあんしん』はグループごとにご利用になれます。グループの人数は自由です。
メンバーの中から管理者（1名でも複数名でも可能）を決めていただきます。管理者自身もメンバーのひとりとして、他の仲間に見守ってもらうことができます。
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管理者からお申し込みをいただくと、LINEの管理ページと、メンバーをグループに招待する「メンバー登録URL」が発行されますので、そのURLをメンバーの皆さんに送ってLINEグループに招待します。
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メンバーは、受け取った「メンバー登録用URL」をクリックすると、グループのメンバーに自動登録されてサービスの利用が開始となります。

仲のよい知人同士でグループを作ったり、ひとり暮らしのご家族を見守ったり、訪問介護施設でご利用されたり、自由にグループを作ってご利用いただけます。

操作は簡単。午前中に《今日も元気です！》ボタンをワンクリックするだけです。
返信がない人には12時と14時に自動で安否確認メッセージが届きます。
さらに《SOSボタン》も装備し、緊急時に押すと瞬時に管理者に通知が届きます。

15時までにメンバーから応答がない場合は、管理者にアラーム通知が届きます。
管理者はアラームが届いた場合、応答がない方に電話やメール、または訪問するなどで連絡をお取りください。万一のときに部屋に入れるよう、近親者や部屋の鍵をお持ちの方の連絡先もお伝えいただくとよいでしょう。

※時間設定を自由にできるオプションサービスも予定しています。

そしてなにより大切なのが、利用料が負担にならないことです。いくら優れたシステムでもそれが経済的な負担になっては意味がありません。
だから『ひとあんしん』の利用料は1名ひと月たった500円（税込）です。

メンバーから応答がない場合やSOSがあった場合は、通知を受けた管理者の方に対応をいただきますが、管理者が動けない場合もあります。そんなときはオプションサービスとして、全国ネットワークを持つ警備会社等と提携することにより代行で訪問する「代行訪問」のシステムの導入も検討しています。
内容が確定しましたら追って活動レポートなどで補足説明いたします。

Q：だれでも簡単に利用できますか？

A：はい。LINEのアカウントがあればどなたでも簡単にご利用いただけます。利用開始は、届いたLINEのURLをクリックするだけですのでスムーズにご利用になれます。もしご不明な点がある場合は丁寧にご説明いたしますのでご安心ください。

Q：管理者もメンバーになれますか？

A：はい。メンバーの中から管理者を選んでいただきます。ですので管理者自身もメンバーのひとりとして、他の仲間に見守ってもらうことができます。

Q：どのようなグループを作れますか？

A：仲のよい知人同士でグループを作ったり、ひとり暮らしのご家族を見守ったり、訪問介護されている施設でご利用されたり、使い方やグループのメンバー構成はご自由です。

Q：メンバーは管理者に何を伝えておけばいいですか？

A：ご自身が応答ができない際に連絡がとれる電話番号やメールアドレス、住所などをお伝えください。また万一のときのために、近親者情報や、部屋の鍵をお持ちの方（住宅の管理会社や管理人等）の連絡先もお伝えいただくことをお勧めいたします。

Q：連絡できる近親者がいないのですが。

A：その場合は、お住まいの管理会社や管理人、自治体のケースワーカーや民生委員、担当地区の社会福祉協議会など、早期発見、トラブルの回避のための連絡先をお伝えいただくことをお勧めいたします。

このプロジェクトは大谷さんの仲間たちが集まって立ち上げたものです。
プランナー、デザイナー、プログラマーなど各分野のプロもいれば、一緒にアイデアを出したり、周囲にヒアリングしてくれたり、というようにさまざまな人たちが自分にできることでたくさんの協力をしてくれました。それをLnbre Inc.がサービスとして提供してまいります。

このサービスがひとりでも多くの方の安心となり、また命を救う一助となればこれほどうれしいことはありません。
そして皆様からの応援購入で集まった資金を、さらに良いサービスに発展させるために使わせていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします！