九櫻刺子マスク×柿渋染め

九櫻刺子の生地は九櫻だけが手がけることができる特殊な生地です。強靭であり、しなやかで、経年変化を愉しめる。

こうした柔道着の生地を活用したプロダクト、それ自体前例がほぼ無く、全てが手探りでチャレンジの連続です。試作をしてみて、商品化をとどまったり、改良をしながら少しづつ前に進んでいます。

そして今回九櫻刺子の新商品として皆様に提案させていただくのは、好評いただいていた九櫻刺子マスクに新たに柿渋という“高機能”を加えたマスクです。

製造が追いつかない、九櫻刺子マスク。

2020年「九櫻刺子プロジェクト」はスタート。

実は九櫻刺子の最初の商品はマスクでした。商品開発にあたりどのような商品にすれば

「九櫻刺子の強靭でしなやかな特徴を知ってもらえるか？」

「使うほどに馴染み味わい深くなる、このまるで革のような特徴がより伝わりやすい商品ってなんだろう？」

と頭を悩ませていました。

2020春、まさに世の中のマスク供給が全く追いつかなくなっていました。

「マスクを作ることが、みんなの喜びにつながるのでは？」

そうして試作をしてみるとこれが本当に使い心地が良く、使って洗ってを繰り返しても生地が傷まず、馴染んでいく。

そうして商品化が決まり、初回生産したマスクは弊社の所在地である柏原市に利益なしで販売させていただきました。

そしてその後、九櫻と縁のある著名な柔道家の方が九櫻刺子マスクをSNSで発信されたことをきっかけに対応が追いつかないほどの問い合わせが集まり、当初想像しない形で九櫻刺子は世の中にデビューしました。

強くて丈夫！だけではなく・・・

なぜ九櫻刺子のマスクがそれほど喜んでいただけたのか。それは九櫻刺子の生地の特徴にあります。

怪力の柔道家たちが力一杯引っ張り、投げる。柔道衣に求められる強度は通常の「服」とは比べ物になりません。これだけの強度が求められる衣類は他にありません。

「人が肌に触れる生地の中でも極めて高い強靭さ」となったのは当然のことでした。

でも強いだけでは九櫻が長年柔道家に愛用していただくことはなかったと思っています。またマスクとして「強くて丈夫」だけでは喜ばれなかったと思います。

九櫻刺子はとても丈夫な生地であるにも関わらず、柔らかくしなやか。それを私たちは「風合い」と呼び、他のメーカーの柔道衣生地に表現できない点だと考えています。

九櫻で使用する織機にはまだ旧式織機が残っています。なにかと織機に任せておけない、とても手のかかる機械。生産性が求められる中でこうした織機を使い続けることはとても大変です。

でも、熟練の職人が状況をみながらこまめに絶妙な調整ができるからこそ、最新の機械では表現できない「風合い」が表現できます。これが「強さとしなやかさ」の理由。そして九櫻刺子マスクが好評いただいた理由のひとつだと考えています。

「育てる」九櫻刺子

柔道経験者ならお分かりいただけるかもわかりませんが、新品の柔道着よりも馴染んだ柔道着がカッコ良くて、着心地がいい。こうした特徴を持ったものといえば、革ジャンや一部の古着ぐらいのものではないでしょうか。

九櫻刺子の製品は日々使っていただくことで馴染んでくる、生地に使い手の個性が生まれて愛着も湧く「劣化とは違う経年変化」。九櫻刺子マスクも同様に、使い続けることで風合いが増してより馴染んできます。

愚直に織物業を貫いてきたからこそたどり着いた。強く強靭でありながらしなやかな生地。使うほどにしなやかに、心地よく馴染む。「経年変化」を楽しめるのが九櫻刺子マスクの特徴です。

「柿渋染め」って何がすごい？

柿渋染めは化学染料の無い遠い昔、1000年以上も前から存在していた染め技法です。

当然自然にも優しく、様々な特徴も持ち昔から多くの日常生活の道具や民間薬として利用されてきました。

1000年以上の長い歴史の中で様々な面で高機能染料として重宝されてきました。

そうした機能・効能から最近では様々な製品に活用され、注目を浴びている大変優れた染色技術です。

問題を解決する、柿渋染めマスク

昨今のウイルス対策が日常下にある現在、マスクは必需品となりました。おそらく、しばらくはマスク必携は変わらないと思います。

最近よく見かけるマスクの落とし物、道端に捨てられているマスク。使い捨てマスクの弊害が表れ始めています。

ガーゼマスク・布マスク・ウレタンマスクは繰り返し使えるけれど、劣化が早くあまり長く使えないものも多いです。

今回の柿渋マスクは、表面は九櫻刺子、裏側は二重ガーゼ。九櫻刺子単独でも布マスクよりも丈夫ですが、口元に触れる部分は柔らかいガーゼなので擦れる心配もなくご使用いただけます。

◎丈夫で長持ち、環境に優しい

◎経年変化も愉しめので長く使いたくなる

◎肌馴染みが良い柿渋染めの自然な色合い

◎柿渋だけど独特な匂いがほとんどない染め技術

と、さまざまな問題を一気に解決できるのが柿渋染めの九櫻刺子マスクです。

柿渋染め老舗の技術力

今回柿渋染めは、長年柿渋染めを手掛けられてきた、滋賀県の『おおまえ』さんに協力いただきました。

おおまえさんの技術力によって、より濃い柿渋染めにもかかわらず柿渋独特の匂いの少ない特殊な製法にて染められた生地は、マスクに使用しても気になりません。

柔道衣の生地、九櫻刺子を世の中に出せるのは九櫻のみですが、九櫻刺子だけでは九櫻刺子の魅力は伝わりきらないと考えています。

他のものづくり・作り手さんとのコラボは九櫻刺子の魅力を一層引き出してくれます。

【柿渋染め生地にはムラや濃淡があります】

柿渋染めには大量の柿渋が必要です。たくさんの柿渋を使用して染め上げているからこそ、私たちはこの生地を大切にムダのないよう製品化していこうと考えています。

リターン商品には色ムラや濃淡がある生地を使用しています。色ムラのない部分のみを使用した商品ではなく、柿渋の自然な染めも商品の味としてご理解頂ければ幸いです。生地のロスを減らす取り組みの第一歩として柿渋染めマスクは色ムラのある生地をそのまま使用しています。

商品詳細&仕様

今回のマスク用の生地は、九櫻では主に剣道着などに使用している、細かい刺子目の綿100 の一重織の刺子生地です。その九櫻刺子を柿渋染めにて染色、柿渋の色は自然な優しいベージュ系、真っ白よりも違和感なく着用いただけます。

※２枚セットのリターン商品には白マスクもご用意しております。サイズは柿渋染めと同サイズ。

柿渋独特の匂いの少ない製法にて染められた生地は、マスクに使用しても気になりません。

【サイズ】

サイズは少し大きめの約25cmX14cm。鼻から顎までと頬をスッキリ隠す、日焼けが気になる季節にピッタリなサイズ。不織布のマスクと重ねて使用される方にもおすすめです。

※刺子の特徴として洗濯すると少し刺子目が詰まるので若干サイズは小さくなります。

【カラー】

柿渋（ベージュ）、白

【素材】

表地 九櫻刺子生地 綿100

裏地 2重ガーゼ生地 綿100

ゴム

【取替可能なゴム】

ゴムの取り替え可能な様にゴム通しタイプ。丸ゴムではなく、若干平たいゴムでご用意いたします。

【数量限定でロゴブリントも選べます】

数量限定で九櫻のロゴマークと昔ながらの九櫻マークプリントverもお選びいただけます（通常のロゴプリント無しもございます）。

柔道などの試合で使用するゼッケンと同じ手法でプリントしております。これまで九櫻のゼッケンを使用されていた方にも懐かしく感じていただけると思います。

※九櫻刺子タグは全ての商品に付いております。

【お取り扱い注意事項】

刺子織り生地の特性上、生地を引っ掛ける場合がありますのでご注意ください。

染料で色付けしている商品は、摩擦、水に濡れる等で色落ちする可能性があります。

淡色の衣類との洗濯はお避けいただき、タンブラー乾燥はお避け下さい。

九櫻刺子プロジェクトとは？？

100年以上の歴史がある九櫻。柔道経験者の方であれば柔道衣のSマークでご存知の方も少なくないと思います。

私たちはこれまで柔道・柔道衣と共に歩んできました。そして柔道・柔道衣と歩む道は今後も変わりません。

創業100年を超え、改めて九櫻ができること

九櫻だからこそ伝えられることを考えました。

九櫻では創業以来「織物業」を継続してきました、柔道衣のイメージを持っていただいているかもしれませんが、実は元を辿れば生地を織る「織物業」から始まっています。

織物の高い技術を活かして、強靭な生地が求められる柔道衣の製造を続けてきました。そして今では柔道衣を生地織りから行う会社は当社のみになってしまいました。

振り返れば、私たちの根っこにあるのは織物業。柔道衣に使われる強靭かつしなやかな刺子生地だと再認識したのです。

これまでは九櫻＝柔道衣のイメージだったかと思います。ですが、これからは九櫻＝柔道衣＋柔道衣の刺子生地、と変えていきたい。

極めて特殊な特徴を持つこの刺子生地を九櫻のもうひとつのイメージにしていくことを決め、九櫻刺子プロジェクトが始動しました。

「武道を超えた世界の九櫻へ」

柔道衣の生地は「ゴワゴワ」したイメージでしょうか。でも、柔道家で愛用いただいてる方々からは「九櫻の柔道衣は肌触りが良い」と言われ、さらに洗うたびにだんだんと「ソフト」に変化していくことに私たちの生地の特徴があります。

「たかが生地、されど生地。」

九櫻刺子は強さとしなやかさを兼ね備えた極めて稀有な素材なのだと自負しています。柔道家の方々には知っていただけている私たちの特徴。

でも「柔道家だけでなく、もっと沢山の方にこの生地に触れて欲しい！」それがこの九櫻刺子プロジェクトにかけた想いです。

プロジェクトの展望

「武道を越えた世界の九櫻へ」と大きく風呂敷を広げた九櫻刺子プロジェクト。

伝えたい想いは沢山あり、九櫻刺子プロジェクトの目的やコンセプトは明確ですが、九櫻刺子という極めて珍しい生地がどのような形に変わるべきなのか？という点については日々チャレンジと発見の連続です。

今回開発した製品は、九櫻刺子柿渋マスクは初代九櫻刺子マスクをより高機能に使いやすくなりました。

日常に極めて近い存在になったマスク。顔の半分を覆うマスクは、その人の印象も作ってしまうこともあります。そんな、ときにわずらわしくもあるマスクですが、自分なりのこだわりを持つことで、日常を少し愉しむことができればいいのかもしれません。

私たちが生地と染めにこだわり抜いて作った九櫻刺子 柿渋マスクをぜひ日常に取り入れ、変化を愉しみながらご使用いただければ幸いです。

そして、九櫻刺子の商品を通じて、これまで興味を持たなかった方も「柔道」という日本の魅力ある文化に目を向けてもらえる方が増えれば嬉しいです。

スケジュール

自社工場にて縫製

3月29日まで公開 4月中頃迄に発送予定。

資金の使い道

繊維事業部のプロジェクト発足から２年目に突入しました。九櫻刺子ブランドの認知を広めるため開発を続けていますが、今年は世界に向けても発信をしていこうと思います。皆様よりご支援いただいた資金は、kusakura sashikoの世界に向けての活動に使わせていただきます。