九櫻刺子について

九櫻では創業以来、織物業を愚直に貫いてきました。柔道着製造が中心となっても生地を大切にする考えは変えず、その結果、柔道着の生地である刺子生地については世界で最も詳しいと自負していますし、技術もあります。そして何より刺子生地への愛も持っています。

柔道着に使われる生地は強靭で「ゴワゴワ」したイメージですが、実は九櫻の柔道着は肌触りが良く、何度も洗うたびに「ソフト」に感じる生地ということに強みを持っています。

柔道着、一緒のようで違う。でも柔道をしないと知る機会がない。

「どうにかして柔道家だけでなく、もっと沢山の方にこの生地に触れて欲しい」

「着て、触れていただくと生地の魅力に気づいていただけるのではないか？」

そして、このプロジェクトがはじまりました。

「人が肌に触れる生地の中で最も強い生地」と自負するこの刺子生地を私たちは「九櫻刺子」と名付けました。

生地を丁寧に織ることの意味

九櫻刺子の生地は、職人が日本各地からパーツを探し集めてきた旧式の織機も使用して織りあげています。今では故障するとパーツがなくていつもとても困ります。

織り始めても重しでこまめにテンションを調整したり、なにかと織機に任せておけない手のかかる機械です。生産性が求められる中でこうした織機を使い続けることはとても大変です。

でも、熟練の職人が状況をみながらこまめな調整ができるから最新の機械では表現できない「風合い」が表現できると感じています。おそらくこれが「しなやかさ」「柔らかさ」につながっているのだと考えています。

時間と手間はかかりますが、こうして丁寧に織るからこそできることも沢山あるのです。

使うほど好きになる「九櫻刺子」

柔道経験者ならお分かりいただけるかもわかりませんが、新品の柔道着よりも馴染んだ柔道着がカッコ良くて、着心地がいい。「着る」という分野でこうした特徴を持ったものといえば、革ジャンや一部の古着ぐらいのものではないでしょうか。

九櫻刺子の商品は購入していただいて終わりではありません。実は使いはじめが九櫻刺子にとってもスタート。

日々使っていただくことで馴染んでくる、生地に使い手の個性が生まれて愛着も湧く、劣化ではなくて経年変化。変化することを愉しめる生地が「九櫻刺子」です。

大切に長く使いたいものは、丁寧に時間をかけて作られたものだと思いませんか？

武道を越えた世界の九櫻へ

これまで柔道着、武道の九櫻として成長してきましたが、この「九櫻刺子」の生地の魅力をもっと伝えたい、そんな風に思うようになりました。

人が肌に触れて心地良い生地であるにもかかわらず、怪力で引っ張っても軽々耐えてしまう強靭さも持っている。こんな生地は他にはない。

ぜひ柔道家だけでなく多くの方に触れて欲しいと思い「九櫻刺子」という生地にフォーカスしたブランドを立ち上げました。

今後は「九櫻刺子」と柔道着だけでなく「人が触れる」+「耐久性が求められる」様々な分野に飛び込んでいきたいと考えています。

そして九櫻刺子プロジェクトの第一弾として生まれたのが、すごく肌に触れる「Tシャツ」と「マスク」です。

みなさまが九櫻刺子という生地に馴染みが無い中で「Tシャツ」と「マスク」の存在をすんなりと日常に受け入れていただくにはどうすればいいか？

ここで「色」に注目しました。

色、ただ色をつけるだけではなく、それによって新しい価値を生み出せるようなコラボができないか。そうして京都紋付さんにたどり着きました。

世界のKUSAKURA

私たち九櫻は大正７年創業の１００年を超える柔道着メーカーです。袖にＳマークの柔道衣が、日本のみならず世界中の柔道家に愛用されており、世界中のナショナルチームに公式柔道着として採用していただいています。

柔道着の世界では知らない人がいない、世界のKUSAKURA。

今では自社で生地織りから縫製・製品化までを一貫して手掛けることができる稀有な柔道着メーカーとなりました。

ときには100kgを超える選手同士が掴み、引っ張り、持ち上げる柔道着。国際試合に使用される柔道衣の生地には極めて高い基準が求められます。九櫻では歴史が物語る技術とノウハウで、常に柔道着業界でトップランナーとして牽引してきました。

強度を求められながらも、肌に触れる柔道着には肌触りや着心地も求められます。九櫻では生地織りから一貫して製品化できるからこそ、「強靭さと柔らかさ」を兼ね備えた生地を生み出すことができます。

世界の京都紋付の「深黒（SHINKURO）」

京都紋付は創業105年の黒染め加工のプロフェッショナル。大正４年創業、九櫻同様 １００年以上の歴史を持つ黒染めのスペシャリストです。

黒染め、古くから多くの手間がかかった黒染めの生地は非常に高価なものだったそうです。

現在でも染め工程では、染め職人の熟練の技と長年の経験が生み出す独自の勘をもとに、染料の温度を微妙に変化させながら、数十回にもわたって生地を上下させて染めを繰り返すことで黒染めをしてます。

職人の技術でムラのない黒染めを追求し続けられている京都紋付さんでは黒より黒く、光をより反射させない究極の黒と言われる「深黒加工」が特徴です。

京都紋付の「れい」

黒染め一筋に歩んでいる京都紋付さん。この黒染めに様々な想いを込めて「れい」という黒染め加工ブランドを立ち上げられました。

「れい」の技術とこだわりは日本のみならず世界の有名ブランドにも認められ、コラボレーションにより多くの人々に愛用されています。

京都紋付の多数のコラボ実績

・Vivienne Westwood（ビビアンウエストウッド）

・BARNEYS NEWYORK（バーニーズニューヨーク）

・Champion（チャンピオン）

・MIHARA YASUHIRO（ミハラヤスヒロ）

・JOINTWORKS

・HaaT

・ROPE

・MICHEL KLEIN

・STUDIOUS

・PASS THE BATON

・KURO

他多数

究極のコラボが実現

九櫻刺子の魅力を伝えたい「九櫻」

黒染めの魅力を伝えたい「京都紋付」

互いに魅力を引き立て合い、世の中に新たな価値を生み出すことができるのではないかと考え、100年超企業同士のコラボが実現しました。

黒染めより黒い「深黒（SHINKURO）」

100年以上黒を極めた究極の黒 京黒紋付染で黒色を100年以上追求し続けています。黒紋付は柄がない喪服です。そのため染ムラなどが少しでもあると商品価値が損なわれま す。 染めるのではなく、独自の技術(深黒加工)で世界水準の美しい黒を自負しています。

色落ちしない

高水準の湿摩擦堅牢度を持っています。京都紋付さん、名前の通り黒紋付を長年染めてきました。紋付袴のあの紋付です。紋付の下には白い襦袢（肌着のようなもの）をお召しになります。紋付から色が落ちて、白い襦袢が黒くなると大変です。そんな必要に求められて京都紋付の黒染めは色落ちしない、安心してお召し頂ける高い堅牢度を保持しています。

安心安全の深黒

これだけ強い色を出す「深黒」一見すると強い染料を使っているように思われますが、京都紋付では世界基準のエコテックス100の分類Iを水準を保持しています。乳児の衣類にも安全・安心して使用いただける「京黒染加工技術」は安心安全です。

風合いを維持できる

九櫻で織り上げた「九櫻刺子」は強靭な強さを持ちながらも柔らかく、肌触りがとても良い。染めによってこの柔らかな肌触りを損ないたくない。もうひとつの大切な魅力は経年変化を楽しめる点にもあります。

普通の染めでは生地感にも影響がありますし、簡単に色落ちしてしまっては生地の永く愉しめる特徴が失われてしまう。

その点「深黒加工」では、加工が特殊であるため生地負担が少なく仕上がりがとてもソフトになります。そして色落ちもしない。深黒加工が持っていた強みがまさに九櫻刺子の求めていた機能性でした。

次の100年に臨む

100年という大きな節目を超えてもなお、前に進もうとする姿勢と覚悟。ともすれば柔道着、紋付、いずれも過去に隆盛を誇った分野ともいえます。

しかし、九櫻、京都紋付いずれも100年以上続きながらも、さらに次の100年に向かって飛躍すべくチャレンジしています。

そして根底に流れるのは京都紋付さんの言われている「日本の美意識と、日本の文化」。こうした共通項は協働することに自然と導いてくれました。

新たな価値

機能性だけを求めたものであれば、最先端の技術で作られた製品に及びません。

ですが、今回九櫻と京都紋付さんとの老舗コラボで見えてきた新たな価値はもう少し深い部分にあるような気がしています。

これは必ずしも見えるものでもなく「日本の美意識と、日本の文化」に近いもので、使ううちに触れるうちに、感じ取れるもの。

今回、開発した商品のTシャツとマスクについても、機能性はもちろん持っているのですが、それ以外に使っていただくことで感じていただけるものがあると思ってます。

今回のクラウドファンディングをきっかけにして、国内はもちろん世界に向けても「九櫻刺子」魅力、そしてそこに京都紋付の深黒が合わさった時のさらに増す魅力を発信し、「武道を越えた世界の九櫻へ」と飛躍したいと考えています。

そのために柔道着はもちろん大切に守りつつ、柔道着だけでなく生地「九櫻刺子」の魅力を伝えるべく「人が触れる」「耐久性が求められる」分野に対して、驚きを伴ったプロダクトを生み出していきます。

さらにこうした取り組みにより柔道家以外にも「九櫻刺子」に触れる機会がうまれることで、柔道という競技に興味を持っていただく方が世界中にもっと増えればとても嬉しいことだと考えています。

深黒刺子Tシャツ

九櫻刺子VネックTシャツ

九櫻刺子ファスナー付Tシャツ

◎商品紹介

柔道着に使われる生地「九櫻刺子」。強靭でゴワゴワしたイメージですが、実は肌触りが良く、何度も洗うたびにソフトに感じる生地。

そんな生地を、これまで柔道着をご愛用いただいていた方以外にも、身近に感じていただけるようＴシャツにしてみました。

そこに京都紋付さんの黒染めをしていただくことでよりカッコよく、より日常で使っていただきやすいようにしました。

生地は丈夫で、何度も洗うたびに風合いが増し、経年変化を愉しめる。これまでにない長く大切に使える「くたびれない」Tシャツです。

◎仕様

自社生産の九櫻刺子織り生地

日本製 綿70/ポリエステル30（柔道着と同組成）

深黒刺子ポケットTシャツ

◎商品紹介

ポケットのみに深黒刺子を使用した、より気軽に「九櫻刺子」を愉しめるTシャツです。

◎仕様

自社生産の九櫻刺子織り生地（ポケット）

日本製 綿100%

深黒刺子マスク

◎商品紹介

リリース後限定1000枚が即完売した九櫻刺子マスク。使いやすく、形状や仕様をアップデートした九櫻刺子マスク深黒verです。

・形状は立体型で息がしやすい

・綿100%なので気軽に使えます

・毎日使って毎日洗って、経年変化を楽しめます

・耳掛けの紐は長さ調整可能な交換式。

大切に長く使うことを想定した深黒マスクです。九櫻刺子生地は丈夫ですが、紐は刺子ではありませんので、傷んでくれば交換してお使いいただけます。

※ワンポイント刺繍をお好きな柄でお選びいただけます。

◎初代の九櫻刺子マスクを購入いただいたお客様からの大変嬉しいお声

◎仕様

自社生産の九櫻刺子織り生地 （マスク本体）

日本製 綿１００%