1167年の祈りの場所が台風の被害に…

興善寺は、大阪南端の岬町（人口約1万5千人）、和歌山県との県境にある山寺です。平成30年の台風20号21号により、前もっての対策と心の準備はしていたものの、本堂や山門などで予想以上の被害が出てしまい、国の重要文化財である御本尊をお祀りする本堂では、倒木による屋根瓦の破損・脱落、雨漏りによる御本尊等の傷みが、また山門では、一層目の四天王をお祀りする部分が突風により半壊状態（ほぼ全壊）となってしまいました。幸いにも、御本尊だけは国の文化財修復事業として、この度修復を行うこととなりました。しかしながら、その他の諸堂では老朽化に伴うお堂の傾きから、台風による雨漏りなど著しく、復旧を急ぐものも少なくありません。

台風によって飛ばされた本堂屋根瓦

台風によって落ちてきた本堂屋根瓦

山門西側正面

山門東側の内部 四天王（多門天）

台風被害（山門西側から見た右側）

台風被害（山門西側から見た右内部）

山門西側の内部 四天王（増長天）

山門西側の内部 四天王（広目天）

現在 山門より不動堂に四天王像4体を移し仮安置の持国天

現在 山門より不動堂に四天王像4体を移し仮安置の多聞天

被害直後に仏像などを非難させ、シートで覆うなど何とか応急処置は行いましたが、それ以降今日まで、手の施しようがない状態となっており、予想以上の甚大なる被害であったことを再認識する日々が続いています…。

何故、今日に至るまでこのような状態なのか？

と疑問をお持ちになる方もおられるかもしれません。興善寺は、比叡山延暦寺の末寺として852年に文徳天皇の勅願寺として慈覚大師 円仁上人によって創建され、以降1167年という歴史を持つ寺院として法灯が護られてきました。一時は「元亀天正の兵火」による焼失もありましたが、当時の人々の願いが再生へと導き、以後331年、皆様からのご支援によってこれまで何とか仏法を護って参りました。本堂には旧国宝（現 国重文）の大日如来、釈迦如来、薬師如来の大仏三体がお祀りされ、地元の人々からは古来より岬大仏として祈りの対象となってまいりました。

みさき大仏 国重要文化財（旧国宝）胎蔵界大日如来坐像

国重要文化財（旧国宝）薬師如来坐像

国重要文化財（旧国宝）釋迦如来坐像

この外見からみる寺院の規模に対してあまりにも檀家数が少なく、日常の寺院運営だけでも精一杯といった状況があります。その様なことから、今回の様な想定外の台風被害についても資金繰りが難しい状況に陥ってしまっている状況です。このままでは、傷みの速さが早く、この機を逃してしまったらもうチャンスはないと考え、この度、藁をも掴む思いで「興善寺台風被害復旧修復事業」を発願いたしました。

駐車場から見た興善寺境内

興善寺本堂（大日堂）

興善寺山門東側

興善寺山門西側

山門東側の山号額

興善寺鐘楼

聖徳太子堂

鬼子母神堂

常行回向堂

今、この美しい風景が消えかかっています。お読みいただいた皆様には、地方寺院が抱える現状を含め、当プロジェクトに何卒ご理解を賜り、この「歴史ある法灯」かつ「日本の貴重な文化財」を後世に伝えるため、広く皆様方のご浄心による金銭的ご支援ご協力によって一日も早く復興し、皆様の心の拠り所として華美ではなくとも粛々とお参りができますように、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

リターンにつきましては

このたびプロジェクト限定といたしまして「お守り」「ご朱印」「オリジナルタオル」「木札25ｃｍ」「木札45ｃｍ」とさせていただいております。「木札45cm」に関しましては今回に限ります。皆様とともに復興を願い、一緒に行いたく考えております。また拝観では「みさき大仏」を多くの方に一目でも見ていただきたく思います。特別体験につきましては「自然の豊かさ」「雰囲気」を存分に味わっていただければと思っております。

今後の展望

興善寺は自然豊かでありますが、檀家数が少ない山寺です。後世へ伝えるためにも継続的に行うことを予定しております。今回は令和元年内にクラウドファンディングを第1期として発願いたしました。山寺の興善寺として出来る限りのリターンを用意して行います。皆様からのご支援・ご協力のほど宜しくお願いいたします。

プロジェクト設立にあたり、「災害の怖さ」「災害への備え」「生命の大切さ」を後世へ伝えていくことを一心に祈り復旧を行って参ります。

皆様からのご支援・ご協力のほど重ねてお願い申し上げます。 合掌

資金の使い方について

本堂屋根の修復に、概算で8千万円～1億円。山門の修復と耐震補強に、概算で1億円といわれています。大きな道のりではありますが、皆様からのご支援金を本堂・山門・諸堂修復・境内整備などに活用させていただきます。