『最古の熟成酒』を初蔵出し。"出来立て"と熟成の飲み比べ数量限定販売

1958年に入社し半世紀もの間、焼酎を造り続けてきた名誉杜氏と、2005年に入社し先人から伝統の造りを学びつつ時代にあった新たな香味を探求する現杜氏。二人の杜氏が時代を超えて挑んだ本格焼酎づくり。今回は「熟成」という概念に着目し、本格焼酎の奥深さを知っていただく商品をお届けします。

皆様こんにちは。小正醸造 日置蒸溜蔵杜氏の大牟田です。

私どもは鹿児島県薩摩半島の西海岸にある日置市日吉町にて本格焼酎やリキュール、ジン、ウイスキーを製造しています。

小正醸造の創業は明治16年で、小正家は代々地元の神社へ奉納する御神酒造りを行って参りました。代表銘柄の「小鶴」に始まり、本格焼酎初の樽熟成焼酎「メローコヅル」や焼酎業界で初めてのノンアルコール焼酎「小鶴ゼロ」など常識にとらわれずこれまでにない商品開発を積極的に行っております。

今回の挑戦テーマは「熟成」です。市販されている多くの本格焼酎は蒸留後3ヵ月～1年程度の熟成を行った後に瓶詰・出荷されています。そこで今回は熟成という概念を楽しんで頂くために、2002年に名誉杜氏が醸し19年間もの熟成を行った「超熟」と、2021年に現蔵人と私が醸し、誕生したばかりの「短熟」の２つの本格焼酎を用意しました。

・2002年産、19年熟成古酒

・2021年産、新酒

本格焼酎でステンレスタンクやカメ壺による貯蔵で10年を超える超長期熟成を行った商品は同じ蒸留酒のウイスキーやブランデーと比べると非常に稀です。その理由は樽貯蔵ではないため熟成による色調の変化がなく付加価値を見出しにくいことが要因だと思われますが、目に見えない香味の変化がステンレスタンクでも起こり、特にカメ壺では顕著に起こります。

本格焼酎の飲み方はロックや水割り、お湯割り、最近では炭酸割りなど個人の好みや気候、体調で多彩にお楽しみ頂けることが特徴ですが、今回の2つのリターン品の1杯目は最も香味を感じ取りやすいお湯割りで楽しんで頂くことをお勧めいたします。

これより本格焼酎の多様性や熟成の意義、今回の商品についてより詳細にご説明させて頂きますが、商品にご興味をお持ち頂けましたら応援購入して頂けると有難いです。

それでは本格焼酎における多様性から以下にご説明させて頂きます。

芋焼酎の多彩な香味

現代の芋焼酎は、麹・酵母・さつま芋の品種・さつま芋の熟度・蒸留・濾過精度etc、焼酎製造工程における様々な条件をコントロールすることにより、多種多様なフレーバーを表現できるようになりました。それはバナナやマスカット、リンゴのようなフルーティーな香りに始まり、紅茶やバラのようなアロマティックな香り、原料の香りそのままにほっこりとした蒸し芋や、甘く香ばしい焼芋の香り、さらにはヨーグルトのような甘酸っぱい香味までもが、今や芋焼酎の品質の範疇として表現できるようになっています。

新酒を愉しむ酒

このように多彩なフレーバーの広がりを見せてきた要因の一つとして、芋焼酎が基本的に“貯蔵しない酒”であるという背景があります。飲み頃の芋焼酎は、造り手の意図したフレーバーが最も引き出された、まさに前項で表現したような多彩さを愉しむことができますが、貯蔵期間が長くなるにつれて、これらのフレーバーは徐々に変化し薄れていきます。

また、収穫時期が限られ、且つ保存が難しいさつま芋を使った焼酎は、毎年8月から12月までの収穫期に造られます。新酒は蒸留後3ヶ月程経過した頃から前年に製造した焼酎へブレンドし始めて、徐々に新酒割合を増やしていき、最終的には次年の焼酎に席を譲る形でその役目を終えます。芋焼酎は基本的に1世代1年のサイクルを繰り返すお酒なのです。

出来立てと熟成

蒸留したての芋焼酎はガツンと来るさつまいもの香りが楽しめる一方で、ツンとした香りや、ビリっと来る荒々しさもあり、これらが落ち着いてくるのが概ね3ヶ月頃からとされています。片や貯蔵年数を経た芋焼酎は、重厚で濃醇な甘香と円熟味を纏い、もはや芋焼酎であることを忘れてしまうほどに、その香味は変化していきます。

トキがもたらすもの

「熟成度 ＝ 熟成速度 × 時間」の等式において熟成速度は、貯蔵容器・温度・アルコール度数等、様々な要因から可変的であり、現代では音響のような振動による促進も行われ、今や1年間で数年分の熟成度をもたらすことも可能となっています。釉薬を塗っていない素焼きの甕壺は、細孔を介した通気により熟成が促進される貯蔵容器ですが、その促進術はあくまでも“副産物”的に得られたものであり、現代技術によるそれに比べると極めて穏やかな変化をもたらします。

技術の進歩に伴い、熟成を大きく促進する術は得られましたが、決して進めることも戻すことも出来ないものが時間です。私達の力の及ばない不変のもので、誰にも等しく、それは酒に対しても同じであるからこそ、そこに記された年数に私達は自身を重ね、感情移入出来るのではないでしょうか。

アルバムをめくるように

これまでのあなたの人生にとって、19年という時間はどんな長さですか。今が働き盛りのあなたにとって、間もなく引退を迎えようかというあなたにとって、次の2世代・3世代の成長を見守るあなたにとって、それは2分の1、3分の1、あるいは4分の1以下という方も少なくないかもしれません。歩んできた道のりに対する19年の割合はそれぞれですが、単なる算数では計れない重みと、心に刻まれた数々の出来事がそこにはあることと思います。

蒸留したての新酒は、言わばアルバムの最初のページに記された生まれたての姿。19年の熟成を経た古酒は、最新のページに刻まれる成長した姿。2つのページをめくるように、これまでの19年、そしてこれからに思いを馳せながら、それぞれの酒の味わい深さに各々の感慨深さを添えて、そんな芋焼酎の愉しみ方も時にはいかがですか。

匠人について

商品名の匠人の名は、焼酎造りにおいて機械に頼るのではなく、長年の経験で培ってきた五感を駆使しものづくりを行う蔵人をイメージして名付けました。

LEGATO（レガート）は音楽用語で「なめらかに」という意味があり、19年の熟成の時を経た原酒のスムースな味わいを表現しています。

また、FEROCE（フェローチェ）は音楽用語で「荒々しく」という意味があり、 新酒ならではのダイナミックな味わいを伝える言葉として表現しています。

匠人LEGATO（レガート） スペック情報

製造年：2002年

タンクNo：5474（カメ壺）

麹米（種麹）：鹿児島県産米（黒麹仕込）

さつま芋：鹿児島県産黄金千貫

仕込水：権現様の井戸水

杜氏：薗田一幸

酒質特徴：

鹿児島県産のさつま芋とお米を原料に、手造り黒麹、甕壺で醸し、木樽蒸留器で蒸留した原酒を長期熟成しました。2002年から眠るこの19年古酒は、小正醸造が保有する芋焼酎の中で最も古く、チョコレートを思わせるような濃厚で甘やかな香りから、まろやかな口当たり、余韻へと、伸びやかにそしてなめらかにその味わいを奏でます。

匠人FEROCE（フェローチェ） スペック情報

製造年：2021年

タンクNo：12（ステンレスタンク）

麹米（種麹）：鹿児島県産米（黒麹仕込）

さつま芋：鹿児島県産黄金千貫

仕込水：権現様の井戸水

杜氏：大牟田和宏

酒質特徴：

鹿児島県産のさつま芋とお米を原料に、黒麹で醸し蒸留した2021年生まれの若々しい芋焼酎です。ふっくらと蒸し上げたさつまいもの芳醇な香りと、新酒ならではの香ばしさ。グラスに注いだ瞬間から沸き立つ個性は、ガツンと重厚な飲み口から余韻まで一貫して、荒々しくもダイナミックな主張を味覚・嗅覚に訴えかけます。

リターンについて

①匠人＜TAKUTO＞LEGATO 500ml alc.30％ 1本

2002年産、19年熟成古酒

10,000円（消費税・送料込）

②匠人＜TAKUTO＞FEROCE 500ml alc.35％ 1本

2021年産、新酒

4,000円（消費税・送料込）

③2種飲み比べお買い得セット

13,000円（消費税・送料込）

④匠人＜TAKUTO＞FEROCE

限定YOSHIROTTENラベル 500ml alc.35％ 1本

2021年産、新酒

5,000円（消費税・送料込）

ラベルは鹿児島出身のYOSHIROTTEN氏が特別に手掛けたものを限定販売させていただきます
※限定30本のみの販売となります

実行者紹介

名誉杜氏：薗田一幸

1958年（昭和33年）18歳で入社。多くの杜氏を輩出した焼酎造り専門の技能集団である黒瀬杜氏に入門し12年の修行を積み、弱冠30歳で小正醸造の杜氏に。半世紀もの長い間、焼酎造りに携わり、老杜氏になってからも原料の見分け方、気温や湿度を考慮した造り分けなど蔵人へ伝承し続けた。口癖は「勿体なか。」で原料となるお米一粒、さつま芋の一かけらも粗末にしてはならないことを多くの蔵人が学んだ。2008年に退職し名誉杜氏に。

杜氏 兼 製造課課長：大牟田和宏

2005年（平成17年）入社。入社以来製造畑で蔵子として前杜氏より生産農家との関係性や、造りにおいては麹づくりから蒸留に至るまで教えを受け、やがて全ての工程を任されるまでに。2018年7月より杜氏を拝命。先人から受け継いだ製造技術を守るだけでなく、時代に合った個性ある焼酎造りを目指し、今なお挑戦の真っただ中。