芸術家が生み出すお香＆お香立て「添える、かおり」

香りは五感の中で最もダイレクトに、記憶や感情に訴えかける情報として、広く知られています。けれども香りは、脳への伝達経路の特性から意識しにくいため、あたかも無くてもいい要素のように思われています。

2018年5月ローンチ予定のブランド「IZUMI KAN」は、これまでにない発想で衣食住をテーマにした新しい「香り」を提案します。そして ' 香りこそ人生に必要不可欠な時間を生み出している 'ことを表現していきたいと思います。

ご好評を博した第一弾「着る、かおり（https://www.makuake.com/project/kanizumi/ ）」（2018/3/31まで募集中）の香水プロダクトに続き、「IZUMI KAN」から発表されるプロダクト第二弾は、「そえる、香り」。「空間デザインの要素として、家具やインテリアのように香りもその場の役割を担っている」という価値観から生み出されるお香＆お香立てが、アーティスト 和泉侃プロデュースのもとで新しい概念の香りとして誕生します。

このプロダクトは、どんなお部屋のインテリアやデザインにでも合わせやすいよう、表裏の両面使えるアルミ素材のお香立てを開発し、お香の色も白く染める工夫が施されています。

新進気鋭の芸術家が発信する想いと、意気込みを応援して頂けますと幸いです。

　　　　　家具やインテリアのように、空間デザインとして香りをそえる

脳の構造上、意識しにくい「香り（匂い）」は、無くても生きていける存在であるかのように思い込みがちです。しかし、香り（匂い）は約0.2秒で痛覚より早く、記憶を司る海馬、感情を司る扁桃体にダイレクトに届いて訴えかけます。（参考：『嗅脳』鳥居鎮夫 著）つまり、香りは空間の印象を決定づけている、「見えないインテリア」とも言えます。自分の作りたい住空間を作ったり、お客様のおもてなしを考えて家具やインテリアを選ぶように、色やシーン、季節などに合わせて香りを選んでそえることで、「記憶に残る、本能的に心地よい空間」を作り出すことができるのです。

　　　　　　　　　　なぜ、お香？理にかなった、空間の香り

自身が様々なブランドの空間の香りに携わり、その難しさを身をもって体験してきたからこそ気付けたのが、理にかなっているお香の素晴らしさ。

特に着目したのは、理にかなった空間の香りとしての「お香（線香の形状）」という手法でした。

通常、空間に香りを広げようとすると、アロマディフューザー機器を使うことが多いと思います。電源の位置を確保してスイッチをオンオフしたり、水を替えたり、アトマイザーを洗ったり。時には、手入れを怠って故障させてしまったり、不規則に変化する香りの濃度の調整に苦戦される方も多いのではないでしょうか。

お香は、火を灯す形式なので電気が要らず、灰を捨てるだけ。電源の位置にしばられないので、空気の流れに合わせて添える場所を決めることができます。また、線香の形状は直線であるため、ほぼ均一な幅、燃焼スピードを保つことができ、一定のリズム、一定の濃度で香りを広げてくれます。

加えて、線の長さで燃焼時間を調整できること、視覚的にも楽しめる煙が、燃焼後に美しい残り香を漂わせることも、お香の長所と言えます。

　　　　 間（ま）に寄り添う、インテリアになる香立て「御膳（ごぜん）」

しかし、そんな理にかなったお香が現代社会から遠い存在になってしまったのには大きく2つ理由があります。その一つが、現代のインテリアに馴染むデザインのお香立てが少ないということ。

そこで、古典の対極にある、近未来、現代的、スタイリッシュなイメージを生み出し、かつどんな空間にでもインテリアとして合わせやすい、アルミを素材として選びました。

また、お香立ての表裏両方を使える、庭石をモチーフにしたデザインで、空間の間合いに合わせて添え方を変えられるように工夫を施してあります。表面は、複雑なインテリアの中での調和を、裏面は捨て石のようにシンプルな空間を一つの点で調和させるような役割をしてくれます。様々な空間とインテリアに合わせて、表裏を試してみてください。

　　　　　　　　　 インテリアに合わせやすい、白いお香

そしてもう一つの課題が、「お香」というと、仏前やお寺など暗いイメージがあるということ。お香が仏教と密接な関わりを持って歴史を歩んできたことは確かです。

しかし、その暗いイメージを払拭し、どんな空間にでも合わせやすいよう、白いお香をデザインしました。化学的な材料で着色しなければ難しいと言われてきた白色のお香ですが、実験を重ね、白味を持った木々を基材に使用することで、天然の材料のみで実現しました。

また、いわゆる「お香くさい（古臭い）」と言われがちだったものですが、それを感じさせない新たな香りのデザインと、醸成したお香屋の技術により、今までの固定概念を一新するお香が生まれました。併せて、1日1本立てて心地よい空間を作られるよう、1箱31本入りとなっております。

　　　　　　　　 国産の希少天然香料が、香りのキーエッセンス

アーティスト 和泉侃の香りづくりの特徴とも言える、洗練された透明感やどこか懐かしさを感じさせる、日本らしい自然のニュアンス。それは、大量生産では使うことが難しい、国産の希少な天然香料をそれぞれの香りに、キーエッセンスとして調香することで表現が叶っています。高野槙やフジバカマなど、少量しか採取できない貴重な自然のめぐみを借りて独自の香りを生み出します。

　　　　　　　　　  香り×音 「時間」を生み出すアーティスト

香りと音を中心とした表現で「感覚の蘇生」をテーマに取り組んでいる和泉侃（いずみかん）は、その場に生まれる時間を作品としているアーティストです。3歳から続けている作曲、様々なハイブランドでの空間アロマのデザインを経て、2015年より本格的に芸術家としての活動を開始。2016年はサントリーホール（東京・赤坂）の30周年記念事業の参加作品（共作：柳元美香氏）として抜擢され、同ホールでは前代未聞の五感をフル活用した総合芸術作品を満席の中で発表しました。現在は日本の香り文化発祥の地・淡路島に主拠点を移して、日本の伝統的な香りや文化の発展へ 躍進を続けています。

作品「祝水」（2016）： http://izumi-kan.jp/archives/981

作品「鳳凰」（2017）： http://izumi-kan.jp/archives/1296

　　　　  IZUMI KANのお香づくりを支える、異色のお香屋「東京香堂」

本ブランドのお香づくりを、技術・製造の面から支えてくれているのは2014年7月設立の「東京香堂」。お香の世界では珍しい経歴を持った、異色の夫婦。お香の技術、香水の都・南仏グラースの本場で養った香料知識と調香技術、デザインの世界で培ったコンセプトへの高度な理解。

この二人だからこそ実現できる、新しいお香づくりを共にすることで、IZUMI KAN のお香プロダクトが生み出されます。

ペレス千夏子

創業1935年の線香屋に生まれ、多摩美術大学大学院テキスタイルデザイン学科卒業後テキスタイルデザイン事務所にて従事。 2012年渡仏し、香水の都といわれている南フランス・グラースにあるGrasse Institute of Perfumeryを卒業。

ペレス ジョフレ

南フランス・グラース出身。南フランス・グラースにある香料会社で13年間、原材料部門に従事。

　　　　　　　　　　空間デザインとして考えた、5つの香り

no.0 / ZERO

清らかな水を思わせる、みずみずしく洗練された香り。仏花としても使われる高野槙がキーエッセンス。シンプルでナチュラル、スタイリッシュで透明感のある空間を作り出します。

どんな空間や時間帯にも馴染んでくれる香りで、使いやすく仕上がっています。ジャンルは問いませんが、複雑なデザインよりも色味や柄がシンプルな、白、シルバー、グレーなどを基調にした空間におすすめです。ガラス素材の家具やインテリアを取り入れたアーバンスタイリッシュなお部屋や、モードなお部屋だと、さらに空間が引き立ちます。

no.0という名前の通り、透明感のある香りが心を原点にリセットしてくれます。

no.1 / SAKURA

桜をキーエッセンスにした、淡い華やぎとほのかな甘みが心地よい香り。上品で優しい、やわらかくてエアリー、どこか官能的な空間を作り出します。

女性は、思わず幸せな気持ちになってしまう香りではないでしょうか。昼間に使えば華やかで優しく上質な印象を、夕方以降に使えば艶のある印象が出ます。

自然光の入る、ナチュラルな空間がおすすめですが、都会的でシャープなお部屋でも、ラグジュアリー感をさらに引き立たせる、変幻自在な香りです。

no.2 / WAKABA

新緑の若葉を思わせる、グリーンで鮮烈な香り。青森ヒバと、希少精油アフリカンブルーグラスがキーエッセンス。自由で開放的、ナチュラルなのに個性的でクリエイティブな空間を作り出します。

ブルーやグリーン、白やグレー系統、明るめのカラーであれば、ジャンルを問わず寄り添ってくれる香りです。植物を設えているお部屋は、ぐっと好印象になると思います。夕方以降は、空間とのミスマッチが起こりやすくなる可能性があるので、日中にお使いいただくのがおすすめです。

風が吹き込むような、開放的な印象を生み出すので、仕事でもプライベートでも、クリエイティブなスペースに模様替えしたい時に添えてみてほしいです。

no.3 / HANAYUZU

ゆずの花を思わせる、奥ゆかしく深みのある香り。柚子と、秋の七草フジバカマがキーエッセンス。爽やかなのに温かい、気品がある穏やかな空間を作り出します。

木材を基調にした、ウッディーで温かみのあるお部屋であれば、さらに引き立ちます。暖色系やブラウンなどのクラシカルなインテリアにも、合わせやすいです。また、優しい気持ちでゲストを温かくお迎えしたい時にも、おすすめです。

季節や時間帯を問わず、どんな時でもお使いいただける香りです。

no.4 / YUDACHI

夏の夕立を思わせる、ウェッティーで芳ばしいグリーンと、大地が薫る懐かしい香り。柚子とベチバーがキーエッセンス。ナチュラルでクラシック、ニュートラルで親しみやすく、安心感のある空間を作り出します。

ブラウン調、暖色系など、落ち着いたカラーで、アンティーク調の深みのある空間をより良く引き立てる香りです。どんな時間帯でも馴染んでくれますが、15時以降にお使いいただけると、さらにこの香りの良さを活かせます。

童心に還るようなノスタルジックな香りなので、自分の心を優しくリセットしたい時にもおすすめです。

インテリアデザインや時間帯、カラーや目的に合わせて、住空間の香りを提案する新しい価値観。様々なハイブランドの空間の香りを考え抜いてきた、和泉侃のバックグラウンドを最大限活かしたプロダクトです。どんな空間でも使いやすく、なおかつ空間の性質によって、全く違う世界を見せてくれる、洗練された香りを目指しています。

　　　　　　　　　　　　　　リターンのご案内

サポーターの皆様には、12種類のリターンをご用意しています。そのうち4種類のリターンは早割のため、先着順で人数が限られておりますので、お早めにお申し込みをご検討ください。今回は5月に発表される5つのお香と、1種のお香立てを製造し、Makuake限定クーポン付きでお届けします。プレミアムメンバーシップの年会費無料や、和泉侃本人による香りツアーなど、スペシャルなコースもご用意していますので、ぜひ詳細をご覧になってみてください。

　　　　　　　　　アーティスト 和泉侃氏からのメッセージ

今回はブランドのテーマとしている衣食住の「住」に当たるプロダクト。自分自身が空間の香りに携わってきた時間が長いだけに、一番思い入れの強いプロジェクトになりそうです。

2017年7月、日本の香り文化発祥の地・淡路島に主拠点を移してから、少しずつお香に向き合うようになり、お香の素晴らしさに気づいた時は、なかなか感動が収まりませんでした。

しかし、お香の市場は下降を辿る一途で、様々な根深い問題があることを知りました。それぞれのお香屋さんや、従事される方々、職人さんの技術が一級品で、これだけ空間の香りとしても理にかなった「お香」であるにも関わらず、それを使う文化自体が衰退してしまっています。

何とかして、この文化の素晴らしさを伝えて、後世に残すきっかけを作りたいという想いを持って開発に取り組んでいます。

今のところ、住空間に対して最も便利でムラなく活用できるのが「お香」だと、私は思っています。そのため、抜本的にお香の価値を再定義して、提案することができればと考えています。

このプロジェクトを通して、日々の暮らしに良いスタイルで香りを取り入れて、豊かな時間を過ごしていただけるだけでなく、お香を使う文化を取り戻すきっかけを少しでも多く作れれば嬉しいです。

また、私にしかできない、香りのクリエーションを出来るだけ多くの方に届けることで、誰かが笑顔で幸せな人生を送るきっかけを生み出す、一つの選択肢になれれば幸いです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　 FAQ

●お手入れ方法は？

お香立てに落ちる灰を払って、湿らせたティッシュなどで優しく拭き取ってください。特にお香を立てる穴の回りはヤニで汚れるため、重点的にお掃除をしてください。

●どれくらい保つのか？

お香の使用期限は設けていませんが、天然香料を中心に作っているため香りの変化は必ず発生します。経年後の香りを好ましく感じる場合もありますが、開封後はなるべく早めにお使いくださった方が、よりフレッシュな状態で香りをお楽しみいただけます。

●注意点

・お香は直射日光や高温多湿になるような場所は避けて保管してください。

・お香に着火した後は、鎮火するまでその場を離れないください。

・季節な環境によって、香りの感じ方は変わります。また、同じ香りを使い続けることで特定の香りに対する嗅覚が鈍化することがありますので、定期的に香りを変えてのご利用をおすすめします。