福井県福井市鮎川町から皆様へ。日本海を一望できるこの美しい場所で「編みレース」という技術を60年以上守り続けてきた老舗メーカーが、この度、新たな挑戦を始めました。

それは、日本の伝統的な素材である「和紙」と、私たちの熟練の技を融合させた、新しいカーテンの開発です。

光を纏い、静かに揺らめく

なぜ、和紙とレースなのか？

和紙は、千年以上の歴史を持つ日本の伝統工芸品です。古来より、人々は和紙を神聖なものとして捉え、書道や絵画、屏風など、様々な芸術作品に用いてきました。和紙の温かみと、自然の素材が持つ独特の風合いは、人々の心を癒し、生活に潤いを与えてきました。その歴史は、私たちに静けさ、美しさ、そして日本の伝統文化の継承の大切さを教えてくれます。一方、編みレースは、光の加減や素材の組み合わせによって、無数の表情を生み出すことができる、奥深い技術です。

この二つの素材を組み合わせることで、私たちは、「光を操り、空間を彩る」新しいカーテンを生み出すことができました。

60年の歴史が育んだ技術

私たちの会社は、創業以来、編みレースの技術を追求し続けてきました。繊細なレース模様を編み出し、耐久性のある製品を作るための技術。これらは、長年の経験と研究によって培われた、私たちの宝です。

織物と編み物の違い

織物と編み物、どちらも私たちの生活に欠かせない素材ですが、その特徴は異なります。織物は、経糸と横糸を規則正しく交差させることで作られ、丈夫で型崩れしにくいのが特徴です。一方、編み物は、一本の糸をループ状に繋ぎ合わせることで作られ、伸縮性があり柔らかな風合いが特徴です。

「kami」に使われている経編は、これらの特徴を融合させた製法です。経糸を多く用いることで織物のような安定感を与えつつ、編み物の柔軟性も併せ持つため、機能性とデザイン性を両立しています。

職人の手仕事が生み出す、唯一無二の美しさ

糸が太く、柔軟性に乏しい和紙で編みレースを作ることは、容易ではありませんでした。熟練の職人は、糸の微妙な変化を指先で感じながら、一つひとつ丁寧に編み上げていきます。長年の経験と技術を駆使して、誰も成し遂げたことのない和紙100％の編みレースカーテンを完成させることができました。

その格子を思わせる繊細な模様が、空間に奥行きと上品さを添えます。和紙の温もりと、職人の技が融合した、唯一無二の美しさをぜひご堪能ください。

格子の美しさを再現

今回の「kami」の最大の特徴は、なんといっても格子の美しさを再現した繊細な編み模様です。格子は、日本の伝統的な木組みの技法でつくられる意匠で、その歴史は平安時代にまで遡ります。線だけのシンプルな構成でありながら、空間を美しく分割し、奥行きと陰影を生み出すその特徴は、古くから人々を魅了してきました。

「kami」の格子模様は、この伝統的な技法のエッセンスをレースカーテンに落とし込みました。自然素材の温かさと、格子の洗練されたデザインが融合した、唯一無二のインテリアアイテムです。

五感で楽しむ和紙

視覚

格子模様が織りなす繊細な陰影が、お部屋に奥行きを与えます。陽光がレースカーテンを透過する様子は、まるで自然の絵画のようです。

触覚

和紙糸ならではの、優しい肌触り。触れても心地良い、自然素材の温もりを感じてください。

聴覚

和紙が奏でる、静寂の中のささやき。それは、忙しい日常から解放される、ひとときの癒やしの時間。

和紙が持つ優れた力

調湿性

空気を浄化し、快適な湿度を保ちます。

抗菌性

自然由来の抗菌作用で、清潔な環境を保ちます。

消臭性

ニオイが気になるキッチンやシューズクロークなどの目隠しにも

シンプルで無駄のないデザイン

和室はもちろん、洋室にも違和感なく馴染みます。シンプルなデザインなので、どんなインテリアにも合わせやすいです。

リビングにも

間仕切りにも

和室にも

小窓にも

麻の生地と組み合わせても

廃棄生地をださない

「kami」は、限りある資源を大切に、地球への負荷を最小限に抑えるため、オーダーメイドではなく既成サイズでの生産にこだわっています。無駄な生地を一切出さないことで、環境への負担を軽減し、サステナブルな暮らしを提案します。

シンプルで無駄のないフラットなデザインは、素材の美しさを最大限に引き出し、長くご愛用いただけます。

また、プラスチックフックを使用せず、ボタンホールを設けることで、自分だけの空間を自由にコーディネートできます。カーテンはもちろん、目隠しや間仕切りとしても活躍し、あなたの暮らしに寄り添う、多様な使い方が可能です。

自然素材の概念をこえる布「kami」

和紙布「kami」は、日本人の美的感覚と重なる風情と、職人の技術力によって超越した機能を持ち合わせた特別な布です。

極めた技術力と和紙繊維の独自製法

和紙繊維の原料は、多年性植物であるマニラ麻の葉鞘（ようしょう：葉の基部がさや状になり、茎を包む部分）から抽出した繊維です。

この葉鞘は茎を守るためにもともと多くの機能を備え、加工された和紙にも引き継がれるのですが、和紙繊維「CURETEXⓇ」はさらに「紙撚（こより）」の技術を応用し、糸に強度と柔軟性をもたせるために天日干しで乾燥させたり、一度織った生地をほどいて再び糸にしたりと、研究しつくされた独自の製法が用いられています。

この手間ひまによって無数の孔のある状態が作られ、重層的に絡み合った複雑な構造が生成され、この構造が他の和紙糸にはない特性につながっています。

※「kami」の和紙繊維は「CURETEXⓇ」とよばれ株式会社キュアテックスの登録商標です。

気の遠くなるような手間ひまを惜しみなくかけて

この独自製法が確立されるまでには約１０年の時間を要し、自然の恵みをかりながら、植物が本来もつ力を損なわないよう丁寧につくられるため、大量生産はできません。

よくある抗菌、消臭、UVカットなどの機能性のレースカーテンの多くは、布を専用の薬に漬け込んだり後加工したりして機能を付加しますが、「kami」は熟練した技術者・職人たちの素晴らしい手仕事によって和紙そのものが本来持っている自然の力を、優れた技術力で最大限引き出すことに成功したのです。

洗うほど機能が向上していく不思議

しかもこれらの機能は、同じ自然素材の麻や絹、綿よりも優れていて、抗菌性にいたっては、洗濯すればするほど機能が高まるという調査結果もでています。（上のグラフ参照）

赤ちゃんにも。世界に認められた認証

和紙布「kami」は、厳しい安全基準をクリアし、「エコテックス®スタンダード100」を取得しています。これは、赤ちゃんの肌にも安全であることを示す、世界的に認められた認証です。

※エコテックスⓇは、エコテックス®国際共同の登録商標です。

100％土に還る生分解性

汚れても破れても、次の生循環ステージへと生まれ変わる

特殊な製造方法で作られる「kami」は、土に敷くと数か月で土に還るという生分解性をもっています。

さらに 微生物バイオマス量を増加させ土を微生物いっぱいの健康な有機の土に変えてくれる働きもあります。

自社実験でトマトを育ててみたとろ「kami」を敷いて育てたトマトのほうが、ないトマトよりもリコピン量が100ｇあたり1.75ｍｇ多い、9.17ｍｇリコピンが含まれる結果がでました。（標準は１00ｇあたり約4.2～8.5ｍｇ）これは一般的なトマトの約1.4倍です。「kami」が分解した有機土は微生物が活性化し、栄養価の高い作物が育つのです。

捨てずに回収して次の循環ステージへ

「使う→生かす→還る→育てる」の好サイクル

そこで私たちは、お客様がかけ替えなどのタイミングで「kami」を廃棄する際は、回収し、次の循環ステージへと活用することにしました。

汚れていたり、破れていたりしていても大丈夫。どんな状態でも回収し、福井県鮎川町で私たちが保有する「カズマの森」の開拓に活用します。

天然染料の原料となる植物を育て、新しい命を育む肥料として、この和紙布が使われるのです。

持続可能な素材を使ってものづくりをする。それだけじゃなく、捨てずに次の命のエネルギーに100％生まれ変わる。使う→生かす→還る→育てる の循環サイクルが確立された「kami」を皆さんと一緒に育てていけたら、そう願っています。

リターン商品について

「kami」 縞（しま）

繊細な編み目が作り出す立体感が、光の陰影を際立たせ、奥行きのある表情を生み出します。

繊細な編みレースと、和紙の温もりを融合させた、透明感のある美しい生地です。

日中、外から室内を見た様子の透け感

和紙布で作る「和紙紐」をつなぎ生地を吊ります

プラスチックごみを出さないために、通常のカーテンに付属されているプラスチックフックは付いていません。

生地の上部に８つのホールがあいていますので、その穴に、セットで付属している「和紙紐」を通して吊ります。

和紙紐（付属品）

和紙100％の布を使い、高い縫製技術によって幅4mmに仕上げたシンプルな紐。

生地１枚につき和紙紐は１セット付属していますので、別途購入の必要はありません。（幅4mm×長さ40㎝×８本）

もっと個性的なコーディネートを楽しみたい方に

吊りスタイルの応用として、別途4種類のパーツもご用意しました。

※こちらは別途単品購入が必要です。また和紙紐との併用はできませんのでご注意ください。

1.革紐

キャメルカラーが徐々に濃くなっていく、本革本来の経年変化を楽しめます。（幅3mm×長さ35㎝×8本）※本体生地1枚分

2.針葉樹紐

針葉樹の樹脂が原料。黒ベースに白っぽい植物の繊維を感じる環境にやさしい素材です。（幅3mm×長さ40㎝×8本）※本体生地1枚分

3.S字フック

黒の極小フック。レールのランナーを使って吊るす場合に使用します。（幅15mm×長さ3㎝×8個セット）※本体生地1枚分

※「S字フック」は小さいため、突っ張り棒には使用できない場合があります。

4.リング

シルバーのリング。突っ張り棒にも使える大きさで、シンプルに吊りたい場合におすすめです。（幅2.1mm×長さ4cm×8個セット）※本体生地1枚分）

生地サイズの選び方

「kami」は、廃棄生地をほとんど出さない仕様にこだわっているため、オーダーでなく既製サイズ展開となっています。

幅はすべて130㎝、丈は120㎝、140㎝、160㎝、180㎝、200㎝、220㎝、240㎝の7サイズ展開です。

カーテンとして使用する場合のサイズ選びの目安

※（写真左）ヒダが多いと思われた場合は、生地の端を折りたたむことで調整可能です。（写真右）生地の最端のホールを1つのパーツで共有すれば横に何枚でもつなげられます

※サイズにご不安なお客様はメッセージにてお気軽にお問合せください。LINEはこちら

とはいっても、サイズも吊り方も自由。

『kami』には、カーテン、間仕切り、といった、何に使うという概念自体がありません。

あなたのアイディアで、どこにでも、どんな風にでも吊ることができて、むしろその ”あそび” こそが、空間を豊かにするエネルギーになります。

丈のちがう生地を重ねてに吊ってみたり。

窓に吊る場合も、少し生地を引きずるほうが生地のしなやかさが生きてきます。

生地サンプル

「自宅にあったサイズや枚数が分からない」「透け感を実際に確認してみたい」などご質問があればぜひお気軽にお問合せください。郵送にて生地サンプルもお送りできます。（お届けまでに約1週間ほどかかる場合がございます。）LINEはこちら

商品の仕様

布の両サイドには１つひとつ表情の違う、天然あこや貝のボタン。※サイズによってボタンの個数が異なります。丈120～140（2つ）丈160～240（4つ）

このボタンを、裏側についたボタンループに引っ掛けると、さまざまなスタイルのアレンジが可能。

生地をたくし上げることができるシェード風のアレンジ。

タッセルのように生地をまとめることも。

私たちについて

自然には美しいものがあふれている

私たちKURASIKUは100%自然素材のテキスタイルと布雑貨を展開するプランドです。

綿、麻、大麻、竹、そして和紙。

今世の中にない、新しい自然の素材を開折してきた私たちがこだわり続けていることそれは「自然のものを自然のままで」ものづくりをするということ。

生命体が本来もっている優れた機能も、縮みやムラといった味わいも、すべて生きているものだからこその魅力であり、美しさでもあります。

自然のものは、枯れていても、色褪せていても、どれもずっと美しいのです。その本来の美しさに人の手を加えずありのままにお届けしたい。

そして「いいな、きれいだな、美しいな」と心が躍るような喜びを、お一人おひとりがもつ感性に響かせることができたら。

そう願っています。

『大麻布-ooasa-』プロジェクトでは367人の方に応援購入をいただきました。

『障子布-kami-』プロジェクトでは134人の方に応援購入をいただきました。

『苧麻布-sayu-』プロジェクトでは156人の方に応援購入をいただきました。

『竹布-take-』プロジェクトでは125人の方に応援購入をいただきました。

 プロジェクトへの想いと今後の展望

「皆様の温かいご支援が、私たちの原動力です。このプロジェクトを通じて、より多くの方に自然素材の素晴らしさを知っていただき、永く愛される製品を作り続けていきたいと考えています。この商品は、単なる製品ではなく、自然素材と人の手によって紡がれる物語の始まりです。皆様と共に、この物語を育てていきたいと心から願っています。

FAQ

Q.一般的なレールにも取り付け可能ですか？
A.もちろん可能です。移動式のランナーにパーツを通して使用取り付けることができます。不明な点はなんでもお問い合わせください。LINEはこちら
Q.サイズについてわからないです。
A.生地サイズの選び方にも載っていますが、ご不安なこともあるかと思います。LINE問い合わせでは実際の場所の写真などで個別対応をしています。お気軽にご連絡ください。LINEはこちら
Q.透け感を教えてください。
A.透け感はあります。気になる方は他の生地との組み合わせで掛けることをおすすめします。その他写真での案内や無料の生地サンプルをお送りすることもできますので、一度お問い合わせください。LINEはこちら

商品概要

実行者紹介

株式会社カズマ（福井県八重巻町105）

当社は、繊維王国である福井で半世紀にわたってカーテンを作り続けている企業です。カーテンというと、光や視線を遮る”道具”だと考える方が多いと思います。しかし住宅のAI化が進む今、テキスタイルがもつ役割は、AIでは埋められない「心の豊かさ」に深く関わり始めています。

風に揺れ、光をやわらかく調和し、外と中を曖昧につなぎ、空間を和ませる。そんなテキスタイル独特の魅力が、私たちの暮らしに癒しや安らぎを与えてくれます。

そして長く、心から愛せるものづくりを目指す中で「健康」や「環境」といったテーマは切り離すことができません。自然の摂理にあらがわず、心や体に溶け込んでいくようなテキスタイル開発を常に目指しています。

＜パートナー企業＞
株式会社キュアテックス様

＜撮影ご協力＞
石川県小松市「瀬々らぎの森」様