「日本屈指の金物の町」として知られる播州三木地方（兵庫県三木市）。明治28（1895）年の創業以来、そこで大工道具を作り続けてきた神沢鉄工の自社ブランド「FEDECA」が送り出す世界にひとつだけのナイフ「It’s my knife folding style」を、Makuake限定特別セットとして販売いたします。 

皆さんには、愛着を持ってずっと使い続けているものはありますか？ 

古くなったら、新しいものを買えばいい。壊れてしまったら、新しいものを買えばいい。そんな価値観が浸透してゆくとともに、ひとつのものを長く使うことがめっきり減ってしまった今、私たちが提案するのは「削って作るオリジナルナイフ」です。 

キャンプやバーベキューなど、アウトドアシーンでの使用を想定した「It’s my knife folding style」は、シリーズ展開している自社ブランド「FEDECA」の商品です。ナイフの持ち手を自分に合う形に削って、オリジナルナイフを作れるところが、「削るは楽しい」「暮らしにひと手間」をテーマとする同ブランドの特徴です。

今回はMakuake限定商品として、ビギナーの方向けに、セーフティガードつきの持ち手を削るナイフと、補強、防水効果を発揮するクルミオイル、エキスパートの方向けにはダマスカス鋼、黒檀という厳選素材をご用意いたしました。

＜赤文字はMakuake限定の柄＞
左から、ブナノキ、サーモアッシュ、ビルマチーク、黒檀

このキットの魅力のひとつは、ものづくりに馴染みのない方でも２時間程度で完成させられる手軽さです。「FEDECA」の活動の一環として、神戸駅近くにある直営店舗にて、ナイフやカトラリーなどの生活雑貨を作るワークショップを随時開催していますが、参加者の方からは「削るってすごく楽しいですね」「夢中になってやったので、２時間、あっという間でした」という喜びの声を多数いただいています。 

とはいえ、ワークショップでは僕らの手の届くところまでしか広がらないのが残念なところ。 もっと多くの人にものづくりの楽しさを味わってほしい、親子で共有してほしい。ひいては、道具に愛着を持ち、道具を大切にする気持ちを育んでほしい――。そんな想いから、今回、クラウドファンディングに参加いたしました。

「自分で作る楽しさ」を打ち出しているこの商品ですが、アウトドアでは料理ナイフからバターナイフ、ステーキナイフまで一本何役もこなせる実用性も誇れるところ。設計上の工夫としては、すこし持ち手を上に反らせることで、持ち手と刃が一直線になっているために調理しづらいという一般的なナイフの弱点を解消しています。 

長く使えるようにと、材料は良質のものを選定しています。使い込めば使い込むほど味が出てくる木製の柄に、ちびて刃幅が狭くなっても十分に使える刃。それを叶えるのが、「青紙」という炭素鋼です。研ぎやすく、刃が長切れするという特徴を持ち、主に高級刃材として使用されている青紙は、プロが選ぶ本格派の材料なのです。 

※ 注意 ※
鋼部分は、水分をしっかり除去せず放置すると錆が発生することがあります。
→錆びてしまった時の対処法はこちらをご参照ください。

今回はMakuake限定商品として、積層鍛造の切れ味鋭いオリジナル高級鋼（ダマスカス模様）と木目が緻密で腐りにくい高級銘木の黒檀を持ち手に採用したプレミアムモデルを10セット限定で販売。その他、通常の刃とチーク、サーモアッシュといった希少木材を組み合わせたモデルをリリースいたしました。

＜写真左から、青紙、ダマスカス。ダマスカスの波紋の美しさに思わずうっとり＞

＜写真左から、ブナノキ、サーモアッシュ、ビルマチーク、黒檀＞

使い方を誤れば、刃物は危険なものになります。子どもに触らせたくないという親心も理解できます。だからといって遠ざけるのではなく、怪我をしたり、切ったりして、痛みを知りながら、身をもって正しい使い方を学んでいく。それが、刃物との上手な付き合い方ではないでしょうか。 

あるときは正しい扱い方を教え、あるときは冗談を交わし、あるときはカッコいい親父の背中を見せながら親子の関わりを深めていく。そんなプロセスを経て完成した「my knife」はきっと、持ち主の思い出が刻まれたたったひとつしかないオリジナルナイフとして、いつまでも手元に置いておきたいものになるでしょう。 

暮らしにひと手間をかけるからこそ、物語は紡がれるのです。 

大工道具を作る「鍛冶の里・播州三木」としての起源は、技術者集団・韓鍛冶が渡来したおよそ1500年も昔にさかのぼります。その後三木に住み着いた韓鍛冶から、大和鍛冶を含めた地元の人たちへと伝達され、脈々と受け継がれてきた技術が脚光を浴びたのは、羽柴秀吉の時代です。そこで「播州三木」の名が全国に知れ渡ったことで、三木市は全国屈指の金物の町として栄えるようになったのです。 

とはいえ、そうした永い歴史と伝統に支えられている三木にも等しく訪れるのが、時代の波というものです。近年、大工道具の市場は縮小し、中国や台湾などの新興国で作られた安価な製品が流通するようになったことで競争は激化。その波にのまれないようにオリジナルを貫いていこうと、当社が打ち出したのが「FEDECA」という新機軸なのです。 

そもそも、日本の刃物文化自体、きわめてオリジナリティが強いものです。 

豊富な鉄鉱石をふんだんに使える諸外国とは違い、限られた資源しか有していない。そんな環境下でも古の人たちが知恵を絞って編み出したのが、日本古来の製鉄法「たたら製鉄」。その製鉄法により、原料となる砂鉄と燃料となる木炭から純度の高い鋼を生み出した技術、そしてその鋼を「日本刀」へと昇華させた刃物文化は、世界に誇る日本の財産です。 

自分で削って作るという過程を通して道具への愛着を持ってほしい。道具を大切にしてほしい。そんな願いにも似た想いをこめて立ち上げた「FEDECA」は、簡単にものを捨てる消費社会に対する、私たちのアンチテーゼでもあるのです。 

刃渡り：93mm
刃の厚み：2mm
ハンドル：125x28x左10/右8mm
組立後全長：220mm (刃収納時 147mm)

素材：
刃：安来鋼の青紙、ダマスカス鋼（黒檀仕様のみ）
柄：ブナノキ、サーモアッシュ、ビルマチーク、黒檀

初心者の方から熟練者の方までお楽しみいただけるよう、様々なリターンをご用意しました。

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＜ブナノキ＞
固くて質感の良いブナノキ。肌目は緻密で淡いピンク色を帯びた乳白色。ステインやオイルによる仕上がりが美しい。

＜サーモアッシュ＞
深い色味と美しい木目が特徴的なサーモアッシュ。 高温乾燥により木の持つ水分（含水率）を極限まで下げることで、水に強く、高い寸法安定性と耐腐朽性を実現しました。 薬剤処理等を一切おこなわず熱と蒸気のみで処理されていますので、調理シーンでも安心して使っていただけます。

＜ビルマチーク＞
ビルマチークは、本チークと言われ、 インドネシアやマレーシアの植林チークと区別されるアジアが世界に誇る銘木です。耐久性･耐水性が高く、 抗菌、防虫性にも優れており、古来より豪華客船や高級クルーザーの内装材や甲板材、高級家具等に使用されてきました。

＜ダマスカス鋼・黒檀＞
黒檀は世界に流通している木材の中で、最高級銘木の一つとされています。材質は非常に重硬で水に強く、固く削るのは大変ですが高級感のある仕上りになります。刃には57層からなる特殊鋼材を熱間鍛造で鍛え上げた切れ味鋭い弊社オリジナルの積層鍛造鋼を使用。

＜くるみオイル＞
くるみの木から取れる乾性油で、天然の植物の中でも乾くと固まる性質をもった油です。ハンドル材やレザーケースに塗布していただくことで、樹脂化して補強や防水効果を発揮します。 また、素地に独特の光沢がでて自然な仕上がりを得ることができます。

＜レザーケース＞
本格派のサドルレザーを使用。最初はうすいベージュ色ですが、経年変化で日に焼けたりすると味わい深い褐色へと変化していきます。

※注意※
ケースはある程度削ったハンドル材にフィットするように設計されているため、そのままではケースに入りません。ケースに入るように、ハンドル材を削っていただく必要があります。

＜クラフトナイフ＆Safety Guard＞
削るのに自信がない方でも安心できるよう、特別にクラフトナイフをセット。また刃による怪我を防ぐためにSafety Guardもお付けします。鋼には高級鋼として有名な安来鋼の青紙を採用しており切れ味抜群。研ぎやすくて長切れする本格派のブレードです。

※注意※
Safety Guardをつけ深堀りするとガードが木にあたります。無理に削らず徐々に深く削ってください。

＜Q＆A＞
Q：対象年齢は何歳ですか？

A：ワークショップでは10歳からと年齢制限を設けています。しかし、親子で協力していただければ年齢は問題ございません。

Q：日々のメンテナンスはどうすればよろしいですか？

A：使用後、刃の部分はキレイに洗いオリーブオイルで表面を拭いてください。柄の部分はしっかり水をきり乾燥させてください。また定期的にくるみオイルでコーティングしていただくとカビの原因を防ぎます。

Q：失敗したときはどうすればよろしいですか？

A：Makuakeで購入いただいた支援者さまには、柄部分をご購入できるようアフターサービスさせていただきます。失敗も楽しんでいただき、困った場合はMakuakeフォームからご連絡ください。

Q：製作する上で、なにかアドバイスありますか？

A：作業される場合、薄手の軍手の着用をオススメします。また予め掘る部分を鉛筆で線を引くとわかりやすくなります。

その他ご不明な点は弊社ホームページ、またはYouTubeをご参照ください。
 

神沢鉄工株式会社： 

大工道具の生産がさかんな「金物の町」・播州三木地方（兵庫県三木市）にて明治28（1895）年創業。2014年、「木と鉄の文化の継承」をコンセプトとした、自社ブランド「FEDECA」を立ち上げ。一般消費者向けに刃物のある豊かな暮らしを提案すべく、オリジナリティ溢れる商品を生み出している。 

集まった支援金は「it"s my knife folding」やワークショップの広報、「FEDECA」新商品の開発費として使用させていただきます。

「FEDECA」の商品やサービスを通して、刃物に親しみ、その価値を知っていただくこと。ひいては、木と鉄により育まれた日本の刃物文化を次世代に継承していくこと。それが「日本最古の金物の町」として永い歴史と伝統を持つ三木に生きる私たちの使命です。 

ご支援、よろしくお願いします！