

伝統継承の危機にある白無垢生地
格式高い白無垢生地

結婚式の衣装の中でも人気が高い白無垢は、日本で古くから用いられている婚礼衣装です。
白無垢は「純潔」「神聖」「生まれ変わり」をあらわすとともに、神様に使える人の衣装にも使われていることから、「邪気を払う」という意味合いがあります。
白無垢生地の製造方法は特殊で、その織機を取り扱う技術を受け継いだ職人が、天然の「生糸」を使用した柄糸を一本一本丁寧に織りこむことで、模様が刺繍のように浮き上がるよう仕上がり、上質な光沢、重厚感と華やかさを持った生地ができあがります。
結婚式で白い衣装を身につける習慣は、平安時代の頃からあったとされています。 室町時代に入り、幕府によって婚礼の作法や衣装が定められて、白無垢が着用されるようになります。
江戸時代には、下着や打掛の裏に紅色を使用して、白一色の婚礼衣装に色を取り入れるようになりました。 白無垢は、現在でも神前式の正式な婚礼衣装として着用されています。
これらの伝統生地の生産は、京都においても継承され続けています。
衰退しつつある白無垢生地

しかし、近年の和装業界の衰退やそれに伴う後継者不足により、 生産規模を縮小したり、廃業する業者も増えてきました。
そのような状況下で日本の伝統文化の和装の婚礼衣装の中でも最も格式が高い白無垢の生地を織ることのできる織機、 職人も非常に少なくなっており、今まで培ってきた伝統が失われつつある状況にありました。
そんな中で「京都の織物の繊細な技術」「日本の伝統美」を失うことなく後世に伝える為に、 京都にある織元株式会社立野矢が立ちあがり、再現性はそのままに、生産の効率化に着手し、成功することができました。
今回、このような伝統を守ろうとしている織元の素材を、より多くの人にお届けできるように婚礼衣装以外の用途で、日常の中でその美を感じていただける商品を企画しました。
白無垢クラッチバッグ

柄について
今回、まず白無垢の柄が基本大柄である為、小物雑貨にも適したサイズの柄でかつ婚礼に関連する柄ということで、 自体が婚礼衣装であるウエディングドレスのようなレース調の花模様をイメージしたアラベスク模様調のオリジナル柄をデザインしました。
アラベスク模様は永遠性、豊かさ、繁栄を意味し、線が絡み合って続いていくことから永遠の愛を誓うシンボルとして用いられていました。
今でも恋愛関係に限らず、家族愛や友人愛も含め大切な人への贈り物にアラベスク模様のモチーフがよく用いられています。

商品について

今回のアイテム企画につきましては、白無垢生地の技法を用いた織生地ということ、 柄の意味合いも含めて色々な節目のセレモニーシーンで長く使っていただけるものをテーマに考えました。
その中でセレモニーの間、できるだけコンパクトに最低限に必要なものだけを身に付けることができる機能性と、 デザイン性を兼ね備えたクラッチバッグを企画しました。
シーンに合わせた3WAYの使い方

ストラップも色を合わせてオリジナルの織生地をテープ状にして作成したもので、 手持ちができるサイズから肩掛けサイズまで長さ調整が可能な仕様となっており、オケージョンに合わせた着こなしが楽しめます。(約45㎝~約83㎝迄)
機能的な収納仕様


がま口は大きく開き中身が見渡せて取りやすい仕様となっており、 じゃばら仕様のポケットはマチを広く取っており、スマホやスマートキー等もすっぽりと収納でき、 財布機能としてのお札入れ、カードポケットは6枚収納可能、小銭や小物を収納できる片マチ付きのファスナーポケット付き、 小さめの祝儀袋も収納できる機能的な仕様となっています。

細部までこだわった上品さ

口金の色は上品なシルバーのニッケルサティーナを使用。これはニッケルを厚塗りした後、 ヘアラインにより細かに塗装面を荒らしてマットに仕上げた、手間暇かけた口金です。

それぞれのカラーに合わせたパッケージは、中の織柄も綺麗に見えるような作りでギフトとしても、収納用としても上品かつ機能的なものになっています。
織元について

今回の白無垢生地を製造している織元、株式会社立野矢は西陣織の伝統を生かしながらも、織元ならではの自由な発想で現代のニーズに沿った「京織Ⓡ」という独自の織ブランドを展開しています。
織物を日常に感じられるよう「織れるものなら何でも織る」をコンセプトにチャレンジし続ける京都の織業界でも革新的な織元です。
白無垢生地は、職人の高齢化によって廃業をする織元が多く、婚礼和装業界では大きな 問題となっています。 その状態を憂いたこの織元は、自社の生産工程を見直し、これまで以上に生産性を高めて 織ることが出来る体制を構築しました。
失われつつある白無垢の伝統を消さないためにも、この技術をさらに活かし広める手段として 今回の白無垢クラッチバッグを企画しました。
※「京織Ⓡは株式会社立野矢の登録商標です」
実行者紹介
株式会社色織プロダクトの代表の田中です。
弊社では京都の染織業に従事される職人さんの技術が生きるデザインと企画を施し、オリジナルのテキスタイル雑貨としてカタチにするまでを生業としています。
私自身、長年京都で雑貨のモノづくりに携わってきまして、さまざまなご縁のおかげで、伝統技術や素材を生かした 商品企画を数多く経験してきました。 その経験の中で私はあることに気づきました。
もっとも大切にするべきことは商品や技術そのものでなく、人の思いそのものだということです。 人の夢や願いは時代と共に常に変化します。
それでもどんな時も変わらないのは、今日より明日がほんのわずかより良い日であってほしいという素朴で純粋な思いです。
伝統をよく知れば、もっと良いものを、もっと美しいものを、もっと快適なものを、そうした今日より良き明日を望んだ人の思いが作り上げたものでした。
そのような明日を良くしたいという人の夢や願いを商品というカタチにして世に伝えることこそ自分の使命であると志を見い出すことができました。
その志のひとつとして、長年お付き合いさせていただいている織元さんで廃れつつある「白無垢」の生地を織ることができるよう 努力されている姿を見て、私にも何か力になれることはないか?と考えた末、和装の生地としてではなく弊社の得意な雑貨で 結婚式だけでなく様々なセレモニーシーンで長く使っていただけるクラッチバッグを企画しました。
そして織元さんの思いと同様にその伝統美を絶やさぬよう、より多くの人にその思いを共有していただけるよう今回このプロジェクトを立ち上げました。
色織(イロオリ)とは、色とりどりの夢と願いを織成すことで独創的(オリジナル)なモノを生み出していきたいという思いを込めて付けました。
その思いを通して、作り手の方々と商品を手にしていただくユーザーの方々を笑顔にでき る、そんな存在でありたいと思っています。
takaoha1340
2025.02.24
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