私達が拠点を置く北海道は、国内でも有数な数の子の生産地として名を馳せております。弊社は北海道増毛町という日本海に面した場所で、創業昭和25年より72年間数の子作りを行っています。

数の子にも様々な特徴があり、本来の数の子の風味を最大限に引き出し、皆様に素材本来の味わいを知っていただくにはどうしたらいいのかを考えた時、辿り着いたのが"生かずの子"でした。

消費者の方々が数の子を口にした時に感動を覚えるような味にするには、どうしたらいいかを考えながら日々数の子作りを行って参りました。

かつて北海道の浜を銀鱗で埋め尽くしたニシンも昭和30年頃を境にパタッと姿を消し、幻の魚と言われるようになりましたが、数十年の時を経てここ数年北海道の浜にニシンが戻ってきました。

先人の方々の思いや関係者の努力に感謝し、その昔浜の漁師だけが口にできたホンモノの味わいを復活させたいとの思いから
「北幻真卵（ほくげんしんらん）」
というネーミングをつけ、新たな数の子作りにチャレンジしています。

北海道の日本海北西部側にある港町、増毛町。

弊社があるこの町も、かつては大正中期から昭和20年代にかけて、数の子の親であるニシンの漁獲高が全国でも上位に位置づけられるほどのニシンの町でした。

増毛町の町名の由来はアイヌ語で「カモメの多いところ」を意味し、すなわちニシンの群れにカモメが集まる場所。浜には鰊番屋が立ち並び、ニシン船に乗り込む漁師達によって浜は活気にあふれ、北海道でピーク時には100万トンに迫るほど豊漁だったニシンのおかげでこの町も繫栄し大きく発展しました。

写真提供：増毛町

ところが昭和30年代を境にニシンは徐々に北海道から姿を消してしまい、ついには「幻の魚」と呼ばれるほど水揚げ量が激減してしまいました。

その後、漁法も当時の定置網から現在の刺網漁に変わり、網目のサイズを規制したり、各浜が稚魚の放流を行ったりといった資源の回復に向けて、関係者の方々の懸命な努力が実り、北海道の浜に再び銀鱗の群れが徐々に還ってくるようになりました。

現在、国内で流通している数の子はカナダやアラスカなどで水揚げされた冷凍ニシンから作られたもので、水揚げ時に原料となるニシンを一度凍らせて、その原料を解凍しメスのニシンから数の子となる卵を取り出して加工していくのが一般的な製造方法です。
そうすることで原料の長期保管が可能になり、お正月の需要期に合わせて計画的に生産されるようになりました。

一方で、弊社の生かずの子作りは1月下旬～4月下旬にかけて北海道沿岸で水揚げされたニシンを工場に搬入し、一度も冷凍せずすぐに数の子の原料となる卵を取り出して加工していきます。

そうすることで、無凍結・無添加（保存料）の素材本来の味を残した数の子作りを行うことができるのです。

ニシンから取り出されたトロトロと柔らかい卵を薄い塩水に浸けて、何度も何度も丁寧に水を取り換え血抜き作業を繰り返し、徐々に塩分濃度を上げていき、最終的には飽和食塩水で塩〆することにより卵がカチカチに凝固します。

なんとここまで要する時間が5日～7日間という苦労の連続、全て手作業によるものなので大量には生産できず、弊社の数の子生産量のわずか1％にも満たない数量しか生産できませんが、半世紀という長い年月を経て、ニシンの再来と伝統製法により私達がこだわった生かずの子がここに再現されました。

現在では、春になると鰊の大群が沿岸に押し寄せ、その昔『群来』と呼ばれていた現象が北海道日本海側沿岸の至るところで毎年見られるようになり、数キロに渡って海岸を真っ白く染めるようになりました。

『群来』とは、春になり鰊が産卵に適した海水温になると、大量のニシンが産卵の為浅瀬に押し寄せ、メスの放卵とオスの放精が一斉に行われることによって沿岸部が乳白色に染まり海が白くみえる現象です。

この『群来』の再来のおかげで北海道の浜にも数十年ぶりに活気が戻り、ご年配の漁師さんは「長い間途絶えていた“群来”が毎年見られるようになりニシンと共に春が来る」とうれしそうな顔で話をしてくれました。

こうした海の恵みのおかげで、鮮度抜群のニシンの卵を生のまま加工、塩漬けすることにより、個体差はありますが繊細な生の卵がギュッと締まります。
形は曲がって見た目は悪いのですが、それこそが鮮度が良い“あかし”です。

素材本来の香りや風味、たくさんの栄養分が
そのまま凝縮されて卵のうまみが
ダイレクトに感じられる【生かずの子】です。

私達も長年培ってきた加工技術を基に、北海道の数の子本来の味を生かした味わいを楽しめる「生かずの子」をこれからも製造していきたいと思っておりますので、是非これを機にご賞味いただけたらと思います。

【北海道産 生かずの子 北幻真卵】

木箱入りでギフトにもぴったりです。

①200g×1袋（5本前後）

②200g×2袋（10本前後）

③200g×3袋（15本前後）

※本商品は冷蔵商品となります。受け取り後はすぐに冷蔵保管してください。
※冷凍保存はできません。冷凍すると数の子の風味や食感が失われてしまうため、保存方法にご注意ください。
※必ず塩抜きをしてからお召し上がりください。
※塩抜き後はお早めにお召し上がりください。
※特定原材料7品目　該当なし

＜数の子200gの場合＞

・水1.5リットルに小さじ1杯(約3g)の食塩を入れて溶かします。

・数の子を3時間浸します。

・2時間ごと3回～5回、この割合の食塩水を取り替えます。

・数の子のうすい膜を指でこするように取り除きます。

＊塩数の子は若干塩分が残っている状態が一番おいしく食べられます。

＊塩分を抜きすぎると、苦みを生じます。その場合は濃い目の塩水に1～2時間ほど浸します。

こまめに味見をするのが、上手に塩抜きをするコツです。

＜参考動画＞

数の子本来の美味しさを味わって頂くため、弊社では塩抜き後に味付けせず

そのままわさび醤油で

お召し上がり頂くことをおすすめします。

昭和初期から、豊かな漁場に恵まれた北海道増毛町で、前身である田谷商店として鰊を中心とした加工業を始めました。
その後、昭和25年に法人化し、北日本水産物株式会社を設立します。
昭和30年を境に鰊漁は皆無となり、また沿岸業も枯渇し、昭和40年に入り商社と提携し鰊を輸入します。
昭和45年には冷蔵を新築、倉庫及び保税蔵置の許可を取得、数の子生産を本格化していきます。
平成22年に北海道HACCPの認証、令和2年にJFS-B規格の適合を受けました。

長年、近海で水揚げされた新鮮な魚介や、海外から輸入された良質な水産物の製品加工を行っています。

▼お問い合わせ先

会社名：北日本水産物株式会社

TEL:0164-53-3333

FAX:0164-53-2160

企業HP：http://www.kitanihon.com/

Instagram：https://www.instagram.com/kazunoko_factory/