忙しい毎日。

騒がしく落ち着く様子のない世の中。

そんな中「ほっ、」と一息つけるのは食事の時間。

あたたかなご飯と味噌汁は、私たちの心をそっと励ましてくれる。

食事は五感を使って楽しむもの。

料理を作る音、香ばしい匂い、色とりどりの見た目、

口に入れたときの味、そして器の手触り。

手にしたとき、そのあたたかさに心が和む

「椀」にはそんな力があると、私たちは思います。

食卓がほっ、と一息つける時間になるように。

この大変な世の中で、皆様の心が少しでも和みますように。

そんな願いを込めた商品のご提案です。

森を活かし守るプロジェクト第2弾

面積の約９２％が森林という飛騨高山。

私たち東春慶漆器店は、この土地で三代箸を作り続けてきました。

この騒がしく、環境課題が多く残る世の中、

食卓に欠かせない「箸」を作る会社として、木を扱う者として

出来ることは何だろうと考え、始めたプロジェクトです。

ものづくりをする者として出来ることは、

使う人が心から満足できるものを作り

木々の価値を高め、多くの人に使って頂き、広めていくこと。

だと考えました。

第1弾は、笑顔の食卓を増やしたいとの思いから作った「飛騨春慶朝食シリーズ」

おかげさまで多数のご支援を頂きプロジェクトを成功させることが出来ました！

プロジェクトページ：https://www.makuake.com/project/keishichirou

こちらは現在公式ホームページにて販売中。

https://www.keishichirou.com/

今回第2弾として取り組むのは、岐阜県飛騨地方の杉を使ったお椀です。

天然石タイガーアイのような虎目模様。

少し歪みのある形。

1つとして同じものはない。

「飛騨杉」と「漆」が掛け合わさることで生まれた

杉の個性が際立つ「飛騨杉椀」

木目、色、風合い。

見た人を虜にする圧倒的な存在感。

木や漆のぬくもりは人の心を和ませてくれる。

手に取るたび、杉の育った年月に想いを馳せ、

その自然の力に私たちの心は励まされる。

この天然石タイガーアイのような虎目模様は

「杉」だからこそ出てくる模様であり

「漆」がその個性を際立たせています。

しかし杉材を使ったお椀というのはあまり一般的ではありません。

杉は他の木材と比べると軽く柔らかいのが特長です。

木目の線の部分は固く、木目と木目の間が柔らかい。

この場合、加工が難しくなります。

刃物の刃がよく切れるものでないと上手く加工ができないのです。

また軽く柔らかいということは空気を多く含んでおり、

漆を塗るとよく吸い込み、乾くと歪みが出てきます。

おそらくこの加工のしにくさと歪みが

杉のお椀が少ない理由なのだと思います。

しかし私たちはそこに魅力を感じました。

木目だけでなく、その歪みは人の手では作れない形。

その自然の個性は、無二の椀になります。

また杉が空気を多く含んでいるということは、

保温や断熱効果が優れているということ。

つまり料理の熱が手には伝わりづらく、料理の熱は逃がしにくい。

これは、「椀」にとって最適ではないでしょうか。

【すり漆仕上げ】

この椀は漆を何度も漆を塗り込む「すり漆」という技法で作ります。

空気を含んでいる分、他の材よりも漆をよく吸いこみ

何度も塗り重ねることで、より丈夫になります。

まずは、生漆という木から取ったままの漆を写真のように塗り込みます。

＊よく吸わせるため、手で漆をすり込みます。

手前が塗ったすぐ。奥が2回ほど塗り込んだ後。

この後、一度ふき取り乾かします。

これを４～５回繰り返し、

最後にMRS漆という、耐久性のある漆で仕上げます。

この漆は、漆の粒子を細かく潰す方法で精製され

温度変化などにも強く、傷つきにくい特長があります。

全体で１０ほどの漆の層ができることで丈夫になり、

食器洗浄機も使用可能です。

漆の３つのメリット

漆はウルシの木の樹液で、縄文時代から使われており

湿気、酸、アルカリにも強く、抗菌作用もあります。

熱に強く、体に有害な環境ホルモンなどは出てきません。

また光にあたることで漆が透けてきますが、

その経過も美しく楽しみなもの。

手間がかかる分価格も高価になりますが、長持ちし修理も可能。

漆器は長い目で見ると、とてもコスパのよい一品となります。

杉椀を使った食卓です。

ご飯と具だくさんのお味噌汁。

それだけでも十分。

発酵食品と野菜たっぷりの食事を日常的に。

何を盛っても様になる飛騨杉椀。

料理をさらに引き立たせます。

もちろん普段の器と合わせても、よく馴染みます。

洗っているときでさえ、この木目に癒されます。

みなさんは「杉」と聞くとどんなイメージをするでしょうか？

現代では「杉花粉」とイメージしてしまう方も多いかもしれません。

杉は主に建築や家具、彫刻、樽や桶、船、下駄などに使われてきました。

日本固有の木である杉は、日本全国ほとんどの地域で育ち、

成長も早いことから植林され重宝されていました。

杉花粉が…といわれるようになったのは最近のこと。

杉は昔から私たちの暮らしの中で一番身近な木だったのです。

「〇〇杉」と呼ばれる有名な杉は各地にありますが

私たちは地元、飛騨の杉を使うことにこだわりました。

木というのは同じ種であっても育つ地域によって

色や木目、質などが微妙に違ってきます。

住んでいる地域の木を活かす

それも私たちが大事にしたいこと。

私たちの住む飛騨高山は山々に囲まれ、

面積の約９２％が森林という自然豊かな土地です。

高山市では飛騨杉や地元の木を使った家づくりを推奨していますし、

杉の圧縮材を活用した家具や杉の割り箸などを作っている会社が高山にはあります。

とはいえ、まだまだその豊富な資源を活用しきれていないのが実情です。

これは高山市に限った話ではなく、

現在日本の森林が問題を抱えているのはご存知でしょうか？

日本では戦後、木材需要が高まり各地で森林を伐採。

成長の早い杉やヒノキなどを植林してきました。

しかしながらその後、価格の安い輸入材が出回るようになり、

国産材の利用が減少。

林業は衰退し、森の手入れがされなくなりました。

それの何が問題なのか。

木はたくさんあるんだからいいじゃないか。

そう思う方も多いはず。

正直、私もそう思っていました。

でも違うのです。

一度、人の手の入った森では

間伐など手入れをしていかないと木は育ちません。

木が育たないということは、

土、水、空気、生態系すべてに影響を及ぼすのです。

よく聞かれる、二酸化炭素の吸収では、成長期の木は吸収率がいいのですが、

成熟した木や手入れのしていない森の木々では吸収率は低下します。

【森林伐採しないことによる悪影響】

・地球温暖化防止機能の低下・土砂災害の増加・生態系機能の衰え

現在、日本は森林面積は過去40年間変化はありませんが

森林蓄積は年々増加するばかり。

これは使うべき森林資源が増えていることを表します。

日本は森林率（国土面積にしめる森林の割合）が先進国第3位。

と同時に世界有数の木材輸入国でもあるのです。

自国の森林資源は増え続けているのにも関わらず

世界から木材を輸入し続けている。

世界では森林は減少し続けています。

もちろんこれには様々な理由がありますが、

私たちの暮らし方が原因の一部でもあるのです。

例えば。

この新学期、学習机や家具を買われた方で、

国産材を使っているものを選ばれた人は？

自宅に国産材で作られたものはどれくらいあるでしょうか？

また日本は木材だけでなく、パーム油、天然ゴム、バイオマス燃料、

大豆、牛肉など多くの林産物・農産物を輸入していますが…

それらを生産するために森林が失われ、環境破壊も進んでいます。

目先の利益に囚われた私たちの今の暮らし。

そして生活のために森林を伐採する人々。

もちろん何を選択するかは自由ですが、

何を犠牲にしているのかを知っておかないといけないと思うのです。

「SDGｓ」「サステナブル」

その流行りの言葉に流されるだけでなく、

これからもこの地球に住み続けるために、

何をすべきなのか一緒に考えてみませんか？

このプロジェクトがそのきっかけになってくれたら幸いです。

木目や節ありのもの、ゆがみは自然なものです。

どのような模様が届くかは、開けてからのお楽しみ。

飛騨杉椀

持ちやすく、安定するように少し段をつけたフォルム。

椀の縁は口当たりよく、飲みやすいように少しそらせています。

男女兼用。

【商品サイズ】（約）

直径：11ｃｍ ／ 深さ：4.5ｃｍ ／ 高さ：6.5ｃｍ

「黒」と「紅」選べます。

飛騨杉椀 黒

漆に自社製造の墨を混ぜています。

【塗り】天然漆・墨 ／すり漆仕上げ 表面：MRS漆

飛騨杉椀 紅

食紅で下地に色をつけてからすり漆をします。

【塗り】天然漆・食紅／すり漆仕上げ 表面：MRS漆

存在感があるので、具たくさんの汁物にお薦め。

一汁一菜それだけでもご馳走に。

飛騨杉茶碗

ご飯を美しく見せる平形。

左：飛騨杉茶碗 右：飛騨杉椀

男女兼用。

【商品サイズ】（約）

直径：12ｃｍ ／ 深さ：4.5ｃｍ ／ 高さ：6.5ｃｍ

「黒」と「紅」選べます。

飛騨杉椀 黒

漆に自社製造の墨を混ぜています。

【塗り】天然漆・墨 ／すり漆仕上げ 表面：MRS漆

飛騨杉椀 紅

食紅で下地に色をつけてからすり漆をします。

【塗り】天然漆・食紅／すり漆仕上げ 表面：MRS漆

白いご飯で日常使いはもちろん

赤飯などハレの日のご飯にも。

子ども用 椀・茶碗

左：子ども用サイズ 右：通常サイズ

お子さんにも小さい頃から本物を使ってほしい。

お子さんにこそ使って頂き、豊かな心を育ててほしい。

その想いから子ども用も作りました。

形はそのままでサイズを小さくしました。

【商品サイズ】（約）

子ども椀

直径：10.5ｃｍ ／ 深さ：3.8ｃｍ ／ 高さ：5.5ｃｍ

子ども茶碗

直径：11.5ｃｍ ／ 深さ：3.8ｃｍ ／ 高さ：5.5ｃｍ

子ども用 飛騨杉椀・茶碗 どちらも「黒」と「紅」選べます。

4点セット

飛騨杉椀・飛騨杉茶碗・岐阜県産ひのき箸・飛騨杉箸置き

箸だけは、岐阜県産ひのきを使用。

杉は箸にすると、まっすぐ加工できず、曲がりやすいなど

不向きなため、岐阜県産ひのきにしました。

【商品サイズ】

椀・茶碗 同上

箸：長さ 23ｃｍ

箸置き：長さ 6.4ｃｍ・幅 1.5ｃｍ ・高さ 1.1cm

＊飛騨杉椀・茶碗 は「黒」と「紅」選べますが、箸と箸置きは黒一色となります。

子ども用 4点セット

子ども飛騨杉椀・子ども飛騨杉茶碗・子ども岐阜県産ひのき箸・飛騨杉箸置き

【商品サイズ】

椀・茶碗・箸置き ： 同上

箸：長さ 20ｃｍ

＊飛騨杉椀・茶碗 は「黒」と「紅」選べますが、箸と箸置きは黒一色となります。

Q：食洗機は使えますか？

A：はい。家庭用食洗機（100度以下）にはお使い頂けます。

通常より丈夫な食洗機対応のMRS漆を使っているので大丈夫です。

Q：漆は国産ですか？

A：漆は中国産です。現在日本で使われる漆は外国産がほとんど。

国産は１０倍ほど価格が高いため、今回は中国産を使用しています。

いつかは地元産の漆を使いたいと思っています。

Q：商品はいつ届きますか？

A：【早割】のリターン品は8月下旬までに発送予定。

その他のリターン品は10月下旬から順次発送予定です。

Q：商品サイズに（約）とあるのは？

A：手作りのため、若干寸法が違うことがあります。ご了承ください。

Q：写真と色が違うようですが…

A：木や漆の性格上、届いた商品と写真の色が違うことがございます。

Q：漆はかぶれると聞きますが、商品を触ってかぶれませんか？

A：通常、完成した商品では漆にかぶれることはほとんどありません。

万が一痒みなどの症状が出た場合は、お使いになるのをやめ、病院での診察をお勧め致します。

Q：修理はできますか？

A：一度当店までご連絡ください。

お使いの物を当店まで送っていただければ、修理致します。

長年使っていただくと剥げる可能性があります。

その場合は塗り直しをすることも可能です。

4/3 プロジェクト開始

製造開始

5/ 18 プロジェクト終了

【早割】で応援下さった方には、8月下旬より順次発送予定。

それ以外で応援くださった方には、10月下旬より順次発送予定。

実行者紹介

創業68年。

山々に囲まれた飛騨高山で代々「箸」を作り続け

飛騨春慶塗の箸や漆塗りの箸、無垢箸など

使いやすい箸を。と多くのお客様に提供してきました。

「木地加工」と「塗り」の分業が多い中自社ですべてを行う一貫製造をしています。

三代目は森林問題を知ったことで、国産材にこだわるようになり、

主にひのきは岐阜県産のひのきを使用しています。

私たち三代目夫婦と二代目、従業員2名の計5名の小さな会社ではありますが

機械系にも強く手先の器用な三代目の

「ものづくりを通して多くの人に感動を届けたい」という思いを軸に

特技を活かし箸だけでなく器なども製造しています。

昨年は自分たちで木を伐採してきました。

この伐採した木は乾燥させてから使うので、

製品になるのはあと１～２年ほどかかります。

これからもこのように自分たちでできることを一歩ずつしていきます。

【飛騨杉】

・飛騨森林組合様

HIDA TAKAYAMA FORESTRY COOPERATIVE (hida-takayama.org)

高山の森林を守り、育てる要となる存在です。

・倉地製材所様

有限会社 倉地製材所 (kurachi-seizaisyo.com)

「木に囲まれた暮らしを未来の子どもたちへ」

「都市の木造化は森林を生かす」という理念に共感しております。

【漆】

・箕輪漆工様

漆関連商品常時2000点以上の品揃え！ 日本一の漆屋『箕輪漆行』 (ocnk.net)
当店で使う漆はすべてこちらから。

漆の知識なども教えてもらい、長年お世話になっております。

【料理】

・料理教室由和主催、大家 由子様

由和＊ゆうわ (hida-ch.com)

今回写真撮影のため、料理を作って頂きました。

地元の食材を使い、発酵の料理やグルテンフリー料理の教室などを開催。

飛騨杉椀に合うレシピにもご協力頂き、商品とともにお届けしたいと思っています。

また最後になりましたが、この椀を製作するにあたり

飛騨高山の老舗料亭「角正」の12代目ご主人

角竹 正至さんにアドバイスを頂きました。

～料亭で味わう精進料理～ 精進料理 角正・飛騨高山
http://www.kakusyo.com/index2.html

当店の一位箸を使って頂いております。

祖父の代からの付き合いで、長年お世話になっております。

今回のプロジェクトでお椀を作るにあたり相談にのって頂きました。

繊細で上品、味も格別なお料理と歴史ある美しい庭園の料亭です。

ここに行くと心が落ち着きます。

高山にお越しの際はぜひともお立ち寄りください。