私たち Hakkaisan 八海醸造について

　霊峰八海山を仰ぐ美しい山里、南魚沼市。大正11（1922）年、この地に誕生した小さな酒蔵が、私たちHakkaisan 八海醸造グループの始まりです。先代たちの酒づくりへの情熱と開拓精神。そして米、麹、発酵に関わる深い知見と技術力は、現在の我々らしさをもつビールや焼酎、あまさけ、ウイスキーづくりにも受け継がれています。

　今、私たちは「永遠に終わらない会社」を目指しています。そのために必要なのは、「挑戦」「成長」「変化」に果敢に取り組むこと。そして社員一人ひとりが、社会から必要とされる存在になることです。

日本酒「八海山」の八海醸造 創業の起源

　八海醸造は新潟県南魚沼市で、日本酒「八海山」を中心に高品質な製品づくりを行っています。仕込み水は霊峰八海山の恵みを受けた極軟水「雷電様の清水」を使用。県内名水100選にも選ばれたこの水は、私達の酒づくりにとって最も大事な要素です。

　その素晴らしい水を使用し、地域の自然や伝統を大切にしながら、淡麗でバランスのとれた「よい酒」を常に追求し、食事とともにコミュニケーションを引き立たせる食中酒をお届けしています。

　山深い雪国の厳しい生活環境の中、初代・南雲浩一は地域の活性化を第一に掲げ、村に病院や製糸工場の誘致を率先して行っており、酒蔵を創業したのもその一つでした。しかし、地域の酒蔵としては後発であった八海醸造は思うように酒が売れず、苦労の連続でした。

　一方で、豪雪地帯ならではの低温多湿な冬の気候や、霊峰八海山の伏流水である「雷電様の清水」の清らかな極軟水という、酒づくりに最適な自然環境に恵まれた土地。そこに生真面目な魚沼人気質や越後杜氏の伝統が、「よい酒」をつくる気骨を生みだしました。

　目指す味わいは「酒としての旨みは十分にありながら、食事の邪魔をせず、いつまでも飲み飽きない酒」。強い信念のもと、とにかくよい酒をつくることだけを考え「八海山」の味を磨き続けました。

　創業当時からの「その地域の特性や秀でているところを活かし、愚直によいものを造り続ける」という姿勢は、八海醸造の礎となり、時代を越えて受け継がれる私たちの精神となりました。それは、単に美味しい酒を届けるだけでなく、地元の自然、文化、そして敬意を込めた酒づくりへの挑戦でもあります。

　この土地に根差し、人々の繁栄を祈念し、自然と調和しながら飲む人の心に寄り添う酒を生み出すこと。それが、八海醸造の変わらぬ使命であり、これからも守り続ける信念です。

八海醸造の目指す未来を形にするパートナー・｢Brooklyn Kura（ブルックリンクラ）｣

　Brooklyn Kuraは2016年に創業された、アメリカ・ニューヨークのブルックリンに拠点を置くSAKEの製造を行う酒蔵です。

　創業者であるブライアン・ポーレン(Brian Polen)氏と、ブランドン・ドーン(Brandon Doughan)氏はSAKEに魅了され、その伝統的な技法を世界のトレンドの中心地・ニューヨークのブルックリンで再現することを目指して、この事業をスタートさせました。

Brooklyn Kuraで醸されるSAKE

Brooklyn KuraのSAKEは、キャッツキル山地の水、アーカンソー州やカリフォルニア州で栽培された米、そして八海醸造とBrooklyn Kuraのパートナーシップによって設立されたニューヨーク市の醸造所で高い技術によって醸されており、世界中のどこにいても楽しめる世界クラスの製品を目指しています。

　Brooklyn Kuraでは日本の伝統的な清酒製造技術を忠実に再現しながらも、日本人とは異なるアメリカ人ならではの視点と感性を取り入れたSAKEづくりを行っていることが特徴です。

　原料の吟味やグルコース濃度の細やかなコントロールといった繊細なSAKEづくりへのこだわりはそのままに、ホップの添加をはじめとする革新的な手法を取り入れることで、これまでにないSAKEの世界を切り拓いています。

彼らの挑戦の始まり

　ブライアン氏とブランドン氏がアメリカの寿司屋で初めて日本酒を飲んだ時は「スピリッツのような強い苦味」を感じ、少し飲み慣れない印象を受けたそうです。

　しかし、ニューヨークのSAKEバー「デシベル」で再び日本酒を飲む機会があり、改めてその味わいの奥深さに感動。この経験が彼らをSAKEの世界に引き込みました。

酒蔵巡りで芽生えた疑問と夢

　ブライアン氏とブランドン氏が出会ったのは、共通の友人の結婚式で来日した2013年。当時ブライアン氏は金融機関のテクニカル・アナリストとして働いており、ブランドン氏がオレゴン州で生化学者として勤務していた頃でした。

　2人が日本を訪れた際に体験した酒蔵巡りでは、伝統的な酒づくりからうまれる日本酒の美味しさにさらに魅了されます。同時に、「アメリカでクラフトビールが盛り上がりを見せる中で、なぜSAKEは同じようにつくられていないのか」という疑問が湧き、彼らはアメリカでのSAKEづくりを志すようになりました。

　帰国後、自宅でSAKEをつくり始めた2人は、趣味で培ったクラフトビール醸造の経験を活かしながら、日本酒づくりの技術を独学で習得します。インターネットや酒蔵の知人のアドバイスを頼りに試行錯誤を重ねる中で、少しずつ品質を高めていきました。その過程で「本当に美味しいSAKE」をつくれるようになった喜びが、彼らの原動力となりました。

　そして、その伝統的な技法を世界のトレンドの中心地・ニューヨークで再現することを目指し事業をスタートさせたのです。

八海醸造とBrooklyn Kuraの出会い

　SAKEが海外でつくられるようになって30年以上が経ち、輸出額も年々増加して大きな成長を遂げています。しかし、依然として海外の市場では「外国の一風変わったお酒」という印象が根強い状況でした。そのような中で、八海醸造は清酒が世界で当たり前に選ばれ、楽しまれる存在となることを望んでいました。

　八海醸造とBrooklyn Kuraの出会いは運命的なものでした。日本国外での製造を検討していた八海醸造は、日本のビールやウィスキー、ワインがそうであったように、SAKEも現地の人々に愛され、自らの手でつくられることで初めてその地に根付くものになると考えるようになりました。

そんなタイミングで、業界の知人を通じてBrooklyn Kuraと出会ったのです。

　私たちはブルックリンと南魚沼を往来するようになり、お互いの理念や酒づくりへの理解を深めました。ブライアン氏が八海醸造を訪れ、八海醸造のメンバーと共に酒を酌み交わした際、Brooklyn Kuraが若い酒蔵ながらもSAKE製造に対する強い情熱を持ち、アメリカにおけるSAKEの未来に対する八海醸造と同じビジョンを共有する理想的なパートナーだということがわかりました。その時、八海醸造株式会社の代表取締役・南雲二郎はその場で八海醸造とBrooklyn Kuraの業務資本提携を決断したのです。

　SAKEの未来を共に切り拓いていくという新たな挑戦。この運命的な出会いは、八海醸造とBrooklyn Kuraにとって、新たな一歩となりました。

　今回のプロジェクトでは、そんな八海醸造とBrooklyn Kuraが力を合わせて生み出したニューヨーク発のSAKEを、日本初上陸に先駆けてどこよりも早くお届け致します。

Brooklyn Kura の特徴

1.「SAKEを世界飲料にしたい」という想い

　私たちBrooklyn Kuraと八海醸造は、日本酒を本当の意味で世の中へ広めていくためには、ワインが世界各国の土地でつくられているように、SAKEも世界中の文化の中で醸され、そのSAKEが様々な国々で日常的に消費される世界を作りだす必要があると考えています。

　そのためBrooklyn Kuraでは「現地の水と米を使うこと」「その土地の蔵人の手でつくること」「そのSAKEが現地の人々に飲まれ、愛されること」を大切にしています。

2.仕込み水と原料米へのこだわり

　Brooklyn Kuraと八海醸造が目指している酒質「食中酒としてのSAKE」を実現するためには、水への徹底したこだわりが重要です。八海醸造は霊峰・八海山から湧出される極軟水「雷電様の清水」を仕込み水としているのと同様に、Brooklyn Kuraの仕込み水についても、ニューヨーク市の北西部にあるキャッツキル山地の極軟水を使用しています。

　また、原料米についてもアメリカの現地でとれた米を使うことを大切にしています。今回お届けする3種類のSAKEは、アメリカ内で入手できる中でもっとも高品質であるアーカンソー州産の山田錦と、豊かな味わいを生み出せる性質を持つカリフォルニア州産のカルローズを使用して醸しています。

3.Brooklyn Kuraの杜氏と八海醸造の蔵人で醸すSAKE

　Brooklyn Kura 杜氏・ブランドン氏「伝統的な酒づくりを学ぶには、言語や文化的背景の違いから困難を感じることも多々ありました。それでも酒づくりへの情熱は変わらず、むしろその壁を乗り越える原動力となっています。八海醸造との業務資本提携を通じ、八海醸造がもつ約百年にわたる知識や技術を直接学ぶことができ、大変嬉しく思います。

　Brooklyn KuraのSAKEは、アメリカでつくられているほかの製品と比べてもクリーンで軽やかな味わいが特徴です。多くのお客様が初めてSAKEを試すことを考慮し、楽しんでいただける伝統的なスタイルのものを提供することを意識しています。

　また、それに加えて日本酒を知らない人々の興味を惹くような、新しいSAKEの製造にも挑戦しています。例えば、今回お届けするOCCIDENTALというSAKEは軽くドライホップを加えることで、ロゼワインのような華やかな色味と軽やかな味わいを表現し、特にビール好きの方に人気があります。

　日本由来の伝統的なスタイルと、ニューヨークならではの革新性を持ったBrooklyn KuraのSAKEで、より多くの人にSAKEの素晴らしさを知っていただきたいと思っています。」

　八海醸造の蔵人・梅原　俊一「私は元々南魚沼の八海醸造で蔵人として勤務していましたが、2023年の秋にアメリカへ渡り、Brooklyn Kuraにて製造の技術支援を通じて現地の酒づくりに携わっています。我々の目的は彼らが求める酒づくりを実現することであり、彼らの哲学を第一にしてサポートをすることです。八海山の技術をそのまま彼らに伝えるのではなく、彼らが求める酒づくりを実現するために、日々取り組んでおります。

　Brooklyn KuraのSAKEは、世界の皆様から「美味しい」と言ってもらえるように心を込めてつくらせて頂きました。NYの水と米、土地、そしてアメリカと日本の人が醸したSAKEです。 是非飲んでいただき、その違いを感じて頂けましたら幸いです。」

4. SAKEの情報発信基地・「Sake Study Center（サケスタディセンター）」

　Brooklyn KuraはSAKEの文化や製造工程に触れることができる「Sake Study Center（サケスタディセンター）」を製造所に併設しており、教育や啓蒙活動にも力を入れています。

現地の原料を使用した酒づくりの現場を見学でき、SAKEの知識を得られる環境があることにより、その土地の人々に製造工程やその背景が正しく伝わり、理解を深められると考えています。

Hakkaisan 八海醸造とBrooklyn Kuraの挑戦

　ワインが世界中の土地でつくられているように、SAKEも世界中の文化の中で醸され、そのSAKEが様々な国々で日常的に消費される飲料であること。それこそが、八海醸造とブルックリンクラの目指す「SAKEを世界飲料にする」ことです。

　しかしながら我々の挑戦にある以前の問題として、日本の日本酒市場は少子高齢化やライフスタイルの変化により年々縮小傾向にあり、その消費量はピーク時の3分の1以下まで低下しています。

　私たちの考える目的の達成のためには、減少の一途を辿る日本の市場を、まずは盛り上げていかなければいけない。国内市場を活性化させることが、「SAKEを世界飲料にしたい」という目標に向けた第一歩になると考えています。この最初の取り組みが、今回のBrooklyn Kuraプロジェクトです。

　ニューヨークで醸されたクールでスタイリッシュなBrooklyn KuraのSAKEを、オシャレなビストロやレストランで気軽に友人とワインを片手に会話を弾ませるように、カジュアルに楽しんでいただきたい。日本のより多くの皆様に、より多くの場面で、それを実現いただくことが日本の市場の活性化につながると信じています。

今回お届けする3種類のBrooklyn Kura SAKEの紹介

　Brooklyn KuraのSAKEはどれもアメリカらしいボディ感を持ちながら、香りがバランスよく抑えられており、食中酒として優れた仕上がりとなっています。

①CATSKILLS(キャッツキル)

　アーカンソー州産の酒造好適米「山田錦」を100％使用。11℃以下で発酵させることで、繊細で贅沢な味わいの SAKEを生み出しました。このSAKEの名前はBrooklyn Kuraがすべての酒づくりに使用する良質な軟水の供給源である「キャッツキル」山地が由来です。

　繊細でクリーン、かつ奥行きのある味わいが特徴で、トロピカルフルーツや繊細な柑橘系の香りに加え、ほのかなバニラのニュアンスが感じられます。酸味がバランスよく調和し、滑らかなクリーミーさが余韻に残ります。

　白身魚、ミニョネットソース（赤ワインビネガーの軽く渋みのある酸味と、 エシャロットの風味）を添えた生牡蠣、またはメロンやイチゴなどの 新鮮なフルーツと絶妙な相性を楽しめます。

精米歩合：50％

酒米：米国産山田錦（使用比率100％）

アルコール度数：16度

内容量：750ml

②GRAND PRAIRIE(グランドプレーリー)

　アメリカで初めて山田錦を栽培した土地「グランドプレーリー」という名を冠したSAKE。こちらもアーカンソー州産の酒造好適米「山田錦」を100％使用し、発酵温度を低く保つことで、 ドライで軽やかな吟醸酒の味わいを実現しています。ハニーデューメロン、青リンゴのような甘い香りに加え、スターアニス(八角)のほのかな余韻が楽しめる、個性的な1本です。

　生のホタテやクラブケーキ（日本のかにクリームコロッケと似たアメリカ料理）マグロのタルタル、だし巻き卵などの軽い料理とのペアリングがおすすめです。

精米歩合：60％

酒米：米国産山田錦（使用比率100％）

アルコール度数：16度

内容量：750ml

③OCCIDENTAL(オクシデンタル)

　伝統的製法でつくるSAKEに短時間のドライホップを施したチャレンジングな1本です。ホップを加えることで、香りに華やかさが加わり、個性的で柔らかなピンク色に仕上げています。

　「OCCIDENTAL(オクシデンタル)」という名前は「西洋」を意味し、 クラフトSAKEに対する独自のアメリカ的視点を表現しています。滑らかなベルベットの口当たりと、軽いハチミツのニュアンスと柑橘の皮のような後味が特徴です。

　そのまま楽しむのも美味しいですが、 ラムバーガー、グリルしたマグロステーキ、ローストポークロインなど、 夏のリッチな料理とのペアリングも絶品です。

精米歩合：50％

酒米：カルローズ

アルコール度数：14度

内容量：750ml

Brooklyn Kuraオリジナルグッズのご紹介

【Makuake限定デザイン】Brooklyn Kuraオリジナルステッカー

Brooklyn Kuraのロゴを冠したステッカーです。文字箇所が今回のMakuakeプロジェクト限定のカラーリングとなっています。(サイズ：5cm×5cm)

※こちらのステッカーは、すべてのリターンにお付けいたします。

【Makuake限定デザイン】Brooklyn KuraオリジナルTシャツ(ホワイト/ブラック)　

左胸にロゴ、背中にBrooklyn Kuraの門扉のデザインを施したMakuake限定Tシャツです。1サイズのみの展開で、色はホワイト・ブラックの2種類がございます。(着丈：76cm/胸囲：54cm/袖丈：21.5cm/素材：USA COTTON 100％)

・Brooklyn Kuraオリジナルピンバッジ

本国・アメリカのニューヨークでも人気のBrooklyn Kuraロゴデザインのピンバッジです。黒ベースにゴールドで表現されたロゴマークが、シックな雰囲気を醸します。(直径：4cm)

・Brooklyn Kuraオリジナルボールペン

Brooklyn Kuraの文字をあしらった黒のボールペンです。シンプルなデザインなので、日常やお仕事シーンでもお使いいただけるアイテムです。(直径：14cm、インク色：ブラック)

・Brooklyn Kuraオリジナルトートバッグ

Brooklyn KuraのSAKE(750ml)を2本収納できる、帆布素材のトートバッグです。バッグの中央には仕切りがあり、SAKE同士ぶつかることなく持ち運ぶことができます。(横幅：34cm/高さ：40cm/素材：綿100％)

各社代表からの、皆様へ向けたメッセージ

Brooklyn Kura代表・ブライアン氏「私は日本で飲んだ日本酒の美味しさに感銘を受け、より多くの人にSAKEを好きになってほしいという想いからBrooklyn Kuraを立ち上げ、八海醸造と共に伝統的な日本の酒づくりを尊重した、本格的なSAKEを製造してまいりました。そして今回のプロジェクトは、Brooklyn KuraのSAKEが日本の市場でその品質が問われます。このことは、我々の目標を達成する上での重要な第一歩だと感じています。私たちの想いとこだわりが詰まったSAKEを、日本の皆さまにも是非楽しんでいただければ幸いです。」

八海醸造株式会社 副社長・南雲真仁「私たちは長年にわたり「SAKEを世界飲料にする」という共通のビジョンを持ち続け、Brooklyn Kuraと協力してきました。多くの挑戦と努力を重ねてきた中で、このたびBrooklyn KuraのSAKEを、日本酒の発祥の土地である日本の皆様にお届けできることを大変嬉しく思っています。

　ニューヨークで造られたSAKEが現地の人々に親しまれ、誰かが酒づくりに魅了され、また新しい酒づくりが生まれることで、日本酒文化がさらに広がるきっかけになればと考えています。 」