名もない蒸留所 ウイスキー

表題の通り蒸留所名のない「名もない蒸留所」ウイスキーにも関わらず

前回のマクアケ公開時に応援ご購入してくださる方々がいらっしゃたことに、本当に「勇気」と「希望」いただきました。

想像もしていなかった反響を受けてから、前回の経験を活かして皆さまに樽毎の熟成のお味をもっと楽しんでいただきたく、今回急きょ第二弾となる樽出し原酒すべて「カスクストレングス」のプロジェクトを立ち上げることとなりました。

今年の桜シーズンに合わせて飲み頃になっていたサクラ樽熟成ウイスキーもご案内できる日が訪れたと思い、熟成の進んだミズナラ樽熟成ウイスキーと共に

九州産「桜樽熟成ウイスキー」を公開させていただきました。

皆さまにまた是非味わっていただきたい一心で 第二弾「名もない蒸留所」が手掛けるウイスキープロジェクトを開始します。この先続く味比べセットなどのストーリーをぜひ読んでいただければ嬉しいです。

Nameless Distillery ウイスキーは熟成過程の変化を楽しんでいただきたい

ひとつの樽から少しずつ熟成していく過程それぞれの味を楽しめるウイスキーを少しでも多くの方々に知ってほしいとの思いから始めたプロジェクトです。

ミズナラ樽 熟成が進む

とろりとした甘くて上品に薫るミズナラの風味が増した今回の樽出し原酒は、自然の中にいるようなうっとりとさせる特長のウイスキーになっています。

それぞれ飲まれる方のシチュエーションで楽しんでいただきたいと思います。

※熟成ミズナラ樽 NO.001 今回の商品では一番長い熟成ウイスキー

※早熟ミズナラ樽 NO.002 やや若い熟成ウイスキー

桜樽熟成も 飲み頃

ミズナラ樽 熟成が進む中、桜樽の原酒もそろそろ飲み頃を迎えました。

ストレートで口の中に少し含んだ時の味は 最初は樽の風味がまろやかに広がり 最後に残る桜そのものの ほのかな味の感覚をぜひ味わってください。

※熟成サクラ樽 NO.009 長い熟成ウイスキー

※早熟サクラ樽 NO.010 やや若い熟成ウイスキー

モルトウイスキーはどうやってできるの？

モルトウイスキーの製造工程をお話する前にちょっとした面白い豆知識があります。

ウイスキーで作用される「酵素」ということばを耳にした方もいらっしゃると思いますが、今では多くの酵素が色んな分野で大変役に立っているんだとか。。。

そこで、酵素の中でも「最初に発見された酵素はジアスターゼ（アミラーゼ）であり、1833年にA・パヤンとJ・F・ペルソ（Jean Francois Persoz）によるものである」と言われています。

ここでは、一般的なウイスキー創りと当社のウイスキー創りを 当社なりにイメージして合わせた表現で製造過程に触れてみました。

アミラーゼも登場しますので、そのまま見ていただければうれしいです。

モルトウイスキーの原料は 大麦

モルトウイスキーの原料は「二条大麦」です。

麦の中にある「酵素」というたんぱく質のアミラーゼ成分を出しやすくするために麦を発芽させるのです。

発芽麦を麦芽（ばくが）もしくはモルトと言い、ウイスキーでは輸入品でも国内品でも品質の一番良いモルトを使います。

※粉砕したモルト

糖分を作り出す

麦の中の酵素（アミラーゼ）と澱粉にお湯を加えて混ぜていくうちに甘い糖液が作り出されます。

それを麦汁（ばくじゅう）と呼び、中には糖分が含まれています。

発酵させたアルコール（モロミ）を作るためだった

麦汁の中に「酵母菌」を投入すると麦汁の中の糖分を栄養にして炭酸ガスとアルコールを作りだし、やがて「モロミ」という発酵したアルコールを生み出します。

その「モロミ」ちゃんたちは蒸留機に移され、最低２～３回蒸留されて無色透明なウイスキーNEW POT（ニューポット）が誕生します。

そのウイスキーNEW POTがウイスキー樽に詰められて、熟成し、まろやかな味になるのが「ウイスキー原酒」です。

このような工程で作られた当社のウイスキー原酒が、今回皆さまにお披露目するリターン商品となります。

樽と出会った頃のエピソード

北海道産ミズナラ材で造られたウイスキー樽が製造納品されてから、早6年になろうとしています。

色々な樽の中で一番心を惹かれた樽はミズナラ樽でした。

当初、樽メーカー担当者の方に ミズナラ樽の特長をたくさん説明していただき 木の素材とチャーリング後のサンプルそれぞれ送ってもらったのが下記写真になります。

※ミズナラ材のチャーリング前とチャーリング後の写真

※樽に使うミズナラ材とサクラ材の写真。サクラ材の方が硬い材質。

樽メーカーから当初は試作品と案内された桜樽200Lも、今では美味しいウイスキーになりつつ静かに出荷の時を待っています。

※ミズナラ材はANJOｰ001と002、サクラ材はANJOｰ009と010

リターン商品・・・樽材編

同じ種類の樽同士で、それぞれの熟成期間の違いを楽しめる「味比べセット」をご紹介します。

2つのミズナラ樽それぞれ熟成

同じミズナラ樽熟成でも微妙な期間と樽の違いで味比べが楽しめる『熟成001』と『早熟002』2種類をご用意しました。

※左の写真が『熟成001』で、右の写真が『早熟002』です

ミズナラ樽 001は今回公開する商品の中では一番長く熟成した『熟成ミズナラ』001という左下の商品となります。

右下の『早熟ミズナラ』002は、やや若い熟成の商品となります。

※左の写真が『熟成001』で、右の写真が『早熟002』です

2つのサクラ樽それぞれ熟成

同じサクラ樽熟成でも 微妙な期間と樽の違いで これもまた 味比べが楽しめる『熟成009』と『早熟010』2種類をご用意しました。

※左の写真が『熟成009』で、右の写真が『早熟010』です

サクラ樽熟成左下の商品 『熟成サクラ』と名付けて009は今回のサクラ樽熟成では長い熟成商品となります。

右下の商品はやや若い熟成の『早熟サクラ』が010となります。

※左の写真が『熟成009』で、右の写真が『早熟010』です

リターン商品・・・熟成・早熟編

リターン商品「味比べセット」のもうひとつお楽しみセットは 樽別熟成期間同士の飲み比べセットです。

ミズナラ樽とサクラ樽、長い熟成同士をまったりと味わえる

ミズナラ樽で長い期間熟成したウイスキーとサクラ樽との長い熟成期間同士で味わえるまろやかな味比べが楽しめる『熟成ミズナラ001』と『熟成サクラ009』をご用意してみました。

※左の写真が『熟成001』で、右の写真が『熟成009』です

ミズナラ樽とサクラ樽、やや若い熟成同士は新鮮なお楽しみセット

市販では味わえない早熟な若いお味同士『早熟ミズナラ002』と『早熟サクラ010』セットはまろやかな熟成になる前のウイスキーの味を見せてくれます。

※左の写真が『早熟002』で、右の写真が『早熟010』です

リターン商品・・・メニュー

下記リターン商品メニューでは「味比べセット」と「1本単品」をご案内しています

加工者という制約からの出発

当社は製造者ではありませんが、国内蒸留所から分けてもらった上質なニューポッドを自社が持つ樽で熟成した美味しいウイスキー原酒を少しでも多くのウイスキー好きの方々に向けて「熟成過程の変化の違い」を楽しんでいただく事を目指しております。

そこには「加工者」という限られた条件のもと、厳しい販路の制約の中に『マクアケ』という希望の選択肢が生まれました。でも、加工と聞くと何か手を加えたような先入観を感じてしまいます。特にウイスキーという歴史とストーリーのある世界には．．．

国内酒税法ではウイスキーや他の洋酒に関して「加工」という定義には加水して度数を下げる以外に何も手を加えてはいけないことを言い、原材料の異なるウイスキー（グレーン）など違う種類の原酒を混ぜたり、洋酒の性質を変えてはいけないことになっています。

本業は物流企業ではありますが、10年ほど前に酒類販売免許を取得して今では酒類「加工者」でもあります。ミズナラ樽とサクラ樽に出会い、お酒が熟成していく過程で変化する魅力と美味しさに惚れ込みました。ようやく皆様にご納得いただけるような味わいに育ったウイスキー原酒を「カスクストレングス」としてお届けできる日が訪れたことに感無量です。その魅力をぜひご賞味戴きたく第二弾としてマクアケ公開に挑みました。

一概に美味しいというウイスキーには正直、正解は無いと思っております。ウイスキーの楽しみ方は人それぞれであり、美味しいという感じ方もまた違います。ご自身で美味しさや楽しみ方を見つけることこそが愛好家の第一歩です。この機会に樽出しから手を加えないクラフトウイスキー独特の味や薫りの豊かさ、奥深さについて是非体験してもらって何かを感じて頂ければ幸いです。