シリーズ最小のフラットフラップ [フラットフラップ-ナノ]

前回の【フラットフラップ】はフルスペックの総合財布。最新第３弾[フラットフラップ-ナノ]は収納物を敢えて現金に絞り、サイズと使い勝手を追求しつつ新たな機能をプラスした新しいミニマム財布です。

必要な物のために

モバイル決済が浸透し、現金を使わない支払い方が一般的になりました。それに伴い紙幣や硬貨の出番は徐々に減っていますが、安定したインフラが不可欠な電子決済に現金決済がすべて置き換わることはないと考えます。それぞれの利点を踏まえ並存していくのが現実でしょう。

フラットフラップ-ナノはドラスティックに支払い方法を見直し、大胆に財布の中身の選別を進めているミニマムを志向する方々に向けたレザー財布です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

1．小さく、薄く

お金を入れる道具としての必要な要素を一つ一つ見直し、再構築した末に辿り着いた極小サイズです。

外寸：W49mm×H8５mm(突起含まず)×D17mm

重量：21g

フラットフラップ-ナノのサイズは【フラットフラップ】の半分以下です。

2．必要な量をミニマムに

財布の中身の必要最低量は人それぞれ、でも目安はあるはずです。お金の使い方のこれからを考えます。

硬貨は１７枚ほど、紙幣は１０枚程度の収納を想定しています。

※硬貨の種別、紙幣のたたみ方、レシートなどの有無によって収納数は変化します。

3．機能と使い勝手とディテール

収納物を現金に絞ることで"カードサイズ”より小さいサイズを実現しました。とはいえ、小さすぎて扱いにくくならないように機能、使い勝手、サイズ感の最適なバランスを探りました。

留め金具

表フラップはホック金具でパチンと閉じます。

紙幣の出入り

上部及びサイド方向からの紙幣の出し入れが可能です。

紙幣の押さえ

押さえにより開閉時の紙幣のバラつきを抑えます。

紙幣止め

レジ前で受け取った紙幣やレシートを、いつもその場でキッチリと収めれられるわけではありません。そんな時に紙幣がズレ出ないようにおさえてくれるツメがあります。また本体をリングでぶら下げた逆さま状態にも有効です。

※ホックをとじれば紙幣は挟まり簡単にズレ出たりはしませんが、入れ方によってはみ出る場合があります。

硬貨室

硬貨スペースにフタ留めやフタそのものが無い場合、不意の落下時に中身をバラ撒いてしまいます。フラットフラップ-ナノにはうっかりの代償を軽くする留め付き中フラップがあります。

中フラップ先端の差し込みベロを受け穴に差し込んで留めます。

根革（通し帯）

リング連結で、使い易さと使い方を拡張します。

付属リング

リングに指を通すことによって極小の本体がより扱いやすくなります。

4．シンプルな操作性

「取り出す」「しまう」の基本の動作を直感的に。極小サイズを生かした片手でも扱いやすい設計になっています。

硬貨を出すときは中フラップをずらすだけ。閉じるときは受け穴にベロを差し込み固定します。表フラップのホックをとめれば、硬貨が漏れることはありません。

紙幣は二つ折りにしてから収納します。

5．繋げて拡がる新しいかたち

フラットフラップ-ナノ底部に設けた根革(通し帯)に、二重リングや革紐など色々なものを連結することで使いかたが拡がります。

連結用例

様々な連結アイテムで新しいアイディアが広がります。

ナスカン使用例

革紐φ2.5㎜使用例

ーーーーーーーーーーーーー

潜在的[フラットフラップ-ナノ]ユーザーとは？

・財布の中身の整理に進めている

・現金以外の支払いは全てスマートフォンに集約している

・ポイントカード、メンバーズカード等はすでにアプリに登録済み

・パスケースを使っている

・極小財布とAirTagをつなぎたい

・現金の携行は最小限に抑えたい

・緊急時のために紙幣やコインは必要

・カギと財布を一体で持ち歩きたい

・レシートは受け取っている

・支払いが現金のみの場所に行く機会がよくある

・ヌメ革の経年使用の変化を見届けたい

・細かい作りのモノに目が行く

・車のキーに現金を連結したい

・ポケットの活用が著しい

・持ち物の嵩を減らしたい

・手ぶら外出がデフォルト

思い当たる項目があればご検討ください。

ーーーーーーーーーーーー----

カラー４

フラットフラップ-ナノは4カラー展開です。

グリーン・クロ・コゲチャの3色は染料染め芯通しです。裏面まで染料が通っています。表面は塗装面のように均一ではありませんので、より革らしい経年による変化を実感できます。ツヤは控えめです。表情豊かで温かみのある雰囲気です。

ナチュラルは染料を入れていない革そのものの風合いです。経年による表情の変化の幅が一番大きいカラーです。

※全カラー裏面に毛羽立ちを抑える加工を施しています。

※モニター環境によって各カラーの色合いなどが実物と異なる場合がございます。

※生産ロットによって各カラーの色味や濃淡、ツヤ感が異なる場合がございます。

素材

兵庫姫路産のフルタンニン鞣し染料染の牛革を使用しています。ヌメ革とも呼ばれます。染料染加工は革全体に染料をしみ込ませた後、表面に染料を吹き付けて着色をします。そのため革表面には強いコーティング層はできません。顔料染めやPVC加工等された革と比べて革表面はデリケートです。

新技法[孔凸接合]の性質上、しなやかさと剛性のバランスが非常に重要なので厚みがあり、繊維が詰まったハリのある革素材を吟味しています。ソフトで伸びやすい革は適していません。経年に耐える革らしい革です。

染料染の革には生き物としての証が隠されることなく残り、それぞれに二つとない表情が刻まれています。毎日のご使用によりアタリや艶、時に痕跡などが少しづつ重なり、じんわりと使う人のものになっていきます。

ーーーーーーーーーーーーーーー

デザインの視点 ­­⏤FlatFlap-nano⏤

紙幣を二つに折りたたむ

フラットフラップ-ナノは収納を現金に絞ることで小型化を実現しました。それに伴い収納時には予め紙幣を二つに折りたたむ必要が出てきます。デザインの目的の一つは利便を向上させること。サイズダウンのために使用者に手間を一つ追加することが妥当なのか、ためらいもありました。しかし今の現金の使用の実情と小型化による携帯性の向上、この二つの要素を検討した結果、携帯性向上の方に分があると判断し「紙幣を折りたたんでから収める」という仕様を選択しました。時代とともに道具も少しずつ適応進化していきます。

ーーーーーーーーーーーーーーー

二重リング装着脱着時の注意

本製品で使用の革素材の表面はデリケートでキズが付きやすい傾向があります。二重リング装着脱着時にはできるだけ金属の先端が革表面に触れないようご注意ください。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

○AirTagジャケット

つるっと丸いAirTagをより扱いやすくするためにヌメ革で包んでリングを付けたプロダクトがAirTagジャケットです。革素材はフラットフラップ-ナノと同じ染料染のフルタンニン鞣し。豊かな経年の変化を実感できます。

AirTagをもっと使いやすく

日本国内で圧倒的シェアを誇るiPhone。そのAppleのiOSに対応するスマートタグがAirTagです。大切なものにぶら下げておくだけで、万が一の時に居場所を教えてくれる強い味方です。

complete

AirTagはサイドからIN！

取り出し

※ジャケットの上から中のAirTagを枝豆のように何度も押し出すようにつまみ、少しずつ滑らせて出口へ移動させます。革が馴染むまで出しにくい場合があります。

AirTagジャケットのカラー４

※全カラー裏面に毛羽立ちを抑える加工を施しています。

※モニター環境によって各カラーの色合いなどが実物と異なる場合がございます。

※生産ロットによって各カラーの色味や濃淡、ツヤ感が異なる場合がございます。

ーーーーーーーーーーーーーーー

デザインの視点 ⏤AirTag Jacket­­⏤

新しいカタチ

孔凸接合だからできる、アールが特徴的なフォルムを実現しました。縫製や接着など一般的な技法で同様のフォルムを作れるかどうかは分かりません。革の可塑性を利用した「水絞り」という技法でアールを作ることもありますが、ここまで深い構造のアールを作ることは難しいでしょう。新しい技法が新しいカタチを作ります。

ーーーーーーーーーーーーーーー

AirTagジャケットの注意点

AirTagジャケットはAirTagの寸法に沿ったタイトな設計になっております。スマートタグの機能性を考慮して、敢えて気軽に出し入れできる構造にはなっておりません。AirTagが使用可能な状態をご確認の上、AirTagジャケットに収めてください。予めご承知おき下さい。

AirTagは付属しません。

二重リング装着脱着時の注意

本製品で使用の革素材の表面はデリケートでキズが付きやすい傾向があります。二重リング装着脱着時にはできるだけ金属の先端が革表面に触れないようご注意ください。

ーーーーーーーーーーーーーーー

※各プロダクトにはリングが付属します

ーーーーーーーーーーーーーー

新しい作り方の意味

糸は1mmも使わない

革製品の糸縫製をやめました。革素材を綿密な設計のもと裁断することで、ミシン工程を踏まずに既存の縫製品と同等かそれ以上の構造やデザインのレザープロダクトを作ります。

縫製(ミシン)をしないということはプラスチック不使用を意味します。糸はとても小さな存在ですが、世に出回る総量を考えれば無視はできません。使用せずに済むのであればそれに越したことはないのです。糸切れによる破損のリスクも無くなり、より長く革が朽ちるまで製品を使用することができるのです。

肉食とレザープロダクト

いま革を使ってプロダクトを作ることは環境問題の視点から考えると少し複雑です。

皮革産業は畜産業の副産物によって成り立っています。食肉のこれからと切り離して考えることはできません。レザープロダクトメイカーもその中にいます。

牛を育て食卓に供せられるまでには膨大な水や穀物、豊かな土地が必要であり、牛が日々放つゲップには二酸化炭素の何倍もの温室効果ガスのメタンが含まれています。

肉牛生産は資源消費とそれに伴う環境負荷が非常に高く、今すぐにでも牛肉食をやめるべきという意見もあながち極端ではないそうです。バイオミートなど植物性の"肉"の開発も進んでますが、それが現在の食肉に取って代わるのはいつになるのでしょうか。

これからも私たちが肉食を続ける限りは、フードロス同様“レザーロス”を起さないためにもレザープロダクトを作り、使い続ける必要があります。それと同時に素材や製造現場を含めた作り方を見直す時期にあるのかもしれません。

プラスチック汚染や地球温暖化など解決すべき課題に対して、モノをつくる側としてできることからはじめます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

孔凸接合とは

ローテク×イノベーション

動物の革を利用して暮らしの用具を作ることは人類が手にした最初の工業技術と言えるでしょう。孔凸接合（コウトツセツゴウ）は針も糸も使わない、新しいレザー製品の技法です。革端の切形状のデザインにより縫製工程を経ることなく、革を自在に造形することを可能にしました。

接合の強度

検査機関のテストセンターによる孔凸の接合部分の引っ張り強度検査(JIS L 1093グラブ法)で、838Nという値が示されました。これは検査機関の定めるカバンの底の縫目の強度の基準150Nの実に５倍以上の強度を示します。

特許

縫製に依らず複雑で自由な造作を実現する技法として特許（国内）を出願しました。従来の技法や機器にとらわれずレザープロダクトを作製できる新たな技法として今後さらなる発展を目指します。

実行者〖孔凸デザイン〗

考案者・柳澤がデザイン 製作を手掛けるプロダクトメイカーです。

レザーを含むバッグ類の縫製の製造現場の経験から、縫製をしないレザープロダクトの可能性を確信しています。これからの革製品デザインを考える些細なヒントになれればという思いです。

商品仕様

・フラットフラップ-ナノ

外形寸法 ：（約）W49×H90×D17（ｍｍ）
製品重量 ：（約）21g
素材 ：牛革（姫路産）
生産国 ：日本
金具 ：真鍮製（一部鉄製）
付属品 ：真鍮二重丸リング(25mm)

・AirTagジャケット

外形寸法 ：（約）W40 ×H61 ×D10（ｍｍ） (リング含まず）

製品重量 ：（約）４ g (リング含まず）

素材 ：牛革（姫路産）
生産国 ：日本
金具 ：真鍮製
付属品 ：真鍮二重丸リング(25mm)

※ AirTagは付属しません

貼り箱に入れてお届けします

配送について

追跡が可能なレターパックプラスでの発送を予定しております。