酪農/農業が唸った極寒を乗り切る靴下

はじめまして！
私たちは、国産靴下にこだわってモノづくりをしている
靴下専門企業 タビオ株式会社といいます。

全国で、「靴下屋」「Tabio」などの靴下専門店を展開し、カジュアルソックスだけではなく、スポーツソックスや健康向けのアイテムなども販売し、2023年で55年目の会社です。

また、靴下の販売だけではなく、奈良県の広陵町にて無農薬での綿花栽培を行っております。

酪農家・農家の足元を救いたい

冬の北海道の農家・酪農家は-10℃にもなる極寒の中で働かないといけない。

足底の防寒性の低い長靴を履き、大地からの冷気に苦しめられている。

そんな過酷な環境の中で私たちの食卓に収穫物を届けるために頑張る酪農家・農家さんから私たちの元に『足元が凍（しば）れない靴下を作って欲しい。』という声が届きました。

しかし、私たちが専門としているのはファッションやスポーツや健康系など、日常生活を行うための靴下であって、農業用靴下は作ったこともなく未知のものでした。

そして、2022年に第一次産業従業者向けのサイト運営をされているYUIME株式会社との出会いもあって、本格的な農業用靴下の開発プロジェクトを開始することを決意いたしました。

制作を進めるにあたり、私たちはその過酷な環境でのテストが課題でした。そのため、YUIME Japan のサイトを通じて、一緒に共同開発してもらえる農家さんにアンバサダー募集を行い、さまざまなジャンルの農家さんたちとテストと試作を繰り返しました。

商品開発は、スポーツソックスに特化したブランド「TABIO SPORTS」の開発者が担当。

そして、約1年の試作と改良を続け、ついに『足の凍（しば）れない農業用靴下』が完成したのです！
それがTABIOの『FARMERS FOOT WEAR』です！

TABIOが本気を出した、極寒にも負けない靴下は、まるで足元を温める履く暖房。

酪農家/農家の皆様、またそれ以外の皆様にも普段履きから、アクティブシーンなどでも活躍する一足。

底冷えする家の中で履くことで、節電対策にも繋がります。

この一足で、寒い冬も乗り切りましょう。

こだわりのパイルで足底を救う

まず私たちが一番重要としたのは「足底を救う」こと。
酪農家さんが働く牛舎の床はコンクリート。
固く冷たいコンクリートの床が体力を削っていきます。

そのためクッション性の高いパイル構造を採用。

また、-10℃の極寒も耐えれるように、繊維自体が空気を保持できるウールの梳毛糸を採用し、吸放湿性に優れているので汗の蒸れによる汗びえを防ぐ事ができます。

ウールは、弾性回復力をもたせスポンディッシュなパイルを形成するために繊維が太くちぢれの大きなクロスブレッド種を、繊維の太さは23~25ミクロンと圧倒的に太いストロングメリノとブレンドしました。

パイル靴下の編み機は、希少な機械でのみ作る事ができるアメリカンパイルを使用しました。
このパイルの特徴としては、通常のパイル靴下（サンドイッチパイル）は表面とﾊﾟｲﾙループは同じ素材を使うのに対し、アメリカンパイルはパイルの部分だけ別の素材を使うことができます。

圧倒的な保温率！

保温率の検査を行い、従来商品の商品の保温率が22.4%、24.3%だったところ、今回のアイテムはパイル靴下で52.6%、五本指靴下で44.2%と圧倒的に高い数値を示しました。

つまり、体が生み出した熱を逃さず閉じ込める力が強い、ということが証明されたのです。

保温率とは？
発熱体が温度を維持するために使ったエネルギー量から、試料の断熱性を評価したもの。
試験機を用いて、一定温度（環境温度＋10℃）に設定した熱板に試験片をセットします。試験片を介して放散された熱量（a）を求めます。試験片をセットしない状態で放散された熱量（b）を求め、下記の式に従い保温率（％）を算出します。

保温率(%)＝(1-a/b)×100

※③綿72% ウール18% ナイロン9% ポリウレタン1% ④綿40%アクリル4-%ナイロン19%ポリウレタン1%
検査：ユニチカガーメントテック株式会社 2023年9月11日

吸放湿性は重要！

また、吸放湿性は重要で、密閉された長靴での長時間の作業は非常にムレやすく、
かいた汗を吸放湿性が低い靴下だと吸わず足に水分が付着し、それが冷気によって冷やされる事で、更に冷たくなってしまうという事態に陥ってしまいます。霜焼けなどもその結果起こりやすくなります。

そのため、吸放湿性に優れたウールを肌に当たる部分に使用いたしました。

また、今回の靴下は重ねばきをせずに１枚で履ける靴下として設計しています。
なぜかというと、防寒のための靴下の重ねばきは血流の悪化の恐れがあるため、そのリスクを減らすのが目的です。

耐久性も備える工夫！

暖かい。でも弱ければ意味がない。
そして農業用と家庭用の靴下で重要度が異なるのが「耐久性」です。

ワンシーズン破れず履いてもらえる事を目指し、靴下の表面に耐久性の高いナイロン糸を配合し、長靴の擦れによって靴下が傷つきにくく、そしてつま先足底かかと部分にはリサイクルポリエステル繊維による補強を施しました。

不整地でのフィット力強化

農業や酪農において、不整地の使用は前提条件。

そのため靴下のズレを防ぐため土踏まずにサポートを挿入。

長靴での利用時にも靴下のズレが最低限になるようにいたしました。

要望から生まれた五本指靴下

そして、酪農家・農家さんとのテストの中から「五本指靴下もほしい」
という要望が上がってきたため、五本指靴下もラインナップに加えました。

五本指靴下は、指の間に生地が入る構造になるため、先ほどのパイルより薄手となります。特徴として防寒力そのものはパイルソックスより落ちてしまうのですが、より地面を踏み込む力と、指の間の汗を吸い取る力は向上しています。こちらもウールの梳毛糸のパイルを備え、基本的なサポート機能などはパイルソックスと同一となります。

酪農家・農家さんテスト結果

北海道　Becotto（ベコット）様

「あったかくて可愛い軍足が欲しい！」そんな酪農女性の声を聞いていただける奇跡のようなご縁をいただき、大変感謝しております。
普段当たり前に履いている靴下ですが、糸一つとってもそれを選ぶ理由があり、たくさんの方が試行錯誤して作ってくださっていることを、本企画に携わり実感することが出来ました。
気温が低くて寒さに悩む一人として、この靴下の良さを多くの方に知っていただけたらと思います。

長﨑県　前田農産 様

真冬のレタスの収穫作業では、ずっと座って作業をします。作業用の地下足袋は作業しやすい代わりに靴底が薄いため、冷たい地温がダイレクトに足に伝わりにしもやけになることもありました。

これまでは靴下を重ね履きして対策していたのですが、今はこの1足で耐寒できています。

1シーズン着用しても伸びたり毛玉ができることも無かったので、耐久性もばっちりでした。

履き心地が良く蒸れない、靴の中でずれることもないのでまさに理想の靴下です。

長野県　宮下果樹園 様

12月雪が降るか降らないかの狭間で、最盛期となったリンゴの収穫をするのですが、朝晩の冷えは凄く、リンゴが本当に美味しく実るのとは引き換えに、足先からの冷えでブルブル震えながら、とにかく動くしかない！笑　とカラダを動かして対処していました！

そして1〜2月には雪が何十センチも畑に積もる中、美味しいりんごを作るのに最も重要な、来季に向けたリンゴの木の剪定作業(木を切り整えていく作業)を行っています。

長靴を履いて、暖かめな靴下を履いて、ズボッズボッと雪の中に常に足を入れながら作業するので、どんどん足は冷たくなっていき、やり続けたら凍傷になってしまうほどです。靴下用のホッカイロを毎回張って対応していましたが、一瞬温まると汗をかいて、汗冷えからさらに冷たくなる循環で、真冬の作業はなかなかこたえます。

まずヒトタビ足を入れた時のふわふわ感が気持ちよくて、分厚くてこれは暖かそうだ！という最初の印象でした。それでいて足にしっかりフィットしてずれずに、とても足捌きもよく作業もしやすく、これは冬場の作業にいいぞ！！と思いました！

逆に暖かすぎてまだ暑さが残る秋に履いたとき、

足がHOTになりすぎて困りました笑

なのでやはり冬場の強い味方になってくれそうです。

（その他、協力いただいた農家さま/順不同）

静岡県　SERIZAWA MARCHE（セリザワマルシェ）様

青森県　たばこ農家　折舘 様

北海道　有限会社　高橋農場様

北海道　五十嵐ファーム様

あらゆるシーンで大活躍

・キャンプにも

・登山にも

・日常使いにも

どんなシーンでも、このソックスであなたの足を寒さから守ります。

商品詳細

Ｓサイズ（23.0㎝ ～ 25.0㎝）　ｳｰﾙ65%、ﾎﾟﾘｴｽﾃﾙ19%、ﾅｲﾛﾝ15%、ﾎﾟﾘｳﾚﾀﾝ1%
Ｍサイズ（25.0㎝ ～ 27.0㎝）　ｳｰﾙ67%、ﾎﾟﾘｴｽﾃﾙ19%、ﾅｲﾛﾝ13%、ﾎﾟﾘｳﾚﾀﾝ1%

Ｓサイズ（23.0㎝ ～ 25.0㎝）　ｳｰﾙ56%、ﾎﾟﾘｴｽﾃﾙ29%、ﾅｲﾛﾝ11%、ﾎﾟﾘｳﾚﾀﾝ4%
Ｍサイズ（25.0㎝ ～ 27.0㎝）　ｳｰﾙ56%、ﾎﾟﾘｴｽﾃﾙ29%、ﾅｲﾛﾝ11%、ﾎﾟﾘｳﾚﾀﾝ4%

製造者

製造工場　株式会社 キタイ
奈良県香芝市にてスポーツソックスを中心とした繊維製品の製造を行っています。
主に大手スポーツメーカー等のOEMを行い、タビオの商品も担当。
今回、設計に携わったのは、アトツギの兄・喜夛智史（丸指）弟・喜夛敏之（五本指）

タビオ様から「農家や酪農家のための靴下を作りたい」とのご相談を頂いた時、弊社が得意とするトレッキング（登山）用ソックスの技術がお役に立てるのではないかと思いました。

なぜなら、農家や酪農家の方々のお悩みとしてお聞きした「足の冷え」や「蒸れ」といったものは、登山愛好家の方々が抱えるそれと、非常によく似ていると感じたからです。

当プロジェクトで使用したウール糸は、冬山登山や縦走などで着用される極厚ソックスの素材としても使用しているもので、とても暖かく、耐久性にも優れています。

この特別なウール糸を活用し、農家や酪農家の方々に最適な新しいソックスが生まれました。

弊社が日本で長年培ってきた靴下作りの技術が、同じく日本で食文化を支えてくださる農家や酪農家の方々のお役に立てましたら幸いです。

昭和26年6月　喜夛伊靴下工場として奈良県香芝市にて創業
昭和41年1月　会社設立
平成25年3月　喜夛智史が専務取締役に就任
平成31年3月　喜夛敏之が常務取締役に就任

企画　タビオ株式会社　
商品部　田口喜広

1通のメールから、新しい靴下が誕生しました。
酪農家、農家の方々が過酷な環境下で仕事をされる中で
食文化を支えて頂いている現状を伺うことができました。
我々は靴下を通じて酪農家・農家の方の足をサポートしたいとの
思いから、協力工場様と着用感がよく、温かく、足を保護する
靴下の提案につながりました。靴下を通じて多くの酪農家・農家の方の喜びが広がることを期待しています。

タビオ株式会社
タビオ株式会社は1968年の創業以来、50年以上にわたって「靴下をはいていることを忘れてしまうような“第2の皮膚”」をめざし、追求してまいりました。
繊細な はき心地の靴下をつくるために、商品は、長年の経験と技術を積んだ日本の職人たちが一つひとつ丁寧に編み立てています。
現在では日本全国で、「靴下屋」「Tabio」「Tabio MEN」などの靴下専門店を242店舗（2023年9月末時点）展開しています。
また「Tabio」名の店舗をパリ、ロンドンなどにも展開中で、Made in Japanのはき心地とデザイン性は、海外でも高い評価を得ています。