■クラウドファンディングの趣旨
岩井澤健治監督による初の自主制作長編劇場用アニメーション「音楽」の２０１９年完成、劇場公開に向けて【制作応援メンバー】を募集いたします！

■企画意図、覆すための挑戦。＜監督：岩井澤健治＞
僕は”前例がない”という言葉が嫌いでした。
映画関係の仕事をしていると良く聞く言葉ですが、多分これはどの業界でも使われている言葉だと思います。
「音楽」を企画した大きな理由の一つに個人制作での長編アニメーション映画は”前例がない”からこそ挑戦してみようという思いからでした。

自主制作でやるからには他では出来ないアプローチが必要だと常々考えていて、大橋裕之さん原作の「音楽」も映画化は難しいと言われていた作品でした。
以前にも「音楽」映画化を模索したことがあるのですが、漫画だからこその表現である”音”の壁があり、当時は解決策を見出せず一度は諦めていました。
それから1年ほど経った6月のある日、松江さんの監督作である「フラッシュバックメモリーズ 3D」のアニメパートの編集作業中に「次はどんな作品を作ろうか？」という話題になり、僕は長編アニメーションに挑戦したいという思いを伝え、「音楽」はできないだろうかと提案してみました。
この時はネックであった”音”に関しては制作を進める中で生まれてくる”音”がアニメーション映画「音楽」で鳴るべき音になるだろうと自分の中では解釈するようになっていました。
松江さんはすぐに賛同してくれてプロデューサーを買って出てくれました。その場で大橋さんと九龍さんに電話で許可を取り、1年以上模索していた企画がこの瞬間スタートしました。
時間にして10分ぐらいの出来事だったと記憶しています。

映像化不可能とまで言われた「音楽」を自主制作で長編アニメーションにするという試みだけでも、相当ハードルの高い企画だと思うのですが、僕は高いハードルをもう一つ、作品内に入れることにしました。
そのもう一つのハードルこそが、この作品最大の魅力になっていると確信しています。

■「音楽」とは？
原作は「シティライツ」などで知られる大橋裕之が２００５年に自費出版にて発表した作品で、２００９年に太田出版から発売された単行本「音楽と漫画」に収録された漫画「音楽」を元に、２０１２年岩井澤健治監督がプロデューサー松江哲明らとともにアニメ映画化を発表しました。
▶大橋裕之のDIYロックマンガ「音楽」アニメ映画化決定

--------あらすじ--------
楽器を触ったこともない不良学生たちが、
思いつきでバンドを組むところから始まる【ロック奇譚】
 　
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■無謀にも長編アニメーション映画を6年作り続ける男
２０１２年６月から企画がスタートして監督を中心に少人数での制作に既に６年を費やし、今年の６月で制作開始から７年目に突入いたしました。
この間、制作中断ということは一度もなく、今も監督は作業をコツコツ進め完成への長い道のりを歩んでいます。

　

日本の劇場用アニメーションは、本来スタジオ主導で数千万〜数億の予算をかけ1年〜３年の期間で数百人のスタッフの手によって作られていますが、コストと時間が膨大にかかるため、テーマや内容もヒットが約束されるマーケットを意識した作品が多くを占めています。

それは同時にアニメーションの可能性を狭め、多種多様な表現が可能なアニメーションの魅力を十分に伝えることができていないのではないかと考え「音楽」のようなミニマムな作り方でしか表現できない様なアニメーション作品を制作しようと、自主企画自主制作で資金調達もスポンサーや制作会社を介さず、監督の手の届く範囲で行ってまいりました。

　

本来、アニメーションは分業制になっており、各セクションに多くのスタッフを配置していく制作スタイルですが、そこは予算との兼ね合いになっていくため、極少数のスタッフワークでの制作による「音楽」は監督も同時に作画、美術、原画動画の約半数、2万枚以上も自ら手がけています。
アニメーション表現、映像表現の新たな試みを実現させるため、監督自身が強い意志のもと企画制作している渾身のアニメーション映画「音楽」の制作もあと残り少しとなりました。

現在、再び監督1人での作画作業となっている制作環境のため来年完成させるためには現時点では難しい状況です。

そこで今回のクラウドファンディングにて皆さまのお力添えいただけると完成までのスピードアップとクオリティの向上に繋がります。

■支援形式と資金の使い道

自主制作長編劇場用アニメーション映画「音楽」は、２０１９年春完成を目指し、３５０万円を目標に、まずは映像完成に必要な「作画、美術、仕上げ、編集、撮影」の残り作業に使わせていただきます。
さらに目標金額に達成した後は、ストレッチゴールを設定、最終目標の５００万円にて、完成を目指します！劇場公開作品として必要な「キャスト、音楽、音響、宣伝等」の費用として使わせていただきます。
今回のプロジェクトは２０１９年の劇場公開へ繋げていきたいという強い思いで、クラウドファンディングに望んでいます。

　

■作品のこだわり・ロトスコープ
近年ではアニメ映画「花とアリス殺人事件」やTVアニメ「惡の華」などで用いられた手法で、古くはディズニーアニメの創世記のころから使われていました。

実写の動きをトレースすることで、アニメーションの動きがよりリアルに生々しくなるのが特徴です。

「音楽」ではこの手法を使いつつ、キャラクターへのデフォルメを施し実写的な動きや演出を取り入れています。

そして最大の特徴が背景動画と呼ばれる画面に映る全てを1枚の絵の中に描き込み動かしていく手法で、音楽では実に65カット以上の背景動画を使用しており、本編を盛り上げる大きな見せ場となっています。

　　

さらに、本編劇中でのライブシーンを実現するため、実際にステージを組み観客を集めて『野外ライブ』を開催したのも、すべてはこのロトスコープの表現を最大限活用するためでもあります。

　　　　　

▲フェスシーン撮影の様子
フェスシーンは2015年9月に埼玉県深谷市で行われ、フェス開催前日に監督とスタッフ総出でステージを設営。

▶大橋裕之ロックフェス開催、アニメ映画「音楽」のクライマックスを撮影
 

・70分作画枚数約4万枚超！？
現在の長編アニメーション制作において、小規模体制で【70分作画枚数約4万枚！？】を超えるパーソナルな自主制作アニメーション映画は存在しないと捉えています。
このプロジェクトを完成に持っていくことで、今後の映画さらにはアニメーションの可能性を広げたていくきっかけになればと考えています。



■スタッフ紹介
【監督・脚本・作画・美術】
・岩井澤健治　https://twitter.com/iwaityawa
1981年東京都生まれ。高校卒業後、石井輝男監督に師事、
実写映画の現場から映像制作を始め、その傍らアニメーション制作を始める。
2008年に初のアニメーション作品「福来町、トンネル路地の男」が完成。
以後、アニメーションを中心とした短編映画の制作を続けた後、2012年より自主制作長編アニメーション映画「音楽」を制作中。

▶▶▶メッセージ◀◀◀

6年間を振り返ってみると自分でも引くぐらい、相当長かったですが、ようやく完成が見えかけてきました。あともう少しなのですが、ここからもう一山あると思います。素手で登ろうとしましたが、ちょっと待てと止められました。ここまで意地になって頑張ってきましたが、最後は皆様のお力を借りて完成まで確実なルートを辿って行こうと決めました。この6年間で精根尽き果て気味ですが、作品の完成を皆様と一緒に見届けられたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【原作】
・大橋裕之　https://twitter.com/osirioisosiru
1980年、愛知県生まれ。漫画家。2005年、自費出版誌『謎漫画作品集』を発表。2010年〜2012年、『モーニング・ツー』にて『シティライツ』を連載。単行本に『音楽と漫画』（太田出版）、『シティライツ』（講談社）、『夏の手』（幻冬舎）などがある。
▶▶▶メッセージ◀◀◀
「音楽」はどうなってるのか？と聞かれる度に、もうちょっとで完成が見える・・・と説明してきましたが、本当にもうちょっとになりました。岩井澤監督が狂いそうになりながら作った作品を早く観たいし観せたいです。
どうぞよろしくお願いいたします！


【プロデューサー】
・松江哲明　https://twitter.com/tiptop_matsue
1977年、東京生まれの“ドキュメンタリー監督”。99年、日本映画学校卒業制作として監督した『あんにょんキムチ』が文化庁優秀映画賞などを受賞。その後、『童貞。をプロデュース』『あんにょん由美香』など話題作を次々と発表。シンガー・ソングライター前野健太を撮影した2作品『ライブテープ』『トーキョードリフター』や高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者、GOMAを描いたドキュメンタリー映画『フラッシュバックメモリーズ3D』も高い評価を得る。2015年にはテレビ東京系ドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』の監督も山下敦弘とともに務める。
▶▶▶メッセージ◀◀◀
まずはお詫びをさせてください。
こんなにも長く発表まで時間がかかってしまったことと、クラウンドファンディングはやらないと決めていたにもかかわらず支援をお願いしていることを。

2012年、『フラッシュバックメモリーズ 3D』のアニメーション部分を制作中、岩井澤監督と「『音楽』ってアニメーションできますかね？」と話してて、その場で大橋さんに電話をし、当時は「『山（岩井澤監督が制作した大橋さん原作の短編）』のような動く紙芝居みたいなアニメーションになったらいいな」と考えていたのが、まさかの6年。そして、きっと完成まではもう1年。こんな状況になると分かっていたら…「無茶だね」と笑って終わっていたでしょう。
僕のアニメーションに対する知識のなさが、現状を招いてしまってしまい、岩井澤監督と大橋さんにただただ申し訳ないのですが、やっと、やっと完成が見えました。
なのでもう一息のラストスパートだけはクラウドファンディングという形でご協力を願おうと、決意しました。
ここで今までのペースで進めていくのは、制作体制的にも難しいだろう、という判断です。

制作開始時は単館レイトで1、2ヶ月上映してトントンになればなと、それまでの僕の上映経験が生かせればと考えていましたが、今は映画館の状況だけでなく上映形態自体が変わってしまいました。
例えば『音楽』が完成したら上映して欲しいな、と考えていた映画館のひとつである吉祥寺バウスシアターは閉館しています。
もしかしたら当時、僕がやっていた映画館自体と密に関わり、上映を展開させていたようなことは難しいかもしれません。
それでもいくつか考えている案はあります。
岩井澤監督が制作に費やした6年（現時点で）をどうにか爆発させたいのです。

この6年、岩井澤監督が描いた『音楽』をちょびっとづつ観てきましたが、「こんな映像は観たことない」と毎回、驚かされてきました。
この「びっくり」が、僕の『音楽』のプロデューサーとしての原動力です。
「いつかスクリーンでたくさんの人と共有したい」と。

僕が知る、まだ世に出ていない最後の天才が岩井澤健治監督です。
『音楽』が彼の才能の全てが注ぎ込まれた作品であることは間違いないです。
それが最上の形で、世界に、そして観客に届くことを願っています。


・九龍ジョー　https://twitter.com/wannyan
ライター、編集者。主にポップカルチャーや伝統芸能について執筆。著書に『メモリースティック　ポップカルチャーと社会をつなぐやり方』（DU BOOKS）など。その他、編集を手がけた書籍多数。本作の原作となる大橋裕之『音楽と漫画』（太田出版）の担当編集者でもある。
▶▶▶メッセージ◀◀◀
音楽が鳴る、そのおおもとにある衝動を音楽のように描くこと。
漫画であればこそ可能だったこの離れ業を、アニメーションで実現するなどというのは、初めから無謀すれすれの試みでした。
しかし、岩井澤監督がそのキャリアと人生を懸けて仕上げてきたフッテージを見て驚きました。
たしかに音楽そのものが、何かに突き動かされるように暴れ回っていました。
アニメーション映画「音楽」、あともう一歩です。
どうか皆様のお力を貸していただけないでしょうか。
このままいけば看板に偽りなく、新しい音楽映画の傑作が誕生するはずです。
ぜひその瞬間に立ち会っていただきたく、心よりお願いする所存です。
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■リターンの内容について
支援者の皆さまには以下のリターンをご用意しています。

①「音楽」制作裏側を描くエッセイ漫画etc
岩井澤監督描き下ろし「音楽」制作裏側を描くエッセイ漫画とクラウドファンディング後の制作現場報告を「音楽ができるまで便り」計3回に分けてpdfデータをメールにてお届けします。漫画は4P×3回全12ページを予定しています。

②スペシャル小冊子
「大橋裕之描き下ろし「音楽」外伝マンガ＆アニメーション設定資料＆スペシャル対談」九龍ジョー責任編集
「音楽」原作者の大橋裕之描き下ろしによる外伝マンガ16ページ、岩井澤健治監督によるアニメーションの設定資料と「音楽」まつわる関係者のスペシャル対談など全32ページ！

③スペシャルDVD
「大橋裕之のアニメーションなど作品集（監督・岩井澤健治）」
●収録作品
・「山」2010年制作／9分  
大橋裕之原作漫画「山」を完全アニメ化。今回が初DVD化で無料ネット配信もしていないので、このDVDさえあればいつでも観ることができる！

・「太郎は水になりたかった」2018年制作／3分  
2011年に作画のみ終わっていたもの。しばらくの間寝かせて熟成させた幻の作品。今回のDVD収録のため特別に完成版に仕上げて収録できることになりました。

・「川」（紙芝居実演を動画撮影したものを収録予定）約5分
「山」の前日譚、川での話を岩井澤監督がオリジナルストーリーにて強引に紙芝居化。原作者の大橋裕之さんの許可を取ったとか取っていないとか。

▶紙ジャケット スリーブ仕様
紙ジャケット両面にDVDオリジナルデザインを贅沢にシルクスクリーン印刷！
岩井澤監督による全作品”激”解説ライナーノーツ封入！

④エンドロールにお名前掲載
金額のコースによりエンドロールのクレジットされる順番、大きさなどが異なります。ニックネームなども可能です。

⑤スペシャル上映報告イベント（東京近郊予定）
ストレッチゴールの500万円を達成した場合はキャストや音響などグレードアップした劇場公開作品として上映いたします。

350万円を達成の場合も完成品として遜色ない形で上映いたします。

⑥打ち上げ参加（東京近郊予定）
上映会後の打ち上げに参加できます。監督、原作者、スタッフの方々との交流、裏話など、ここでしかできない話が聞けるかもしれません！

★本人が出演
本人が「漫画のキャラクター」または「劇中のアニメキャラクター」になって出演いたします。「漫画のキャラクター」は掲載誌、媒体など詳細はご本人にのみお伝えします。大橋裕之の漫画作品にそれぞれ限定4名様まで登場できます。
「劇中のアニメキャラクター」は、本編フェス映像の観客またはライブ聴衆として登場出演します！ご本人登場の原画もプレゼントいたします。

★本編に名前登場
本編映像内の背景ポスターまたは看板にて「社名」「店名」「団体名」等を限定4名にて掲載いたします。どこでどのようにでるかはご相談させてください。

※スペシャル小冊子とDVDの送料はリターンの金額に含まれております。
※上映会と打ち上げ及び本人出演動画撮影の際の施設までの交通費は支援者様のご負担となりますのでご了承ください。

皆さんのご支援を心よりお待ちしております！

©大橋裕之・太田出版／「音楽」プロジェクト